ロシア関連

噂されていたターミネーターの実戦投入、ロシア軍が使用したと発表

露国営メディアは18日、噂されていた戦車支援戦闘車両「ターミネーター2(BMPT-72)」がウクライナの特別軍事作戦で使用されたと発表した。

参考:Источник: российские военные применили на Украине БМПТ “Терминатор”

戦闘に使用されたとしか発表していないので、今のところターミネーター2の戦果や効果については不明

ロシア軍が開発した戦車支援戦闘車両「ターミネーター2(BMPT-72)」がルハーンシク州内を走行してセベロドネツク方向に向かっていると報告され、ウクライナ軍に対して実戦投入(2017年にシリアでISISを相手に実戦テストを行ったことはある)されるのではないかと噂されていたが、露国営メディアは18日「ロシア軍はウクライナの特別軍事作戦でターミネーター2を使用した」と発表した。

このターミネーター2は「対戦車兵器を使用する敵の歩兵から戦車を効果的に保護する」というコンセプトに基づき開発された戦車支援戦闘車両(BMPT)で、30mm機関砲×2門、7.62機関銃×1門、対戦車ミサイル×4発、グレネードランチャー×2基と電子光学センサーを組み込んだ砲塔をT-72の車体に載せたものだが、この対戦車ミサイルは成形炸薬弾ではなくサーモバリック爆薬を採用したタイプなので歩兵や塹壕を制圧するのに効果的だと言われている。

つまりロシア軍の戦術大隊が抱える欠点=敵の近接戦闘から戦車や装甲車両を保護する歩兵の数が少ないという問題を解決するのがBMPTで、シリアでの実戦テストを経て2018年に正式採用されたターミネーター2が直ぐに量産化されていればウクライナでの戦いで破壊される戦車の数が減っていたかもしれないが、結局ターミネーター2は初代と同じで少量の調達(数量不明/20輌程度という説もある)に留まっており、T-14の車体(アルマータ)を流用したターミネーター3の開発が進められているらしい。

出典:Kirill Borisenko / CC BY-SA 4.0

果たして正規軍相手に「対戦車兵器を使用する敵の歩兵から戦車を効果的に保護する」というコンセプトが通用したのか気になるところだが、露国営メディアは「戦闘に使用された」としか発表していないので戦果や効果については不明だ。

関連記事:ロシア軍のターミネーターがセベロドネツクに移動、いよいよ実戦投入か

 

アイキャッチ画像の出典:Telegram経由

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

日本が次期戦闘機を日英開発に転換した理由、米国が乗り気ではなかった前のページ

トルコとギリシャの攻防、米議会はF-16V売却を認める可能性が高い次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    米Google、ロシア国内の軍事施設が映る高解像画像を公開

    米Googleがロシア国内の軍事施設が映る高解像度画像を公開、空母アド…

  2. ロシア関連

    ロシア、トルコ向けに「カスタマイズ」した第5世代戦闘機「SU-57T」を提案か?

    ロシアはF-35プログラムから追放されたトルコに対し、SU-35を購入…

  3. ロシア関連

    ロシア軍の装備損失が3,000を突破、戦車や装甲車輌の損失は1,461輌

    軍事アナリストが運営するOryxは「ロシア軍がウクライナで3,000を…

  4. ロシア関連

    首都キエフのロシア大使館に続きオデッサの領事館でも機密資料を処分か

    首都キエフのロシア大使館に続きオデッサのロシア領事館でも資料焼却の様子…

  5. ロシア関連

    今月4件目の不祥事、ロシア海軍のコルベットと冷凍船がバルト海で衝突

    ロシア海軍のコルベットとマーシャル諸島船籍の冷凍船が22日、バルト海で…

  6. ロシア関連

    ロシアも戦闘機に小型無人航空機を統合、Su-57のウェポンベイにライトニングUAVを搭載か

    ロシアの第5世代戦闘機Su-57はウェポンベイに複数の小型無人航空機を…

コメント

    • うし
    • 2022年 5月 18日

    車両一つが新型になったところで、
    結局、制空権とか、敵から探知されにくい戦術とかそういう状態抜きに、
    ただ突っ込むだけなら、今のロシア軍がアメリカのM1戦車に乗ったところでダメな気がする。

