米海軍は退役済みの空母キティホークと空母ジョン・F・ケネディをスクラップ処分するため、両艦を解体業者に計2セント/約2.2円で売却することに合意したと報じられている。
参考:The Navy’s Last Conventionally Powered Aircraft Carriers Have Been Sold For Literal Pennies
最後まで残っていた通常動力型空母のスクラップが決定したため米メディアは「1つの時代が終わった」と報じている
米海軍は2007年と2009年に通常動力式の空母ジョン・F・ケネディ(CV-67)と空母キティホーク(CV-63)を退役させモスボール状態で保管していたが、両艦のスクラップ処分が決定して両艦を解体業者に計2セント/約2.2円で売却することに合意したと報じられている。
両艦の解体を請け負ったのはメキシコ湾に面したテキサス州の業者なのだが、問題は空母キティホークが保管されている場所だ。
大西洋に面したペンシルバニア州のフィラデルフィア海軍造船所に係留している空母ジョン・F・ケネディはまだしも、太平洋に面したワシントン州のピュージェット・サウンド海軍造船所に係留されている空母キティホークはパナマ運河を通行できないためアメリカ大陸最南端のホーン岬を経由してメキシコ湾まで曳航する必要があり、解体業者は「キティホークを解体施設に曳航するだけで2ヶ月半~4ヶ月半ほどかかる」と語っている。
恐らく数万トンの船体が完全に姿を消すのは数年先(エンタープライズの解体には数百人の作業員で5年かかると言われている)のことになると思われるが、最後まで残っていた通常動力型空母のスクラップが決定したため米メディアは「1つの時代が終わった」と報じているのが印象的だ。
余談だが空母キティホークと空母ジョン・F・ケネディのスクラップ作業は今後に控えている原子力空母の廃艦費用節約への布石かもしれない。
参考:Navy estimates $1.5 billion pricetag to recycle USS Enterprise in Bremerton
参考:Could carrier dismantling be the next big project on Mobile’s waterfront?
米海軍は退役した空母のスクラップ作業をワシントン州にあるピュージェット・サウンド海軍造船所で実施するつもりだったが、2017年に退役した原子力空母エンタープライズのスクラップ費用は15億ドル/約1,600億円以上になると見積もられており、これを何とか削減するため米海軍は最近になって民間の解体業者活用を提案して幾つかの候補を挙げていたが空母キティホークと空母ジョン・F・ケネディのスクラップ作業を請け負った業者は正しく候補に挙げられていた解体業者だ。
つまり米海軍は今後40年間で次々と退役(1番艦ニミッツは2025年退役予定)してくるニミッツ級空母×10隻を解体する必要があり、1隻につき15億ドル以上も負担することになれば150億ドル/約1兆6,000億円以上も費用が必要になるためエンタープライズの解体はニミッツ級空母の処分費用を占う重要な意味合いを含んでいるため、まずは空母キティホークと空母ジョン・F・ケネディのスクラップを民間の解体業者に任せて様子を見ているのだろう。
本当に2セント/約2.2円(曳航作業に向けて船体に付着した海洋生物の除去作業は海軍が行うため正確な処分費用は2セントでは収まっていない)で空母キティホークと空母ジョン・F・ケネディのスクラップ作業が成立するなら原子力空母エンタープライズの解体も民間企業に任せ、これをパスすればニミッツ級空母の解体を海軍造船所ではなく民間企業に任せ浮いた予算を他に回したいと考えているに違いない。
※ドル→円換算を修正しました。
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain USS Kitty Hawk
原子炉の解体は簡単に民間に下ろせないしそこの費用がどうなるかだな
>最後まで残っていた通常動力型空母のスクラップが決定したため
>米メディアは「1つの時代が終わった」と報じている
今後解体するニミッツ級のことでは?
将来原子力空母が退役したときの話でしょ
解体か。アメリカなら買って住む奴いるだろうと思ってしまった。
というか、2セントで買えるならマジで買いたいな。
?「カジノ艦にするんで売ってもらえませんかね」
数年後にはアジアの何処かで空母キンペー(仮)として甦っているとかw
空母アソウタロウというのはどうだろうか。
やくざ的な外見と発言でイラつく特定アジアが見もの。
米国だったら、下手をすると買って住むどころか、明日10/8に4D版上映予定の某・戦車道アニメみたいに「学園艦」として運営する奴がいるかも知れないな(爆笑)
と言うか、2セントで売却と言うのは、昔日本の公共事業で問題になった「1円入札」と同じ様な気がするのは俺だけだろうか?
