米ワシントン・ポスト紙は10日、予想外の失態を演じたロシア軍は問題点の修正に成功して「ウクライナが勝利するという希望はロシアの圧倒的な火力の前に失われつつある」と指摘した。
参考:As ammunition runs out, Ukraine’s hopes dim on eastern battlefield
ロシア軍は壊滅状態にあった部隊の再建に成功、この2ヶ月間だけで4万人~5万人の兵力を増強してきた
侵攻当初のロシア軍は舗装道路沿いにウクライナの奥深くまで数日で到達したが、伸び切った無防備な補給ルートをウクライナ軍に叩かれて前進が滞り、最終的にロシア軍は大きな損害を被ってウクライナ北部から撤退を余儀なくされた。
しかしドンバス地域のロシア軍は圧倒的な短くなった補給ルートに支えられ「伝統的な砲兵戦力による破壊」を徹底、榴弾砲や多連装ロケットシステムの保有量や備蓄弾薬で劣るウクライナ軍は遠距離で展開される砲撃戦で押され、戦死者や負傷者の数は侵攻当初とは比べ物にならないほど増加しており、米ワシントン・ポスト紙は「ウクライナが勝利するという希望はロシアの圧倒的な火力の前に失われつつある」と指摘している。
スラビャンスクの北西に位置するドベンケを守っていたウクライナ軍兵士達は「砲撃で全ての建造物を破壊した後にロシア人はやって来る、我々が所属する部隊の1/3は砲撃で殺されドベンケから後退せざるを得なかった」とポスト紙に明かしており、この兵士達は「ウクライナ軍の防衛ラインは有効ではなかった=恐らく圧倒的な火力を遠距離で叩きつけるロシア軍を前に対戦車ミサイルで対抗する戦い方では守りきれないという意味」と述べいるのが興味深い。
さらにウクライナ政府の国防問題でアドバイザーを務めるダニリュク氏も「敵は何十kmも離れた位置から砲撃を加えてくるため我々の攻撃手段では反撃する事さえできない。旧ソ連製装備の備蓄弾薬は底をつき、同じシステムを保有する東欧諸国からの供給も限界に達しているため長射程で高性能な西側装備への移行が急務だが、現在供給されている量ではロシア軍の圧倒的な火力に対抗できない。敵はウクライナ軍陣地に毎日5万発の砲弾を打ち込んでくるが、我々は5,000発~6,000発しか撃ち返すことができない」とポスト紙に明かしている。
米国はロシア軍の火力に対抗するためウクライナに22万発もの155mm砲弾を提供すると約束しているが、もしロシア軍の火力に対抗して毎日5万発消費すれば「4日で砲弾を枯渇する(実際には毎日5万発を発射するだけの砲兵装備が足りない)」とポスト紙は指摘、ウクライナで戦うロシア軍には米国製MLRSに匹敵する多連装ロケットシステムが今だに数百輌(侵攻当初に投入された数は推定900輌)も残っており、米国と英国がウクライナに提供すると発表したMLRSの数は7輌だ。
勿論、提供される7輌はウクライナ軍兵士を訓練するためのもので「受け入れ準備が整えば追加でシステムを提供する」と示唆しているが、戦場に数で劣る米国製MLRSが投入されたところで現在の戦況を覆すほどの効果は見込めず、米国製MLRSを扱えるウクライナ軍兵士の数が増え、西側諸国がまとまった数のMLRS提供に踏み切らなければ「火力の均衡」は何時まで経っても実現しないだろう。
因みに多くの軍事アナリストは「深刻な兵士不足にロシア軍は直面している」と散々指摘してきたが、ダニリュク氏は「ロシア軍が壊滅状態にあった部隊の再建に成功して、この2ヶ月間だけで4万人~5万人の兵力を増強してきた」と述べており、ロシアの防衛政策が専門のロブ・リー氏も「東部戦線でのロシア軍は近接航空支援や機械化部隊の配備など作戦運用が巧みになってきた。侵攻初期よりもゆっくりと前進しているためロシア軍側は被る人的被害を減らしている」と指摘している。
東部戦線での苦境が過度に強調されているだけで「ウクライナ軍はロシア軍に勝っている」と主張する海外メディアや軍事アナリストも一定数存在するが、スラビャンスク~リシチャンシクの間でロシア軍の南下を防いでいる天然の防衛ライン(ドネツ川)がどこかで破れると「ウクライナ軍最強の統合部隊(正式には合同部隊作戦/Joint Forces Operation)が失われる可能性がある」と懸念する声が増えており、結局のところウクライナ軍がどんなに自己犠牲の精神を発揮しても、戦場を支配する砲兵装備や弾薬がなければ敵の大砲の餌になるしかない。
関連記事:ウクライナが必要とする重装備の量、榴弾砲1,000門、MLRS300輌、戦車500輌、装甲車両2,000輌
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
日本の防衛省が言っている「質で量に対抗する」というのが意味のない言葉であるのがよくわかる
相手より射程の長い兵器を持っていても数が足りなければ焼け石に水だ