    36
    • 戦略眼
    • 2022年 5月 18日

    投入が遅過ぎる。
    ロシアは何やるにしても、中途半端。
    何をしているのかなる

    12
      • 四凶
      • 2022年 5月 18日

       保有数がT-90Mレベルでしかないから広い戦線に投入しても焼け石に水。戦車の保護というより投入する戦力不足の可能性が大じゃないかな。

      30
    • 折口
    • 2022年 5月 18日

    おぉ壮観…
    BMPTはBTGのMBT2両につき1両配備(これで装甲車両定数が増えるのか既存のMBT枠を1/3食うのかはわかりませんが)という事だったので、一つの火点に対して5両程度いっせいに襲いかかってくるというのは全然ありそうですね。コンセプト的にも技術的にもそんな新しい部分がないのは確かですが、同クラスの火砲を搭載し歩兵に随伴する遠隔操縦の無人車両は西側でも研究されているので、あらためてこのカテゴリがどこまで白兵を変えるのかは要チェックですね…

    15
    • や、やめろー
    • 2022年 5月 18日

    まあ、すぐジャベリンにやられるんだろうなぁ。

    20
      • えっくす
      • 2022年 5月 18日

      携行対戦車ミサイルが貴重で他の装甲車両を無視して必中を期して歩兵が戦車に肉薄するってんなら十分効果のある車両だとは思うけど、ジャベリンをはじめ山ほど携行対戦車ミサイルが送られてる戦場では…。

      14
    • 無能
    • 2022年 5月 18日

    戦車や高度な教育が必要な戦車兵が不足するならいざしらず
    そもそも何で歩兵が不足するんですかね?

    15
      • k.ziro
      • 2022年 5月 18日

      そりゃ構成国の格下国の兵隊が歩兵にされていたからですなあ

      12
      • 伊怜
      • 2022年 5月 18日

      BTGの編成自体、地域紛争に特化した編成だからだよ。シリアなどの地元軍や親露派民兵、国内軍などの治安部隊を歩兵として使うことで安上がりで小回りの利く編成になってる。
      なので今回のような正規戦争ではBTG以前の編成よりも力を発揮できない。

      18
      • 無能
      • 2022年 5月 18日

      うわぁ…としか言い様の無い格差ですね

      砲兵が耕し砲兵が刈り取る
      基本中の基本をおざなりにしてれば、満足な戦果が得られないのも納得です。

    • もり
    • 2022年 5月 18日

    やはり機関砲搭載車両は美しい
    自衛隊は陸海空全てに於いてGUN戦力に乏しいので羨ましい限りだ

    2
      • や、やめろー
      • 2022年 5月 18日

      海上自衛隊にgun能力ってなに?ファランクスCIWSのこと?あと、航空自衛隊は、戦闘機にgun能力付いてなかった?チヌークとかもgun機能つけれたはずだけど。

      13
        • h4
        • 2022年 5月 18日

        軍事用語でgunと言ったら砲のことなので(gunner = artillery)艦砲のことかもしれない。語が曖昧過ぎて知らんけど。

        6
          • や、やめろー
          • 2022年 5月 18日

          艦砲なら、海上自衛隊の必要な艦船には全部ついてる。よって海上自衛隊のgun能力は、足りている!

          5
        • 匿名
        • 2022年 5月 19日

        海自の場合だと、海賊対策とかの重機~機関砲かな?
        あるのは、12.7mmと、あとファランクス位ですよね?

          • や、やめろー
          • 2022年 5月 19日

          正直大体のやつはCIWSで解決できるような気が….

          1
    • 戦車を守る
    • 2022年 5月 18日

    戦車を守る為の戦車ってのも妙だが…
    近代戦はロシア軍も歩兵の命が貴重になってるみたいだし、そういうコンセプトなのかな?
    しかし、もとがT72ならびっくり箱しないだけで弱点は同じ!?また、ジャベリンにカモられるんじゃねえ?

    2
      • 無無
      • 2022年 5月 18日

      兵士のいのちを守るというか、この戦争始まってるのに徴兵拒否だの脱走兵の噂に事欠かないのは、もうロシア国民に対して過去のような農奴感覚で使い捨てるのが難しい段階になってると思う、捨て駒にされるのに志願するほどバカはいない、無人化はその回答でしょう
      ロシアの若者は充分に現代人の感覚をそなえ、プーチン体制のおかしさにも気がついてるんですよ

      17
        • 戦車を守る
        • 2022年 5月 18日

        確かに…
        機械なら戦争はしたくないとか言わないものね…
        戦車に母の会はねえし(笑)

