E-7導入に否定的だった米空軍のブラウン参謀総長が今月20日に開幕した空軍協会主催のカンファレンスで前向きな姿勢に転じたため、来年以降にE-7導入が本格的に動き出すかもしれない。
参考:E-7 Wedgetail Radar Jets Eyed As A Bridge To A Space-Based System By The Air Force
ブラウン参謀総長はE-7導入がE-3問題を最も早く解決することできる魅力的なオプションであるとの認識を示す
米軍やNATOの専売特許といえば大型で高性能なレーダーを搭載した早期警戒管制機「E-3 セントリー」による交戦空域の監視・管制能力に基づいた効率的な航空作戦が挙げられるが、ロシアや中国は遠距離から早期警戒管制機(AWACS)を叩き落とすことが出来る長射程の空対空ミサイルや地対空ミサイルの開発を進めており、NATOは脆弱になりつつあるE-3を2035年まで廃止して新しいプラットフォームに置き換える計画を発表、米空軍も開発中の「アドバンスバトル・マネージメントシステム(ABMS)」を活用してE-3なしでも戦場認識力を確保できないか検討中だ。
ただE-3に代わる新しい仕組みを直ぐには実用化できないので米太平洋空軍司令官のウィルズバック大将は「E-3を更新するためE-7Aウェッジテイル(ボーイング737/AEW&Cのこと)を迅速に調達する案を空軍は検討している」と明かし、2030年代まで飛行を続けることが期待されているE-3の現状については「ボーイング707ベースの機体は古すぎて2030年代まで飛行可能な状態を維持するのは挑戦に等しい」と今年2月に訴えた。
さらに米空軍航空戦闘軍団のマーク・ケリー大将も最近「米空軍の保有するAWACS、JSTARS、U-2といった情報収集・監視・偵察戦力のプラットフォームは古く、特に民間航空会社での運用が終了(2019年)したボーイング707のサプライチェーンは撤退するか737などの他機に転身を図ったため全く残っておらず707ベースのAWACSとJSTARSの維持は危機的状況にあり、ISR戦力の中で何を最も優先するかと問われれば間違いなくAWACSの更新だと答える」とE-3やE-8の危機的状況を訴えている。
米空軍のブラウン参謀総長も「空軍内部でE-7導入への動きがある」と認めつつも自身は否定な立場を表明してE-7導入を訴える勢力を牽制していたが、今月20日に開幕した空軍協会主催のカンファレンスでは一転して「空軍内部で検討を行っているE-7はE-3よりも新しく韓国空軍、オーストラリア空軍、トルコ空軍で運用実績がある優れたプラットフォームだ」と語り、E-7導入がE-3問題を最も早く解決することできる魅力的なオプションであるとの認識を示した。
さらにケンドール空軍長官も「E-7は米空軍に必要な航空機かもしれない」と言い出したので来年以降にE-7導入が本格的に動き出すかもしれない。
ただ非常に興味深いのは米空軍が極秘裏に開発を進めている宇宙ベースのレーダー衛星に地上を移動する目標の監視能力(GMTI)が組み込まれるという話だ。
今年5月に米宇宙軍のトップを務めるジョン・レイモンド作戦部長は「赤外線センサーを搭載した小型衛星群(コンステレーション)計画と別にレーダーを搭載したコンステレーションを開発する計画が存在する」と明かして注目を集めていたが、どうやら本計画はE-8を分散型ネットワークに置き換える構想の一部でレーダーを搭載した衛星には地上を移動する目標の監視能力(GMTI)が組み込まれるらしい。
つまり米空軍は脆弱になりつつE-3やE-8を専用の大型航空機で更新するのではなく、戦闘機や無人機などに搭載されたセンサーやレーダーを搭載した小型衛星群などで構成された分散型ネットワークで更新するのが本命である可能性が高いが直ぐに実用化することが難しいので「繋ぎとしてE-7導入が現実味を増してきた」と米メディアは予想している。
果たしてレーダーを搭載した小型衛星群まで動員する分散型ネットワークがいつ完成するのかは謎だが、肝心のレーダー搭載衛星はすでに開発段階だと米メディアは報じているので赤外線センサーを搭載した小型衛星群の構築と同時進行で整備されるのであれば実用化はそう遠い将来では無いのかもしれない。
関連記事:早期警戒管制機「E-3」は時代遅れで運用維持も困難、米空軍司令官が早急な更新を要求
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo/Airman 1st Class Chris Massey
E-737を運用している国は大勝利だねこれ
日本はどーすんだろ…一気にE-767の陳腐化が進む恐れがある
E-7ってプアマンズE-767だけどね
E-3やE-767買えない国が買った機種
米軍は分散型に移行するからE-767クラスまで投資せずE-7でお茶を濁すのだろう
E-3全てをE-767に更新してって話じゃ無いから大勝利ってわけではなく
ただ今までロクにアップデートできて無かったE-7使用国にとってはありがたい話かもね
おいおい…E-767が廉価版とか認識間違いにもほどがあるだろ
先進性ではE-7とE-767じゃ大きな差がある。もちろんE-7が圧倒的に先進的
E-767はイギリスの採用で潮目が変わってて、E-7として大幅にアップデートがされる期待があった
それが米国の採用となれば、長期の保守が確約されるということ
E-767とE-737ではその先進性ではE-737が今後先行し
E-767の急速な陳腐化が懸念される
何か盛大に読み間違えてないか?
