米中央軍の司令官を務めるケネス・マッケンジー米海兵隊大将は「米軍を最も安価に攻撃する兵器はコストコに売っている」と語り、ドローンがもたらす脅威の増大は効果的な対抗手段の欠如と相まって「最も懸念される戦術の一つだ」と指摘した。
参考:Pentagon’s new blueprint transforms every soldier into a drone-fighter
参考:Tiny Drones Are the Biggest Threat in the Middle East Since IEDs, Top General Says
参考:Army announces release of DoD Counter-Small UAS Strategy
小型UAVやドローンの脅威に対処するには兵士からコックまでカウンタードローンに関するスキルを身につける必要がある
米中央軍の司令官を務めるケネス・マッケンジー米海兵隊大将は今月8日、シンクタンクの講演で「ドローンがもたらす脅威の増大は効果的な対抗手段の欠如と相まってイラクやアフガニスタンで猛威を振るった即席爆発装置(IED)以来、最も懸念される戦術の一つだ」と語り注目を集めている。
マッケンジー大将は「敵対者が米軍を最も安価に攻撃する兵器はコストコに売っており、小型で安価なドローンは数を揃えやすく改造も容易で投資に対するリターンが著しく敵対者に有利なように出来ている(ドローンへの投資は高配当=少額で高い戦果を期待できるという意味)」と語り「米軍は大型の無人航空機に対応するシステムを持っているが遥かに小型でモーターで静かに作動するドローンを検出するようには対応しておらず、これを効果的に無力化する方法も欠如している」と指摘した。
補足:2016年~2017年にかけて実施されたイラクのモースル奪還作戦で米陸軍はUAVの脅威を身を以て体験しており、イスラーム過激派組織「イスラム国」に占拠されたイラクの都市モースルを奪還するイラク軍を支援するための有志連合(米国、英国、フランス、カナダ、オーストラリア、ドイツ、トルコ)も戦いに参加したが、米陸軍はイスラム国が使用する商用機を改造した450ドルのドローン(クアッドコプター)によって約60年ぶり(朝鮮戦争以降に米陸軍兵士が敵航空攻撃で戦死したことがないらしい)に空からの攻撃を受けたことに衝撃を受けて急遽、機動近距離防空システム「IM-SHORAD」開発を進めることになった。
さらにUAVやドローンの脅威は海外に展開している部隊や施設だけ問題では無くなっており、米陸軍は正体不明のドローンが米国内の軍事施設周辺を飛行しているのが何度も目撃されていること挙げて「この様な意図不明な行為を米国に対する脅威や侵略だと認識しなければならない」と主張したが、国内施設や戦場に投入される兵士全員をUAVやドローンの脅威から保護するのに十分な量の近距離防空システムや専門部隊が欠如していると明かして「兵士からコックまで兵種に関係なく全ての人員がカウンタードローンに関するスキルを身につける必要がある」と言っているのが非常に興味深い。
米陸軍は前線の兵士が使用するのに適したカウンタードローンシステムを探している最中で「これは電子的なものかもしれないが本当に効果的で戦場で実証されたものが存在しないので我々は新たに創造している最中だ」と語り、兵士からコックまで兵種に関係なく全ての人員が直感的に操作可能なものを考えているらしい。
最も注目すべき取り組みは「全員にカウンタードローンに関するスキルを身につける必要がある」という言葉が嘘や誇張ではない点で、米陸軍は全ての兵士にカウンタードローンに関するスキルを身に着けさせるための訓練アカデミー「Joint Counter UAS Center of Excellence」を2024年までに創設すると言っており、この取り組みが本気であることを示している。
果たして米陸軍が創造中のカウンタードローンシステムが何になるのかは今のところ不明だが、少なくとも固定の拠点に対する小型UAVやドローンの脅威は大型の電子妨害システムや指向性エネルギー兵器で対処できても前線に近く移動を伴うような部隊に随伴するのは難しいので、各兵士が個人携帯できるような小型のカウンタードローンシステムを開発する必要があるのかもしれない。
関連記事:英陸軍、スウォーム攻撃も電子妨害も可能な小型ドローン「Drone40」を導入
関連記事:米メディア、陸軍の近距離防空システム「IM-SHORAD」はUAVの的になるだけ
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army/ Staff Sgt. Timothy Gray 商用のドローンに対する対処法を開発中の米陸軍第5機甲旅団
ウォルマートはセーフなんやな(違)
>兵士からコックまで兵種に関係なく全ての人員が直感的に操作可能なもの
直感的に操作可能なものって一体?
