バイデン政権はウクライナに対する7.5億ドル規模の支援パッケージを間もなく発表(13日発表が濃厚)する予定で、The Washington Post紙は「これまで供与していなかった種類の武器がパッケージに含まれる可能性が高い」と報じている。
参考:Pentagon looks to vastly expand weapons for Ukraine
パッケージ案に含まれる正体不明の沿岸防衛用の無人機、MQ-9をウクライナに供与?
ワシントンの政府関係者や議員の間で出回っている発表前の支援案にはMi-17(最終案から排除される可能性が高いらしい)、榴弾砲、沿岸防衛用の無人機、ジャベリン、スティンガー、防弾ベスト、NBC防護服などが含まれているらしいが、これがそのまま正式な支援パッケージとして発表されるかは確定していないらしい。

出典:Public Domain M109A6
どちらにしても国防総省の関係者は「新しい支援パッケージに含まれる武器は訓練が必要になる」と述べているため、米陸軍が保有する自走砲「M109」がパッケージに含まれている可能性があるのだが、やはり目を引くのは「沿岸防衛用の無人機」だろう。
管理人が知るかぎり「沿岸防衛用の無人機」と呼ばれる種類のUAVを米軍は保有していないが、General Atomics社の関係者は先週に駐米ウクライナ大使と会談を行い「ウクライナ支援のためにオプションを検討中だ」と述べているため「沿岸防衛用の無人機」とはMQ-9のことを指しているのかもしれない。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Quion Lowe
同社の関係者は「MQ-9はウクライナ軍の戦場認識力を拡張し、小型のUCAV(武装が可能な無人航空機のことでTB2をことを指していると思われる)にない高い攻撃力を提供できる。ウクライナ軍の兵士は無人機の操縦や運用に慣れているのでMQ-9を扱うために1から訓練する必要はない」と述べているが、MQ-9をウクライナに移転するためには政府や議会の承認が必要だ。
因みに米空軍は2023会計年度予算で100機のMQ-9を退役(スクラップにするのではなく別組織に移管)させる方針を発表済みで、ウクライナに供給できるMQ-9の在庫は「豊富にある」とも言えるが、沿岸防衛用=水上艦に対する攻撃にMQ-9を使用するなら少々パンチ力が不足(ヘルファイアもしくは精密誘導爆弾500ポンド)しているかもしれない。
もうすぐ新しい支援パッケージが発表されるので「沿岸防衛用の無人機」の正体も明らかになると思うが、少なくとも米国がウクライナに攻撃力の高い武器を与えるのはほぼ間違いないだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Haley Stevens
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最近の支援ニュースはわりと殺意高いのばっかりだな。ウクライナ的にも今侵略されてる領土奪還したいって要求あるんだろうか。
これはグッドニュースですが、MQ-9がそんなにすぐにウクライナ兵に扱えるものでしょうか。「ちょっと訓練すれば大丈夫」というのは方便で、実際はアメリカ人がアメリカ本土から衛星経由で操縦すると思えます。
もちろんヘルファイアやペイブウェイもセットで供給してくれますよね? これと自走砲があればロシアの大戦車軍団にも対抗できそうです。
アメリカの特殊部隊が既に現地入りしてるから関係ない気が…
MQ-9は中東などで運用するときのアメリカ国内から操縦していますから、遠隔操作で全く問題無いはずですね。
基地で操縦して近くのスーパーでビール買って1杯ひっかけるみたいなドキュメンタリーありましたねえ。
あれはあれで精神的にくるみたいですが。
開戦前からの話になりますが、ウクライナの軍人が一定数アメリカに軍事留学していると。
彼らは今スイッチブレードUAVの運用・操縦のトレーニングコースを受講していて、帰国に際しては国防長官から激励の言葉を貰ったそうです。
また、ウクライナ近隣の複数の国も、ウクライナの軍人を招いて訓練を施す用意があるようです。
扱い方に関してはそれほど心配は要らないのかなと。残るは時間的に間に合うか、だけです。
戦前から訓練していたとは先見の明がありますね。ただスイッチブレードは地上部隊の兵士が使うもので簡素ですが、MQ-9は基本的にはパイロットとして訓練を受けた人が操縦するものです。操縦や兵器の操作は格段に複雑だと思われますね。
極論、アメリカから操作、最後の攻撃決定だけウクライナから派遣された兵士が行うでもいい。
だんだん訓練の必要な重火器が増えてきたので、英米の「軍事顧問団」がウクライナ入りして運用そのものをおこないそうな気がする
ロシアがなんにも言わないことを良いことに、開戦前からいた軍事顧問団や新たな集団が、活動を本格化しているんじゃないですか?
