米国のシンクタンク「ケイトー研究所」でシニアフェローを務めるダグ・バンドウ氏は9日、欧州は米国を助けるため中国とは戦わないだろうという主張の記事を寄稿した。
参考:Naval Flotilla to Nowhere: Europe Won’t Fight China To Save America
欧州は本気で中国の主張に正面から対抗する気はなく「プレゼンスの強化」にしか興味がない
ダグ・バンドウ氏はレーガン政権時代に外交関係の特別補佐官として活躍した人物で、現在はリバタリアン(自由至上主義)系のシンクタンク「ケイトー研究所」でシニアフェローを務めているのだが「欧州は米国を助けるため中国とは戦わないだろう」という主張の記事を執筆した。
彼は過去、金銭的な見返りと引き換えにクライアント(議会賄賂事件やカジノ利権を巡る詐欺事件の首謀者ジャック・エイブラモフ氏)に有利な記事を執筆していたことが明らかになってケイトー研究所を去ることになったが現在はケイトー研究所に戻っており、経歴だけみると何とも如何わしい人物に見えるが今回の記事が指摘している内容は中々興味深いものがある。
バンドウ氏の主張を要約するとNATO加盟国の中でロシア(親ロシアのベラルーシを含む)と国境を接する国以外は「欧州がロシアから攻撃を受ける可能性を信じていないので安全保障に資金を投じることを拒否しており、何か問題があっても米国が解決してくれると思っている」と批判、特にドイツ、イタリア、スペインはイギリスとフランスに並ぶ経済規模を備えているにも関わらずNATOが約束したGDP比2.0%という最低限の国防費支出すら満たそうとしていない。
これについてバンドウ氏は「もしロシアの脅威を真剣に受け止めているなら侵略のコストが許容できないレベルにするため国防にもっと多くのの資金を支出しているはずだ」と指摘しており、トランプ政権の要求に応じて国防費支出を多少増やしているのは米国からの批判を交わすためのポーズに過ぎず「ロシアから欧州を守るために本気で取り組んでいない」と見ている。
さらにトランプ政権やバイデン政権の要求に応じて欧州は中国との対決姿勢を打ち出したが、これは口先だけで米国が求めるような軍事的な支援が伴っておらず「ロシアの脅威から欧州を防衛するための汚れ仕事を米国に押し付けようとしている欧州諸国が中国と本気で対峙するはずがない」と指摘、特にドイツは「対中国」を意識してオーストラリア、シンガポール、ベトナム、グアム、日本に寄港する予定でフリゲート艦をアジアに派遣(※)する予定だったのだが、これも連立政権を構成する社会民主党(SPD)に配慮して寄港地に上海を追加したため「対中国」の意味が薄れてしまったと見ており「ドイツはチャイナーマネーが大好きだ」と辛辣に批判(チャイナーマネー好きな国にはイタリアやセルビアも含む)している。
※補足:日本メディアは「インド太平洋での存在感を示す狙いがある」と報じているが、ドイツのフリゲート艦派遣が米海軍の航行の自由作戦や英国の空母打撃群派遣と根本的に異なるのは中国に南シナ海を通過するための許可を事前にとろうとしている点(まだ許可は降りてない)で、この行為は「EEZの管轄権」を主張する中国の要求を受け入れることを意味するため「存在感を示す」ではなく「中国の主張を認める」ことに繋がる可能性がある。今のところ中国がドイツのフリゲート艦派遣に強行な姿勢を示していないのはそのためだ。
EEZの管轄権についてはこちらを参照:米海軍がインドのEEZ内で「航行の自由作戦」を実施、インド側は法に違反していると反発
フランスも対中国を演出するため攻撃型原潜を南シナ海に派遣して「遠方のアジア地域に戦力を長期間展開できる能力を保持している」と演出したが、たった1隻の原潜派遣だけでは「戦う準備が整っている」というメッセージを中国に伝えるには力不足=つまり「欧州は本気で中国の主張に正面から対抗する気はない」と見ているのだ。
