ノースロップ・グラマンは米空軍が開発を進める次世代戦闘機について「プライムを追求しない」と言及したが、海軍は次世代戦闘機について「ロッキード・マーティン、ボーイング、ノースロップ・グラマンが候補に挙がっている」と発表したためF/A-XXは3社競合になる見通しだ。
参考:U.S. Navy’s F/A-XX in Design Maturation, Competing Companies Announced
F/A-XXはF/A-18E/Fよりも航続距離が長く、速度が速い有人戦闘機になる
米空軍は次期戦闘機=NGADのEMD契約を2024年に締結すると発表、この主契約者の座を巡ってロッキード・マーティン、ボーイング、ノースロップ・グラマンが競合すると思われたが、ノースロップ・グラマンのウォーデンCEOは「NGADのプライムに応じるつもりはないと空軍に通告済みだ。我々はサプライヤーとして他の入札者の提案に協力するつもりだ」と言及、どうやら航空宇宙部門は膨大な受注残と他の仕事が十分確保されており、NGADにプライムとして関与するリスクとリターンを検討した結果「サプライヤーとしての立場が適している」という結論に至ったらしい。

出典:Lockheed Martin NGAD
ウォーデンCEOは海軍のF/A-XXについても「(正式なRFPが発行されるまでノースロップ・グラマンの立場を)明らかにしない」と述べていたものの、海軍は次世代戦闘機=F/A-XXについて26日「ロッキード・マーティン、ボーイング、ノースロップ・グラマンが機体設計、GEとP&Wがエンジンの候補に挙がっている」と発表。
ノースロップ・グラマンのトム・ジョーンズ社長もAviation Weekに「同社はF/A-XXの開発を追求している」と明かしているため、NGADの主契約者はロッキード・マーティンとボーイングの2社競合、F/A-XXはロッキード・マーティン、ボーイング、ノースロップ・グラマンの3社競合になる見通しだ。

出典:Northrop Grumman NGAD
因みにNGADと同じようにF/A-XXも公開されている情報は少なく、海軍はF/A-XXについて「F/A-18E/Fよりも航続距離が長く速度が速い有人戦闘機になる」と述べており、空対空ミサイルで武装した無人機(A/A)、電子戦システムを搭載した無人機(EW)、高度な通信ゲートウェイ(通信プロトコルを変換する装置)を搭載してF/A-XXや無人機の戦術通信を中継や無人機(C2)の中核として作動することが期待され「F/A-XXはNGADファミリーシステムの中でクォーターバックの役割を果たす」と主張している。
海軍は現在NEMESIS(Netted Emulation of Multi-Element Signature against Integrated Sensors)と呼ばれる革新的な電子戦システムの開発中で、このシステムは有人機や無人機が搭載する電子戦能力をネットワーク化(最終的には無人艦を含む水上艦艇や潜水艦も接続する予定)することで広範囲に偽の航空機や艦艇を電子的に作り出すことを狙っており、F/A-XXと無人機のエアチーミングはNEMESISを実行する上で欠かせないプラットフォームになると期待しているのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Boeing F/A-XX
ボーイング先生の次回作にご期待ください
なんでボーイングすぐ死んでしまうん?
ボーイング先生の全盛期はどこ・・・? ここ・・・?
マクドネルダグラスの軍用機の初飛行でみるとA-4(1954年) F-4(1958年) F-15(1972年) AH-64(1975年) AV-8B(1978年) F/A-18(1978年) F-15E(1986年) T-45(1988年) AH-64D(1991年) F/A-18E/F(1995年)
F-15E T-45 AH-64D F/A-18E/Fは改良型なので原型機を設計した1970年代が全盛期でしょうね
近年だとF-22 LMと共同開発 T-7 サーブと共同開発 V-22 ベルと共同開発
マクドネルダグラスが設計したものと共同開発を除くとあのX-32くらいしか成果がないのでは?
旅客機とその派生に専念するほうがいいでしょうね
次回作までに生き残っているかな…?
新造艦で艦内システムを統合することすら困難だったのに戦域レベルでの電子戦能力の統合とか可能なんだろうか
しかしお互いに大量のゴーストが写ってレーダーが使い物にならなくなるならいよいよ有視界で格闘戦することになるかもね
垂直尾翼が存在しないと不安になる、民間機は垂直尾翼かそれに代わる垂直安定板が必ず付いているし。
垂直尾翼の代わりに電子制御とか推力ベクトルで安定性と操縦性を確保するのかもしれないけど、どちらもクラッシュしたら諦めて脱出できるのが戦闘機のメリットなのか。
民間機は垂直尾翼を無くすメリットがほとんど無いに等しいので参考にならないかと。
※燃費とかは多少向上するかもしれませんが安全性・安定性に比べたら微々たるものでしょう。
多分、複座機なのでしょうね。後席の搭乗員が兵器係なのでしょうね。
AIがもう少し進歩(?)しないと、単座機はまだかな、と思います。
機体形状を見ると、3社案ともに無尾翼機ですね。故ノースロップ氏が喜びそう。
素人は妄想するのですが、飛行中に翼面積を変えることはできないでしょうか。
折畳み翼の要領で、畳んだ翼は垂直尾翼の替わりをしてもらう形。
少しは運動性能が良くなりはしないでしょうか(無知ですみません)。
対レーダーステルスが必要な場面では全翼機ですが、見つかってしまったら、
ステルスを続ける意味も無いような気がします。
