ウクライナ軍参謀本部は21日、海外からの輸入に依存していたコンポーネントが入手できなくなったロシアの戦車製造工場が「操業を中止した」と明かした。
参考:В России остановился единственный завод, где собирают танки
参考:Єдиний у РФ виробник танків – “Уралвагонзавод” зупинив роботу через брак комплектуючих
ロシア軍にとって手持ちの装備の損傷は「装備の損失」と同義なのかもしれない
ロシア軍向けと海外輸出向けに戦車の最終組み立てや装甲車輌の製造・修理を行なっているウラルヴァゴンザヴォートやチェリャビンスク・トラクター工場が「海外からコンポーネントが入手できなくなったため操業を中止している」とウクライナ軍参謀本部が発表した。

出典:Kremlin.ru / CC BY 4.0 ウラルヴァゴンザヴォートの工場を訪問したプーチン大統領
ロシアが入手出来なくなったコンポーネントが何なのかは不明だが、ウクライナのディフェンス・メディア「DEFENSE EXPRESS」は近代化されたロシアの戦車に使用されている射撃管制システムについて「クリミア併合に伴う制裁以降、ロシアはベラルーシ経由でフランス製赤外線装置を入手していた」と指摘しているのが興味深い。
次期主力戦車T-14の量産化が遅れている要因の一つにも「国産化に手間取っている前方監視型赤外線装置(非冷却マイクロボロメータ)」が含まれており、入手できなくなった各コンポーネントの代替品開発も「時間」さえかけることが許されるなら解決可能な問題だが、短期的にはロシア軍の新規調達や損傷した装備の修理に大きな影響が出るだずだ。

出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY SA 4.0 T-14
つまりロシア軍にとって手持ちの装備がウクライナで損傷し「海外製コンポーネントの交換が必要なら実質的に装備を失うのと同義」という意味なのかもしれない。
果たしてロシアの装備製造を止めてしまうほどの海外製コンポーネントとは一体何なのだろうか?
因みにウクライナ軍参謀本部は「ロシアは戦闘で損傷した車輌を修理するため国内から技術者と設備を持ち込んで修理拠点を占領地域に設置した」とも述べており、ここを攻撃して潰せればロシア軍の苦境を更に悪化させることができるだろう。
追記:ウクライナ地域で活動するロシア軍の平均的な食料と弾薬の在庫は3日分で、燃料についても状況は同じでタンクローリーで補給を続けているとウクライナ軍参謀本部は指摘しており「まだロシア軍は戦闘部隊のニーズを満たす兵站構築が出来ていない」と述べている。
関連記事:ロシア、トラブルが解消した主力戦車「T-14」の大規模量産を開始
関連記事:T-14の量産が遅れるという報道をロシアは否定、予定通り年内に引き渡されると明言
※アイキャッチ画像の出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY SA 4.0
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赤外線やレーザー検知器は日本の戦車もフランス製使ってましたよね。あとはFCSに連接してる環境センサーとか、FCSを構成するヴェトロニクス筐体まわりそのものとかですかね。戦車砲って発砲時に凄まじい電磁ノイズ出すらしいので、そのすぐ横で稼働できるコンピューターを自前で作るのはかなり大変らしいですし。さすがにエンジンやトランス周辺の機械部品は完全国産化しているんでしょうけども…
メーカーも輸入部品使わず国産化目指すもミンスに事業仕分けされっから価格面で優位なの採用したが競争入札大正義時代終焉でどうかは知らん
開発期間から圧縮し量産時も安く素早く納めるの最優先のモデルケースというとMCVだけどあれの生産期間が異常に短いのもそういう理由だね
でもそれMBTでないからそうなだけでMBTは別という判断まだある
