紆余曲折の末、世界で最も高価になってしまった戦闘機「ラファール」が9月、インドに到着する。
参考:Indian Air Force to receive first Rafale fighter jet in September
技術のない国は、より良い条件を引き出そうと競争させても無意味
フランスの外務大臣、ジャン=イヴ・ル・ドリアン氏は、インド空軍は9月末までに、フランスで製造された戦闘機「ラファール」の初号機を受けとるだろうと話した。
2016年にインドとフランスの間で結ばれた契約に基づき、インドは36機(単座28機、複座8機)のラファールを、約88億ドル(約9540億円)で購入することになっており、導入に掛かった1機辺りの費用は2.4億ドル(約263億円)だ。
最近、ブルガリアのF-16C/D block70/72導入価格に約2億ドル(約220億ドル)の値札がついたが、インドが購入するラファールは、それを超える「世界一高価」な戦闘機になるかもしれない。
契約金額には、36機のラファールや機体の保守パーツ、パイロットやメカニックの訓練費用、地上シミュレーター装置一式、ミーティア等の空対空ミサイルや、ストームシャドウ等の巡航ミサイル等が含まれ、インドが要求した機能追加費用(イスラエル製のヘルメット搭載ディスプレイ、レーダー警報受信機、電波妨害装置の統合)が含まれているため、約88億ドル=機体価格ではない。
補足:ラファールの機体価格は、2013年度の資料によれば7,500万ドル(80億円)程度なので、36機の純粋な機体価格は27億ドル程度
最新の第5世代機でもないラファールが、なぜ、これほど高価な契約になってしまったのか、インド国内でも批判の対象になっている。
そもそもインドは、老朽化した旧ソ連製戦闘機を更新するため、新しい126機の戦闘機を導入するためのコンペティションを行い、欧米露からF-16、F/A-18E/F、ラファール、タイフーン、グリペン、MiG-35が提案された。
その中で「ラファール」を選択した理由は、インド空軍がミラージュ2000を運用中で、インド空軍の中でフランス製軍用機のロジスティックが確立されていることが導入コストの削減に有利だという点と、他の候補よりもフランスが技術移転に対し寛容だった点、ラファールに使用されている技術や装備のほどんどが米国の武器輸出規制外という点が有利に作用した。
当初、126機の導入に掛かる費用は200億ドル程度(約2兆円)だったが、ここから話が拗れていく。
導入する126機の内、108機をインド国内でインド企業との合弁の下、生産を行いインド空軍に引き渡す契約になっていたが、フランスはインド国内で生産されたラファールに対する品質を保証しないと言い出し、インドと揉めることになる。
この間にも、ラファールのコストは上昇を続け、契約の総額が300億ドルを越えた。
結局2015年、フランスを訪問したモディ首相は、126機のラファール導入契約を破棄し、新たに36機のラファール導入をするための交渉に着手した。恐らく、新しく36機のラファールを導入するための契約は、契約破棄に対する「違約金」としての意味合いがあるのだろう。
そしてインドとフランスの間で新しく結ばれたのが、36機のラファールを完全輸入するという方式で約88億ドルで購入するという契約だ。
当初、1.6億ドル(約173億円)程度だったラファールの導入費用は、2.4億ドル(約263億円)まで上昇したにも関わらず、技術移転も、国内生産の話も無くなってしまった。
結局、少しでも条件の良い戦闘機を購入しようと、コンペティションを行っても、売り手が「仏の顔」をするのは契約が決まるまでで、一旦決まってしまえば、あの手この手で、契約を勝ち取るために「低く下げて見せていた契約額」の引き上げに掛かる。
契約内容で、揉めている間に時間が経過し「コストが上昇」したというのは、もはや常套手段だ。
ここから学ぶべき教訓は、戦闘機など選択肢の少ない防衛装備品を購入する場合、少ない複数の候補を「性能以外の部分」で、幾ら競わせたところで、後から幾らでも内容の書き換えが可能で意味がない。
もし「話が違う」と契約を破棄し、他の戦闘機に乗り換えるにも、契約破棄に必要な違約金や、これまでの投資、破棄に伴うスケジュールの遅延による余計な費用発生を考えると、素直にコスト上昇分を支払った方が安くつくのかもしれないというのが罠でしかない。
一旦契約を破棄し、新たに36機のラファールを購入したインドは、結局、エジプトやカタールが導入したラファールよりも導入費用が高くなってしまった。
防衛装備機器の契約で、相場よりも少しでも安く、技術移転や国内生産をと欲張って見ても、自分たちで同じ物が作れる技術が無い限り、カモにされるだけという現実は変わらない。