        2
        • 匿名
        • 2022年 5月 19日

        ロシアは、戦時に移行出来なかった影響で﹙法律的には平日の扱いのため﹚、

        ・軍隊や国家警備隊などの契約社員は、ただ仕事を辞めることができる
        ・ウクライナで戦うことを拒否した兵士は、解雇される可能性があるが、起訴されることはない
        ・戦闘拒否で刑事事件になるような法的根拠はない
        ・それらを認識した兵士たちは、将校にノーと言う

        といったい話があります。

        3
      • 名無しさん
      • 2022年 5月 18日

      行動の自由が効かず死角の多い市街地戦などでは戦車は携行型対戦車兵器の
      進歩と普及でそれを持つ歩兵の近接攻撃に対して脆弱となりました。
      その為の露払いとして随伴歩兵がいますが、今の戦車は機動力が高く歩兵が
      徒歩で戦車に随伴し続ける事は困難で、かつ、生身の歩兵は攻撃を受けると
      戦車と一緒に前進が出来ずに分離させられる事も多くて戦車が単独行動に
      なりがちな要因となりました、かといって歩兵戦闘車や装甲車に乗って戦車
      に随伴するとその車両自体がRPGなどの標的になりかねません。
      これ以外にも、現代戦車の主砲ブラストは非常に強烈で、車体全周に貼られた
      ERAも作動すると近隣にいる味方歩兵に危害を及ぼす為、現代の戦車は歩兵が
      密接に随伴して歩戦協同な行動を取る事が困難なのです。
      ロシアはチェチェン紛争での市街地でその様な理由から歩兵の掩護を受けられず
      に単独行動になってしまった戦車がRPGを持ったチェチェン兵により大損害を
      被った戦訓から、自身も相応の防御力を持ち、対人戦闘用の武装を主にして戦車
      に随伴して歩兵掃討の役割を担う対人装甲戦闘車として本車を開発したのです。

      2
    • うし
    • 2022年 5月 18日

    これがあればドネツの渡河が成功したかといえば、Noだよな。
    マクロ戦略のミスを新兵器一つでひっくり返せるとか思うなよw

    22
    • 名無し
    • 2022年 5月 18日

    撃破される映像が公開されるまでそう時間はかからんと思うわ

    24
    • 2022年 5月 18日

    イマイチ分かりにくいドクトリンの兵器だわな。
    歩兵を叩くには歩兵を使わないと、”目”そのものは戦車とほとんど同じだし、火力を考えれば歩兵戦闘車は劣ってはいるが、搭載する歩兵を考えればあちらの方法が優位だろう。

    5
      • 名無し
      • 2022年 5月 18日

      シリアの市街戦で、立て籠もる敵歩兵を「撃たせて取る」から、戦車の装甲はいるけど、武器は戦車砲ではなく連打できるやつがいい、という戦訓で作ったやつですね。
      歩兵戦闘車というより、装甲モリモリのシルカは市街戦で便利、といったほうが分かりやすい。
      そしてコンセプトはわかるが、ネーミングセンスは分からない。。。

      16
        • 戦略眼
        • 2022年 5月 18日

        何れ、無人化するのだろう。

        3
          • 匿名
          • 2022年 5月 19日

          そして反乱される、と。

    • A
    • 2022年 5月 18日

    いろいろと噂されていますがすぐに化けの皮が剥がれるんじゃないかしらん?

    4
    • ななし
    • 2022年 5月 18日

    動画の方でも車両前面のマーキングがZじゃなくVなのは所属が違うとかなんでしょうかね?

    4
      • 干物
      • 2022年 5月 18日

      V はロシア海軍歩兵隊のマークですね。

      7
    • ロゴジン
    • 2022年 5月 18日

    市街戦用のAFVがセベロドネツクに投入されるのは別におかしくないですが、ここまで遅きに失したのは量産がうまく行っておらず、従って部隊運用のノウハウも確立されていなかったからだと思います。BMPTは外部監視用のセンサーを詰め込んでいるので制裁で一気に量産がストップしてしまったんでしょう。特に自動化を進めて乗員を減らした最新のBMPT-72は尚更です。運用が適当で数を揃えられなければT-72/90ベースで主砲を機関砲に換装した戦車モドキに過ぎず、戦局には殆ど寄与しないでしょう。