10式戦車に搭載されているレーザー警戒システムは、米国のGoodrich社のModel301MGですよ。
これは、同社が製造しているヘリコプター用のAN/AVR-2Bの車両版と思われます。
また、10式戦車の砲塔の後部には起倒式の環境センサーが搭載されていますが、搭載されているのはフランスのTHALES社製のMetsmanと呼ばれるモデルです。
10式戦車のIRカメラやFCSを構成するベトロニクス筐体まわりそのものとかが、フランス製だという情報のソースを教えてください。
そんな情報は、これまで聞いたことがなかったので。
追加の解説ありがとうございます。
最初の一文以外は記事主題、つまりロシアの車両のうち国産化できていない部品についての話です。読みづらかったら申し訳ない。
4Kカメラだと国内の業務用を作る会社が作っている。当然振動とかの対策をしたスペシャル品。10式は国産率が高い最後の戦車と三菱が言ってたような気がするな。
ロシアは制裁されても自給自足と中国の支援で何とかなるとは何だったのか・・・
この戦車の生産や修理ラインは、西側の制裁が始まった時点で中国が全面的に協力しなければ、早晩行き詰まると読んでいたけど、思ったより早く来たなと。
まだウクライナの飛ばし記事の可能性があるとはいえ、遅かれ早かれ直面する問題だからどうやって解消するんだろうかね。中国も表立って支援はできないから、ペースに限界はあるだろうし。
どこで中国の援助が開始されるか、だねぇ…
中国からしてみれば、ロシアがいなくなれば、中国一国のみで西側と対峙しないといけないという事態だけは避けたいだろうから。
プーチンが失脚しても、後継がそのプーチンがしてきたとおり、西側と対峙してくれれば良いけれど、西側寄りになって中国と対峙してくるなんてなった目も当てられない
なので、制裁をうけてでもロシアへの支援を開始するタイミングが来ると見るのが妥当でしょう
そもそもロシアって軽工業・重工業・電子産業全てが弱い国ですし、、
資源と農産物はあるけど、それも維持するには海外からの技術に依存してるので
制裁されてからは石油・ガスの生産設備は増産も出来なくなってる(需要はあるのに増やせてない
派手に宣伝されてる軍事技術以外では、どれも基礎技術が足りてない国
オーストラリアとかに近い資源・農業国ってのに近い
あんま当たらんPGMの程度では成立しないAPSは内製化が進んでないから戦時急造で既存AFVに適応化が無理となると反応装甲の大増産で対応ですかね?
しかしそれでは西側軽ATMでやはり潰されるので内製可能なローテクでももしかしたら使えるかも知れないシュトーラの再登場とかあるかも知れないかな
戦前の戦車の「保有数」が本当なら今の消耗数なら全く問題ないはずだが。はてさて?
現代化がこれっぽっちもされてないT-72の初期型が投入されてるくらいですから、改修済み最新型はもう厳しいのかと思われますですハイ・・・
近代化改修済は、NATO正面に固定じゃないの?
ロシア軍の更新状況に関してはこれが興味深いです↓
リンク
簡単な整備で復帰できる状態でIS-3が保管されてて、それも保有数にカウントされてると聞いたことがあるような
気のせいかもしれない
IS-3とかT-10好きだから一両位買えないかな…
ロシアは食糧やエネルギーは自給可能でも、軍用品を自給できないのは多数の欧米高級紙でも指摘されている。ここで挙げられているように通信機器やセンサー類など半導体が必要な情報処理コンポーネントもそうだし(ロシア国内のFabは西側の20年前相当、120~200nmプロセスしかない)、普通のIMVクラスの装輪車でボッシュなど一般自動車メーカーのパーツも多く使われているようだ。
この10年で戦争・制裁を見越して法律で内製化を進めていたらしいが、一方で西側の兵器に対抗できる性能を要求されると、どうしても西側のコンポーネントを使わざるを得ず、輸入パーツを国内で二次加工して国産品という名目で納品していた、というのが実情のようだ。
ロシアには禁輸措置がされてるけど、食料やエネルギーなどは自給できるからライフラインに影響が及ばない一方、軍需品は確実に締め上げられているので、結構機能的な、「軍事狙い撃ち」が成立している制裁ではないかと思う。
