ロシアは、敵の航空機や無人機から発見することのできない「ステルスレーダー」を開発中だという報道が出ている。
参考:Russian Engineers Create, Test ‘Stealth Radar’ Invisible to Enemy Aircraft and Drones
ステルスレーダーの正体とは?
ロシアの防衛産業企業「OKB Planeta」は、レーダーを搭載した航空機や、無人機から「見えない」パッシブ方式の新型レーダーシステムを開発中だと明らかにし、このレーダーが150km離れた目標が発信した電波を受信し正確な位置を特定することに成功したという。
Tropaと呼ばれる、この新型レーダーは航空機を探知するための電波送信機を持っておらず、電波の受信機だけで構成され、電波を一切放射しないので、このレーダーの位置を特定することは難しい。
そのため、米軍などが使用する対レーダーミサイル「AGM-88 HARM」からの攻撃を受ける可能性が低く、地上での偽装が完璧なら長時間、防空網の一部として効果を発揮するかもしれないが、それほど驚くようなシステムではない。
ステルス戦闘機F-35は、機体形状や素材によるステルスはもちろん、レーダーや電子機器の使用を制限し電波照射による自機暴露を極力避け、代わりに赤外線を利用した目標探知、レーザーを用いた目標指示を行える「電子・光学式照準システム」を搭載しているため、Tropaと呼ばれる新型レーダーで捕捉することは難しい。
逆に、RQ-4 グローバルホークなど、常に通信を行っている遠隔制御型の無人機検出には有効かもしれないが、現在開発が進む自律的な飛行・任務が遂行可能な無人機が登場すれば、無人機制御のための通信量が大きく減り、無人機自体のステルス化も可能になるため、パッシブ方式のレーダー単体で何かが大きく変わるという話ではない。
この種のレーダーは通常の防空網、多層的の構成されている防空レーダー網を補完するために使用してこそ効果を発揮するもので、「ステルスレーダー」と大げさに言うほどのものではない。
恐らく、パッシブ方式のレーダーが最も有効性を発揮するのは、発見することも難しく、何処で電波を受信されるのか分からないと言うプレッシャーを与えることで、ステルス機にレーダーや電子機器の使用を躊躇わせるという点だろう。
そのため、電波を放射しない赤外線を利用した目標探知や、レーザーを用いた目標指示と言った非電波系戦闘支援装置の開発・性能向上が非常に重要になってくる。
※アイキャッチ画像の出典:pixabay
効果は周波数次第、探知は出来ても照準出来ない事もあるし。
スプートニクはロシアの広報紙ですから、盛りすぎな記事が多いですね。
でも面白いのはロシアって意外と単純なところがあって、気にしていることを率直に書く傾向にあるんですよ。
この場合は世界に対して「攻めてくるのはお前たちだ!」って言ってるわけです。
ロシア人特有の「世界に包囲されている!攻勢に出ないと!」っていう被害者妄想を如実に表している良記事ですねこれ(笑)
音でバレるって聞いたことあるけど、今もそうなんかな?
ステルス機が配備され始めた頃、アメリカが音で探知するレーダー作ったらしいけど、あまりにも高すぎて実用不可になったって記事を読んだ記憶があります。
音は音速でしか届かないので…
そもそも現状のステルスは迷彩以外で光学観測を妨害できているわけでもないですし
最近は軍事関連の情報戦が目立ってきているように感じます。F35関連が特に酷いですが、戦争が近づいているというよりも、ステルス戦闘機という新しい需市場に対してあちこちで軍需産業が蠢いている、という感じがします。