典型的な大陸野戦の彼の地の状況と、本邦の島嶼戦ないし山がちな海洋列島防衛という条件との違いがありますから、一概にそうと決めつけるわけにもいかないと思います。置かれた状況次第で国ごとの国防ドクトリンは様々でしょう。
日本だけでなく、一般論として西側諸国は「質で量に対抗する」という選択をした兵器が多く、西側諸国がウクライナに贈った兵器の金額は新品購入時のドル換算の金額で比較すればロシア陸軍の兵器の総額に匹敵する可能性がある。(ただし、退役寸前のお古の兵器も多いが。)
ともかく、自走砲を含む榴弾砲で比較すると、ロシア軍が少数しか保有しない2S35 コアリツィヤ152mm自走砲と比較的多く保有する2S7ピオン 203mm自走カノン砲を除けば、アメリカ等が供与したM777榴弾砲やフランスが供与したカエサル自走砲やオランダやドイツが供与したPzH2000自走砲の方がロケット補助砲弾どうしの射程では大幅に長く、ロケット補助砲弾と比べ比較的狙いが正確なNATO諸国供与のBB弾で射程が同程度だ。NATOから少数しか供与されていないであろうエクスカリバー砲弾では命中精度も射程も優れている。
射程の長い2S35 コアリツィヤ152mm自走砲と2S7ピオン 203mm自走カノン砲はHIMARSやM270・MLRSがウクライナに到着すれば、HIMARSやM270・MLRSの射程80kmでCEP10m未満のミサイルで破壊すれば良い。ロシア軍が比較的多く保有する2S7ピオン 203mm自走カノン砲は砲が長く特異な形状をしているのでドローンで発見しやすいはずだ。
尚、動いていない多連装ロケットランチャーや戦車や歩兵戦闘車や(自走砲を含む)榴弾砲に対して、榴弾砲砲弾による破壊成績はCEPが5m未満のエクスカリバー砲弾100発の方がCEPが100m以上のロケット補助砲弾千発より優れている。
スペックだけを見比べればそうかもしれないけど、実戦で理想がそのまま再現できる訳じゃない。
米国がウクライナに提供したM777の大部分は、
gps誘導弾を使用するのに必要な装置が取り外されてるという指摘もあるし、あんまり理想的な展開だけで物事を判断しない方がいいと思うよ。
>スペックだけを見比べればそうかもしれないけど、実戦で理想がそのまま再現できる訳じゃない。
実戦で長所を活かせるように作戦を立てるべきです。
NHKの国際ニュースを見てたら、フランスから贈られたカエサル自走砲を少なくとも3輌が100m未満の間隔で集団で砲撃していましたが、別個に離れて砲撃しないと対砲兵レーダーで位置特定されて反撃された場合に3輌が一網打尽になります。無料で支援されたからといっても大切にすべきです。ちなみに、そのニュースでは職人技なので戦争だからと言って増産は困難と言っていました。タダと思って、いい加減な運用すべきではありませんし、いい加減な運用してるから特性・長所を活かしきれず負けるのです。
>一般論として西側諸国は「質で量に対抗する」という選択をした兵器が多く
戦闘での量はそれを扱う兵士の命がかかっているわけですから、その犠牲を許容できるほど兵器のコスパや数を優先しやすくなるわけであり、人命(人権)の価値感が高い国ほど兵士の生存性優先となるため高性能高価格なものを求める方針になるというわけで
そのあたりは国(政府)の人命に対する価値観の差によるところが大きいでしょうね
いや、ウクライナの様相を見て質じゃなく量だというのは完全に間違いです。
そもそもロシア軍が10倍も投射してるかと言いますが、ウクライナ軍が壊滅するどころか攻めきれず、寸土の攻防になっていますよね。
ここで仮にウクライナ軍が10倍持ってたとして似たような様相ですよ。100倍持っても国境付近が限界ではないかと。
双方に質が低いから、膠着状態で泥沼な消耗戦しているというのが全体的な状況でしょう。
ウクライナ戦は湾岸・イラク戦争以来の正規戦と言いつつ、実情は正規戦の様相には
なっていないと思います。
なにより正規戦では主役となる筈の航空優勢の確保、航空戦力の活躍がさっぱり
目立ちません。
これは両軍共に空軍力が数的にも質的にも不足で、双方共に相手の地対空防空網を
制圧しきれずに簡単に活動を押さえ込まれてしまうのと、稼働力や精密誘導兵器など
の不足が活動の不活発さに拍車をかけています。
前大戦的とも言える砲兵戦力の活躍も空の脅威が少ないからとも思えます(新たな空
の脅威として無人機やドローンがありますけど、それはまた別の話)
これがアメリカが空母打撃群を投入したりNATO空軍が介入していたりしてたら全然
違う様相になっていると思います、果たしてロシアの砲兵部隊は生存出来たでしょうか。
その考え方も落とし穴があるんだよな。
射程が長い事での相手方負担も当然有る訳で、射程のせいで長距離攻撃制限されているウクライナ側が大元の兵站とかに攻撃出来ないから射程圏内の敵ばかり非効率に叩くしかない状態だし。