>この10年で戦争・制裁を見越して法律で内製化を進めていたらしいが、一方で西側の兵器に対抗できる性能を要求されると、どうしても西側のコンポーネントを使わざるを得ず、輸入パーツを国内で二次加工して国産品という名目で納品していた、というのが実情のようだ。
こういう話だったのか
ただのロシアの半導体産業についての話かと思って深く考えてなかったわ
想像ですが「農機具」によっては育てることのできる作物が減るかもしれませんね。
また、石油関連製品が輸出禁止になっているそうなので、代替を探すか作るしかなさそうです。
諸々、ベラルーシをどこまで締め上げるかで変わってきそうですが・・・一般人には西側のサービス停止がいちばんキツそう
石油を含む鉱業に関しては、老朽化した掘削・精製設備の更新が西側頼みになるのではないか、というのがWSJで指摘されてますね。
類似例で、チャベス時代のベネズエラで西側の石油会社の設備を接収・国有化した上で設備のメンテナンス料の支払いを怠った結果、2015年まで250万バレル/日前後あった産油量が徐々に落ち込み、2020年ころに36万バレル/日まで下がった(ただし制裁の影響あり)ことがありました(現在は50万バレル/日前後)。
多分同じ連ツイを見てたんだと思うけど、プロセスルールだけで判断するのはそれはそれで危ないと思うの
まずプロセスルール自体、ベンダーの中での指標でしかなくて微細化で遅れを取ってると言われてるIntelの10nmプロセッサはArm系プロセッサの7nm相当だと言われてるし(とはいえ、最新世代は5nmとか行ってるから遅れてるのは事実だけど)
そもそも、処理速度より出力やノイズ耐性を求められる分野では無理に微細化しないという選択肢が当然あるのでそれ単体で◯年遅れ、というのは誤解の元かと
TSMCが製造を請け負っていたロシア製のCPUは28nmノードだったそうで
プロセスルールだけ見てもロシア内のFabの実力はおおよそ見当つくと思います
ロジックIC用プロセスだと、たしか
富士通が京専用(笑)45nmで撤退、東芝が45nmで撤退、ルネサスが遅れに遅れて40nm
日本も西側から10年以上遅れてます
自慢の軍の近代化もストップか
ロシアの今までの30年、これからの30年、ぜーんぶぶち壊したプーチンはまさに破壊者
戦争に勝てさえすれば、ロシアがルールを作る機会も得られるから…
ウクライナの敗北、それすなわち今までの西側が築き上げてきた秩序というルールの崩壊を意味する
ロシアは、ひいてはプーチンは自分で自分のためのルールを作りたいんだよ
今だから言えるけど
> 戦争に勝てさえすれば
って、メチャクチャ難易度高かったね
48時間で終わる戦争に云々言ったドイツの外務省の人の話が話題だけど、実際48時間で戦争終わってたら日本じゃなくても「遺憾の意」で終わってだろうけど
異様な速度の侵攻だったイラク戦争のアメリカでももっと時間かかったし、それですら補給が間に合わなくって進軍止まることがあったくらいだし
負ければプーチンの居場所は世界にはないからね。
勝てさえすれば、居場所は自分につくれる。
あと、これ、誰も指摘してないから言うんですけど、
ウクライナのここまでの善戦がロシアにとっての大誤算だというのはよく言われるんですけど、
誤算を与えたのは「ロシアにだけ」はでなくて、「世界に対して」という視点も必要だと思う
アメリカはこれだけウクライナが善戦するということを考えていなかった、だからバイデンの抑止発言がちぐはぐなのも、軍事介入しないことの一貫性が「最初から強すぎた」のもその表れなんじゃないかって。
EUの大国がウクライナへの支援を開戦前に、負ける国だからといって断っていたなんて報道がでたのも、その染み出しなんじゃないかなと
ロシア議会政党の選挙公約調べてみ?
ガチでプーチンがめちゃくちゃマトモに見えるレベルだから
極右政党なんかアメリカと欧州と各地の米軍基地に核撃ち込む公約とかしてるナチスもビックリなやべー集団まで居るぞ
そりゃまともな候補はみんなプーチンが殺しちゃいましたからねえ
プーチンがそうなるように仕向けたとも言える
これ、T-14にとっては致命的では?
