ボーイングは5月8日、F/A-18E/F BlockⅢのプロトタイプがロールアウトしたとSNS上で発表した。
参考:Boeing rolls out first F/A-18 Block III Super Hornet test jet
The first #FA18 Block III #SuperHornet test jet has rolled out of final assembly. Two of these test jets will head to the @USNavy, where they’ll help pilots familiarize themselves with the updated jets and be used in carrier flight tests. pic.twitter.com/ojmn7Uy4Z0
— Boeing Defense (@BoeingDefense) May 8, 2020
米海軍の評価テストを受けるF/A-18E/F BlockⅢのプロトタイプが完成
ボーイングの戦闘機部門を13年間に渡って支え続けたF/A-18E/F BlockⅡの米海軍調達が終了を迎え、今後はBlockⅡを大幅に改良したBlockⅢ調達が控えている。
今回完成したF/A-18E/F BlockⅢのプロトタイプは米海軍から昨年受注していた最大40億ドル(約4,200億円※1)の契約の一部で、あと1機製造して計2機のプロトタイプを米海軍に引き渡して米海軍のパイロットによる評価テストを受ける段取りだ。
テストの結果にもよるが特に問題がなければ2021会計年度から発注が始まる見込みで最大78機(E型61機+F型17機)の受注が見込まれているが、米海軍はBlockⅢ調達を打ち切って予算を次世代戦闘機「F/A-XX」開発プログラムに付け替えることを表明しているため、もし海軍の方針変更を議会が承認すればBlockⅢの調達は2021会計年度発注予定分の24機で終了を迎える事になってしまう。
※1補足:最大40億ドルの契約はF/A-18E/F BlockⅢの開発費用と同機を最大78機の発注した合計額で。実際の発注は複数年の予算に分割されて計上され調達数や価格も変動するため総額40億ドルの売上が確定しているわけでない。これはあくまで見込み話である。
果たしてF/A-18E/F BlockⅢの運命はどうなるのか未知数だが、仮に米海軍からの受注を失ってしまうとF/A-18E/Fの生産ラインを維持することが難しくなるためボーイングは難しい決断を迫られることになるだろう。
因みにボーイングが新しく開発したF/A-18E/F BlockⅢはBlockⅡに比べて以下の点が改良されている。
- 機体寿命を3,000時間延長して計9,000時間以上を保証
- コンフォーマル・フューエル・タンク(3,500ポンド)
- 追加 10×19インチのコックピットディスプレー搭載
- 大容量のデータを送受信を可能にするためネットワーク機能を強化
- 他のプラットフォームからの目標データ受信機能の強化
- IRST(赤外線捜索追尾システム)を組み込んだ増槽の採用
- LO塗装による低認識性の向上
- 推力向上型のF414-GE-EPE(26,400ポンド)の採用
今回ボーイングが公開した動画の中で新規に採用した10×19インチのコックピットディスプレーが紹介されており、旧F/A-18E/Fのコックピットと見比べると情報表示量や認識性は大きく向上してるのが見て取れ、BlockⅡから順当な進化を果たした手堅い設計だと判断できる。
しかしBlockⅢの最大の売りは第4.5世代戦闘機の中で最も価格が安価に設定されるいる点だ。
最大40億ドルの契約金額にはBlockⅢの開発費や関連諸経費が含まれているため正確な機体単価を割り出すことは出来ないが、恐らくBlockⅢは調達価格は1機5,000万ドル(約54億円以下)以下に設定されている可能性が高く、これは競合する欧州の双発戦闘機タイフーンやラファールは勿論、単発機のF-16V(推定6,400万ドル※2)よりも安価に設定されている。
※2補足:国防総省は4月2日付けの契約でロッキード・マーティンに対しブルガリア空軍向けのF-16C/D Block70/72 8機を5億1,200万ドル(約554億円)で発注したと書かれており、これを元に計算すると発注金額5億1,200万ドル ÷ 発注数8機 = 1機あたりの機体価格は6,400万ドル(約69.3億円)となる。※5億1,200万ドルには約420万ドル(約4.5億円)の事前オプションが含まれている。
ただし、この価格は米海軍向けの価格なので海外輸出する際にどの程度上昇するのか不明だがF-16Vと同等の6,000万ドル程度なら購入を検討する国が現れるかもしれないが、まずは米海軍の評価テストを無事にクリアすることが重要だ。もしここで躓いて機体の修正に時間を要するようなことになればコスト超過や1機も発注されないままBlockⅢの調達が打ち切られる可能性もある。
それを避けて未来に可能性を繋げつためにも、スケジュール内に評価テストを終了させて必ず米海軍からの受注を獲得するしかボーイングに残された道は無い。
※アイキャッチ画像の出典:ボーイング
F-4からF-15になるあたりから戦闘機の価格が異常に上がりだした、ベトナム戦争ではバタバタ落とされていた戦闘機だったがそれ以降は高価な機体を大事に使うように変化した。
これはまるで先進国の少子化と同じで滅びへの道を進んでいくようなものである。
機体が高価になりそれがさらに配備数の少数化に拍車をかける。
ここにきてトランプの商売人としての感覚から既存の機体の低価格化を進めるのはいことだと思う。
開発費用が出せなくなりそうだがこれまでだって莫大な利益は役員の報酬に消えていた。
こうなったら日本もF-3は60億程度で仕上げなければならなくなった、この価格では頭のてっぺんから爪先まで完璧な新型機をつくることは不可能だから、とりあえず大型のステルスボデイにXF9-1を二発とAESAレーダーとミサイルなどを大量に積めるウエポンベイを装備したF-3をさっさと開発してほしい。
それでもF-2やF-15より遥かに有効な高空戦力になる。
あとはそうりゅう型と同様に製造年度ごとに改良を加えていけばいい。
>こうなったら日本もF-3は60億程度で仕上げなければならなくなった
なんでやねん
ほんとになんでやねん
製造業嘗めてるというか物知らないというか、既存機の改造と完全新作を同列に扱える発想がヤバイ
仮に60億に収めるとして、何機作ればいいんすかね。予定通り100機?
