トルコとのNATO加盟交渉が難航しているスウェーデンでは「エルドアン大統領に似せた人形を逆さ釣り」「トルコ大使館の外でコーランを燃やす」などの騒ぎが発生、クリステルソン首相は「自国を脅かす勢力に役立つ馬鹿者だ」と批判している。
参考:Kristersson: ”Alla behöver bidra till att kyla ner temperaturen”
トルコを刺激する抗議活動を行った個人やグループは、我が国の安全保障を脅かす勢力に役立つ馬鹿になっている
ウクライナ侵攻を契機にフィンランドとスウェーデンはNATO加盟を目指しているものの、欧州諸国でテロ組織に指定されているクルディスタン労働者党(PKK)関係者の身柄引き渡しを拒否してきたためトルコが両国のNATO加盟に反発、フィンランドとスウェーデンは「トルコが要求したPKK関係者の身柄引き渡しに同意した」と報じられていたが、依然としてスウェーデンはPKK関係者の引き渡しに抵抗している。
フィンランドはトルコが要求するPKK支援の禁止、PKKの資金調達や組織の拡張活動の禁止、PKKを含むテロ組織の活動阻止、PKK関係者の身柄引き渡し、トルコに対する禁輸措置の解除などの条件をほぼ満たしたためエルドアン大統領は「フィンランドのNATO加盟承認」を示唆しているが、交渉が難航しているスウェーデンでは「エルドアン大統領に似せた人形を逆さ釣り」「トルコ大使館の外でコーランを燃やす」などの騒ぎが発生してトルコ側が激怒。
この抗議活動をスウェーデン政府は非難しているものの「言論の自由」に関してして引き続き支持する立場で、これを受けてエルドアン大統領は「フィンランドとは異なる対応をとるため(スウェーデンは)ショックを受けるだろう」と言及、そのためスウェーデンのクリステルソン首相は「この時期にトルコを刺激する抗議活動を行った個人やグループは、我が国の安全保障を脅かす勢力に役立つ馬鹿になっている」と批判し、偽情報や心理戦に対する防衛を専門に扱う心理防衛庁も「海外勢力の関与」を示唆した。
スウェーデンは冷戦中に偽情報や心理戦に対する防衛を専門に扱う機関を運用していたが2008年に閉鎖。しかしロシアのウクライナ侵攻を懸念して昨年1月に心理防衛庁を設置、同庁は「欧州の安全が悪化しているため安全保障問題や国防問題が選挙で重要さを増してくる。我々が正しいアプローチを選択するのを嫌う海外勢力(ロシア)が選挙に干渉して間違ったアプローチへ誘導しようと試み可能性は高い」と主張して警戒を強めていたが、外部勢力による世論への干渉(NATO加盟のためトルコの要求に屈指するのかなど)を阻止できなかった格好だ。
フィンランドはスウェーデンとの同時加盟の立場を崩していないがスウェーデンとトルコの加盟交渉は長引くことが予想され、最近では「もし単独加盟に踏み切れば安全保障政策で歩調をとってきたスウェーデンの背中を刺すことになる」という主張が出回っており、これも外部勢力が干渉して作り上げた偽の世論なら「NATO加盟を阻止する新領域からの攻撃は大成功」と言えるだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Presidency Of The Republic Of Turkey
少なからずロシアの介入が入ってるのは間違いなさそう
とはいえ、トルコはやっぱりNATOに異質すぎるな
テロリストの引き渡し問題はともかく、いっかいの市民団体の行動を政治的問題化は度が過ぎている
今のスウェーデンは右派が政権取ってるし、極右勢力がキングメーカーになってるのでトルコが極右団体の動向を気にするのは至極当然だぞ
海外勢力の関与について英紙ガーディアンが「Burning of Qur’an in Stockholm funded by journalist with Kremlin ties」というタイトルでロシアの関与を匂わせてる記事出してますね
>トルコが要求するPKK支援の禁止、PKKの資金調達や組織の拡張活動の禁止、PKKを含むテロ組織の活動阻止、PKK関係者の身柄引き渡し、トルコに対する禁輸措置の解除などの条件
を誠実に実施したフィンランドと違って、こっちを実施しないことが諸悪の根源なのに、
たかが人形とコーラン燃やしただけのFSB工作員に責任をおっ被せようとするのは、お門違いも甚だしいだろう。
まあ、燃やした極右団体も、トルコの反発とそこからの加盟交渉停止を織り込み済みでやったんでしょうし・・・
ねらいどおりという意味では極右のねらいどおりなのでしょう・・・。
やっぱり欧州の極右やネオナチにありがちな欧州懐疑主義と関係があるんですかね?
