米国関連

米陸軍が次期歩兵戦闘車の予備設計に進む5チームを発表、噂のシンガポール企業は含まれず

米陸軍は歩兵戦闘車「M2ブラッドレー」の後継車輌を開発するための次期歩兵戦闘車プログラム(OMFV)に参加する5つのチームを正式に発表した。

参考:Point Blank throws hat in ring to design US Army’s Bradley replacement

選定された5チームは今後の各ステップでふるいにかけられ試作車輌製造フェーズに進む3チームに絞られる

米陸軍は1980年代に運用を開始した歩兵戦闘車「M2ブラッドレー」の後継車輌開発に3度チャレンジしたが1度目は国防予算削減の影響を受けて中止、2度目は議会が調達コスト高騰を問題視して開発予算の確保が難しくなり中止、3度目は陸軍の過剰要求や不明瞭な選定プロセスの影響でプロトタイプ提出期限に1社しか間に合わず競争開発の枠組みが崩壊、これを受けて陸軍は一度計画を白紙に戻して次期歩兵戦闘車の開発をやり直すことになった。

過去3度の失敗を踏まえて米陸軍は昨年12月に新たな次期歩兵戦闘車プログラム(OMFV)に関する提案依頼書を発行、複数の提案を受け付けた米陸軍は予備設計フェーズに進む5つのチームを23日に発表して注目を集めている。

出典:Rheinmetall MAN / CC BY-SA 4.0 ラインメタルが提案する可能性が高い歩兵戦闘車「リンクス KF41」

米陸軍がOMFVの予備設計フェーズに進むと発表したのはジェネラル・ダイナミクス、イスラエルのエルビット・システムズと組んだBAEシステムズ、韓国のハンファディフェンスと組んだオシュコシュ、複数の米企業と組んだラインメタル、ポイントブランクの5チームで、OMFVに応募したと噂されていたシンガポールの防衛産業企業のSTキネティックスや米車輌製造企業のラウシュディフェンスは含まれていない。

選定された5チームは今後の各ステップでふるいにかけられ2025年に開始される試作車輌製造フェーズに進む3チーム(最大)を見極めることになるのだが、注目すべきは小さな米企業の集合体であるポイントブランク・エンタープライズで中核をなすポイントブランクが非車輌製造企業(防弾チョッキを製造する企業)な点だろう。

一体どのような提案を行い予備設計フェーズに進むチームに選定されたのかは不明だが、要件を満たしていれば誰にでも公平にチャンスを与える米社会を象徴(彼らが最終的な勝者になる可能性は限りなく低いが・・・)していると言えるのかもしれない。

関連記事:米陸軍の次期歩兵戦闘車プログラムに韓国企業のハンファディフェンスが挑戦

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Sgt. Eric M. Garland II/Released

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 7月 24日

    あー、日本も早くこう言うのに参加出来るほど習熟した軍事産業創らないと
    ドンドン弱体化して行くぞ相対的に見て

    12
      • 匿名
      • 2021年 7月 24日

      その一方で防衛装備移転三原則の制定後、日本と欧米各国の間では防衛装備や技術の共同研究が進んでいるから、後十年位経ったら欧米の兵器開発に何食わぬ顔で日本企業が参加していたって事になるかも知れないんだよな……

      1
    • 匿名
    • 2021年 7月 24日

    求めるコンセプトが、解らん。
    どんな要求書を出したのだろう

    1
      • 匿名
      • 2021年 7月 24日

      高い生残性に富み、高い機動性があり、発展性があり、致命的な攻撃が可能で、軽量で、移動中の部隊でも修理できて、航空機で大量に輸送できて、メンテ人員を減らせて、訓練しやすいもの。

      3
        • 匿名
        • 2021年 7月 24日

        そんなに虫の良い話があるのかよって感じ(笑)
        百点満点でなくても、何点ならば合格点なのかはすり合わせが必要だね

        11
        • 匿名
        • 2021年 7月 24日

        価格と室内快適性が書かれてないので。採用されるには。

        下の箱を3m伸ばして、乗員3人(既存+2名)と歩兵7人(既存+1名)を乗せられる。
        重量は変わらず、装甲性能20%up。
        砲手はUAVオペレーターにする。
        砲塔は二回り大きくして、無人化(既存-2名)。主砲は25mmからUAVが撃てる迫撃砲タイプ。
        機関銃は対物用の7.62から、対人用だが射程の長い.338ノルママグナム×3門。UAVとHEAT弾に対するCIWSみたいな自動砲塔にする。

        これくらいやれば、採用される。

    • 匿名
    • 2021年 7月 24日

    この方面はGDLSとBAEが本命でリンクスとレッドバックは当て馬かな?
    シンガポール勢はそれを察して不参加といった感じで防弾衣類屋は意味不明な類。
    BAEはCV90ではないアスコッド2やリンクスっぽい自社開発の新型をいよいよ出してくるんだろ。

    2
    • 匿名
    • 2021年 7月 24日

    国士様が憤死するのが見たいので、韓国企業&オシュコシュ案が選ばれてほしい
    それにしても昨日の開会式酷かったな
    過去最悪の出来栄えだった

      • 匿名
      • 2021年 7月 24日

      まあオシュコシュは最近、ストライカーMCWSの発注をGDLSから横取りする事に成功する等、結構調子良いみたいだからハンファディフェンスの車輌も健闘するんじゃない?
      個人的にも、このコンペで韓国企業の実力の程がハッキリすると思うから注目している

      只な、この掲示板は東京五輪の議論をする所じゃないから、やるなら余所でやってくれ
      俺も東京五輪についてはやるべきじゃ無かったと思っているが、ここは軍事関連の議論をする場である事を忘れるなよ?

