米国が開発中の長距離戦略ステルス爆撃機「B-21」の試作機が完成し、初飛行が間近だという報道が出ている。
参考:US’ B-21 Stealth Bomber on Track, Headed for First Flight – Air Force
たった4年で初飛行にまで漕ぎ着けたB-21の開発は順調すぎる
米空軍のアーノルド中将は、米議会の上院小委員会の場で、B-21の開発プログラムは順調に推移しており、「B-21の次のマイルストーンは初飛行だ」と話した。但し、初飛行が「いつ」になるのは語らなかったが、2020年半ばには、B-21の初号機が初期運用能力(IOC)に達するだろうと話した。
これは当初、予想されていたスケジュールも早く、B-21開発プログラムが進行していることを示している。
軍用機の開発は複雑化の一途で、前もって立てられたスケジュールが守られた試しがない。数年単位でスケージュールが遅れるのは、もはや当たり前で、その遅れが価格の高騰を招いているとも言える。
今回、B-21の開発がこれほどスケジュール通り開発が進んでいるというのは、もはや異例だ。
既存の軍用機開発の期間を見てみると、ステルス爆撃機B-2の開発には、計画開始から初飛行まで11年、運用開始が開始されたのは、さらに8年後だ。計19年もの時間が掛かったわけだ。
爆撃機ではないが、最新のステルス戦闘機F-35の場合、開発が始動したのは、なんと1992年だ。
もちろん国際開発という方式、3軍による共通機体の使用など、通常の軍用機開発に比べ障害が多かった。それでもF-35Bが初期運用能力(IOC)を獲得したのは、なんと23年後の2015年7月、海軍型のF-35Cが初期運用能力(IOC)を獲得し、全てのF-35が実戦投入可能になったのは計画開始から27年後の2019年2月だ。
B-21の開発は2014年に始まっている。たった5年で試作機完成と、初飛行(もうすぐ行われる予定)にまで漕ぎ着けられたのは本当に驚きだ。
開発がまだ完了したわけではないが、軍用機開発もスケジュールと予算が守られるようになったのかと思うと感慨深い物がある。
この地球上のどこかの格納庫(恐らくはエドワーズ空軍基地)に、B-21の試作機が存在している。
果たして、いつ私たちの目の前に姿を現すのだろうか?
※アイキャッチ画像の出典:public domain
最近の米軍は兵器開発でなにかと失敗しているから、そろそろ成功させておきたいね