ロシア関連

ロシアがイラン向け観測衛星をウクライナの戦いに転用、戦場認識力が向上

ロシアは来週打ち上げ予定のイラン向け観測衛星をウクライナの戦いに転用すると報じれられおり、ワシントン・ポスト紙は「ロシア軍の戦場認識力が向上する恐れがある」と懸念している。

参考:Russia to launch spy satellite for Iran but use it first over Ukraine

西側諸国から供給される装備や弾薬の保管位置がバレるとウクライナ軍は困ったことになる

ロシアはイランから「中東全域の軍事目標を監視できる高解像度カメラを搭載した観測衛星=カノープスV」の製造と打ち上げを受注、この衛星の打ち上げが来週予定されているのだが同問題に詳しい西側諸国の関係者は「軍事目標の監視に苦労しているウクライナとの戦いに同衛星を使用するため、ロシアはイランに衛星の制御権を引き渡すのが数ヶ月遅れると通知している」とワシントン・ポスト紙に明かしている。

出典:Mil.ru/CC BY 4.0

イラン向けのカノープスVに搭載されるカメラの解像度は「1.2m」なので軍事衛星やハイエンドの商業衛星よりも取得できる画像は低品質だが、軍事目標の監視資産が不足するロシア軍にとっては「貴重なISR戦力」になるだろう。

衛星1つで劇的に戦場認識力が拡張される訳では無いが、ロシア軍は遠距離の目標を攻撃できる巡航ミサイルや弾道ミサイルを保有しており、西側諸国から供給される装備や弾薬の「保管位置」さえ判明すれば効果的な攻撃を仕掛けることができるためウクライナ軍にとっては無視できない動きだ。

関連記事:消耗分の装備補充に悩むロシア、イランとイラクから武器を密輸か
関連記事:無人機不足のロシア軍、イランからUCAVを含む数百機の無人機を調達か

 

※アイキャッチ画像の出典: Kremlin.ru / CC BY 4.0

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コメント

    • ミリオタの猫(やっぱり、アンツィオ…いや、ロシア軍は強い!)
    • 2022年 8月 05日

    そりゃあ、あれだけHIMARSにボコられれば、ロシアだってそれ位の対抗策はやるだろうねって話だけど。
    只、他国から受注した衛星を一時的に使うだけならともかく、肝心のカメラの解像度が「1.2m」なのに「貴重なISR戦力」になると言う時点で、ロシアの窮状が知れるのが何とも……。
    後、この衛星を受領する予定のイランは、以前ロシアから軍用ドローンを供給する様に要請されていると報じられていたけれど、その後どうなったんでしょうね?

    16
      • ああああ
      • 2022年 8月 05日

      ただ、ウクライナは現状HIMARSを頼りになんとかロシアの進軍を抑えているというレベルで、まともな反抗に繋げられていないので、わずかでも対策がされればまたルハーンシクの二の舞いではと思います。
      なら次の支援は、といっても最早ウクライナの士気はロシア以上に絶望的、西側は内紛と何れにせよ崩壊の方が現実的ですよね…
      HNの通り、奴隷の肉盾と無限の火砲と核弾頭に資源を握る強いロシア軍は、西側をどこまで滅ぼすんでしょうかね

      3
        • hiroさん
        • 2022年 8月 05日

        現段階でそこまで悲観的な観測をする理由が分からないが?

        22
          • カディロフ
          • 2022年 8月 05日

          湾岸戦争の例を見る限り
          アメリカはウキウキしながら直接介入するはずだが、しないのはロシアの核を警戒してるから
          ロシア本国が無事で親米国以外の親露国との協力関係がある限りロシアは目的達成するまで止まらないからね
          NATOの直接介入がない以上ウクライナはどこかで妥協して落とし所を見つけないといけなくなる

          4
          • ああああ
          • 2022年 8月 06日

          ISWの分析でみても、ウクライナ側が南部が進行できていないのと、東部は相変わらずじわじわ押されてるってのが事実としてありますので。
          あっちこっちでちらほらウクライナへの支援やロシアへの制裁を辞めるための言い訳みたいな話も噴出してますし、時間が経てばたつほど状況がロシアに傾いてる気がします。