要するにバンドウ氏は欧州でもアジアでも米国は西側の安全保障のために「具体的な役割を果たすことに重点を置いている」のに、欧州でもアジアでもNATOは「象徴的なプレゼンスの誇示に重点を置いている」ため連中が言っていることは美辞麗句に過ぎないと言いたいのだろう。
勿論、このような批判は米国の主流な意見ではないが、こういった批判も米国内に存在するという意味で非常に興味深い。
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain F217バイエルン
別に一緒に戦わなくていい、留守を守ってくれ
それな。
パッケージ化された空母打撃群単位の派遣でもない限り、後方支援で十分だし、下手に多国籍艦隊組んでも装備の規格が違うから連携や補給が大変になるだけ。
とは言え、一応対応可能な用意するのは、政治的にも戦略的にも選択肢が増えるから極めて重要。
後方支援=参戦では
日本も米軍の後方支援をしたらターゲットになると中国が言ってるんだし
地中海とか大西洋を見てくれればいいんで…
それ趨勢が決まった途端さも最初から仲間だったと振る舞うパターン
なるべく血を流すのは避けるだろうけど
最終的に2択となったら結局アメリカだと思うけどね
そもそもアメリカは1国でも勝つし
中立はあり得ないから選ばないという道もない
シェール石油が決定的だった
防衛費の対GDP比で見ると日本は欧州より更に「やる気が無い」ってことになりますね
何も言えねぇやってなるわなw
日本政府は何かある度に日米安保の適用について真っ先にアメリカに確認しているので、実際に「やる気が無い」とアメリカから思われている可能性大。
日本はアメリカにとって戦略上の重要拠点なので、アメリカは無下にできないけどね。
つい最近まで日本を敵視して赤い怪物にせっせとエサをやってたのはアメリカだよ。
日本が軍事力を強化したらアメリカは日本を敵視するに決まってる。
アメリカが日本を敵視していたのなんてせいぜい1970年代ぐらいまでだぞ
80年代には日本に対し防衛予算のGDP比増加と自衛隊の強化を要請しだしている
中国に近づいていたのはあくまで経済市場を求めていただけ
ただ自由市場にしたら共産政治がなくなるという甘すぎる見通しで政治的・軍事的に失敗したけどね
>実際に「やる気が無い」とアメリカから思われている可能性大。
>日本はアメリカにとって戦略上の重要拠点なので、アメリカは無下にできないけどね。
それって日本が取るべき最高の立ち位置やん。
逆にやる気あるとか思われたら、アフガンとかイラクとかの最前線で共に戦え、台湾とか韓国とかにも事前に駐留しろ、中国に外征する準備を進めろとかの、米軍の弾除け扱いとして便利に使われるぞ。
米国からみたら、韓国とかの方がよっぽど金かけてるからと思われてる恐れがあるよね
軽空母も韓国沿岸を守るだけなら不要でも、それで南シナ海に遠征し、米揚陸艦が付いてる任務を肩代わりするなら、米国側は大歓迎だし
日本は防衛に金を掛けなさすぎ
確かにGDP比じゃ低いし9条の枷で実任務の援助にも制約有るけど思いやり予算然り最近は各種演習やら施設関連の建設も盛んで少なくとも色々出し渋るドイツとかよりは貢献出来てるんじゃない。
アメリカの圧力で40年ほど前に国防費GDP1%制限は廃止されたけど実情はほどかわっていないからね
対中対ロの軍事負担をアメリカに押し付けつつ、思いやり予算増額で自国の国防予算割合増やさないのをごまかしているのが現状
まぁ日本政府からしたら一度でもGDP比2%にしたら1%に戻せなくなる(言い訳が使えなくなる)から慎重なのもわかるけど
国家予算100兆の中で、防衛費5兆円と10兆円では大違いなので、そう簡単に2%とか無理よ
と、思うじゃん?