逆を言えば、武器購入の見返りに技術移転を行って、安易にライバルを増やしてしまった過去への反省を踏まえた結果、現在のような騙し合いのような環境になってしまったのかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:public domain ラファールB
次期F-Xを日本主導で作らなければならない――例えそれが第6世代でなくても、国際共同開発でも――理由がこれよ
いざとなれば自前で作れるのだ、という技術力と気迫を見せておかないと足元を見られる
F-35の在庫が高値で日本に押し付ける、なんて話は今は一部の左巻きがわめいてる妄言に過ぎないけど、アメリカ空海軍が順調に第6世代戦闘機を開発した後もそれを妄言と笑えるか分からない
ハナから世界最強戦闘機なんて作れるわけないし、F-2の置き換えならむしろ対艦対地攻撃力が必要なんだから、色々と割りきった上でF-3を日本主導で作るべきだと考える
90式戦車の主砲も、国産で同等品を作れたから有利にライセンス契約が出来たと思われる
インドやトルコや韓国のように、高い金を払うのだから技術くらいよこせという姿勢で交渉を行う国に共通しているのは、言い値で購入するしかなかった過去を搾取されていた時代と捉え少なからぬ被害者意識を持っていることと、国力さえ付けば相手の足元を見る側にまわれるのだという勘違い。
普通に考えれば、富を生む源泉こそが技術なわけであって、それを移転するのに掛け値無しとなるのは当然だ。
グローバル化に伴って国境を超えたM&Aが比較的に容易になったからと言って、金さえ出せば技術も得られるし何でも製造できるようになると壮大な勘違いを発症しているいわばコリアモデルシンドローム。
インドは早く目を覚まして、地道に研究開発を行う道に進むべきだな。
中国なんかを見て、開発なんか無駄で技術は他所から導入&盗む方が早く安く効率良いって思ってんでしょう。
インドみたいに色々地盤がガタガタだけど経済は急成長(長い目で見て)した国にはありがちな感じ。
最終組立工場が流れなければいい買い物だったんだけどね
反故にされた上に税金でお友達価格にされたら敵いませんわ
大体こういう話は売る方がセールストークでいい事ばっか言ってきて後で話が違うと言って拗れるよな
日本のF-X選定時にユーロファイターでも改造自由って話が蓋を開けてみたら
その改造した技術は全部情報開示しろよっていうとんでもないもんだった
オーストラリアの潜水艦も日本よりいい条件だからと飛びついたオージーが目ん玉飛び出る金額請求されてるね
うまい話にゃ裏があるってのを肝に銘じとかないとな
武器開発なんかに国税を突っ込む奴がバカ
それを買う奴は底無しのバカ
国民から集めた税金は国民の為に使え!
国民の為の武器ですよ?
ああ、バカにはわからない話でしたな。失礼。
シナチクをどうにかしてから言えヴァーーーカ
俺は製造業に勤めてるけれど、部品購入時にいざとなったら自前で作れると交渉で優位に立てるよ
だから技術開発は手を緩めてはならんのだ
そんな単純でもないし あ、そうwじゃ自前で作ったらどうですか? って感じや含みで突き放されるぞ。
ラファールって、フランスの持つ自国戦闘機生産維持への焦りが具現化した感じですよね。外野から見ると辛そう。
日本が武器輸出するならイタリアのオートメラーラとかドイツのラインメタルみたいな感じを目指すといいんじゃないですかね。
日本のF-3戦闘機は本体を純国産化するのは問題ないが、ミサイルと統合ネットワークで米国産兵器との統合で難癖つけられている
結局国産化するにはソフトウェアやミサイルや統合ネットワーク全部を自前で用意するしかない
米国の言い分もわかるけど、日本はまず、統合ネットワークを国産化してF-4やF-2の代替のみを目指してもいいかも
戦略部分はF-35に任せ純粋な防空スクランブル機として日本独自のシステムを構築する時だ
でないと永遠に強欲ローッキードにぼったくられるだけだ
あとは英国と同盟結んで共同企画を構築するか
日本が欲しがってるマルチじゃない純粋な戦闘機って今は何処にも無いからね。
主役はF35に任せて国産ミサイルだけのシンプルな迎撃機を目指しても良いんでないかと思うんだが。
民官技術にですがインドは導入や購入時に技術をよこせよこせと厚顔無恥同然ですからね。
こんな国においそれと(まぁどんな国にでもですがw)技術なんか渡せないし、下手に甘い事をすると絶対後悔する。
怪しい嫌だなと思ったら関わらないのが良い
現状のインドの様な国を技術移転で相手にするのは、愚かな韓国(技術流出より目先の金優先)か、EU露中
などの兵器で2線級以下のものを提供する場合じゃないですか?