          2
            • ミリオタの猫(やっぱり、アンツィオ…いや、ロシア軍は強い!)
            • 2022年 8月 06日

            只、ISWやミリタリーランドの分析でもウクライナ軍・ロシア軍双方共に余り前進は出来ておらず、攻勢の多くは撃退されている印象ですね。
            ロシア軍が前進出来ている東部にしても、6月初旬頃までの勢いは無くなっていて、何時になったら平原部に出られるのだと言う感じですし、イジューム方面の森林地帯ではウクライナ軍が反撃して戦果を挙げていると言う話も漏れ伝わっています。
            後、西欧側で弱音を吐いている人間をチョット調べると、エネルギー関連等で悲鳴を上げている親露派が多いみたいなので、この辺の発言には注意した方が良いかも知れません。

            10
        • ミリオタの猫(やっぱり、アンツィオ…いや、ロシア軍は強い!)
        • 2022年 8月 05日

        只、様々な掲示板やメディアの情報を総合すると、ウクライナ軍はあちこちで反撃をしているらしく(南部以外でも反撃の報有り)、戦況自体は大きく動いていないとは言え、ウクライナは決してHIMARS頼みで戦っている訳でも無い様です。
        それに、もしもロシア側がHIMARS対策を取って成功したとしても、今度は米国がATACMSをウクライナヘ提供するかも知れないし、他のゲームチェンジャーと言うべき兵器を提供するかも知れない…この手の兵器競争はいたちごっこだと言うのを忘れるべきでは無いと思います。
        後、ウクライナ軍兵士の士気がロシア軍より低いとか、西側諸国の内紛云々はロシアやその影響下にアルメディアからのフェイクニュースの読み過ぎだと思いますよ(それこそ、ロシア側のハイブリッド戦争に巻き込まれている証拠です)。
        何故なら、もしもこの戦争でロシアが勝ったら、次は大マジでNATOとの戦争=第三次世界大戦が待ち受けているのですから。

        17
          • 名無しさん
          • 2022年 8月 06日

          素晴らしい。
          これまで色々な人に反論されても頑なにウクライナ不利、キーウまで一気に攻め込まれる!と主張し続けてきた人とは思えない分析力ですね。
          6月時点で多くの人から同じこと

          6
            • ミリオタの猫(やっぱり、アンツィオ…いや、ロシア軍は強い!)
            • 2022年 8月 06日

            まあ…自分は基本、天邪鬼なんですよ。
            人が右と言えば左、左を言えば右と言う性分なので。

            それで、もう少し真面目な事を言うと、ロシア側に当面の勝ちが無くなったなと感じたのは、6月以降のラムシュタイン会議における西欧各国のウクライナへの武器援助が止まらなかった点とロシア軍の前身が予想以上に遅すぎる点にあります(それまでは、今秋頃にはロシア軍がキーウを攻囲出来るだろうと思っていました)。
            勿論、今後ロシアがイランや北朝鮮等からの支援で最終的にウクライナに勝つ可能性は残っていますが、恐らくこの戦争はどっちが勝つにしてもあと10年位は掛かるだろうなと言うのが本音です。
            但し、もしもこの戦争でロシアが勝てば、次は大マジでNATOとの戦争=第三次世界大戦になると思いますが。

            1
      • G
      • 2022年 8月 05日

      監視用軍事衛星はNATO加盟国や日本、アメリカをターゲットに配備してはいてもウクライナに対しては相当なめていたため配備していなかったのでしょうね
      (静止衛星軌道の利用権は簡単に入手できるものではなく、配備できる軌道や数に限りがある)

      またドローンについては引渡し前のロシア兵への運用訓練中とのアメリカ筋の情報がありますが、具体的なドローンのクラスや数、日程は不明とのこと
      (情報部が知っていても表向き知らないことにしている可能性はあり)

      9
        • ミリオタの猫(やっぱり、アンツィオ…いや、ロシア軍は強い!)
        • 2022年 8月 05日

        成程、静止衛星軌道の利用権と言うのが有るのですね。
        自分は知らなかったので、勉強になりました。
        ドローンの件と含めて、返信ありがとうございます。