全然違う
1円入札はその事業のノウハウを他社に育てさせず自分のところだけで育て、その後の同類案件を実質自分のところでしか受けられなくする布石と見なされ、独占禁止法違反になるのではないかと問題視されていた
こっちはむしろ処分に大金がかかるものを、そのばらしたパーツや備品の販売によって黒字にする自信があるスクラップ業者に売り渡したということ
たまに戦闘艦で使われていた食器とかイスとか変なものが売り出されることあるけど、ああいうのは大抵スクラップ業者が解体費用の回収+利益を求めてやっていたりする
もちろん船本体の配線の銅や船体の金属はより分けて各金属メーカーに売り渡すことを前提にある程度の解体費用回収は見込んでいるけど、正直博打に近い仕事だな>スクラップ業者
下の方も含めてだけど、1円入札との違いについての詳しい説明有難う
新規事業の1円入札は問題になるかもしれないが、廃艦の売り出しは、アスベストなどの有害物質除去などの工程を経て漁礁として沈めたり、解体して鋼材などの素材にするまでの工程に、非常に経費が掛かるので値は付かないが、経理上0円で卸す訳にもいかないので2円くらいお金をつける事が多い。
タダで引き渡すと政府資産の譲渡になって面倒な手続きが必要になる。
1円売却は随契じゃないと出来ないが相応の理由や事前審査があって不正が無ければ問題ない。
政府発注の公募事業での1円落札は独禁法違反の疑義もさることながら官製談合が疑われもして問題がある。それを避けるために意中の1社しか事実上応札できない条件を設定したりする。
上の返信した者です。
レス先を間違いました。失礼しました。
結局博物館にする話は流れたのか…
先日、USAミリタリーチャンネルで見た
キティちゃんまだキレイに見えたのにね
今後は原子力空母ばかりだから原子炉の問題で博物館には出来ないから
(原子炉積んだままには出来んし、撤去してから船体を元に戻すと金がかかり過ぎる)
大戦後のスーパーキャリアで保存される艦は皆無になるんだなぁ。
原子炉区画は炉心取り外して除染して安全確認が出来ればいいだけじゃないかな
観覧区間で機関部は外すとか
ニミッツかエンプラぐらいは記念館保存して欲しいと思うんだけど
取外すだけでも膨大な費用·時間·技術が必要ですよ。原子炉の最終処分も含めてね。
そのうえで博物館にするメリットが無いでしょう。
エンプラが記念館になるら見に行きたいですなあ
解体中・・・
空母の原子炉を撤去するのに大掛かりな開腹手術が必要な事を知らないのかな?
エンプラから原子炉下ろして記念艦にするくらいならそれこそキティホーク級でいいじゃん。
それすら止めて解体する、って話でしょ?
原子力艦は引退した後も問題だね。
イギリスじゃ原潜の解体費用が無くてほっぽらかしになってるけど、原子炉の管理だけはせざるを得ないので解体費用は無いが管理費は年々膨らむ一方となって更に解体に回す資金が無くなる悪循環。
原潜欲しがってる南朝鮮なんて解体時の事なんかナンも考えてなさそうだな。
オーストラリアも導入決めたはいいが解体はどうすんだか・・・。
>最後まで残っていた通常動力型空母のスクラップが決定したため
>米メディアは「1つの時代が終わった」と報じている
読解力を身につけて下さい
案外アメリカの裏の意図がそれかもしれんね
アメリカですら放射性廃棄物の最終処分場に難儀してるわけで
将来的に豪州国内に原潜解体目的で大規模な最終処分場を建設させてしまえばアメリカ、西側の放射性廃棄物の最終処分問題が解決できてしまうという・・・
けどそれオーストラリア国民的にはアメリカに対してマイナスイメージがでかくならない?>アメリカの最終処分場にされる
普通に選挙の争点にされそうな案件かなと思った
ぶっちゃけオーストラリアは土地の広さに対して人が住める範囲が狭すぎる(使用せず役にも立たない土地が多い)から金次第では受け入れる可能性あるかも
今回の原潜8隻の費用を米英の原子炉処分所(というか埋め立て地?)つくる費用で相殺する予定だったとしても驚かないな(正直どう考えても原潜8隻の製造・維持費用がオーストラリアのGDPに見合ってるとは思えないし)
そういう処分場や原子力発電所ってオーストラリアは法で禁じてるんだよな…どうするんだか
解体技術が無い金属ナトリウムを使った原子炉をどうしようか?