関連費を含むNATO基準計算すると既にドイツ超えててそろそろフランスに並ぶだけ支出してるぞ日本
予算規模もだけど、充分な敵地攻撃能力持たないと抑止力にはならない。
それは経済的ダメージが大き過ぎるから、日米台とも中国とは戦おうとは
思わないのは同じだし、中国も泥沼化するようなら戦うことは避けるだろう。
戦うとすれば中国側が「武力で短期間に解決できる」と判断した場合だけ。
その意味では南西諸島への兵力展開も、平和安全法制も中国がそんな気分に
ならないようにするためのはったりにすぎない。
だがねえ。それでも戦争になるようなら、戦わざるを得なくなるのは欧州も
同じだよ。覚悟があろうがなかろうがやり抜くだけ。
ガチで殴り合うってリスクも出費もお互い大きすぎるしな
実際には海上封鎖と経済制裁で締め上げる戦いになるであろうから、そんな覚悟ってほどでもないと思う
中国は現存艦隊主義で温存図るだろうし、中国本土への本格的な攻撃はリスク高いし、落とし所が無くなって泥沼化を招きかねない
実際に殴り合う話じゃなくて、冷戦構造に持っていく気概がないって話でしょ
実際に経済的な封鎖を行わない、封鎖をするだけの裏付けとなる防衛戦力の供出を行わないって話
自分の画面だけ見て読みやすいよう改行した結果、他の端末で見たらわけわからんところで改行されてクソ読みづらくなるやつ
ロシアの主たる標的は、ヨーロッパの旧ソ連圏
それから先に出る意味も根拠もない
そこんとこをフランスやらドイツからは見切られてるんだよ
自国の世界的覇権を確保したいアメリカの都合とは温度差が避けられない、
見切られてないね
ウクライナでは延々と制裁かけられ続けているし、空軍を持たないバルト三国の防空を担ってるのはNATO諸国
緊急即応部隊もウクライナ以降にどんどん強化進んでるな
それこそ体裁をとりつくろってるだけだって(笑)
まさに記事の指摘まんま
エネルギー源をロシアに頼ってて本気の対決も無いもんだ
ウクライナと違い、明確なnato加盟国を見捨てるわけないだろう
アホか
そもそも記事の意味すら判ってないのでは?
EU議会は北京オリンピックボイコットの議決採択、加盟国に不参加を呼びかけてるな
イギリスオーストラリアはこれまでの対米追従から見ても参加するだろう
シンガポールマレーシアは英豪の同盟国だし駐留もできる
他のNATO諸国はそもそも直接的な軍事力派遣きついって
経済制裁に参加してくれるだけでいいよ
フランスはシリアイラクイランの時のように、高く売れる頃合い見て制裁解除言い出したり裏切るから大人しくしといて下さい
あとポーランドもアメリカの戦争の常連だなあ
ポーランドは陸海空の他に特殊部隊軍がある四軍編成
湾岸イラクでは先陣を担ったアメリカも認める精鋭
反ロシアの急先鋒で是が非でもアメリカの支援得たいからアメリカへの協力に非常に積極的
水上特殊部隊くらい派遣してくるかも
なお昨年の演習シミュレーションでロシアに5日で滅ぼされると判明した模様。
NATO最強国家ですらこの有様なんだから、そらアジアに回す余裕なんてないよね。
EU宗主国のドイツが何が何でも対中抗争に反対するから無駄
英仏と異なり、独はアジア地域に海外領土をもたず、また特筆すべき利権ももっていない。
強いて挙げれば、中国との貿易(黒字)くらいか。今回の軍艦派遣は”お付き合い”だろう。
メルケル個人は習近平大嫌いぽいな
中国訪問した際、新疆ウイグルが含まれない中国の古地図を贈呈した
後日、中国はそれを新疆ウイグルを含むものに改竄して公表した
ドイツは何かいい理由があれば公然と中国叩きすると思う
まあ情勢によるけど、中国が海上交通を脅かすってならNATO常設艦隊くらいは派遣するかもね
>ドイツのフリゲート艦派遣が米海軍の航行の自由作戦や英国の空母打撃群派遣と根本的に異なるのは中国に南シナ海を通過するための許可を事前にとろうとしている点
これって、わざわざ踏み絵を踏みに来るってことじゃないすかね。(笑)
FOIP陣営からすると、来ないほうがマシという話では?
