米空軍の無人航空機「MQ-9リーパー」の後継機にジェネラル・アトミックス、ノースロップ・グラマン、ロッキード・マーティンが挑戦者として浮上したと報じられている。
参考:Companies are lining up to build a replacement for the MQ-9 Reaper drone
次々とMQ-9後継機のコンセプトアートが公開され次期MQ-Xレースに火がつく
米空軍は調達コストが高価で運用に手間のかかる無人航空機「MQ-9リーパー」に見切りをつけ、商用機を改造した無人航空機の調達を検討しているため、公式にはMQ-9に後継機となる専用機「次期MQ-X(MQ-Nextとも呼ばれている)」を開発してはいない。
しかし米空軍協会主催「virtual Air, Space & Cyber Conference:vASC」に参加しているジェネラル・アトミックス(GA-ASI)がMQ-9後継機のコンセプトアートを公開したことで、同機の後継機レースに火がつく格好になった。
ジェネラル・アトミックスが公開したMQ-9後継機のコンセプトアートはB-2やB-21とそっくりな全翼機スタイルで、現行のMQ-9とは異なり各種搭載兵器を全て機体内部のウェポンベイに収納する方式を採用しており、運用に要求される人員もMQ-9と同等程度で収まると報じられている。
特に同社のアピールの中で目を引いたのは、1人のパイロットが最大6機まで無人航空機を制御できる地上管制システムを確立しているという点で米空軍が重視する運用コスト削減に役立ちそうな話だ。
AFA 2020: General Atomics announces new ISR/strike UAV https://t.co/MXNKfpJ49z #UAV #AFA2020 #AirForceAssociation @GenAtomics_ASI #aircraft #defense #unmannedsystems #intelligence pic.twitter.com/tTbXuXvvAG
— Janes (@JanesINTEL) September 16, 2020
ノースロップ・グラマンも同時期にMQ-9後継機のコンセプトアートを公開、この機体デザインは米海軍向けに設計したステルス無人戦闘攻撃機「X-47B ペガサス」によく似ているが、同社の説明によればMQ-9後継機として考案した潜在的な概念の一つに過ぎないため、実際に米空軍の要求性能に基づいて開発が行われれば全く異なるデザインになる可能性が高い。
In Northrop Grumman’s vision, the next hunter-killer aircraft could operate very differently from the MQ-9, as USAF ponders future operations. 🔒https://t.co/AoyT0e8cW5
— Aviation Week (@AviationWeek) September 11, 2020
さらにロッキード・マーティンがポーランドに供給するため準備中の無人航空機もMQ-9後継機候補と言われており、同機はステルス無人航空機「RQ-170 センチネル」に似たデザインで戦闘機F-35Aと連携して作動するため、MQ-9の後継機というよりも米空軍の無人戦闘機プログラム「Skyborg(スカイボーグ)」に近いと言える。
PREMIUM: Lockheed Martin suggests wingman UAV for Poland https://t.co/pGDM2vYx65 #ShephardNews #AirWarfare pic.twitter.com/LjGAgSKNKJ
— Shephard News (@ShephardNews) September 4, 2020
これ以外にもステルス無人戦闘機「XQ-58Aヴァルキリー」を開発中のクラトスがMQ-9の後継機に興味を持っており、独自の後継機案を提示して来るのではないかとも噂されているが、専用機開発に消極的な米空軍を振り向かせるだけの魅力が有るのかは未知数だ。
すでに米空軍はMQ-9の調達を2021会計年度予算以降に打ち切る方針を示しているため、議会がMQ-9調達打ち切りを認めれば2022年から米空軍保有のMQ-9は減少に転じることになる。そのためMQ-9の後継機を早急に見つける必要があるのだが、米空軍はMQ-9の後継機には絶対的な低コストを要求しているためコストが嵩む専用機開発ではなく商用機ベースの改造機が本命だろう。
そんな状況をひっくり返して防衛産業企業がMQ-9後継機を受注することが出来るのか?
それとも商用機ベースの改造機を提案してMQ-9後継機を掻っさらって行く新規参入者が登場するのか?
もっと言えばMQ-1と後継機のMQ-9で米空軍の中高度無人航空機の需要を独占していたジェネラル・アトミックスが牙城を守りきれるのか、RQ-4で米空軍や米海軍の偵察無人航空機の需要を独占するノースロップ・グラマンがMQ-9後継機を受注して無人航空機分野で強者となるのか非常に興味深い。
因みに18日朝に公開した記事「MQ-9の後継機? 米GA、F-117に似た無人航空機のコンセプトアートを公開」で紹介したF-117に似たコンセプトアートは結局、MQ-9の後継機ではなく位置づけ不明のコンセプトアートということになり謎が逆に深まってしまった。
Day 2 of @AirForceAssoc #vASC2020 is underway. Pop in to our virtual booth to learn more about our efforts to provide #NextGen unmanned concepts to @USAirForce. https://t.co/8Toef1FLw0 pic.twitter.com/gH6mGVXZiI
— GA-ASI (@GenAtomics_ASI) September 15, 2020
本当にジェネラル・アトミックスが公開した謎の無人航空機の正体は何なのだろうか?
※アイキャッチ画像の出典:public domain MQ-9リーパー
LMは米海軍のUCLASSの流用みたいですね。
あと20年もしたら、空にエイの大群が泳ぐ世界になるのか
人のパイロットが最大6機まで無人航空機を制御できる
これって神業に感じるんですけど、1人の人間に本当に可能なんですかね。ニュータイプ?
推定ですが、パイロットは編隊指揮に当たる1機を遠隔操縦するんでしょうね。
残り5機はAIで制御され、与えられた任務に応じて指揮機の行動に従動し、周辺情報によって最適化された行動を取る、なんてことが考えられます。
タイムラグをさほど気にしなくて良い用途なら、AIは機体搭載ではなく、遠隔操縦装置側にあって良いかもしれません。
有人機の僚機となるUAVも基本的に同様の制御になるのでは。
遠隔操縦指揮機と僚機UAVの場合、遠隔指揮機を随時選択切替可能なシステムはあって然るべきだろうと思います。
遂に日本が第1世代の無人攻撃機を1機も導入しないまま世代交代しちまのか・・・
トルコのバイラクタルTB2じゃ駄目なの?
一機50万ドルと超低価格
エルドアン「米帝いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)」
無人機も次々と大型化・ステルス化する流れか。まあ既定路線だよね
島国の日本だと航続距離が求められるだろうし、他国より更に大型化しそう
月光仮面は誰でしょう~♪
結局は無人機もB-2タイプの全翼機に収斂するのか。
ホルテン兄弟とジャック・ノースロップは偉大でした。
チャンチャン!
昨日、米空軍はMQ-9を5年契約、年最大三十六機で契約したんで、2022年からの減少はなく、次の話ですね。
リーパー有能すぎてたくさん欲しいけど、高いんだろうな。
今現在の段階では無人機が偵察機程度にしか役に立たないからこそのコスト削減なのだろう
全翼機の無人機はどこまで攻撃機となれるのか、今の段階では不明寮
日本は焦らずに、実用レベルの高い機体の開発を期待したい
GAの「1人のパイロットが最大6機まで無人航空機を制御できる地上管制システムを確立」てのは、機体が何になろうと魅力的でしょうね。もしシステムの使いまわしやアップグレードが容易に出来るなら、多少お高くても導入の価値はあるかも。
米空軍の考える「商用機ベースの改造機」てのは、候補になるのは小型のビジネスジェットでしょうか。
高高度から精密誘導弾を投下するウェポンキャリアーとしてなら、搭載量さえ要求をクリアできれば使えそう。