指摘した所でアメリカに核ミサイル撃ち込む余裕も度胸もないでしょうし。
実際余裕も度胸もあれば既に周辺飛び回ってるNATOのAWACSなんも既に撃ち落とすかスクランブルして嫌がらせくらいはしてますよね
累計ではなく単年でMQ-9が100機退役とは米軍の規模には驚かされるばかりだ
日本が軍事支援可能な国だったとしても大したものは送れなかっただろう
ATMくれって言われても01式も1000セットしか無いしなあ(調達数なので保有数はもっと少ないと思われる)
01ATMの1セットという単位は2001~2004までは『発射機一基と数発分のミサイル』、2005~2010からは『発射機4基と一基辺り数発、全部で十数発分のミサイル』って内約になっているという話があってな。
上記の内約が正しければ発射機は累計で1800基以上、ミサイルは7000発以上調達されている計算になる。
しかも、陸自は中多の配備に伴って、普通科小隊に配備していた01ATM を普通科中隊本部に対戦車分隊を新たに設置して集約するようになったから、本当に余ってないのかは微妙なところがあるぞ。
M577戦闘指揮車とM109A6自走榴弾砲、および弾薬運搬車が、ポーランド中央の駅でウクライナ国境方面に向けて鉄道輸送されてる映像が撮影されてるようですけど、これは今回の支援パッケージに含まれるものかもしれないですね
リンク
すごいですねこれ、弾薬輸送者が延々と。レンドリース法の審議が議会の休みで中断ということで悠長だなと思っていたら、やることはやってるんだな。アメリカの本気の物量の一端を見た思いです。
これが近日中に東部に届いて実戦配備できるのであれば、今後あると言われるロシアの攻勢を押し返せそうです。訓練期間が間に合うのかは気になりますが、軍事顧問団として「教官」もたくさん来てそうですね。
アレだけでも大隊規模ぐらいはありそうですね
しかもアレだけで終わりじゃないでしょうし、気がついたらウクライナにアメリカ装備+義勇兵の機甲師団が出現するとかありえるかも
MQ-9は、予めいじるのだったら、是非、ハープーンASMを使用可能として欲しいです。
ペイロードはOKと思えます。そうすれば、ロシア黒海艦隊の対策になります。
日本も注目するところと思います。
M109A6は、データリンクがNATOというより米軍規格そのものだから、
上記のMQ-9の運用と併せて、米軍を義勇兵化するつもりでしょうか。
とりあえず黒海艦隊をなんとかしないと周辺国の貿易が再開できないからな
ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長がEUの加盟申請書を手渡しに先日キーウを訪問し、ゼレンスキー氏は速やかに記入して返信するとしている。いよいよウクライナのルースキー・ミール(ロシア世界)からの決別・絶縁宣言が近付きつつある。
ウクライナのEU加盟が受理されれば、リスボン条約42条7項(相互援助)が適用できるので、ロシアの侵略はヨーロッパ全体への侵略として扱われ、EU加盟国は(法的義務こそないものの道義として)より積極的に、かつ堂々と大量の支援物資や人員さえ送ることができます。
時間を稼いで粘るほど、ウクライナの勝機は増します。
ロシアもそれはわかっているはずですから、その前に大規模攻勢を仕掛けて最低限の利益確定しつつ一方的な停戦を主張してくるのだろうと思われます。
軍事援助が間に合うか、時間との勝負ですね。
正式に発表されてない兵器も既にいろいろ送られているようです。マートレット多目的ミサイルだとか。
この記事の流れで物事が進んだ場合、
フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・ギリシャの5カ国はどのように進むのだろう。
差し当たり、LNGは船で運ぶか北アフリカからもらうようだけれども。
EUでの動きとNATOでの動きは違うのかな。
ドイツは、原発再稼働が最優先だな。
長期的には、フランスが各国に原発を売りまくる。
マートレットってスターストリークの互換品で廉価版ではなかったか?