      18
        • 匿名
        • 2021年 7月 24日

        オシュコシュの中口径無人砲塔ってかコングスベルクのMCT30を米国内で製造する立場ってだけで新型ストライカーの車体製造はGDLSじゃなかったかな?
        ハンファはレッドバックIFVではラファエル製だし対戦車型ではコッケリル製だし砲塔はほぼ外注なので今回がオシュコシュとJVとなるとMCT30って事なのかな?
        となるとツーマン有人砲塔要求は一体どうするんだろうなと。

    • 匿名
    • 2021年 7月 24日

    >1度目は国防予算削減の影響を受けて中止、2度目は議会が調達コスト高騰を問題視して開発予算の確保が難しくなり中止、3度目は陸軍の過剰要求や不明瞭な選定プロセスの影響でプロトタイプ提出期限に1社しか間に合わず競争開発の枠組みが崩壊、これを受けて陸軍は一度計画を白紙に戻して次期歩兵戦闘車の開発をやり直すことになった。

    要求性能が高すぎることが根本的な原因ならば、数十年かけて技術の水準が上がるまで米陸軍が満足するIFVを開発することは不可能なのでは…
    というか、Bradleyのアップグレードでそこまで不満があるのか..

      • 匿名
      • 2021年 7月 24日

      要求性能が高すぎるというより米陸軍自身が本当に欲しいものが何なのかわかっていない。使い方がはっきりしていれば自ずと形ができるはずなのにそれを示せないからグダグダになる。
      あとブラッドレーは小さすぎて発展余地がないだろう。

      4
      • 匿名
      • 2021年 7月 24日

      M2派生のAMPVのグロスウェイトがやはり36tだから戦闘用でこれ以上過積載になるとM1追従で使い物にならないと思う。
      有人砲塔で全周囲パッシブ防護と耐爆したらエイジャックスみたく40tは余裕で超えるが、低RCSで秘匿性最優先で紙装甲の30mm無人砲塔で済むなら36t以下でAMPV派生で行けるか知らん。
      だが実際はアルマータT15IFV撃破可能で50mm砲搭載してあっちの57mmAP抗堪とかなりそうなんで行進間射撃の精度的にサスからしてトーションバーじゃねえだろって感じはある。

      2
        • 匿名
        • 2021年 7月 25日

        詰め込みまくった結果重量が最大70t越えだったGCVもそうだし、IFVになんでも詰め込もうとしたらMBTと比べてシルエットが大きい分、いくらでも重量やコストが肥大化してしまうので、根本的に運用を見直すとかしないと、永久に完成できないのではないかなと。
        それこそRCVとの連携前提にして、その分攻撃力を求めないとか、何らかの妥協や革新的な運用がペアでないと。

          • 匿名
          • 2021年 7月 26日

          無人機連携とAPSでパッシブ防護をオミットできるわけでもないからフロントエンジンでリア兵員室だと車体全部が重装甲になって激重必須。
          なのでIFVの既存構造を踏襲すると50tにもなるがこれを打開するならシリーズハイブリッド化+使い捨て無人砲塔しかないだろうな。
          しかし本計画は度重なる新IFV開発がついに予算尽きたのでCOTS採用で市場品を米国ナイズするだけものでEFVからのACV1と同じ構図なので本命はACV2と言われるに同じく、
          OMFV2?を開発始めるまでの部分的な採用なのかなと思う。
          M8とアスコッド2ベースで競ってるMPFだって所詮はつなぎだからね。

          1
            • 匿名
            • 2021年 7月 26日

            >なのでIFVの既存構造を踏襲すると50tにもなるがこれを打開するならシリーズハイブリッド化+使い捨て無人砲塔しかないだろうな。

            理想はT-15 IFVなのかもしれないけれども、そもそも既存のMBT, IFVのアップグレードがメインでArmata自体がなかったことにされそうな雰囲気なので、コストや重量を考えると地球上に理想のIFVを運用できる国はないのかもね。
            こうなってしまうと、いつまで経っても調達できないのはさすがに問題なので、とりあえず「Bradelyよりはマシ」で「安くすぐに調達できるやつ」でお茶を濁しそうな予感が。

    • 匿名
    • 2021年 7月 24日

    このコンペで装軌装甲車の次世代デザインのスタンダードが出来るかもしれないな。
    とすると開発で若干先行している本邦の次期装軌装甲車が完成するころには既に陳腐化しているような、74式以来の事態になる可能性もあるのか…

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