        7
        • カディロフ
        • 2022年 8月 05日

        ウクライナやロシアは高緯度地域だから対応する軌道は赤道上空の静止軌道じゃなくて
        赤道を横切る軌道の極軌道じゃないの
        あと偵察衛星なんかは高度が高いと解像度が上がらないから低軌道や極軌道に載せるのがメジャーなはず

        5
          • G
          • 2022年 8月 06日

          訂正ありがとうございます
          調べたところ軍用衛星でも早期警戒衛星などは静止衛星軌道でしたが、光学センサーなどを用いる偵察衛星はおっしゃる通り低軌道でした

          上記の考えていた理由を修正させていただきます
          低軌道は静止衛星軌道と比較して使える軌道や高度が幅広く、軌道の優先使用権の競争率は静止衛星軌道よりはるかに低いため、ロシアはウクライナ相手に専用偵察衛星を打ち上げることを外聞やコストなどを理由に嫌がっているのか、打ち上げられる偵察衛星をすぐには製造できない状態であるのか、その両方かが理由かと思われます

          4
        • けい2020
        • 2022年 8月 06日

        というか、もう無能のレベルかも

        明確な敵対国と陸続きなのにそちらに、まともな偵察体制が無かった言う事ですし
        ロシア軍の軍事戦略思想が、100年は退化してるのかと

        1
      • けい2020
      • 2022年 8月 06日

      それ以前の事にお気づきでしょうか

      ロシアは近隣国への偵察・監視体制すら構築しないまま、軍事侵攻を始めてるという傍証に

      侵略先の地図すらわからないまま侵略始めた、中世並なのかと、、
      第2次世界大戦ですら、侵攻先の地図・防衛拠点配備状況を得るために最大限労力掛けてたというのに

      2
    • ブルーピーコック
    • 2022年 8月 05日

    イランとは話がついてるんだろうか。揉め始めたら面白いんだが

    5
    • 7743
    • 2022年 8月 05日

    ロシアに有利になる情報ですが、仮に目標を認識していても、正確に攻撃できるかどうかと言われると・・・
    こういう言い方はアレですが、これ以上民間人に犠牲を出さないようにするためにも、
    ロシアには正確な識別能力と正確な攻撃力を保持してもらいたいものです。

    1
      • ウクライナに栄光あれ
      • 2022年 8月 05日

      またまた、ご冗談を。
      侵略者ロシアの命中精度が高ければ民間人に犠牲は出ないとでも言うつもりかい?

      25
      • G
      • 2022年 8月 05日

      ロシア陸軍のドクトリンは低命中率ながら大量の加法やロケット砲で面制圧しながら進軍するというドクトリンです
      そのためロシア陸軍が侵攻を止めない以上、どうあがいてもウクライナ側の民間人・施設・インフラへは常に大きな被害をこうむり続けます

      19
    • 折口
    • 2022年 8月 06日

    現在、ロシアのGLONASS衛星の半数以上が寿命=推進剤枯渇で軌道修正不可能=地上に正確な位置座標を提供する能力に問題があると言われています(測位衛星は地上の移動局の位置を評定する基準点なので、その軌道がずれてしまうとシステムとして運用が困難。ただし逸れたぶんの軌道を計算してシステム側で対応すればある程度は維持できる)。まして友好国向けの衛星を借り受ける形を取る訳ですから、ロシアが「我々の戦力がさらに増強される」と吹かしていても実態としては「崩壊寸前のGLONASSを延命させるために使える手は何でも使わざるを得ない」という感じなんじゃないかなあと。

    2
      • けい2020
      • 2022年 8月 06日

      そういえば定期的な入れ替え分の、打ち上げ自慢が無くなってますね
      GPS衛星って低軌道だから、軌道高度維持のためにも推進剤消費が多くなりますからね

      気になって調べてみたら、第2世代は最終号機打ち上げからすでに7年で、トラブルも多発してるからほとんど寿命ぽいですね
      かと言って第3世代も7月にやっと4号機で置き換え進んでないし
      (2014年からの制裁の影響がでかいようなので、パーツはほとんど欧米製なのでしょう)
      全世界で24機、ロシア範囲だけで18機必要だけど、維持できてなさそうですね

      追記:別地域のを移動させればって思う人も居るでしょうが、大きく軌道変更できる推進剤の余裕は最初から無いのです

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