別に秘密でもなくてスターストリークシステムの中の一弾薬でしょうな
日本はドローンに積むための高性能カメラを提供し、そのカメラによる索敵はウクライナの力になってるだろうが、
いよいよ日本も武器提供を行うかの岐路にたっている
もちろん、武器移転の解釈によって、ウクライナへの直接提供は難しいだろう
だが、先日の記事でも書き込んだが、武器提供国に武器を提供することは、日本の現行の武器移転解釈内でできるはずだ。
決断せよ
在米軍基地に不法投棄するんですね分かります…
後学の為にどこら辺をどう解釈すれば可能になるのか教えてほしいです
ウクライナへの直接供与ではなく、ウクライナに武器を提供している国々に、その供与国軍の減った装備の補充として供与する方法
これなら現行解釈でも可能
過去、韓国軍に自衛隊の弾薬を提供した実例あり
まず南スーダンPKO中に韓国軍へ弾薬を供給した根拠はPKO協力法であり武器輸出三原則(2013年当時)の例外として実施されたもので今回の事例にそのまま当てはめられるものではありません
防衛装備移転三原則の第三項.適正管理の確保において「海外移転後の適正な管理を確保するため、原則として目的外使用及び第三国移転について我が国の事前同意を相手国政府に義務付けることとする。」と明記されているため解釈の余地がなく、ウクライナへの供与につながる場合日本政府の同意が前提となります
例えば米国に供与したら後は知りませんという解釈は出来ないと思います
ウクライナへの防弾チョッキ供与を可能にした解釈は自衛隊法第116条の3に基づいており、該当法において「装備品等(装備品、船舶、航空機又は需品をいい、武器(弾薬を含む。)を除く。以下この条において同じ。)」と明記されているため武器弾薬の供与は出来ません
どちらを通すにせよ法改正が必要になると思いますが、上記以外の部分の解釈を変更することで可能になると考えておられるなら具体的に教えて頂きたく。
>ウクライナへの供与につながる場合
ウクライナへの迂回供与は想定していません
あくまでもウクライナへの武器供与を行った国々の減った弾薬、装備備蓄に対する補充をするだけです
>法改正が必要になると思いますが
紛争当事国への供与を禁止しているだけで、当事国でないのなら可能ですよ
例えば、ドイツが100発持っている弾薬ですが、自国の防備にも必要なため、ウクライナへは50発しか渡せませんとします。
そこで日本が同じ弾薬を100発もっているので、50発を第三国への供与を禁止する形で貸与または供与を持ちかける形です。
ドイツは50発を日本からもらえると確定すれば、自国防衛用に温存していた50発もウクライナへ供与できるという理屈です
この形であれば、現行法にも武器輸出三原則にも抵触しません
どうしてもというなら、防衛装備移転協定を結んだ国に制限してもいいでしょう
玉突き供与というわけです
おちおちしてるとフィンランドがNATO加盟しますしね。フィンランドとしてはロシアとウクライナがやりあってるうちに加盟してしまいたいはずで、ロシアは絶対阻止したいはず。軍をフィンランド国境に動かしたそうですが、ウクライナで戦いながらフィンランド侵攻はどう考えても無理なので。
戦闘機の提供も、いよいよ行われるかもしれないね
MiG-29はアクティブホーミングミサイル、つまりは打ちっ放し能力に欠けるため、生残性に乏しいって話らしい
当初はMiG-29って話がでてたけども、すっとばしてNATO規格のタイフーン(トランシェ1)かF-16、またはこの両方に踏み切る可能性があるんじゃない?
