ランド研究所が沖縄に配備すべきだと主張していたXQ-58の打ち上げシーンを米空軍が公開、滑走路運用に依存しないXQ-58は中国の攻撃に晒される可能性の高い地域で活躍する可能性を秘めている。
大量生産時の調達コストが200万ドル~300万ドルで、滑走路運用にも依存しないXQ-58が何らかの形で採用されても不思議ではない
レガシーな航空戦力の処分を進める米空軍は戦力のやり繰りに苦労しており、中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルは沖縄を射程圏に納めているためランド研究所は「沖縄に戦闘機を配備し続ければ空軍の負担を増やしかねない。さらに戦争になれば中国は何百発ものミサイルで駐機中の戦闘機、滑走路、燃料貯蔵庫などを破壊するだろう。この規模の攻撃はパトリオットの防御を圧倒する」と指摘し、米空軍は沖縄に戦闘機ではなく「滑走路に依存しない無人機」を配備するべきだと主張していた。
滑走路に依存しない無人機とは米空軍研究所のLCAAT (低コスト航空用航空機技術) 計画に基づきクラトス社が開発したXQ-58のことで、XQ-58は小型ロケットモーターによる打ち上げとパラシュートによる機体回収にも対応しており、ランド研究所は「F-22やF-35と比べるとXQ-58のステルス性や多用途性は限定的だが、1個飛行隊分のF-35を調達するコストでXQ-58を300機以上も調達できるため、LCAATのような滑走路に依存しない航空機群は量的戦術を駆使することで敵の防御力を圧倒し、他のスタンドオフ兵器や有人戦闘機による攻撃をサポートすることができる」と訴えている。
ウクライナでもHIMARSやS-300といった移動可能な装備の生存性は高いと実証されており、大量のXQ-58を沖縄に分散配備すれば「中国が何百発ものミサイルで攻撃を仕掛けてきても全てを破壊するのは困難=沖縄からの攻撃能力を維持できる」という意味だが、米空軍は小型ロケットモーターによるXQ-58の打ち上げシーンを30日に公開した。
移動式の台車にセッティングされたXQ-58は小型ロケットモーターによって射出、F-16との編隊飛行を実施した後にパラシュートとエアクッションを展開して地上に帰還、回収後に整備を行えば再び空を飛ぶことができるらしい。
米空軍は実用タイプの無人戦闘機の競争試作を「2024年に開始するかもしれない」と言及しており、スカイボーグプログラムに参加したXQ-58が2024年の競争試作に参加するかは今のところ不明だが、米海軍もXQ-58をテストするため2023年度予算で何機か調達する予定だ。
米空軍の無人戦闘機に対するコンセプトは今のところ公表されていないものの「消耗可能なコスト」「機体ではなく自立制御を可能にするソフトウェア重視」になると見られており、大量生産時の調達コストが200万ドル~300万ドルで滑走路運用にも依存しないXQ-58が何らかの形で採用されても不思議ではない。
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※アイキャッチ画像の出典:EGLIN AIR FORCE BASE
シャヘド136のでっかい版ですね
自爆型じゃないので全くの別物ですよ。シャヘドはドローンごと目標に突撃して破壊しますが、XQ58ヴァルキリーはミサイルなどを搭載し、搭載壁で目標を破壊後、基地に帰投します。戦闘機を無人化したような形ですね。
詳しい説明サンクス
シャヘドはミサイルの親戚でこっちは戦闘/爆撃機の親戚だから全然違うような。
サンダーバード2号?