独フリゲート艦は上海に寄港すると報道にあるように、他のNATO諸国とは軍艦派遣の趣旨が異なるようだね。豪州が独艦のホスト国という未確認情報もあるけど、他国艦との共同演習も予定されていないようだし。
ひょっとして、独艦はアジアまで航海して、中国に寄って、そのまま帰国するのかな?
今の米欧関係を見ていると
逆もしかりかと
陸続きのユーラシア大陸で共存共栄を図るのはむしろ常識、まさか核保有国で絶滅戦争までやるのか、やれないならば互いに妥協しながら適切な関係を築いていくのが王道だろう。ロシアも中国も覇権は求めても、いまさら領土獲得を目指す征服戦争なんてやらない、
安全な北米大陸からあれこれ煽られても迷惑ってのがフランスやドイツの立場です
アメリカの正義だの過信するのはお花畑ですよ、アメリカの覇権のために巻き込もうとしてるだけだから
完全にロシアや中国の言い分で草
下らん事書き込む前に
歴史学べばw
歴史を知らないのは君だろwwwwww
五毛よ
まず句読点の使い方から学べ
君の文章を読んで中国への怒りしか湧いてこなかった
およそ大人のやる事ではないなw
南シナ海、ブータン、ジョージア、クリミアetc.
米中の覇権争いに本気で付き合うやつは愚か者。普通の国は適当に距離を取り、双方の力が減少するのを待つのが利口。外交オンチで愚か者な国家は双方の利権争いに巻き込まれて自滅する。「昔はこの国も先進国と呼ばれたことが有った」と老人たちは、貧困に喘ぐ若者達に語ることになるのだろう。
グローバル経済化の中で今の中国の地位は確固たるものがあります
そんな状況で世界大戦みたいなものが起きるか、やる必然性が生まれるかと言うと個人的に
はなはだ疑問で、対中包囲網とは言え、かつての対日ABCD包囲網よりはずっと緩く
EUなどでは、経済的な悪影響が無い程度で中国が調子に乗りすぎない様、牽制する程度しか
考えてないだろうとは思うのですが
そりゃ太平洋に離島持ってるフランスやイギリスならまだしも、ドイツみたいに海外領土持ってないEUの加盟国からしてみりゃ、「何で遥か彼方の太平洋のちっぽけな島のいざこざの為にお得意様を怒らせなきゃならんのだ」ってなるわな。ドイツに至ってはロシアがいくら強大でも東欧っていう巨大な緩衝地帯があるし。金にならない軍隊に予算つけたがらないのも納得だよ。
なお軍縮しすぎて他のNATO加盟国から怒られ、再び予算つけるようになった模様>ドイツ
エゲレスの島は太平洋にはピトケアン諸島だけで、ちょっと前まではニュージーランドにほぼ丸投げじゃなかったけ?(総督がニュージーランドの総督と兼任)
イギリス連邦のマレーシア、シンガポールは同盟国でブルネイは国防の一部を代行しているけどな。
そりゃ太平洋に離島持ってるフランスやイギリスならまだしも、ドイツみたいに海外領土持ってないEUの加盟国からしてみりゃ、「何で遥か彼方の太平洋のちっぽけな島のいざこざの為にお得意様を怒らせなきゃならんのだ」ってなるわな。ドイツに至ってはロシアがいくら強大でも東欧っていう巨大な緩衝地帯があるし。金にならない軍隊に予算つけたがらないのも納得だよ。
そらぁ中国も大昔の元でもあるまいし、直接ドンパチする要素がないから動かないわな。
欧州にとってはロシアの方が問題ろう。
下手に戦力を割いて穴をあけて、ロシアが動けば厄介だろう。
輸送艦、補給艦なんてアメリカかて満足でないのに
そらアジアまで行けるわけないじゃん。
こんなの米国防省すら暗に認めてることでしょう、
本気ではないからといって欧州批判するのはお門違い。
1隻あたり戦車や装甲車まとめて1000両ほど運べるワトソン級車両貨物輸送艦8隻をはじめ、数多くの空母艦隊やら揚陸艦やら多種多様な補助艦を持っているアメリカが不足に見えるのか……
それらがきちんと完全稼働出来れば、
こんなこと言われる必要ないんですけどね