元海軍士官で下院軍事委員会の副委員長を務めるエレイン・リューリア氏(民主党)は7日、中国の台湾侵攻に対応する権限を大統領に与えるべきで「我々は台湾を助けに行く」と宣言する必要があると主張した
参考:Luria: U.S. Needs to Provide ‘Strategic Clarity’ on Defense of Taiwan
下院軍事委員会の副委員長は台湾を助けに行くと宣言する必要があると主張
元海軍士官で下院軍事委員会の副委員長を務めるエレイン・リューリア氏(民主党)は昨年10月、ワシントン・ポスト紙に寄稿した記事の中で「中国による台湾侵攻に対応するための権限を大統領に与えるべきだ」と主張したことがあったが、リューリア氏は「今こそ議会は行動をおこして現行法(台湾関係法)では規定されていない中国の台湾侵攻に対応する権限を大統領に与えるべきで、我々は台湾を助けに行くと宣言する必要がある」と月曜日に述べた。

出典:中華民國總統府/CC BY 2.0
リューリア氏は「米国の国民は台湾とインド太平洋で何が起こっているのか認識しなければならない。それとも世界的な影響力をもつ国の役目を中国に引き継いで欲しいのか?」とも付け加えているが、これまでも台湾に対する戦略的曖昧さを止めようという声は何度も挙がったものの何も変わっていないため彼女の主張通り議会や世論が台湾のために立ち上がるかは未知だ。
彼女は他にも非常に興味深い話題=アーレイ・バーク級駆逐艦の退役問題に触れており、35年に耐用年数が設定されているアーレイ・バーク級駆逐艦(FlightI/FlightII)に何も対策を行わないと2026年~2034年までに該当する27隻が退役してしまうため耐用年数を45年まで延長する計画が検討されていた。

出典:public domain アーレイ・バーク級駆逐艦
しかしアーレイ・バーク級駆逐艦の耐用年数を延長する能力のアップグレードも同時に行う必要があり、海軍は「寿命延長プログラム投資する資金とドックのリソースをFlight IIIの建造に集中させた方が費用対効果に優れる」と判断して耐久年数延長をキャンセルすることを検討しているのだが、リューリア氏は「タイコンデロガ級巡洋艦の耐久年数延長やアップグレードを見送り退役させたことは犯罪的だった」と語っているのでアーレイ・バーク級駆逐艦の耐久年数延長キャンセルを認めるつもりはないのだろう。
因みに海軍は耐用年数を迎えるアーレイ・バーク級駆逐艦を退役させるつもりはなく、海軍作戦副長を務めるジム・キルビー少将は「オーバーホールは無理だとしても継続運用が可能な状態を維持して無人航空機(UAV)を運用するプラットフォームとして運用できないか検討中で中国海軍の艦隊と対峙する際に役に立つだろう」と語ったことがあるが、大した改修も行わず継続運用を続ける方法については「創造的なアプローチが必要だ」とだけ述べている。
海軍は2025年に退役予定の空母ニミッツについて2回目の核燃料交換を行い退役を先延ばしにすることを検討しており、今月中に発表される新国防戦略の中で耐用年数を迎えるアーレイ・バーク級駆逐艦や空母ニミッツの運命が明かされるかもしれない。
関連記事:アーレイ・バーク級駆逐艦27隻退役? 耐久年数延長計画を中止か
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Theodore C. Lee
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ウクライナが大変、台湾が大変なのも重々分かるんだけどさ…
F-15墜落の続報がないまま8日過ぎて本当に心配です。
バイデンに権限与えても、台湾の助けにならないだろw
次の大統領のことも考えると悪い話じゃないとは思うよ
・・・次の大統領がハリスになったらどうするって?その時は皆泣けばいいよw
次の大統領は2年後なのか。それとも6年後なのか。。。
バイデンの年齢·体調(噂される認知症も含め)を考えると、任期中に突然ハリス大統領が誕生してもおかしくは無い。
そうなると米中融和に進むのだろうか。
仮に台湾有事にアメリカが介入するとして、現状だとその根拠は大統領令になるのかな。
確かにそれに比べたらアメリカ議会自身が台湾有事への関与を保証してくれた方が断然嬉しいが、そうなったらまた色々とステージが変わるだろうなぁ…
日本はエスカレーションへの準備が出来ていないし、台湾もまだまだ、アメリカだってどうなのか。
今しばらくはのらりくらりで引き伸ばす事になるんだろうね、結局は。
実際台湾のとこを同盟国どころか国としても認めてないわけで介入の正当化ってのはどうするもんなんでしょうね。
有事介入の明言≒台湾の国家承認=中共のレッドラインなんでおそらく外交のドン詰まり、最終局面で国家承認と防衛義務をセットで法制化するんでしょうね。
この展開、正直言って次悪(最悪はアメリカがケツまくってアジアを諦める展開)なんで、出来れば見たくはないですが…
古いアーレイ・バーク級を台湾にあげるというのは、どうだろう。
船体の補修は台湾でして、システムアップデートは、日本で出来ないかな。
BMD対応にしてSM3を載せれば、最高の嫌がらせになるが。
米国の台湾関係法でしょ
この法律を根拠に、沖縄の米軍基地から中国に睨みを効かせる事が出来るし、米国製の武器を売る事ができる。
同法では、軍事介入は義務ではなくオプションであるため、中国が台湾に侵攻しても、米国は出撃しない選択肢をとれるし、出撃してもよい
中国の質・量軍事力増強が近い将来において米国の安全保障を脅かすと見られる情勢下で、米政府の本音は時間稼ぎだろうかと。そのための牽制として有効と確信できるならば何でもやるべきなのかと。
直近の脅威事態を抑止するために戦力低下を看過できない一方で中長期的に優位性を回復するための対応策を急がねばならないが、予算的制約からどちらも難しいジレンマに陥っている。かといって現状での軍事費大幅増は政権支持層の理解を得られないんでしょう。
昔の強いアメリカだったら、この状況に対してさっさと台湾を別国家として認定し外交関係と防衛条約を締結して中国に、どやっ、と見せつけてただろうに
イケイケの独裁政治大国に対してジェスチャーしか示せない体たらく
全てはニクソンがキッシンジャーに騙された時から全て狂ってますね
>「米国の国民は台湾とインド太平洋で何が起こっているのか認識しなければならない。それとも世界的な影響力をもつ国の役目を中国に引き継いで欲しいのか?」
この言葉にすべてがあると思う。米国の国民が「アジアだの、世界だの、支配したい奴に支配させればいい。自分たちの生活が大事だ」となれば米軍は縮小し、アジアから、世界から引いてしまう。そして中国やロシアなどろくでもない大国共が幅を利かせる「民主主義の冬」が始まる。