米海軍は艦艇に勤務する兵士が新型コロナウイルス「COVID-19」に感染していたと発表した。
参考:USS Boxer Sailor Tests ‘Presumptive Positive’ for Coronavirus, First Case Found on a Ship’s Crew
米国の防衛産業企業が被るダメージは?どこまで新型コロナウイルスの影響は続くのか?
米海軍は15日、軍艦に乗艦していた兵士から新型コロナウイルス「COVID-19」の感染者が確認されたと公表が、これまでに米軍関係者のウイルス感染者は計20人(現役軍人10人とその家族8人、軍の施設に出入りする請負業者2人)で全て地上勤務者だったので、海軍の艦艇勤務者がウイルスに感染したのは今回が初めの事例になる。
今回、新型コロナウイルスに感染した兵士が見つかったのはカリフォルニア州サンディエゴ海軍基地に停泊中のワスプ級強襲揚陸艦6番艦「ボクサー(LHD-4)」で、この艦には米海兵隊所属の第11海兵遠征部隊と共に8ヶ月間、インド太平洋及び中東地域に配備されたあと昨年11月にサンディエゴ海軍基地に戻ってきた。
先週13日、ボクサーに乗艦する兵士に対し新型コロナウイルス感染の有無を調べた結果、感染者が見つかったため濃厚接触が疑われる他の兵士も含めて隔離措置が取られた。現在、感染者が基地で接触した可能性がある関係者の調査が進められており、見つかり次第追加の対応が講じられると海軍は話しているが感染ルートに関してはよくわかっていない。
今後、感染者が見つかった強襲揚陸艦ボクサーはアメリカ疾病管理予防センター(CDC)と海兵隊の防疫部隊の指導に従って艦全体の徹底的な消毒と感染予防措置が講じられる。

出典:pixabay
米国防総省は新型コロナウイルス「COVID-19」の感染拡大から軍を守るため、すでに海外の同盟国関係者が国防総省を訪問することを禁じ、海外へ派遣されている軍関係者が帰国しても2週間は国防総省への立ち入りを禁じる措置を実施しているが、3月16日からはさらに軍人とその家族の国内移動を5月11日まで制限する措置を発表した。
補足:軍人と家族は基本的に勤務地域外への公費による移動を禁止されることになるが、軍人は任務に不可欠な場合や人道的な理由での移動は禁じられておらず、軍人の家族が私費で勤務地域外へ移動することは禁止していないため効果は限定的との見方が強い。
この様な感染拡大防止策強化は、米軍の同盟国や海外での多国間による軍事演習参加に影響を与えており、軒並み参加を中止するか派遣規模を縮小するなど対応に追われている。
当初、米軍はNATO最大規模の軍事演習「Defender-Europe 20」に米国本土から約2万人+欧州駐留部隊から約1万人、計3万人の兵士派遣を予定していたが感染拡大防止のため参加規模を縮小することになり調整が続けられていたが、結局、国内の感染拡大防止策がさらに強化されたため参加自体を見送ることになった。

出典:Soldatnytt / CC BY 2.0 Cold Response Exercises
韓国やイスラエルとの2ヶ国間による共同演習は中止され、ノルウェーが主催する北極圏での多国間軍事演習「Cold Response Exercises 2020」への参加も見送り、新型コロナウイルス「COVID-19」の影響が比較的少ないアフリカ地域でエジプト、モロッコ、チュニジア、セネガル、モーリタニアなどアフリカ諸国と欧米諸国が参加して行われる軍事演習「African Lion Exercises」は大幅に規模が縮小される。
さらに新型コロナウイルス「COVID-19」は米国の防衛産業にも大きな影響を及ぼし始めている。世界中で開催される防衛装備の展示会や商談は次々と中止に追い込まれ、交渉が進められている商談も各国の入国制限や移動制限によって影響が出始めており、この様な状況が長引けば防衛産業企業にとってまずい状況になるだろう。
ただ米国の防衛産業を支えるサプライチェーンは中国製部品への依存度が高く無いため、F-35やF-16Vなど輸出需要の高い装備品製造に当面大きな影響はないと見られているが、世界経済は新型コロナウイルスの感染拡大によって深刻な状況に直面しており各国がもし国防費削減に動けば、米国の防衛産業企業が受けるダメージは計り知れない。
本当に、どこまでこの状況が続くのだろうか?
※アイキャッチ画像の出典: U.S. Navy photo by Photographers Mate 2nd Class Michael D. Kennedy.
本当に中国は迷惑な国だな
これを機に中国共産党は瓦解してしまえばいいのに
崩壊すると、更にこの手の問題が噴出する事に!
>昨年11月にサンディエゴ海軍基地に戻ってきた。
と、記事にありますが11月の帰港時に感染者がいたのか、その後の地上勤勤務で感染したのかによって対応が変わるのではないでしょうか。
この記事からはどう判断したらよいのでしょう。
若い兵隊さんたちですからあっちこっちの寄港地で「濃厚接触」しているのでしょうし。