侵攻当初のロシア軍の動きが戦術のせの字もない意味不明なものだっただけで、これが本来のロシア軍のドクトリンであり、だからこそロシア軍がウクライナ侵攻すればあっという間に、と想定されていたわけですからね
>ウクライナで戦うロシア軍には米国製MLRSに匹敵する多連装ロケットシステムが今だに数百輌
大規模なウ軍自走砲・火砲陣地は射程差によりこれで先制攻撃され、残った火砲や小規模陣地はけた違いのロ軍火砲に擦り潰され、あとは戦車を中心とした機甲部隊に進軍され…
という流れが繰り返され、反撃の糸口が見いだせないのが厳しいところ
こうなってしまえば射程の短いジャベリンや銃火器など歩兵携帯装備は命がけの嫌がらせ以上のものではなくなってしまいましたし
両軍にとって計算違いだったのは初期ロ軍の動きの悪さとそれによる西側のウ軍支援方針が固まり、そのためロシアの軍事力・国力に予想以上の出血を強いることができ、また今後のロ軍侵攻は確実ながらもその速度は遅いものとなるということぐらいでしょうか
(ロシア空軍が積極攻勢に出るようになれば進行速度は大幅に上がりかねませんが)
こうなるとあとは今のロシアがどこまで支配域拡大を目標にしているか、軍事予算拡大による国力低下にどこまで耐えられるか、プーチン政権の安定度(国内情勢)や本人の健康具合はどうか、などといった戦闘面以外の部分が大きな戦闘終結要素になってきますね
>侵攻当初のロシア軍の動きが戦術のせの字もない意味不明なものだっただけで
侵攻初期のキーウ攻略戦に関して言えば、むしろ空挺と機甲による最小の戦力でウクライナ首都を押さえることで全土の平定が可能になるわけですから戦略的にも戦術的にも政治的にもまずは試みて損は無い軍事行動だったのでは。その阻止に成功したウクライナ軍の自国空港破壊や人為洪水による進撃阻害などの巧みな抗戦策を評価すべきでは、とも同時に思っています。
米軍でしたら砲爆撃で敵軍を徹底的に叩いた後に、空挺と機甲部隊を前進させます。
ロシア軍は砲爆撃と同時に空挺と機甲部隊を前進させて、生き残っていたウクライナ軍に反撃されています(砲爆撃も米軍に比べたら不十分)。
他に、兵力約19万人でウクライナを四方八方から攻撃したら、兵力が分散してウクライナ軍に各個撃破されていました。
当初のロシア軍はプーチンの政治的判断を優先した結果、「虻蜂取らず」になったと思いますね(ウクライナ南部は取れましたが)。
話は変わりますが、ウクライナ東部に戦力を集中させたロシア軍は、毎日5万発の砲撃を行っているとありますので、我が国も弾不足にならないように備蓄量を増やす必要がありますな。
弾薬備蓄に関してですが、本邦は完全NATO規格準拠ですし米国との同盟関係があるのでウクライナよりはまだマシですね。それと、生モノの弾薬をどこまで備蓄するかは悩ましい問題だと思います。陸海空自衛隊がそれぞれ思う存分ぶっ放して一年持つだけの備蓄などはさすがに非現実的ですし。むろん、今現在の備蓄量には私も不安はありますが。
>戦略的にも戦術的にも政治的にもまずは試みて損は無い軍事行動だったのでは。
失敗した結果相当数の人員と装備、そしてロシア軍の評判を損失しているので、損は無いなんて言える状況ではないかと思います。検討すること自体は良いのですが…
ロシア「成功確実とはハナから思ってちゃいねーぜ!ギャンブルだギャンブル!人員装備の喪失も想定内だしよ!評判なんか気にしてたらそもそもウクライナ侵攻してねーから!ウラー!」という可能性も無きにしも非ず…とかさ?あの国、普通じゃねーから。
精鋭部隊をただすり潰されただけなので
テストにはあまりに高い代償ですね
防空網の生きているウクライナ中心近くに精鋭の空てい部隊をろくな掩護や欺瞞工作もなくステルスでもない普通の輸送機で送り込み、当然のごとく輸送機ごと無駄死にさせたようなことは、戦略的にも戦術的にも政治的にも事前に結果がわかりきっていた大失敗だと思いますが・・・
考えて投入された機甲部隊は全長60km以上にも及ぶ大渋滞を形成して何日も立ち往生するはめにはならないかと
ちと追加を
>侵攻当初のロシア軍の動きが戦術のせの字もない意味不明なものだっただけで
私は↑の文章に疑問を呈し、侵攻劈頭に首都陥落を狙って戦力投入するという戦略それ自体は合理性があるのでは、意味不明とは言えないのでは、と主張しているだけですよ。
ロシア軍の実際の首都進攻の作戦階層・戦術階層での顛末がどうとかそういう話は関係ないんですよ。別に、結果が無様だったとかアホのようであったとかお笑いロシア軍だったとかどうでもいい事であって、そもそも成功してようが失敗していようが首都攻略という戦略が意味不明だとは誰も考えませんよね?結果の話をしているんじゃないんです。
実効性も計画性もないものは戦略性や合理性があるとは言いませんよ
日本政府が「自衛隊をアメリカ軍と同等の質と量を備えた規模にしたら中国に対応できる」と言い出し、それに向けて全力で動き出したらどう思いますか?