>E-7ってプアマンズE-767
ちょっと何言ってるのかわからない
E-7って、無人機や戦闘機とのセンサー共有をすることで、より長距離の探知、管制を実現するって考え方
E-737はE-7化できるんで、E-767の今後急速な陳腐化は避けられないよ
E-767は無人機や戦闘機とセンサー連携はできない
小さい方にしかできないことがあるって
ちょっと信じがたい
航空自衛隊のE-767の機体はB767-200、搭載してる機材はE-3と同じ(基本的には)
そして、E-3は最も頻繁にアップデートしてる空軍の機材(搭載機材ね)
E-767も空自の機材としてはもっとも頻繁にアップデートしてる
とりあえずは、B767-200にE-3の機材をひっぺがして搭載・・・
お高いんだろうね
過去記事によるといくらアップデート繰り返してもAMTI能力でE-7には及ばないみたいですね
大型AWACSは現時点で既に生存性が怪しいわけで繋ぎとはいえ新規にE-7ってどうなんかなあ
旅客機ダブついてるし中古の767にE-3の中身を移植するのがホントいちばんよさげなんだが
それでもE-7より高くつくもんなの?
機体部分も大分弄っているんじゃないかな。
中古の767に既存のE3の機器を移植しても、次世代警戒システムの実用化まで15年はかかるからどこかで大型アプデ改修をすることになる。だったら現在イギリスやオーストラリアのE7を生産改修しているのに合わせて、中古737を改造生産したほうが手間や維持費が少なくて済む。
767-200は20年以上前に生産終了してるから状態の良い中古が少ないが、737‐700は状態の良い中古が多数ある。
という感じじゃないか。知らんけど。
日本のE-767は旅客機型のB-767を日本政府が購入(手続きのみで引き渡しはなし)した後、レーダードームや各種電子機器を搭載するための機体構造改修、発電機強化、各種電子機器をFMSで提供されたものです。
なので、767の中古を改修、または生産ラインのある貨物輸送型の767-300F、KC-46AをベースにE-3の機器を移植することは可能でしょうが、「今更やる?」感が強いでしょうね。
>ただ非常に興味深いのは米空軍が極秘裏に開発を進めている宇宙ベースのレーダー衛星に地上を移動する目標の監視能力(GMTI)が組み込まれるという話だ。
極超音速滑空兵器に対する備えかな?
B-52は飛ばせて、E-3がダメな理由がわからん。
B-52は全て軍用品だから、米軍が使う限り部品のサプライチェーンは維持される。
B-737は民生品なので製造終了後も暫くは保守部品は維持されるが保証する期間終われば終了。
じゃあB-52ベースでAWACS機を作れば!(錯乱)
衛生レーダーなんて昔なら一笑に付したが今はスターリンク計画も順調に推移しとるしね
世界は変わっていく
B-52とか他の老朽機の整備はどうなんだろ?
E-3だけ目立ってる気がする。
今でこそ70機程度と少ないけど過去の運用規模とか、生まれつきの軍用機か民間の派生とかが影響すんのかな。
とはいえ767は20年以上使っている機材だし多少の旧式化は仕方ないような
空自も将来767をE-2D辺りに置き換えて分散型に移行するかもですね。
ホークアイ2000後継でE-2D自体はさらに増えるでしょうし。
C-130J AEW&Cにしないと母機的に面倒くさそうではある。
開発費出してでも割と運用上はデメリットありそうだしな>E-2
E2Dもけっこうな価格するし脚は遅いから、長距離ミサイルの的にされそうな
一機でも撃墜されると該当空域での警戒には使いづらくなるよ
探査能力(距離、感度)はE-3の方が高い
だけど、レーダードームを回転させてるので、特定の空域の連続探査はできない 次の探査(レーダードームの回転が再び来るまで)タイムラグがある。
なので、AMTI(空中の移動体の探査)能力では固定のAESAレーダーのE-7よりは低い・・・・かな?
(単体では)相手の長距離ミサイルに対する脆弱性は同じだな
攻撃手段さえ届けば衛星の方が脆弱に思える
中国も2000年代に人口衛星撃墜試験を実際にやって成功しましたが、スペースデブリを増加させて世界中から批難を受けたので公開したのはそれっきりですね。
スペースデブリ探査は公開してますから裏でやっても一発でバレますし、中国がターゲットにしている月のヘリウム3資源獲得の障害になるので全面核戦争にでもならない限りはやれないでしょう。
787辺りにフェイズドアレイレーダー8面積めばより高度化はできそう。
生存性最悪だし喪失時のダメージも最悪だけど。
ぶっちゃけ機体は大型高性能レーダー積めるサイズで買いやすい機体ならなんでもいいわけだし。
空中で使える高性能レーダーと空域管制のバランスが取りにくくなってる。
空域管制は地上と衛星でなんとかなってもレーダーが無いと即応性が劣るし。
E-767はE-3の運用が終わるころには運用開始から30年たっているし維持が無理そうだったら引退してもしょうがない
日本もP-1にE-7のセンサーを積んだAEW機を開発してE-2Cの後継にすればあわよくばE-767の後継にできるかもしれない
まだ2030年には時間があるから今後の動向を見ながらゆっくり考えればいい
こうなると気になるのは日本のE-767の存在価値だなぁ。
10年ほど前に空自の図上防空演習をテレビ取材で見た時、当時の想定でもAWACSは真っ先にPLAAF機に撃墜されてて監督官から指揮者に指導が入っていたけど、超長射程の空対空ミサイルが配備された現在となっては日本領空の戦術的縦深なんてあってないようなものだし、どう対処つけてくんだろうな空自。
空自はP-1ベースで作れんのかなぁ?
国産なら生産中止による影響が激減するのに。
B52みたいに長く使えるかも。
韓国が喜ぶな、共食い整備で飛べる機体が何機あるか知らんけど。
共食いが常態化してるのは日本も同じだがね
というか保守部品が安定生産・供給されなくなったものは航空機でもそれ以外も軍民問わず共食いが常態化するのはどの国でも普通では