    9
    • Koji
    • 2022年 5月 18日

    「V」とペイントされているのは、露軍の「海兵隊」所属車である。
    「Z」とペイントされているのは、露軍の「東部軍管区」から来た車両だ。
    四角枠の中にZとペイントされていれば、それは「南部軍管区(クリミア)」から来た車両だ。
    「O」とペイントされていれば、それはベラルーシから来ている。
    「X」とペイントされていれば、それはプーチンがチェチェンに育成したカディロフ軍閥の差し出した車両。
    「A」とペイントされていれば、それは露軍特殊部隊SSOの所属だ。

    41
      • ななし
      • 2022年 5月 18日

      なるほど、ありがとうございます。

      4
    • L
    • 2022年 5月 18日

    多砲塔戦車と同じ匂いがするんだよなぁ
    根本的に薄く広い歩兵の汎用性が戦車を守っているのであって、戦車を支援する専用車両を置いたところで変わりにはならない気がする
    ソ連伝統の歩兵の使い捨てを辞めたらどうかな笑

    9
    • sundaycameraman
    • 2022年 5月 18日

    使うとしたら森林地帯のキーウ周辺でしたね。
    ウクライナ軍にNATOからの榴弾砲が届いたようだし、平原地帯の東部で投入しても無人機で監視されて榴弾砲による間接射撃でお陀仏ではないですかね。

    6
    • 歩兵が貴重
    • 2022年 5月 18日

    戦争を止めて撤退すれば戦車も歩兵も失わなくて済むじゃねえか?
    ウクライナは何年でも何万人の国民が死んでも国土を取り戻す為に戦うって決めてるんだから、そんな相手に勝ち目なんか有るかよ。

    18
    • 成層圏
    • 2022年 5月 18日

    普通にジャベリンの餌食と思う。

    自分は犬型ロボット(電動)に7.62㎜機銃をつけたのがウジャウジャいる方が怖いと思う。
    小さくて攻撃しにくいし、生理的にもすごく怖いと思う。

    戦車の500㎡~1㎞先くらいを一両に付き10~20匹くらいで。

    10
      • 匿名
      • 2022年 5月 19日

      >小さくて攻撃しにくいし、生理的にもすごく怖いと思う。

      その用途なら、黒光りしたGをモデルにした方が良いかも。
      使用する方にも精神的ダメージをあたえる可能性もあるけど。

    • WXY
    • 2022年 5月 18日

    関係ないけど日本では露助はクマーだけど
    他国ではオークなんだな(笑)
    確かにリアルの露助とかクマー的な
    かわいさとか皆無だわ。

    3
      • 匿名
      • 2022年 5月 19日

      >他国ではオークなんだな(笑)

      WW2などの伝聞にある女性への蛮行などは、なろう系のオークな印象ですね。

      1
    • おっさん
    • 2022年 5月 18日

    敵の火点つぶしに特化してるのだろうけど、火点がわからないまま対戦車火器に撃たれてる状況には対応できないんじゃなかろうか。ことに打ちっぱなし火器相手じゃ火点わかったって遅いし。
    結局目ン玉が車上のセンサーだけだから後手後手になりそう。
    市街戦で危なそうな所に機関砲ぶち込みながら前進するには良いんだろうね。開けた所ではどうなるか。

    7
    • AAA
    • 2022年 5月 18日

    射程が数百mで直射しかできない安物対戦車兵器しか持ってない歩兵相手になら活躍するんじゃないか
    ウクライナは高級品のジャベリン撃ちまくるけどね

    1
    • 名無しさん
    • 2022年 5月 19日

    NLAW、カールグスタフ、パンツァーファウスト3を持つ歩兵には脅威でしょう
    そもそも自国製RPGを持って近接攻撃してくるチェチェン兵に悩まされた経験
    から作った戦闘車なので。
    歩兵制圧の戦闘距離としては副武装の機関銃やグレネードと併せて800m程度を
    想定している様に思います。
    それ以上の距離になったら位置特定さえ出来れば戦車の主砲でもやれますからね。
    そっちは本車よりもドローンや無人機との連繋の方が鍵になるでしょう。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
  2. 米国関連

    本当に笑えない、米空母ジェラルド・R・フォードを苦しめるエレベーターの呪い
  3. 欧州関連

    再掲載|英海軍の闇、原潜用原子炉の欠陥と退役済み原潜の処分費用
  4. 日本関連

    国産防衛装備品の海外輸出が実現!フィリピンが日本製警戒管制レーダー「J/FPS-…
  5. 欧州関連

    再掲載|導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
PAGE TOP