実現できればその通りでしょうが、それは中国の脅威に対しする戦略的な合理性がある動きと言えますでしょうか?
やはり砲兵…砲兵火力は全てを解決する
前時代的な大砲兵戦が幅を効かせているのは両軍共に航空優勢が無いからです。
航空戦力の活動が不活発であるが故に、身を隠す場所も少ない開けた地形で砲兵
が店を広げて大っぴらに活動出来ているに過ぎません。
(それでも無人機やドローンの新たな脅威がありますが)
湾岸・イラク戦争ではイラク軍砲兵は火砲3000門と相応の脅威でしたが空からの
攻撃で完全に制圧されて、まるでいいとこ無しで終わっています。
米国やNATOが航空戦力だけでも介入していたら、こんな様相にはなっていないでしょう。
>スラビャンスクの北西に位置するドベンケを守っていたウクライナ軍兵士達は
>「砲撃で全ての建造物を破壊した後にロシア人はやって来る、
>・・・・・
これはウクライナ軍がイジューム市内の中心を流れるドネツ川にかかる車両通行可能な2本の橋を破壊せずに撤退した事が原因だ。撤退前に2本の車両用の橋を破壊しても、細い人用の橋があるので、歩兵が北岸(左岸)に取り残される心配が無いのに、なぜ車両用の2本の橋を破壊しなかったのか不思議だ。そのために非常に多くのウクライナ軍兵士が死傷しているのだ。また撤退後も155mm榴弾砲で車両用の橋を砲撃して補給妨害してなかったなら、わざと負けてNATO諸国に更なる兵器を要求した疑いが生じる。ウクライナ政府には説明責任がある。もし、万が一、仮に、西側諸国から多くの兵器を入手するために、わざと負けてるとすれば、味方の兵士の多数の死傷の責任があり許しがたい。
>これはウクライナ軍がイジューム市内の中心を流れるドネツ川にかかる車両通行可能な2本の橋を破壊せずに撤退した事が原因だ。
これはセベロドネツクでも起きた事なのですが、「今後の反攻の際の部隊進撃の為に橋が必要だから、直ぐには壊せなかった」が真相だと思います(当時はウクライナ軍による「6月反攻」が真面目に言われていた)。
特に車輌用の橋は簡単には修復出来ませんので、反攻の事を考えると簡単に破壊の決断は下せなかったのでしょう。
それで、恐らく橋の手前でロシア軍を阻止するはずが失敗したと言う事ではないでしょうか。
(尚、セベロドネツクでウクライナ軍が後退しなかったのも「ここを失うと来る反攻の際の橋頭保が無くなってしまう」恐れが有った為ですが、結果としてはロシア軍に反撃の大チャンスを与えてしまった訳です)
>特に車輌用の橋は簡単には修復出来ませんので、
>反攻の事を考えると簡単に破壊の決断は下せなかったのでしょう。
>それで、恐らく橋の手前でロシア軍を阻止するはずが
>失敗したと言う事ではないでしょうか。
それは以下の理由で考えにくいです。
(1)仮に反攻のために橋を温存して橋の北側を多大な犠牲を払って死守しても、いざウクライナ軍が反攻できるほどに力を盛り返しロシア軍が撤退しようとすれば多連装ロケット砲で橋を攻撃して破壊します。
(2)イジュームの橋でロシア軍がドネツ川を渡ると、ウクライナ東部の要衝スラビャンスクの北西が攻められ、下手をすればウクライナ東部のウクライナ軍が包囲される危険があり、イジューム北方の過疎地域への反攻のために温存するのは大きすぎるリスクです。
(3)イジュームの北側はドネツ川左岸(東岸)とOskil川右岸(西岸)に囲まれた地域ですが、イジュームは今年2月28日から攻撃を受け3月12日に北部が陥落し4月1日までに南部も完全に陥落しました。しかし、その時点でもハルキウ東方のドネツ川のダム湖のStaryi Saltivの堰堤の橋は残存しており破壊されたのは5月12日のロシア軍撤退時と推定されてます。
