軍事アナリストが運営するOryxは「ロシア軍がウクライナで3,000を超える装備を損失した」と報告しており、ロシア軍は保有する主要な装甲車輌(戦車、歩兵戦闘車、装甲兵員輸車輌)の約10%=1,461輌を失った格好だ。
参考:Attack On Europe: Documenting Equipment Losses During The 2022 Russian Invasion Of Ukraine
いざとなれば保管してある数万輌の装甲車輌を何時でも取り出せるというのはソ連時代の名残か?
ロシア軍は56日間に及ぶ戦いの中で「主要装備を3,002失ったことが画像で確認された」とOryxが報告しており、画像で確認できない分を加味するともっと多くの装備を失っているのだろう。
鹵獲 | 破壊/損傷/放棄 | 合計 | |
戦車 | 209輌 | 312輌 | 521輌 |
装甲戦闘車輌 | 129輌 | 178輌 | 307輌 |
歩兵戦闘車 | 181輌 | 351輌 | 532輌 |
装甲兵員輸車輌 | 52輌 | 49輌 | 101輌 |
耐地雷・伏撃防護車輌 | 7輌 | 17輌 | 24輌 |
歩兵機動車輌 | 30輌 | 65輌 | 95輌 |
指揮・通信車輌 | 25輌 | 38輌 | 63輌 |
各種支援車輌 | 60輌 | 54輌 | 114輌 |
迫撃砲 | 8門 | 4門 | 12門 |
牽引式榴弾砲 | 37門 | 19門 | 56門 |
自走砲 | 39輌 | 59輌 | 98輌 |
MLRS | 25輌 | 31輌 | 56輌 |
対空砲 | 4門 | ー | 4門 |
自走式対空砲 | 7輌 | 7輌 | 14輌 |
地対空ミサイル | 18基 | 34基 | 52基 |
レーダー | 6基 | 4基 | 10基 |
電子妨害装置 | 2基 | 5基 | 7基 |
航空機 | ー | 22機 | 22機 |
ヘリコプター | 1機 | 34機 | 35機 |
無人航空機 | 13機 | 26機 | 39機 |
艦艇 | ー | 4隻 | 4隻 |
燃料輸送用の鉄道車輌 | ー | 2両 | 2両 |
軍用輸送車輌 | 236輌 | 598輌 | 834輌 |
計 | 1,123 | 1,879 | 3,002 |
因みにロシア陸軍は主要な装甲車輌を計14,060輌(戦車×2,800輌、歩兵戦闘車×5,160輌、装甲兵員輸車輌×6,100輌)保有しているため「1,461輌=約10%の装甲車輌をウクライナで失った」という意味だが、これとは別に「ロシア陸軍は数万輌の装甲車輌を保管している」と主張してきた。
この天文学的な保管車輌についてウクライナメディアは「神話に過ぎない」と主張しており、沿海地方(44.12586338 133.28140739)やブリヤート共和国(51.889076,107.5228678)の施設に保管されてある大半の車輌は野ざらしで、砲塔が取り外された車輌も何百台もあるため「いざとなれば保管してある数万輌の装甲車輌を何時でも取り出せるというのはソ連時代の名残でしかない」と指摘しているのが興味深い。
勿論、建物内に保管された車輌やシートに覆われた車輌の状態は良好かもしれないが、野外に並べて保管されている車輌の方が圧倒的に多く、これをサービスに戻すには手間のかかるオーバーホールが必要になる=ウクライナで失った装甲車輌のギャップを保管車輌で埋めるには時間がかかるという意味だ。
ロシア陸軍はウクライナで被った損失に苦しんでいるのか、まだまだ余裕があると考えているのか、、、どちらだろうか?
