米空軍は嘉手納基地にローテーション配備するF-22Aの次を検討中で、ドイツのシュパングダーレム空軍基地に駐留するF-16を嘉手納基地に長期間配備することを検討しているらしい。
参考:F-22s arrive at Kadena, as aging F-15s prepare to depart
参考:F-16s From Spangdahlem May Head to Kadena After Alaskan F-22s
情報の切り取り方によっては「有事が迫れば米空軍は沖縄を見捨てる」と炎上ネタに使われそうなので複雑な気分だ
米空軍は嘉手納基地に駐留している第44戦闘飛行隊と第67戦闘飛行隊を段階的に本土へ撤退(今月1日から2024年までに撤退完了予定)させ、両飛行隊が装備する老朽化したF-15C/Dを退役させる予定で、本土に向かうF-15C/Dの代役としてエルメンドルフ空軍基地(アラスカ)からF-22Aが嘉手納基地に到着している。
米太平洋空軍は嘉手納にローテーション配備するF-22Aの数について詳細を明らかにしておらず、4日までに到着したF-22Aの数は4機で、嘉手納基地から撤退するF-15C/Dの数に合わせてF-22Aの数は増加すると米ディフェンスメディアは報じているが、F-22Aのローテーション配備されるは一時的なもので米空軍内ではF-16を嘉手納基地に長期間配備することを検討しているらしい。
米空軍内では沖縄に配備されていたF-15C/DをF-15EXで更新するのが最も望ましいと考えているが、同機の調達数が144機→80機に削減される可能性が高いため州兵空軍や嘉手納に配備されたF-15C/DをF-15EXで更新するのが難しく、第44戦闘飛行隊と第67戦闘飛行隊を「より高度な第4世代と第5世代の戦闘機をローテーション配備=巡回駐留する」でカバーする計画で、F-22Aの嘉手納基地派遣もその一環だ。
ただローテーション配備の期間は現時点で最大6ヶ月間だと見られていたが、米空軍は嘉手納に「より長い期間(恒久的配備ではない)」駐留させる部隊としてシュパングダーレム空軍基地(ドイツ)に駐留するF-16のローテーション配備を検討していると米ディフェンスメディアが報じており、ミッチェル航空宇宙研究所のデプチュラ元中将は「ロシア軍のウクライナ侵攻を考えると欧州からのF-16を引き上げは奇妙な解決策で、これは米空軍がタイムリー戦力補強のため航空機を持っていない証拠だ」と指摘している。
さらにデプチュラ元中将は「もし台湾有事が発生すれば中国軍が発射した何百発もミサイルに嘉手納基地は間違いなく襲われるが、前方展開のプレゼンス、同盟国やパートナーへの関与、情報収集拠点といった理由から基地自体を放棄する可能性は低い。ただ紛争や攻撃の可能性が迫ると嘉手納基地に配備された航空機は他の基地に避難する可能性が高い」と述べているのが興味深い。
完全で完璧なミサイル防衛などあり得ないので高価な航空戦力が地上で破壊されれば意味がなく、この手の言及は軍事的な側面から見ると何の不思議もないが、情報の切り取り方によっては「有事が迫れば米空軍は沖縄を見捨てる」と炎上ネタに使われそうなので複雑な気分だ。
平時における嘉手納基地の戦闘機配備は米空軍が戦力をやり繰りしてカバーすると思うので問題ないと思うが、台湾有事のリスクが高まっているので「恒久的」な戦闘機部隊の配備(機材だけでなく関連人員や家族の移動など)は暫く様子を見るのかもしれない。
関連記事:米空軍の戦闘機は嘉手納基地から撤退しません、今後も常駐する予定
関連記事:米空軍、11月1日から沖縄に駐留するF-15C/Dの本土撤退を開始
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Josey Blades
F-22Aの次はF-16Cと言うのは置いといて、ドイツ駐留部隊を長期派遣するとは面白いですね
米空軍に手持ちの部隊が無いと言うのも有るのでしょうが、ある意味ウクライナ情勢よりも台湾情勢の方が米国に取ってはより重要とも受け取れるので、必ずしも米軍が沖縄を見捨てる訳では無いと思います(それ以前に、中国の弾道ミサイル射程圏内に有る嘉手納は台湾有事には危険過ぎる場所なので、いざと言う時に所属機を退避させるのは当然)
それよりも気になるのは、この動きに対する中国の反応
もしかすると、米国側はこのメッセージを出す事で、中国側に「…今ならやれる!」と思い込ませて暴発させるつもりなのかって邪推してしまいますが、果たして事実は如何に。
F16でも機体その物は新しいから戦力低下にはならないと思う。
中国空軍は戦力低下とは取らないだろうけど、政治家はそう取らない可能性。
その新しいはずのF-16の機齢は数機を除いて20年以上で、大半が30年程度に達しているのが米空軍の現状を示していますね。
Chip 4もありますし、この地域(中華民国)を見捨てるメッセージはあり得ないかと。
挑発はあるかも。
アメリカの太平洋戦略を維持するためには、日本を捨てるという選択肢は取らないし取れないと思うんだが、炎上狙いの奴らには関係無いわな。
台湾有事のリスクが本気で高まってる?のか?