リンク
つまり、イジュームでの戦闘時点でイジュームの橋を破壊してもハルキウ東方に橋があったのです。
ちなみにハルキウ東方のStaryi Saltivの堰堤の橋はロシア軍撤退時の5月12日に破壊されましたが5月17日にウクライナ軍は渡河し橋頭保を確保しており、今やイジューム市内の橋を破壊しても反攻に支障が無いので破壊すべきです。
(4)これは地方の司令官の権限を越える事ですが、反攻でドネツ川を渡河できずとも、反攻でロシア本領を除くドネツ川右岸全てを制圧できれば交渉で交換可能で今年の2月23日以前の戦前の状態に復帰可能です。なぜなら2月23日以前のドネツ川右岸の戦前のロシア系民兵支配地の方が経済的価値がウクライナ領のドネツ川左岸より経済的価値が高く、ロシア系民兵の大部分の出身地だからです。
ウクライナ軍も地の利のない土地で戦っていますからね。キーウなど森林の天然の要害地域だと火力はいくらあっても足りないが、東部は平原地域でロシアに近いですからね。最悪東部撤退して森林地域で防衛しないといけなくなりそう。
日本はウクライナに肩入れしてきたが、ロシアが勝利した後が大変だね~
ロシアに北海道進行されても文句言えない状況だし(勿論文句言うし戦う)どうすだろ。
ウクライナが負けたからといって北海道に攻めてくることはないと思いますがね。ここ10年ほどはロシアの国力が減り、ロシアは中国頼りになるでしょう。その中で軍事侵攻できる力が今のロシア軍に残されているとは思えない。
しかし万が一ロシアが北海道に侵攻してくるとしたらどこからでしょうか。稚内駐屯地あたりでしょうか。それとも第2師団がいる旭川駐屯地付近でしょうか。それとも札幌?
典型的なお花畑思考ですね。
侵略はないだろう、長くは戦えないだろう、経済制裁で衰退するだろう、その結果がロシアの一人勝ちですよ。
ロシア人を根絶やしにしなければ自分達は生き残れないっていう当事者意識の無さが西側の権力者にも民衆にもない。
このままじゃ欧州も日本もロシアに滅ぼされるだけですよ。
やるのはいいとして大規模侵攻するには物資や兵力を事前に集めておかないといけないしそれは衛星でバレる
だから今回ロシアは大規模演習と言って誤魔化していた
そもそも一気に揚陸する船もないでしょうが
逆に中国が台湾尖閣に侵攻する際に日米軍を分散させるために北海道に侵攻しろと中国から指示を受けそうですね。
今のロシアに北海道侵攻の実力があるのか云々という話は、ロシア単独で北海道侵攻の場合であって、
中国が福建省に大量に軍を集結させる一方で、ロシアが国後や歯舞と樺太に軍と補給物資を大量に集め、
MLRSを大量に根室に向けて並べてる状況を公開するだけで
相当なプレッシャーになると思います。
というのは今回のウクライナ侵攻でロシアには、軍を集結させた場合、単なる脅しではなく、本当に侵攻する場合があるというある種の信頼性をつけたからです。
ただ、そういうシナリオは日米で想定されていて、その場合の動き方は決めているとは思いますが
中国の台湾有事なり尖閣有事において、実際には日米を攻撃・参戦こそしないもののロシアが中国の舎弟としてベラルーシ役を演じる、それは確かに説得力を感じます。想定しておかねばならないシチュエーションですね。
中国に呼応して日本を攻める
そうすると台湾と韓国の背後も落としに来るという訳なので世界大戦以外ない
それがいつであろうと総力戦になる
アメリカが核で守らないと言うなら間に合おうが間に合わなかろうが核武装するしかない
座して死ぬという選択肢はあり得ない
ロシアは***だから、***に侵攻する事はないだろう。
この論調で、今年の二月に突如と侵攻してきた軍隊がある事をもうお忘れでしょうか?