原潜の解体ってそんなに難しいのか?
日本の原子力船むつは解体出来たのに
原子炉に使われている有害な放射性物質の半減期が長い(数万年)から鉛みたいな高密度金属で分厚い棺桶作ってその中に放射性物質を入れ、それを深い穴穂って底に封印するぐらいしかない
原子炉本体は下北半島のどっかの博物館で保管中のはず。
筐体はJAMSTECのみらいに流用されているので、船舶全体で見たら、通常型と極端に差はないのではないかと思う。
当然原子炉及びその周辺機器の解体は簡単にできないから、海軍の責任で行わざる得ないとは思うが。
原子炉は、むつ科学技術館で展示されているよ。
リンク
ミッドウェイやキティホークが横須賀にいた時に、厚木のオープンハウスに行ってF-14やF-18のデモフライト、空軍のF-15のデモフライトを見たよ。海自のP-3Cの片肺飛行もあった。艦載機のダイヤモンド編隊とかすごかった覚えがある。
一つの時代が終わったと言うのは本当にそう思う。
そう言う私はまもなく赤いちゃんちゃんこ…。
マジですか、おめでとうございます>赤いちゃんちゃんこ
自分が今見てる最新鋭機が退役するのを自分もいつか見るんだろうなぁと思うと何とも言えないものがありますねぇ
赤いちゃんちゃんこぐらいではまだ退役できませんw
まだ現役です
F3が退役するまで長生きして下さいw
その為にも軍備かなぁ。はぁ支那朝鮮は本当に迷惑国だ。
早く経済トバないかなぁ……。
唯一解体が確定していなかったJFKのスクラップが決定したのか。
キティホークと一緒にブレマートンで保存されていたインディペンデンス、レンジャー、コンステレーションがテキサス州で解体されているから廻航自体は問題ないはずだし、今日までの物価の変動がネックなのかな。
同級のコンステレーションは2015年1月16日に解体場到着、2017年5月10日に残った最後のスクリューシャフト引き上げでしたから、だいたい2年半で解体完了するみたいですね。
日本キティホーク買えよ
欲しいけど、維持費がねぇ
駆逐艦も保存できなかった国ですからな
三笠が精一杯です。
十年位の短期の運用で終わったらディズニーシーで観光資源とか良さそうだけどなぁ。自由に改装していい許可でるならもっと理世価値あげれそうだし。
三隻目の空母の繋ぎにええと思うけどなぁ。
十億位にまけてもろてさ。アメリカにドル返せるから経済も動くし、
再整備の費用も凄くかかるけど、今の海上自衛隊の隊員数じゃ複数の艦隊の要員を運用停止して移さないと無理な位人員がいるしね
15億ドル約160億円じゃなくて
15億ドル/1600億円だよね
過去の米通常空母の解体費用が1隻数百億円してるのに原子力空母の解体費用が160億円ぽっちで済むわけないし
で、10隻分の解体費用が1兆6000億円オーバーというのが正確な記事内容か
ロシアだけじゃなく英仏でも退役原潜の解体費用がでなくて長年放置とかの記事も以前あったし
原子力艦船は解体費用もとんでもないな
キティちゃんは、太平洋で標的艦とすりゃあ魚礁になって良いんじゃないか?
まぁ沈めたら邪魔かもしれんが。
キティちゃんって書かれると、別の子想像してしまう…
あの子、節操無くコラボするから、何かしでかすんじゃないかとしんぱいしちゃうぢゃない。
過去にシンガポールで厄災を引き起こしてたよね
艦橋が頭になってるキティホークキティ、とかかな?
サンリオキティホークランドを作るのに使うとか??