致命傷ですね。
T-72の車体に新型の大型砲塔の組合せになるんじゃないかな。
T72に新型の大型砲塔積んだら、完全に重量オーバーで泥濘で埋まる戦車がさらに増えそう。
っていうか、春の泥に埋まらないギリギリの重量で設計されていたT72 が、
度重なる改修で重量が増えてしまったのが、
今回の戦争でロシア軍戦車が泥に苦しんでる一因じゃないかと思ってる。
そこは、オストケッテを履かせて。
新砲塔換装計画は、アルマータの前にあったらしいがコストが掛かり過ぎるので、現在の改良型に落ち着いたらしい。
致命傷を通り越して死亡確定のSu-57,Su-75ェ……
政治的な理由で買えない国を除いて、中国製に乗り換える国が出てきそうですね。
戦車ならば15式は高度なC4Iを備えているようですし、J-10CもAESAレーダーや国産エンジンを備えているし、J-31も控えているし。
マジでベトナムとインドどうするんだ…
ベトナムは旧宗主国のラファールで手を打つしかなさそう
今後は手動で照準を合わせればいいさ
足りぬ足りぬは工夫が足りぬって言うだろ?
単純な装甲と火力では劇的な差がない10式と90式の演習では10式のワンサイドゲームになったらしいっすね…
重量ベースで考えると装甲に2倍近くの差があるぞ…
装甲も火力も10式戦車の方が上ですよ。
それに、10式戦車のC4IやFCSの性能は間違いなく世界最高レベルです。
期せずして各国色々と気づきのある戦争になったな
アジアでも中華と戦争になっても、互いにサプライチェーンが絡まって、結局泥臭いことになるかな。
平和な時代が長過ぎたという事だな。
どんなに経済的に強く結びついていてもやっちまうのが戦争というものらしい。第一次大戦もドイツは最大の貿易相手国のイギリスと戦火を交えるハメになったし。
こういうのみるとUAV関連パーツの禁輸食らってもすぐ内製化に成功しているトルコは優秀だと思う
まぁトルコに対する禁輸は限定的で本気じゃないからなんだけど
AESAレーダー用のヒ化ガリウムとか窒化ガリウムも供給できなくなり、Su-57やチェックメイトが同様の事態に陥る可能性があるとも言われてるな
今後軍用、民生用問わずに部品不足で製造、メンテできなくなる物が増える一方でしょうね。
仮に軍事で勝てても、経済で破綻するね。
民生品だって今や半導体部品は発注しても納期1年待ちなんてバカな状態ですからね
しかもウクライナが世界シェア8割を占める半導体製造措置に必要はネオンガスの
供給が止まる事で、これからはもっとタイトになります、やれやれです。
チェックメイトが産まれる前からチェックメイトに・・・
もちろん制裁によっていつかは兵器の生産に支障が出るだろうとは思ってたけど・・・早すぎない?
しかも生産数が落ちるとかじゃなくて操業中止なんだ
ロシアの戦車なんて泥濘でスタックしたり燃料切れで雑に乗り捨てられてるのに
10年後にはロシア陸軍は歩兵で突撃するしかできなくなってそう
犬に爆弾つけるのもあるぞ
そしてさらにロシア戦車の損害が増えるんですねわかります
これでロシアはいろいろなもんを失ったな、もとから信用は薄かったけど、ロシア軍の実力がバレ、兵器市場も輸出できる状況でない、勝っても敗けても戦後に外貨の稼げる産業は石油、鉱業、農産物のみ、ほぼ途上国だよ。
逆にウクライナの用いている旧ソ連兵器の信頼性が証明されるという皮肉
安易に考えて後付が楽な部品なら、2次大戦時の日本のようにエンジンなしで放置みたいなことができると思うがどうなんだろう。
センサー類なんて配線さえ最低限しておけば繋がると思うんだが。
兵員の持っている食料、弾薬が3日分というのはどの軍隊でも標準。
ただし後方から毎日、消費した分を補給が常にできるかどうかは全く別の話。
タンクローリー(輸送車)で毎日運べていればウクライナにとっては危険ではあるが、距離が遠くなれば輸送車の燃料消費が増えるしそれを補給するために物資の輸送者が必要だし…のループに入るわな。
欧州製電子部品ばかり話題になってるけど実はハリコフの工場で生産されてる機械部品の輸入途絶のダメージのほうがでかいらしいな
ウクライナとの関係悪化するまでは元ソ連の仲間として自動装填装置等を輸入してたのだが不倶戴天の敵になってしまったので