エアシー・バトル構想が捨て石だと煽る輩は既に結構居るので
早めに政治的背景を洗っておいた方が良い
台湾運用のF-16の予備機、予備パーツにも結果的になりそう
>情報の切り取り方によっては「有事が迫れば米空軍は沖縄を見捨てる」と炎上ネタに使われそう
これは本当にやられそうですね
得意先の化学工場が秘密裏に自衛隊や米軍向けのレーダー板作ってんだけど(表向きは建材工場)一昨年あたりから24時間フル稼働してんだよね・・来春ソレ向けの新建屋が2棟同時に完成するし。
隣県でもそちら方面の景気の良い話がチラホラ聞こえてきて正直なんだかなぁという気分
えっ、それって結構凄い情報ですよ?
実際、情報機関もそんな感じの情報を集めては、戦争が近く起きるのかどうかの分析資料にしていますから
弊社も表向きは民生用ベアリング部品製造ですが、別工程ラインでは内偵調査済みの熟練工を選抜投入して弾頭製造してますよ。部品に刻印いれないので、中継貿易で今頃ウクライナで使われていると思います。お陰様でボーナス増えました。
妄想に囚われて核恫喝してくる勢力のせいで国民生活を豊かにするはずの我々の税金が無限に兵器生産に吸い取られていく…そもそも良質な兵器や軍隊は良質な国民生活からしか生まれないはずだがその辺の折り合いをどうつけるのか、財務省はどうするのだろう
恫喝してくる相手が自分の国を貧しくしてるのが皮肉。
中国なんか軍事費の1割でも他に回せば、現状で抱える内政問題がかなり解決、緩和、安定化できるでしょ。
ネット記事なんて過剰な見出しで釣ってナンボの世界やんけなにムキになっとんねん
あちこち飛ばされる米空軍のパイロットも大変やな
こういゆのってメンタルケアとかも必要そうだけどな
アメリカ軍のパイロットって家庭との両立大変そうやな(他人事)
>「有事が迫れば米空軍は沖縄を見捨てる」と炎上ネタに使われそう
いやーほならね、海自と空自をへの予算増額と増強が必要だって話でしょ、私は言いたい
というふうに持っていくこともできるかもしれない(暴論)
航空万能論さん・・・11月に入ったらあからさまにウクライナ戦争の記事が減ったね
今まで何だったのか・・・
割と膠着状態だし仕方なし。
泥濘期で車両が動かんから、大きな動きはないでしょう。
両軍共に戦力再編中
再編中ではあるが、ロシア軍内に動員兵による集団反抗、命令無視、積極的な投降などが頻発している模様
今までが以上に多かっただけ。
以前はこんなもんよ。
…という話をニコニコ大百科あたりに荒しのネタとして持ってくのかい?
引き上げた部隊は、解散するのか?
F-35Aに更改しないのか?
>この手の言及は軍事的な側面から見ると何の不思議もないが、情報の切り取り方によっては「有事が迫れば米空軍は沖縄を見捨てる」と炎上ネタに使われそうなので複雑な気分だ
PLAのA2ADによって戻ってくるつもりでも軍事的に出来ない可能性も有ります。結果的には見捨てることになるのかもしれません。
米軍もそうだが、自衛隊も強靭な地下掩体が必要だな。
攻撃時に全部の機体を飛ばして逃がすわけにもいかないからなぁ。
敵のレーダーサイトを無力化する任務の部隊が来るんだと思う。
ドイツから嘉手納基地に展開するときのために、慣れておくのが目的じゃないかな。