U-505の屋内展示とサンリオピューロランドを参考にしてエンターテイメント化
参考
潜水艦を見学しよう! -シカゴ科学産業博物館|ミュージアムアクセス(S.1、エピソード1)
リンク
28分ものなので時間のある時にどうぞ
オリスカニーを魚醤として沈めたときに、アスベストを始めとした有害物質の除去に想定以上の費用が掛かって
ひどい目に会ったからもうやらないんじゃないかな。
なんかちょっと美味しそう…
海のヒト「えーい、この魚醤を沈めたのは誰だ~」
「魚醤」は、液体なので「沈める」とは言わないし、海に入れても拡散してわからないよ。
って思ったら、「漁礁」なのね。www
東南アジアか西アフリカの沿岸に座礁させておけば頼まなくても勝手に地元のくず鉄業者が解体してくれるぞ
何なら海峡のど真ん中に沈めても場所さえ分かってりゃ断裁して浮かべてバラす奴らだしな
環境問題もなにもヒャッハーな連中だから、公的機関が頼むのは無理だろうね
鉄沈めると魚良く育つんだよね。鉄分が海中じゃ不足しがちだから。鉄のが魚よりいいのかな?
バクテリア扱い
20年前に小樽で寄港でオープンした時に乗ったけど・・いい思い出だ 日本が買えばいい
俺もそのとき乗った!岸壁から甲板までが高くて高くて、ずっと見上げてたら首痛めた
その時とその前のインディペンデンスの時も行ったけど
ホントに超高層ビルをぶっ倒して海に浮かべてるみたいだったw
入出港時の取り回しが大変だったみたいだよ、喫水限界ギリギリでwww
(当時の映像見るとすごいよ、海底の泥を感底で巻き上げてて)
このために小樽港は何回も浚渫したって聞いたけど、厳しかったんだなあ
1円なら日本が買うってナシなんかな?
新造する分を、維持費とか改修に回せるし。
改装費用は数千億円に艦載機もそのくらいする。動かすにも数千人いるし、とても無理だな。
昔あった原子力空母信濃が懐かしいけど所詮夢だな。
そう考えるとアメリカってやっぱり超大国だよな。
船体そのものが古すぎる上に海上放置期間が長すぎて実戦には使えない
それに古いとはいえ蒸気カタパルトなど軍事機密があるから空母として国外には売れない
解体処分の契約で払い下げるから2隻2セントなんでナシ。
当時はありえへんと思っていたのだが、エリア88の空母の話は結構ガチだったのか
日本に運んできてイージスシステム搭載間にすればいいのに
300mあったらVLSも乗せ放題だし攻撃されても大きすぎて沈まないw
極超音速ミサイルの的にされるだけだしの、そんな摩改造ならばその辺の余剰コンテナ船をいじったほうが速いし安いし
むしろ処分費が賄えるくらいの値段にはなるんだなって
金出してバラすのかと
解体業者にとって博打要素が大きいから、リスクがでかいと思われる解体事業は売却先(実質上の無料解体先)が見つからず、そういう場合は国が金を出してスクラップ依頼することになる
キティホークとジョン・F・ケネディみたいな有名艦なら金属スクラップ以外でも備品とかパーツがマニアに売れて黒字になると踏んでスクラップ業者は賭けにでたんだろうね
なんで理由付けて日本に買え買えって奴が多いんやろうな。設計思想古いし最新設備やダメなところの修理に掛かる費用なんて数千億で済むか?人員だって確保が難しいし、それなら4000億以上払って国産かクイーンエリザベス級作ってもらった方がマシだろう。
空母としてならどう考えてもクイーンエリザベス新造のほうが安上がり。
正しい意味で浮かぶ博物館として買うならいいんじゃないの、
それでも周辺国は緊張しまくって批判しまくるだろけど(笑)
たまたま、昨日ヨウツベで見た映像が、退役した米空母オリスカニーを漁礁として沈めるやつだった。
リンク
さっさと沈めて終わりにするつもりが、PCBとか有害物質を除去したりの環境配慮の対策が必要になり、結果的にえらい金がかかったそうで。
そういう苦い経験も踏まえての今の話なんでしょう。
アスベストの危険性が認知される以前に建造された船は基本的に防火剤兼断熱材としてあのバカでかい艦内スペースの壁や天井ほぼ全てにしっかりアスベストが張り付けられているからそれを防護マスクして全部引きはがして処分するだけでも滅茶苦茶な労力がかかるしな
それ以外にも海中に溶けだしたりばらまかれたらやばい誘拐物質なんていくらでもあるし
インドとかブラジルは手を挙げなかったのか
本当に大西洋側まで回航するのだろうか
太平洋側の海軍施設を借りて解体とか
太平洋側にあって経営の悪い造船所などを今から買収か借り上げての解体とか… の方が合理的なような
!荒れる事で有名なホーン岬経由で回航中に天候不良による遭難で沈没しました(させました…)… とか?………