タイフーンとF-16は、戦後において、ウクライナ空軍の東側戦闘機を置き換えるために高確率で提供されることになるだろうから
だったら戦時中に提供してしまえってなってもおかしくない
100機退役ってすごいな
それならもっと早く出せなかったか
あるいはもう訓練すんでるから発表するのか
プーチンの発言から推察すると、ロシア軍の停戦にはロシア軍が許容できない数の兵士の死者が必要であり、1万人や10万人程度では少なく、怯まないのではないでしょうか。
鹵獲した兵器でロシア領内から本土中枢に攻撃をしたら、クレムリンがどのような反応をするか見てみたいです。
>鹵獲した兵器でロシア領内から本土中枢に攻撃をしたら
それやっちゃうとロシア国内の反戦の機運が完全に消え、ウクライナ殲滅せよと一丸となります。なんせ戦意高揚のために自作自演で国内でテロやろうとしてるのではと疑われてますし。
戦術核兵器を使用するだけだと思うけど、そんなのを見たいですか?
捕虜を使ったやらせ動画を作り、クーデターでロシア軍の離反と主張したらどうなるのかなと考えてしまいます。
「俺たちを戦場に送りやがって!プーチンら指導部はこれでもくらえ」みたいな。
想像ですが、考えてしまいます。
奪われて殺された者だけが損する世の中であってほしくないです。侵略者は重い代償を負ってもらいたいと切に願います。
流石にロシア本土まで攻撃して泥沼化させたなら西側の支援なんてしないでいいと思う。個人的には武器を渡すけど無制限に使わせるような約束はしてないんじゃないかなとは思う。今年の開戦時までの国土奪還かクリミア奪還レベルで打ち止めって話にならないと行きすぎって感じがするわ。
これからのドンバス戦にもマリウポリ救援にも、多くの無人攻撃機や無人特攻機が不可欠と
考えています。無人機の戦果に期待したいです。
ところで、豪州からウクライナへ供与される20台のブッシュマスターMRAPが欧州に到着
したとのことです。
リンク
苦戦するウクライナ軍の上空をMQ-9の編隊がかすめて、ロシア軍を爆撃。
USA!USA!する映画が作られる未来が見えた。
実際そんな運用しないと思いますが。
最大の支援は空爆支援でしょう
地上軍の派遣が嫌なら巡航ミサイル攻撃など空爆支援だけでも良い
ウクライナ軍が露軍が兵力増強している東部戦線で決戦を挑むなら
地上軍のエアカバーは是非欲しい
これ以上の一般市民の犠牲を避け早期停戦に持ち込むには武器供与
よりも、もはやNATOの直接介入しかありません
リーパー供与可能ならA10でもええだろしA10操縦免許持ちの義勇兵なんていくらでも集まるだろしここでA10全消耗するの米空さん的にも本望じゃん
沿岸用で供与したリーパーで防空破壊してあとはウ空軍とA10混成フリートで露軍砲兵軍団をぶっ潰そうぜって考えてる狂信者はワイだけではないはず
コマンドポストの数的にパラディンは2個大隊規模で砲弾は対装甲誘導型も含まれ欧州メーカー直送で誘導弾薬送るの明らかででは誰が操砲教育するかだが明らかに少数で済まない義勇兵が随行だし現役も絶対混じってるだろと
バトルプルーフの場になってきている印象。
次のロシア軍攻勢撃退に貢献した兵器はバカ売れするんだろうな。
完全にスペイン内乱の状況になってる
あの時は戦車の方向性が定まったのと空軍の有効性が分かった
今回はドローンによる認識拡張と歩兵の火力拡張かな?
提供されるのはずいぶん前に実戦投入済みの兵器ばかりなので、バトルプルーフの場とは言えない気がします。
ともあれ、この際対空ミサイル、対艦ミサイル、MBT、戦闘機もアメリカから提供してしまう方が後々面倒がなくてよいでしょうね。性能面は申し分ないし、モスポール中の余剰装備も山ほどありますし。