ロシアが侵攻をしてくる可能性がある場所は、オホーツク海に面する地域に限らず、日本海に面する地域(北海道えりも町-根室-稚内-福岡県)はロシアの上陸戦が展開される可能性が高いでしょう。
なぜならロシアの太平洋艦隊の本体はウラジオストックにあるためです。
大きな海戦は日本海で起こり、オホーツク海方面は北極海周りの艦隊が来るまでは小康状態となるかもしれませんが、オホーツク海と日本海をつなぐ場所にある稚内は激熱のホットスポットになるでしょう
仮想敵の「意思」と「能力」どちらにも警戒する必要があるわけですが。これ、言い換えれば相手にとっての「戦争目的(獲得したい利益)」と「成功可能性」と言い換えることが可能だと思います。さて、ロシアによる北海道侵攻の目的と成功の目途はどの程度でしょうか?渡洋侵攻はまず第一に陸戦と異なり兵站の維持に苦労するでしょう。
ちなみに、北海道を略奪しようとして日米に撃退され、挙句にもしも北方四島(そのうちの1~4島)を逆に奪われてしまったら、という藪蛇に陥るリスクはどの程度のものでしょうか?そんな事にはならない?失ってもかまわない?ウラジオストクのロシア戦略原潜拠点から太平洋に入る通路である北方四島を失うシナリオはロシアにとって軽い話では無いでしょう。例えばクリミア半島のセバストーポリ軍港の借地契約更新が不可能になる悪夢とほぼ同様かと。大きな利益を求めたギャンブルに失敗して、今持っている小さいけれど大切な宝石を失う可能性もある…さて、あなたなら決断はいかに。
ちょっと追加です
軍隊を動かして戦争するのもタダじゃありませんから、その代わりに得られる利益が明らかに貴重か大きいか、あるいは何も行動しなければ重大な何かを失ってしまうか、道義や正義のためか、そういった何らかの明確な理由が存在しなければおかしい。
仮にロシアは北海道に侵攻して全域あるいは部分を平定・編入したい、どうしても北海道が欲しい、熱望しているとしましょう。それはいったいどんな理由で?これ、北朝鮮は東京に核を撃つ式の意見と同様で、その行為にどんな利益があるのか、その利益がどれほど重要で渇望しているのか、そこを抜きには語れない筈です。
むろんロシアは北海道の農産畜産漁業資源欲しさに、というわけではないでしょう。軍事的に?現状と比べて北海道への自国軍隊・兵器の配備はロシアにとってどれほど必要あるいは重要な事なのでしょう?逆に、リスクとして米国やカナダの国家安全保障上の深刻な状況変化だと思われますから紛争関係国は日本だけではなく、日米だけでもなく、さらに広がる可能性もある。日米加、となれば英国や豪州も無反応、というわけにもいきますまい。それでも北海道侵攻する可能性は大いにある?そうなんでしょうか?個人的には懐疑的です。
やらない可能性を考えるより、やられたときの事を考えようよ。
本気で改憲、軍備の短期間での大幅拡張位は議論した方がいい。
参考までに
私個人はむろん防衛力強化・防衛予算増加・憲法改正論議などに賛成です。しかしその理由はロシアが北海道に攻めてくるから、ではなくて南西諸島方面への中国人民解放軍による侵略に対する備えとして、です。
言い換えると、災害への備えも重要ですが、それは東南海地震や首都圏直下型地震に対してであって、巨大隕石落下を気にする必要は当座無いでしょう。リスクは細分化して個別に「蓋然性」×「予想被害規模」という積算で深刻性・重要性を鑑みて対処優先度を決めると良いのではないでしょうか。陸自の曲射火力のウクライナへの供与に関しても、日中軍事バランスを考えれば現時点ではそんな事をしている余裕は我が国には無い、と思います。
文句言えないとはこれ如何に
日本語不自由だぞ
6月下旬には西側装備で大規模反攻じゃなかったっけ、ワシントンポストだから割引いて見る必要があるんか?
輸送やの手続きに重大な遅れが発生して、最大で2ヶ月程度の遅延が発生してるとの事…
負ける負けるとは言うものの、「西側兵器の供給が確保出来なければ」という前提ですから、これは認識しておく必要がある。もちろん、ここを閲覧している諸賢氏には釈迦に説法と思いますが….