携帯用のミニ電子妨害システムでもつくるのだろうか
小型のスペアナ(電波検出器)と妨害用発信機と、クレー射撃用の散弾銃で良くないか?
霞網とか駄目かな?
1機2万円ほどのドローンを撃墜するために、1発3億円のパトリオットミサイルを発射したって記事を思い出した。
割に合わねぇなぁ
あれは馬鹿にした論調だけどちゃんとレーダーで捉えてミサイルで撃墜したのは凄い
キネティックキルだったんだろうか
鳩でも撃墜するかって勢いですねえ。
そりゃ極超音速で突入する弾道ミサイルに対する迎撃ミサイルを、せいぜい時速数10キロでヒラヒラしてる初心者向けトイドローンに使用してれば割に合わないでしょう。
あの話は国名も部隊名も不明であり、ドローンに対する安価な対抗手段の必要性を訴えるための作り話と思います。
晴天時は目視可能かもしれんけど、結局の所、夜間や悪天候だとレーダーとFCSに連動した車載の迎撃兵器ないとどうにもならんだろうな。
スマホや拳銃くらい普通のアイテムとして、兵士は皆知っておけというのは間違いではいのかな・・。
次の沈黙シーズはセガールvsドローンか
ショットガンが多分一番安上がりな対応策だと思う。
100m上空を飛ばれたら散弾じゃ届きもしないしスラッグ当てるのは至難の技かと。
米軍は遠征が基本だからな
自国の国土で戦うことなんてハナから想定してないだろうし
陸自の場合他国に上陸ってのはあまり優先じゃないだろうし
せいぜい離島奪還か
ドローンの使い方も他国と一律に比べられないハンデをどうにかしないと
やはりまずは9条改正なのかね?
ドローンにしても乗り込んで攻撃できるようにしないと話が始まらんだろう
イスラエルはこれで対抗するみたいですよ、1度イスラエル製導入してから開発する位でないと完全にアウトみたいです。
RAFAEL Presents: The Multidimensional Battlefield
リンク
全軍デジタル化、迎撃システムにターゲット位置通報システム搭載、UAVと有人機データ共有、等ですね。
この手の新たな脅威はやられてからじゃないと研究予算付かなそう
個人用ECMって、電子妨害ポットみだいなのを背負うの?なんかガンになりそう
携帯電話で脳腫瘍になるという噂があったが…
軍隊のレーダー操作員の家庭が女の子しか産まれないって噂もあるよな
グレネードランチャーや小銃に携帯型FCSを内蔵して不慣れなコックが撃ってもドローンを撃墜できるようにしてしまえばいい。そうすれば全兵士が簡易対空銃座になる
つまりXM29を全軍配備だ
流石にそこらで売ってる数万円程度のホビードローンじゃちょっとした電波干渉でコントロールを失うし飛行性能が低くて風に流されるし天候次第ではまともに飛べないんで実戦には耐えられないと思うがなあ
割と誤解されてるけどちゃんとした軍・警察レベルのドローンだとクアッドロータータイプでも1000万超える値段するからね。(陸自が使ってるスカイレンジャーが1800万)
天候なんて選べばいいじゃないですか。攻撃側は場所も時間も選び放題なんだから。
「全方位から100機のドローンを投入して10機が目標に到達すればいい」としたら現状で容易に防げると思いますか?
だからこそ「兵士からコックまで」にその「ちょっとした妨害手段とスキル」を持たせよう、という話なのでは?
毒蛾だの毒バチのようなもんなドローンだが、そんな
小さな虫けらでも、人間は触れたら痛いし多数に群がられたら生命にもかかわる
いちいちハエ叩きで潰すか、殺虫剤的な一網打尽を生み出せるか、かなり真面目な話だよ、コストコw
軽く考えてる奴こそ虫刺されで泣く
ドローンと米軍の関係は、先日の米国市場で起こったゲームストップ株の暴騰事件の個人投機家とヘッジファンドの関係で捉えると分かり易い。
ゲームストップ株を空売りして低価格誘導してたヘッジファンドに対して、個人投機家がコールオプションを買って損失限定にしつつも
損失覚悟でヘッジファンドを大損させるために業績不振のゲームストップを買いまくり暴騰させてヘッジファンドは大損こいた。
大損こいたヘッジファンドは「5歳児1人相手なら勝てるが、100人相手だと負ける」とコメントしてたように、
安物の特攻ドローンが集団で攻撃するパターンは、個別では弱い空母を集中運用して米太平洋艦隊の戦艦群を壊滅させた真珠湾レベルのゲームチェンジャーになる。
モーターカイトなんかを使った攻撃を受けるのをイスラエルなんかは昔から経験してるしな