追記:国防総省の報道官は「米国以外の同盟国からウクライナへ戦闘機や機体の部品は送られた」と明かしたが、ウクライナ側は「航空機のスペアパーツとコンポーネントを受け取ったことを確認したが、新たな戦闘機を受けとっていない」と発表している。
関連記事:ウクライナ軍、46日間で鹵獲したロシア軍装備の数が1,000を突破
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。 |
陸自で現在用途廃止中の74式戦車も実際は00年頃から限界に来ている個体がかなりあったといいます(まともな車両を選んでいる駐屯地展示ですら白煙吹いて坂で息切れしているようなのがある)。後生大事に使い続けていてもそんな状態なのに、74式と同時期採用のT-72系列の初期ロット品の、それも「予備保管」という名の解体待ち車両を「戦線に投入可能」というのはちょっと吹かしてる気がしますよね。それに戦車兵だって無限に居る訳ではないし…
まぁ、一銭五厘の兵隊とソ連時代の粗大ごみがいくら失われても実質タダみたいな勘定をしているのかもしれませんが(遺族年金のことを考えると現時点で大打撃といえる状態らしいですが、チェチェン兵は遺族年金がお金じゃなくてジャガイモらしいのでロシアも今にそうなるかもしれないですね
悪名高いカディロフツイ、なんかやたら戦意低そうでしたがそういう事でしたか…
数万の装甲車両と言ってもそれは昔日のソ連軍の規模で運用していた数であって、今のロシア軍にそれらに乗せるクルーを用意できるとはとても思えない。
保管状態からの復帰もそうだけど、人的資源の面からもハッタリと考えざるを得ないなぁ。
戦車を復帰させるだけの期間があれば、徴兵に戦車を操縦させるだけの期間は十分にあるだろう
今の時代はyoutubeを見てリスニングする時代だし、”戦車を操縦させるだけ”で効率的な運用は二の次だろうが、ロシア兵は上官の命令がなければ勝手な事(重大機密の破壊さえも)は出来ないし、ロシアにとってそれで十分といえば十分かもしれない。
方向制御は、2本のレバーでする旧来の方式だよね?
見ただけで出来るものなのかな?
あまり語られてないけど、遺棄は別としても、破損した車両の数だけ搭乗員も死傷してるはず
中古車両を引っ張り出しても人間はどうするのよ、という疑問がある
「航空機のスペアパーツとコンポーネントを受け取ったことを確認したが、新たな戦闘機を受けとっていない」と発表している。
まさかイケアの家具みたいな「組み立てキット」で届いたとかじゃないですよね^^;
それにしても「匿名の同盟国」ってどこだろう。
ポーランドかルーマニアか。
ほぼ確実にポーランドでしょう。
Mig-29を装備する西側諸国で唯一、代替機の目途が立っている国だし、3月時点でアメリカ経由で供与しようとしていたから準備はできていたはず。
どうにもアメリカの反応が良くないから、仕方なく裏口入国させることにしたんでしょう。
ルーマニアは現在軍事物資供与の法律を整備中と報道されてたので、秘密裡とはいえ大型装備を供与するとは考えにくいと思います。
組み立てりゃ完成品として使えるものを
スペアパーツと称して持ち込む頓智なのか
表向きは受け取ってないと言うわなそりゃ
元のペンタゴンの記者会見を見てきましたが、本当にどのようにも取れる言い回しでした。
関連ニュースを探して、たどり着いたのがこのページ。
リンク
(陰謀論大好きなゼロヘッジなので話半分でお読みください。)
ウクライナにS-300システムとミサイルを送り、アメリカがパトリオットを補給することに同意した、スロバキアも可能性が高い。スロバキアは、米国が補給のためにアップグレードしたアメリカ軍機を送ることを前提に、同様のセットアップでミグ戦闘機を送ることを提案したのである。
—————
スロバキアのことをすっかり忘れていました(^^ゞ
いずれにしても公式に提供元の国が発表されなかったら、ロシアも報復攻撃できないし。
妙案だと思ったのは私だけじゃないはず。
供与したのはポーランドではない模様。
今日(4月20日)の英国紙ガーディアンの記事から:
リンク
ポーランドのマレク・マジェロフスキー駐米大使は、同国の戦闘機MiG-29のウクライナへの譲渡計画が頓挫したことについて、自身の考えを述べている。
今朝のワシントンのエコのミッククラブでのスピーチからだそうです。。
ドイツのラムステイン空軍基地にミグを届けて、そこからウクライナに送るという案をアメリカが拒否したと述べています。
そしてアメリカがこの提案を再考するのならオファーはまだ生きているとも。
先日供与を考えていると発表したスロバキアの可能性もあります。
スロバキアはロシア人技術者がメンテの一部を行っていたらしく、ウクライナ侵攻後に彼らが帰国したため稼動率に不安が出ているとのこと。
早晩飛べなくなるなら、いっそのこと国内で整備を完結しているウクライナにMiG-29を供与して、取り敢えずはNATOに防空を任せ、早期にF-16を渡してもらった方がいい、という考えもあるらしいです。
ポーランドやルーマニアは機体は無理でも予備パーツは送れそうです。
アメリカもモルドバから買ったMiG-29を20機余り保管状態で保有しているので、それらの可能性を指摘する声もある様です。
オーバーホールしても肝心のFCSは使い物にならないだろうから、中国経由で細々と密輸するか、民生転用の低耐久ものを搭載するしかないだろうな。
現役の車両でさえあの保管状態なのに、ボロッボロの放置車両をビフォーアフターできる匠がどれほどいるやら。
それにしても3月に驚かされた鹵獲電子戦車両が7輌に増えてるね。
この規模ならまとまった電子戦が展開できそう。
鹵獲電子戦車両は2輌
それ以外で破壊/損傷/放棄が5輌で損失が計7輌
おう表を読み違えてました。
でも逆に7輌喪ったロシアは痛いですね。
1輌でも失えば大問題だと思うのですが、
相変わらず失い続けているロシア軍の民度はいかがなものでしょうか。
半導体不足も著しいのだから、何があっても守り抜くべきだと思うのだが。
元々FSCなんてまともなものが、装備されてない世代かと
稼働中の戦闘車両の整備も出来てないのに、エンジンを実質1から作れるのかどうか(制裁も受けてるし
T-54~T-72系列はエンジンの基本がT-34と同じだから、何とかなるのでは。
ロシアの気候的に野ざらしの保管環境というのはどうなのだろうか?