当然ロシアはウクライナの負け戦を喧伝して西側の援助の意思を挫こうとプロパガンダを垂れ流している状況で、日本でも限界親露派は同調していますね。
一方でややこしいのは、西側からの援助を引き出すためにウクライナ側にも苦境をアピールする動機はあるし実際ゼレンスキー氏もたびたびそれを口にしている。
この件についてはまぁ、何処かで支援のレベルをガンと引き上げないといけないのでしょう。個人的には戦況について悲観論が支配的になる前に、出来る限り早目に引き上げた方がいいように思いますが。
いずれにせよ、ロシアに対しては「侮ってはいけないが決して恐れてはいけない」心もちで対峙していく事が肝要です。
西側諸国としても、苦戦しているウクライナがさらなる援助を求めている、という前提がなければ、自国民から武器供与の継続の理解を得ることは難しいでしょう。
楽勝モードになると武器供与いらないじゃんとなるし、敗戦モードだと損切りしてしまえと国民が言い出しかねない。
国民主権国家であるこその悩みですね。
その西側諸国からの支援も各国で足並みが乱れまくってるから言われているのではないでしょうか
21世紀の国家同士の戦争は物量よりも兵士の練度と兵器の性能、情報戦や電子戦で優位に立つ事が勝利の鍵と考えていましたが結局は敵領内の兵站を壊滅させない限り大昔同様の物量が勝敗を決する訳でしょうかね?
双方とも空軍力が発揮できない限定的な状況で戦闘様相が第一次世界大戦の水準まで回帰してるのは戦史全体で見ても非常に興味深いところですね(これと同じことが他の地域の将来戦でも起こるとは思いませんが)。ここにNATOの空軍力が投入できればロシアの数と規模の優位性も一発で崩せるのでしょうが、参戦の法的根拠がない以上ウクライナは不利と分かっていてもロシアが得意とする数攻めの野戦の土俵で戦わねばなりません。兵器の供与についても、数的劣位を覆すのに必要な航空戦力や戦略級の地上兵器を送る気が米独にない以上、その効能もいい加減頭打ちになってきている感がありますね。
考えたくはありませんが、大統領の言う「反攻作戦」の規模や時期次第では降伏か死かというロシアが投げた最初の問いかけに戻らねばならないのかもしれませんね。
このタイミングでの記事、よく考えたら今月下旬にマドリードで開かれるNATO首脳会議(日本も初参加の見込み)へ向けての観測気球か、ロシアによる「ハイブリッド戦争」の一環としての情報戦のどっちかだと思います。
只、ロシア軍も東部方面で徐々に戦果を挙げつつあるので、今後の戦況次第では敗北を覚悟しているNATO諸国の間に停戦降伏論への雪崩現象が起きる可能性は充分有るでしょう。
初戦でスマートな戦争しようとしてボコされてロシア軍弱っ、と思ってたが、
プライドをかなぐり捨てて普通に戦うとやはり侮れない連中だな、しかも核も持ってるし
ロシアはクラスター爆弾も燃料気化爆弾も使い放題で、ドンバス等から弾除け動員したり、インフラ破壊や住民の巻添えなんてお構いなしの砲撃とかやりたい放題なのに、ウクライナは戦闘機や長距離兵器の供与はダメ、越境攻撃もダメとか縛り多すぎだからね。
この縛り条件下でよく互角に戦っていると感心する。
ロシアが安全保障目的で始めた今回の侵略によって、NATO主要加盟国の軍拡化を促し、北欧諸国のNATO参入への方針転換、及びウクライナの完全なる敵対化を招いた訳で、幾ら現時点でロシアが消耗戦による東部戦線で戦術的勝利を重ねた所で、ロシアの戦略的敗北は免れないでしょう
問題は、ロシア側が砲撃戦という消耗戦へ掛け金を釣り上げてきた事に対し、支援国がウクライナの犠牲を承知で従来の小出し支援を続けて泥沼化を維持するのか、エスカレーションを覚悟して更なる支援拡充へと上乗せするのか、という賭け金の出し方をどうするのかであって、ウクライナ側のロシアを降ろさせる方針は変わらないと思います
ウクライナはふざけるなと思うでしょうが、兵站を他国に依存してしまっている以上、スポンサーの意向を基にした戦い方をする他ないでしょう
どうかな。
NATO加盟国内で、早期降伏論が高まるかもしれない。
ロシアと国境を接している国々は、絶対に認められないだろうけれど、元々ロシア寄りの5つ星連合が政権与党のイタリアが一番危ない。
それに続くフランスも、極右連合が完全な親プーチン派で、NATO離脱を標榜している。
次のフランス議会選挙でも極右連合が躍進するっていう観測がそもそもでていた中で、早期降伏論が高まれば、さらなる躍進をしてしまう恐れがある。
フランスは過去、NATO離脱っていう前科がある以上、2度目がないとはとても言えない
ロシア、中国、フランス・イタリアによる、NATO包囲網が構築されてしまう可能性は注意すべきだと思う
朝のNHK国際ニュースでやってたけど、フランスのカエサルは生産工場が一箇所で、