運動性能が良くなるかどうかは別にして、折りたたみ式の垂直安定板は普通に可能でしょう。
第4世代でも第5世代でも割と普通についてる(むしろついてないF-35Aが例外的な)エアブレーキを横向き左右対称につければそれでもうほぼ垂直安定板です。
完全なラダー機能を持たせようとすると難易度が高そうですが、あくまでメインは推力偏向で、緊急時の不時着あるいは海洋投棄先に向けるためのヨー制御ができなくもない、くらいならどうとでもやり様があるでしょう。
というか以前出てたNGADのコンセプトアートがまさしくそれっぽいデザイン(折りたたみ式のV字尾翼で舵機構無し?)になってますね。
ご教授ありがとうございます。
そうでしたか。
素人の妄想程度のことは、皆が考えますね。
素人は、分割して折り上げたエレボンがラダーの
代わりにならないか、などと思っていました。
今日の戦闘機の操縦はFBWか今ではFBLでしょうし、
プログラム次第では、などと想像をしていました。
今は、おそらく油圧配管は無いだろうと思ったもので。
折りたたみ式の垂直尾翼にラダー機能を持たせようとするなら油圧式は特に厳しいと思われますのでFBW…というか電動アクチュエーター駆動等になるでしょうね。
※少し表現が気になったのですがFBW/FBLかどうかと油圧式かどうかは別の問題です。
こちらの読み違いであれば申し訳ありません。
エレボンを折り上げて(垂直尾翼に)…というのはちょっと想像できないですが、上下に開いて抵抗を増せば機体の最後尾ですのでそれだけで(凧の尻尾の様に)縦横に静安定性は生まれそうですし、左右の開度を調整してヨー操作すればまんまB-2のドラッグラダーですし、後退した全翼の翼端を可動式ウイングレットにすればそれだけでも垂直尾翼として機能するでしょうし、やり様は色々とあるかと思います。
個人的には「垂直尾翼と運動性」については誤解というか誇張があると思ってるんですよね。ステルス機の空力性能の話とかカナード翼機のステルス性とかと同様、丸っ切りの嘘ではないけどやたら過大に捉えられてる様な印象です
航空機の運動性ってのは9割主翼で1割エンジン、残りの要素はおまけ程度(FBWは必須要件なので計算に含めていませんw)で、ただし現状での技術レベルでは高い運動性を持つ機体を意図通りに正確に動かすためには(特に垂直成分のある)尾翼があった方が断然いい、という程度の認識です。(戦闘機やエアレースの様な意図した所にセンチ単位でビタ止めするような制御を推力偏向で実現するには
重ねてご教授をありがとうございます。
FBW/FBLは信号を送る手段と思うので、
他に動力が必要なのは理解できます。
”航空機の運動性ってのは9割主翼で1割エンジン”
この辺りになると、もはや、素人の理解力では
ついていけません(苦笑い)。
垂直尾翼は、出来ればあった方が良い、
というのは理解できました。
あー、垂直尾翼の要否の話なのでほぼ旋回能力に限った話だ、というのを前置きした方がよかったかもしれません。
航空機の旋回ってのは基本バンクして主翼の揚力で行う物で垂直尾翼は制御するだけだ、って話です。
制御不能の暴れ馬でいいなら「高運動性能の無尾翼機」は今でも十分作れると思うんですよ(まあそれを「作れる」と言っていいかは別にして)。
なるほどです。
メインは揚力のコントロールなのですね。
少しは理解したように思います。
すいません、そもそも何を言いたいのかが抜けてました。
1番言いたかったのは「折りたたみ式の垂直尾翼を起こしたからっていきなり運動性能が跳ね上がる訳じゃない」と言う事です。
運動性能の高い機体にほぼ必ず(垂直)尾翼がついてるのは「運動性能の高い(≒安定性の悪い)機体をまともに飛ばすには(垂直)尾翼がほぼ必須」ってだけで「垂直尾翼によって運動性が上がってる」のではないので、ボンドカーかなんかの謎ギミックみたいに鈍重な爆撃機がジャキン!と垂直尾翼が立ち上がった瞬間突然戦闘機の様にギュンギュン旋回できる様になる…みたいなイメージならそれは違うよ、というお話です。
なるほどです。
物事は、素人の妄想如き
のようには運びませんね(苦笑い)。
指摘されたように、爆弾?やASM?を
投弾するまでは爆撃機みたいに動かねば
ならない機体が、投弾の瞬間に探知され、
以降は逃げ回る必要があるであろうこと
を想定していました。
垂直尾翼って、微妙な存在なんですね。
そこで、大平洋戦争の時に生き残った日本軍パイロットの手記を思い出したのですが、
確か、この垂直尾翼を秘術として使っているのです。真っ直ぐ飛んでいるように見えて、実はスライドしている。
そうすると敵の機銃弾がずれる。見越して撃っていた時代の話ですね。
常にスライドしているような下手くそな操縦をよくしていたと、ルーキー仲間では、きれいな操縦やうまい操縦をしていた奴からやられていったと。
それはともかく、航空機以外の一般論ですが、入札や開発に3社はいいですね。2社だと談合でもないけど予定調和みたいで、今一、斬新なアイデアとかはでないですね。
坂井三郎かな?
二次大戦当時の格闘戦は視覚情報での予測射撃ですから横滑り等で首尾線を飛行直線とズラすのが、有効だったみたいですね。
スター・ウォーズでルークの乗る戦闘機の後部座席にR2-D2が乗っていましたが、そういう形の単座機なら見てみたいかも!?
後ろにむき出しで乗ってるパイロットの首がもげそう
XB-70を連想しました
戦闘機じゃないけれど
F-35Cはどういう点でLMが失敗作とダメ出しされたのか、気になりますね。ランニングコスト?
ヌメッとした無人戦闘機が空を支配する日も近そう
AIの調律が適正であれば、ヒューマンエラーによる誤爆は無くなるかもしれない
AIに撃たれるか人間に撃たれるか、どっちがマシなんだろうか🤔