野ざらしで保管されている戦車にべトロニクスは期待できないだろうし(別途で保管している?)
中国か韓国かインドが協力してくれるなら、古いFCを搭載する戦車も新しいFCに乗せ換える事もできるかもしれないが……。どこも望み薄だろうな。
ウクライナ陸軍もT-64の定数は720両ですが予備役として578両あるとWikipediaに書いてます。これは保管状態ということなんですかね。
スロバキアにT-64を送って修理するという記事がありましたが、実際には保管していたT-64のメンテナンスだったりして。ついでにBM相当へのアップグレードもできるといいですが。
車両類を船から降ろす/倉庫から取り出し、弾薬を補給し、燃料を満タンにし乗員が搭乗すれば
すぐに戦闘投入可能といわれている米軍の事前集積と、それ以外の他国は全く違うと思う。
弾薬類もきちんと管理された環境下で期限を守って保管されているし、装備品のアップデートも適時実施されている。
米軍は議会に対して戦時予備品の整備状況をきちんと報告しているし、議員もその重要性を知っている
予算面でもきちんと理解され割り当てされている、そのような国は米国以外になさそう。
野ざらし管理だと、ゴム製品であるシールやパッキンが真っ先に痛むので
白煙もくもくのエンジンやすぐに潤滑油が漏れて焼き付く変速機や油圧機器類を覚悟し
ろくな機動性も信頼性もないことを覚悟すれば、ソ連時代のものだととりあえず動くことは動くかも
今はスクラップだとしても、ソ連時代は数万両も装甲車両があったわけだから恐ろしい国だわ。
いずれにしても整備工場の拡幅なんて、インドと中国が本気で助けない限り相当厳しいはずでしょうから、底はあるでしょう。
一方で兵士の命が安いから、どんなにオンボロでも動いて前線に出ばれれば、ジャベリンの浪費を加速させられますから、ウクライナの脅威には違いないとは思います。
ロシアの気候じゃ、アメリカみたいに乾燥した砂漠に置きっぱなしって訳にはいかなさそうだし、屋外放置の車両は腐ってそう…
みな様お忘れかと思うがこれら露戦車は全部がALS式で現役運用でないの再戦力化するのに米独ので不要なALS再生が含まれてかなり工数増えると思う
また整備不十分でALS機能不全だと戦力にならない可能性が常に付きまといちゃんと走ってると言ってその個体が普通に主砲撃てるとも限らないぞ
インチキ定数に加え整備不足と劣悪な運用環境で今回投入の千両が実働全量っての嘘でもなく既にその半数が喪失済みでそのまま東部攻勢してる疑い
大量に文字はあるから気になるのに
日本語の文字だけど、日本語の文章になってないので、脳内で句読点や改行増やさないと読めないんだ
まず書くことを整理することから始めよう?
メモ帳とかに書いて自分で読めるかどうか確認してから、推敲して読む人が理解できるか想像しよう?
読まれないつもり書いてるなら、単なる落書きだからね
あなたも読点をどうぞ。
しつこい様ですが句読点をば
その大量の戦車も結構な割合でウクライナ・ソビエト共和国で製造されたものなんだよなあ
独立後も親露政権時代はバンバン部品輸出してたんだけどもう永久にウクライナの部品買えないねえ