進化しているとは言え既存の生産ラインをそのまま使える既存機の価格を引き合いにこれから作る新型機の価格を60億円と決め付けるのは本当に意味不明で理解不可能。
F-3は海外販売は期待薄で少数生産になるだろうから60億円なんてどう考えても無理筋。
仮に4世代機を全くの新規でイチから設計しても量産機の価格は100億軽く超えると思う。
製造業舐めすぎてて悲しくなってくるな。
安く出来ればそれにこした事はないが、F-3は売る必要がないのだから開発に支障が出るような安値にする必要はない。
数十年前の型落ちのバージョンアップされた機体と、これから開発する最新の機体と価格競争するってどう云う事w
「とりあえず大型のステルスボデイにXF9-1を二発とAESAレーダーとミサイルなどを大量に積めるウエポンベイを装備したF-3」
これのどこが「とりあえず」なのか。
既知の要件で入ってないのスマートスキンとライトスピードウェポンくらいじゃん。
実用レベルに達してるFBLは今更削る意味もないし。
この内容で急いで作って1機60億が達成できるならF-35買わずにそうしてるわ。
そもそもインフレーションという言葉を知らなそう
後安く済ませるならレーダーは旧式にしたほうが良い(無論弱いが)
あまりにも常識はずれな発言に驚く。
ひょっとして社会に出た事のない人なのか?
最近、このサイトにもこういうバカが湧いてきたな
コンフォーマルフューエルタンクはまだつかないんですかね
まだエンジンを換装してないので、CFT付ける必要がないそうです。
どこかのKFXがコレより安価で高性能を謳ってましたが、更に眉唾な話になりましたね。
各国コロナで軍事費が圧迫される中、コレで更新したい国も多くあるのでは。
F-4の後継機はこれで良かったんじゃ無いかと思うような安定感バッチリそう
F-35は正直、もう少し完成してから買いたかったよね
ただステルス機無いのも今の時勢だと有り得ないから致し方ないけど
俺が韓国政府なら、アホな事してないでこれ買うわ
F-16と違ってマルチロールで何にでも使える
F-35はなかなかおいしいタイミングで名乗りをあげれたと思うぞ?
もう少し遅れていたらおいしいとこ韓国あたりにとられていただろうし
完成まで待たなかったからこその好条件だし
とはいえゲルがF-2のライン閉じなければもっと楽できたハズなんだけどな
>とはいえゲルがF-2のライン閉じなければもっと楽できたハズなんだけどな
被災機の対応とか、大分変わっただろうね。
戦闘機とか旅客機をラインナップに持たないノースロップ・グラマンの方が
却って堅実に経営出来ているように見えてしまいますな。
(まあ、あっちはあっちでお船とかでやらかしてるみたいだけど)
F/A-18系はとにかく騒々しいエンジン音がね…
反戦系の市民達にはとても耐えられない爆音だから狭い国土の日本じゃ無理だと思われ
厚木基地付近で働いていた事がありますが、F/A-18のバリバリバリ!という凄まじい騒音は航空機ファンでも耐えられないレベルでした。
block3ではエンジンがF414-EPEに更新されて20%も推力が上がっているとの事なので、騒音は更に悪化しているのかも。
騒音関連について疎いのですが、F404やF414は、F100やF110よりも爆音なのでしたっけ?
進化しているとは言え既存の生産ラインをそのまま使える既存機の価格を引き合いにこれから作る新型機の価格を60億円と決め付けるのは本当に意味不明で理解不可能。
F-3は海外販売は期待薄で少数生産になるだろうから60億円なんてどう考えても無理筋。
既存機の発展型とは言え双発エンジンの4.5世代戦闘機がリーズナブルな価格で販売されるならKFXを買う国はますます現れなくなる。
既にF-35Aと変わらないお値段が予想されている時点でどうしようもなく・・。
更に言うとF-16VやF/A-18E/F以上の能力と汎用性があるかといえばそんな保証もなく。
あ、いやバカにする意図はないんですよ。
他山の石としましょうということで。
今更だけど、F414-GE-EPEの26,400ポンドって、
F100-PW-220とF100-PW-229の中間位なのですね。
凄いなぁ。
Block-2を安く売るって手はあるかも?
エンジンはF414-GE-400 (ドライで62.3 kN)なんですよね、F-15/F-16のF-100/F-110は100 kN以上、F-35AのF135は128.1 kNぐらい
つい先日、モスボールしてあったF型を現役復帰させてましたけど、あれってブロックいくつの奴でしたっけ
艦上機でいかにも値がはりそうなF/A -18E/FがついにF-16以上にお買い得戦闘機になってしまうとは、世の中何が起こるかわかりませんね。
タイフーンの大失敗とか、MiG -21の発展型?が現在生産されてるなど戦闘機業界はカオス状態ですね。
そうは言っても、西側世界で唯一購入可能な
第5世代戦闘機であるF-35も十分お安いんですよね。
空軍機も海軍機も海兵隊機も、全部F-35一機種の一人勝ちになると
戦闘機製造メーカーも一社で済んでしまうの、悩ましい問題ですね。
それはそれで市場独占になっちゃいますもんね。
PCでいうところのインテル一強の結果どうなったかを考えると、ボーイングにも頑張ってもらわないと困るんだよね。