砲も年産100門しか生産能力を持たないと(摩耗した砲の交換も考慮すると、=カエサルを年間100台とはいかないだろうけど)
フランス以外はわからないけど、軍縮時代が長かったことを考えると大差はないと思うので、
支援を小出しとは言うが自軍の整備も急がないといけない中、EU各国は実は今のペースでの支援が限界かもしれない
チート国、アメリカの余力は流石にわからないが
ほんと、このロシア軍の無尽蔵に沸いてくる軍事力はどこから来てるんだろうな…。
10人以上将軍が死んで、3万人以上兵士が死んで、1000両以上戦闘車両が破壊され、あれだけミサイルや砲弾撃ちこんでまだ戦えてる。 全然干上がらない。
軍事アナリストは「深刻な兵士不足にロシア軍は直面している」と散々指摘してきた~ とか書いてるけど、全然だよな。
専門家の予測なんて、だいたいハズれる。
ソ連製の兵器は字の通り『使い切れないほど、死ぬほど』つくってますからね。
動態状態の車両ですら馬鹿みたいに保有しているのに、何万両もの戦車・装甲車が保管状態で残されているのだから尽きるはずもない。
まず第一に現状ではロシア軍はウクライナ全土を併呑出来る程の兵力はない。これをするには国内を戦時体制に移行して動員を掛けないと難しい。
それに3万人の戦死者だと負傷者は少なく見積もっても3倍はあるので9万人となり、合計12万人が戦闘不能に陥っている事になるのでまぁこれはウクライナの発表だから相当盛られているのが分かるね。
19万人集結させて後方予備残して16万人突っ込ませたのだから、2万人が戦闘不能なら戦線が瓦解しているっていう…
またロシアは曲がりなりにも総力戦の想定をしている国家なので、経済制裁を受けたとしても戦争を継続できる体制にはなっている。
例えるのなら制裁前の軍事力が100として制裁を受けて80になったら80なりの戦いが出来るのがロシアって国。
ロシアが苦しいのは間違いないがそんな簡単に音を上げるような国でもないのは考慮したほうが良いね。
ただ、それだと保管が謎なんですよねぇ…
弾薬だって保管方法が決まっているし、長期間保管したら使用不可になる
戦時体制にして生産強化といっても、じゃあその生産ラインの保管とその復旧はどうしたんだっていう素朴な疑問が湧いてくる
通常弾薬なら小さいから、密かに送ってる国があるんじゃないの?
って普通に想像してしまう
そのあたりは暴発・不発のリスクを無視して残っているものを片っ端からつぎ込んでいるのでは
想定使用期間を過ぎた砲弾でもそういったリスクが増えはするものの、まだ使えるものも十分あるでしょうし
無人機と通信指揮能力の発達により砲兵が復権するとはね
これが21世紀か
日本が順次退役させるMARSとFH70をアメリカに中継してもらってウクライナにぶん投げられないもんかねぇ?
どうせ捨てるのだから使ってもらったほうが良いし。
出所が不明だけれど、
ウクライナ側は、TB2といったドローンもその殆どを喪失、戦闘機といった航空機も喪失または兵站不足による稼働停止状態に追い込まれ、
航空戦力が機能しなくなってるって話もでている。
実際これが事実だった場合、航空機を使ったロシア軍の砲兵部隊の探知ができず、逆にロシア軍から一方的な探知を受け、砲撃による撃ち合いでの不利に拍車をかけているおそれがある。
既に航空優勢はロシア側にとられつつあると見ていいのかもしれない
ロシア的には二次大戦の二の舞だが、アメリカ的にはベトナム戦争の二の舞を繰り返してるのがこの戦争ではないかと思う。
西側の大型兵器がドシドシ供与されても動かす燃料が足りないと思うのよね。
クレメンチュクの製油所も破壊されちゃったし。
西側戦車の供与になると極悪燃費のエイブラムスも候補になる訳で・・・
”ロシアの圧倒的な火力”なんてミリタリーバランスを読んでいれば容易に想像できる話。
なんか間の抜けた話をしているように見えるわな。
なんか「序盤で苦戦したロシア軍が今になって体制を立て直し圧倒的火力を発揮してウクライナを圧倒している」みたいなストーリーをみんな受け入れているみたいだけど…
ロシアの占領地の変遷を経時的変化で見れる動画を見ると、むしろロシアがダイナミックに占領地を広げたのは3月で、むしろ5月以降は3月と比較するとずっとちまちまとしか領土を広げられていないのが現実なんだよね。
それを「5月になってロシアが圧倒的火力を発揮し出した!」と言い出すあたり、みんなプーチンの印象工作に惑わされているようにも思える。
ロシアはすでに戦時体制に移行して兵器の増産体制を構築してるとして、
西側がこれ以上介入するなら第三次大戦も辞さないと脅しをかけてきたら、
戦時体制に入ってない、入る理由のない西側は精神的に押し負けるんじゃないの
西側も増産体制に入ったとして実際に増産されるまでは時間がかかるだろうし