ドイツとかだと極右や極左がロシアと繋がってたりするんですが、スウェーデンの場合はどうなんでしょうか
繋がってるというかロシアが全世界で極右と極左に働きかけてますから、日本でも一水会と極左が親露で共鳴したり。
まあしかし、スウェーデンを攻撃するにはまずフィンランドとノルウェーを攻めなければならず・・、
まだ緩衝地帯があるから、フィンランドさえ加盟してもらえれば、もうちょっとのんびり加盟交渉しようっていう気分には・・・・さすがにならないんでしょうね・・・(^_^;)
もしそうなれば一番ロシアの侵攻を受けそうなのはゴットランド島ですかね
大北方戦争以来のスウェーデン海軍とロシア海軍の海戦になりそうだ
常に一定比率で分別の無いバカな行動をする輩は国家内には必ず存在します。
(それはトルコしかりです)
その様なバカ共の馬鹿げた行動を許容出来ない、いると分かっていて、あざとく
見つけ、相手に非があると政治的に利用し、より多数の分別のある国民達の態度
を無視する政治家もまた、分別の無いバカな行動をする輩の一人です。
彼等は上を向いて唾を吐くべきでしょう。
日本も心理防衛庁的な組織を作ってください。
環境保護を訴えるのは良いんですが、角の立つようなキツい物言いをするグレタさんもスウェーデンですよね。
スウェーデンはノーベル賞で世界中の学者・識者に賞を上げてるうちに国民全体が
ノーベル賞すごい=俺すごいになってるのか知らないですが、
今回のイスラム教の聖典を焼くという度が過ぎた表現をしてしまうところから見ても
何か今のスウェーデン人は、自分たちが世界の中で道徳的上位の存在である(からキツい物言いで道徳的に正しい価値観を言ってあげてやってる)といった潜在的な意識が蔓延ってしまってるようにも見えますね。
スウェーデン人は敬語とか無いみたいで、いわゆる上下関係があまりない国民性らしい。(王様いるのに。)
だからグレタさんは偉そうなのです。
話は変わるが、多様性って言う人ほど、自分や自国の価値観を押し付けて他国の文化を軽視する風潮があるのは、なぜなのでしょうか?それが多様性なのかな?
日本も他人事じゃないね
CやRから始まる国の代理人みたいな奴らが国会議員レベルにすら居るし
ロシアと通じた極右政党の暗躍というのはあるのかもしれませんが、クルアーン燃やすのは度が過ぎてますし、それは表現の自由じゃなくてただの反イスラム主義ですよね。法規に従って黙認する政府にも問題あがるでしょう。
そもそもこの件では(民族的弾圧が背景にあるとはいえ)テロ活動までしている武装組織を外国政府が庇護援助し続けることに疑問を感じていましたが、一連の政策の背景には北欧諸国の民族主義と反イスラム感情があって、人権うんぬんは方便だったんだなとあらためて失望を感じます。
この過激な抗議運動が無くても、クルド人議員も居るスウェーデンがトルコの要求を呑むのは難しいでしょうねえ。
むしろスウェーデンと同様のクルド人擁護政策を進めており、同じくクルド系議員も居たフィンランドが即座にトルコの要求を全面的に受け入れたニュースを聞いた時は驚きを感じました。
交渉を重ねてお互いの妥協点を探るのが普通だと思っていたのでビックリしましたね。
ソ連との厳しい戦争を経験しているうえ、国境を接しているので危機感が違ったのでしょうね。
200年近く中立国家としてやってきたスウェーデン内にはいずれかの陣営に属する事へ反発する層もいるでしょうし、フィンランドの果断によってハードルが上がってしまった感もあります。
ある意味で超限戦というのは民主主義国家の脆弱性を衝く有効な戦略だったんですね。専制的な国家では国民世論という領域は攻撃だけしてれば良い有利な状況なわけで。西側も中露の情報統制の弱点を突く世論戦を仕掛けてみたらどうなんでしょうか。
コーランはトルコのものでない、イスラム教エリアすべての聖典
それを毀損する行為は明らかにやりすぎか、さもなくばロシアによる情報工作の陰謀ですね
スウェーデンは毅然として民主国家の寛容を示すこと、表現の自由と履き違えてはならない