僕も1枚目を見た瞬間そう思いました。
エスコン7で見た奴、あれでも滑走路使わず発進してくるから離陸前に叩けなかったなー
どの程度のことが出来るかにもよるけど、滑走路叩いても上がってくるっていうのは結構面倒なことだと思う
管制する有人リーダー機は同じ基地から飛ばずに空母なり遠方の基地から来てもいいわけだしね
陸上配備のF-35・いづも型のF-35とセットで運用する無人機として日本も積極的に導入して各地に配備しておきたいが、そこら辺はアメリカと共同開発予定の無人機がそれに該当するようになるのかなぁ
>アメリカと共同開発予定の無人機
先般の日米合意は「日本の次期戦闘機を始めとした装備を補完し得る自律型システム」の具体的協力開始です。今後の進展は分かりませんが、現時点では無人機の日米共同開発を予定しているわけではありません。
しかし本記事にある米空軍の
>「機体ではなく自律制御を可能にするソフトウェア重視」
にコミットできそうなわけで、この分野で遅れを取ってしまった本邦にとって重要な施策になると思います。
やっぱりというか、RATOを使うみたいですね。
カタパルトでもと思っていたのですが、カタパルトは装置が必要ですから。
そうすると、海軍などの場合、大型空母でなくても運用ができるのではと思います。
ただ、素人は、帰還は自動操縦の方が良いのではと思います。回収が大変ですから。
使い捨てではないのなら、整備拠点に戻ってきて欲しいと思います。
下地島基地から発射されるメテオスイーパーを思い出した。
私はジェットスクランダーを思い出しました
もう当たり前のように沖縄は戦火に見舞われる体で話進んでて恐ろしいわ
現状のままで、日米が抑止力強化等の対策を何もしなければそうなってしまうかと。
地政学的に日米と中華の丁度中間に有るんだからしょーがないよ
日米はともかく中華が沖縄を綺麗に素通りしてくれる訳無いんだからさ
そして、ウクライナの戦訓からすれば、沖縄を無視して台湾に侵攻すれば、解放軍がどんな目に遭うのかは自明な訳で
それも理解出来ずにお花畑政治(選挙やら警察署襲撃やら)を続けるのであれば、そんな馬鹿な沖縄県民(特に本島人)なんざが虐殺されようが同情する気にもなれない。「自己責任」ですな
そういう過激思想は良くないな。地域差別と民族虐殺の容認とかさすがに引くわ。
元コメに全面同意はしないけど、「虐殺を容認するかしないか」と「虐殺対象に同情するかしないか」は全く別の問題かと。
こっわ…
日本人に善悪の基準は無く、お上に服従するか(同郷人に)弾圧されるかだと日本人を解説してた米軍資料まんま当てはまるね
取り敢えず強いものに頭を垂れる事が重要でその他は些事なんだよね
ならば中国軍が米軍を圧倒するという事態になったら、沖縄は中国に頭を垂れろと言いたいんですかね。それこそ見下してませんか。
中国からの射程で言ったら本土も沖縄も大して変わらないのになんで沖縄だけ言われるんでしょうね。岩国や横田、三沢も攻撃されそうに思いますが。
本土も攻撃されるだろうけど沖縄ほどはひどくないだろう
中国の主目的は台湾制圧であって日本への攻撃は主目的を達成するための補助目的である
沖縄から出撃した戦力よりも本土から出撃した戦力は台湾到達に時間がかかる
これは沖縄の戦力は価値が高く本土の戦力は価値が低いという事を意味している
中国は無限の戦力を持っている訳ではないため高価値目標を優先して叩くと考えるのが普通である
つまり、沖縄は優先して攻撃される
中国の理屈でいえば、沖縄はかつての自国領なので、攻撃しても良い、日本の本土とは違う、という認識があるのではないでしょうか?そうすれば国際的には批判されない(と中国が勝手に思っているのでは)
今回のランド研究所提案は、開戦初頭の基地機能無力化攻撃に対応する反撃力の維持強靭化で、抑止力強化策の一部かと。
実際のところ、量産型XQ-58の沖縄配備が台湾有事にどれだけの戦果を上げ得るかは状況によりけりで未知数です。
「一つの中国」を承認し続ける限り、最強の抑止力である核の傘は台湾に差し掛けられません。一方で承認を撤回すれば、中国も決断し直ちに台湾武力侵攻を発動する恐れが高い。
G7とその同志諸国及び台湾が取れる現実的最善策は現状維持でしょう。米中とも台湾をめぐる武力対決を望んでいるわけではありません。中国も台湾併合を国内問題として他国の介入無しに処理(台湾が独立を志向すれば武力制圧も辞さない)したいてのが本音かと。
当面は台湾武力侵攻に対する介入の意志と能力を示すあらゆる努力によって抑止し続けるしかないと思います。
これパラシュート回収だけど海上でも大丈夫そう?
防水と塩害対策は万全を期すのでしょうが、回収点検再整備の手間が増える(特にエンジン周り)のは避けられないかと。
沖縄地域で運用する場合は陸上回収地が限定されそうで、効率良い回収整備ができるのかちょっと疑問です。簡単に繰り返し再出撃というわけにはいかないと思います。
島嶼部では回収再出撃も不可能ではない(半消耗品)という運用になりそうで、低調達コストは要件ですね。
最初の写真、なぜかスマートなサンダーバード2号っぽい
場所を選ばないなら、エースコンバット7のアーセナルバード程でなくとも輸送機による空中投下で作戦参加出来そうだな。