再びHIMARSによる攻撃を受けたアントノフスキー橋とノーバ・カホフカ水力発電所の様子が判明、どうやら攻撃は正確に目標へ命中して損傷を与えたようだ。
ヘルソン州北岸地域に対するロシア軍の補給は架橋機材を流用した渡し船だけなった
ヘルソン州はドニエプル川によって北岸地域と南岸地域に隔てられており、ロシア軍の輸送車輌がドニエプル川を渡れるポイントはヘルソンの郊外に接続するアントノフスキー橋、ヘルソンから約50km離れたノーバ・カホフカにある水力発電所の2ヶ所だけで鉄道橋を含めても計3ヶ所しかない。

出典:GoogleMap 大まかなヘルソン周辺の状況/管理人加工(クリックで拡大可能)
HIMARSを手に入れたはウクライナ軍はアントノフスキー橋と水力発電所に何度か攻撃を行い、ロシア軍占領下のヘンソン州当局が復旧作業が進めていたが、ウクライナ軍は8日にHIMARSで攻撃を行い「2つの目標に命中した」と発表、アントノフスキー橋は橋桁に複数の穴が開いている様子が視覚的に確認されている。
以前の攻撃で損傷した部分を修復作業中だったアントノフスキー橋の通行再開は今週末に予定されていたが、今回の攻撃を受けてロシア軍は橋の通行再開を延期したらしい。
📽️#Antonovsky Bridge after yesterday’s shelling by Ukrainian artillery. #UkraineRussiaWar #Kherson pic.twitter.com/0Cui9QPdLv
— MilitaryLand.net (@Militarylandnet) August 8, 2022
ノーバ・カホフカ水力発電所への攻撃は水力発電所と陸地を繋ぐ約15mの併用橋(車輌と鉄道)に命中したと報告されており、こちらは視覚的に損傷が確認されていないが、これが事実ならヘルソン州北岸地域に対するロシア軍の補給は架橋機材を流用した渡し船だけになる。
HIMARSの攻撃を阻止できない限り橋を幾ら修復しても意味がなく、最も効果的な打開策はウクライナ軍をドニエプル川から80km以上遠ざける=ヘルソン州北岸地域の前線を押し上げることが、その戦力を集結させるための手段がなければ絵に描いた餅だ。

出典:GoogleMap ノーバ・カホフカ水力発電所/管理人加工
あとはウクライナ軍が補給に問題を抱えるロシア軍を追い払いヘルソンを奪還できればいいのだが、ウクライナ軍の地上部隊が動いている様子は確認されていない。
因みに国防総省のカール国防次官は8日、ウクライナで戦うロシア軍の死傷者数について「7万人~8万人」と明かした。
関連記事:ウクライナ軍、車輌通行が唯一可能だったノーバ・カホフカ水力発電所を攻撃
関連記事:ウクライナ軍、HIMARSでメリトポリとアントノフスキー橋を再び攻撃
※アイキャッチ画像の出典:ロシアメディアのスクリーンショット
東部を立て直すためにヘルソン方面を足止めする算段なんだろうか。
死傷者は多いけど今は大半が少数民族、外国人だろうし、あまり痛くは無いだろうなぁ
まだまだ止まらんね
少なくとも少数民族からはかなりの反発でデモすら起きているのに痛くないって事は無いだろう。将来への火種にはなると思う。
こんな事を続けるならウクライナで殺されるかロシアに反旗を翻して殺されるのとどっちが良いとかアジって混乱起こすのも手だとは思うんだが。
個人的に思うのはハイマースで橋やら浮き橋やらを破壊するのってコスパ悪くね?(線路の破壊に比べればマシだが)ってのと
ヘルソンへの補給を妨害してもヘルソン上空の制空権がロシアが握ってるのなら地上軍による占領は無理じゃね?って点だわ。
ウクライナはそこら辺をどう考えて奪還作戦を組んでるんだろ?(ハイマースに関しちゃアメリカの弾だし無料!程度に考えてそうだけど)
現状HIMARS以外にこういうインフラに対する攻撃に有効な兵器が無いからコスパ云々は二の次かと(というかこれに限らず現状のウクライナに対してコスパを論じる余裕が無いし)
あとヘルソン付近の制空権をロシア軍が握ってるなら東部に比べてウクライナ空軍の動きがなんで活発なの?ってなると思うんだけど
そもそもヘルソン州の航空優勢(制空権じゃない)をロシアは握れていない。
さらにHARM導入で部分的にウクライナ優勢になる可能性さえ出てきた。
コスパというのは何をもってなのかちょっとわからないけど、橋や渡し船のお値段とロケットを比べたらそりゃそうだが、基本的にはコスパは「値段」ではなく「価値」で量るもの。
橋を一週間通行不能にすることでその間にロシア軍の撃てる砲弾が1000発減れば(砲撃数考えればかなり控えめな見積もり)、価値はめちゃくちゃあると思うけど。
コロナの死者がロシアで38万人、アメリカだと100万人。
数万の戦死者くらいではダメージ受けたという感覚もないでしょう。
生産年齢の若者と年寄では、ダメージの度合いが違う。
死ぬのは低所得の中央アジアの少数民族なので被害も微妙なのでは。もともとロシアは自国民の少数民族相手でも設備が故障したといってガスを止めて圧迫する連中なのでコロナのことを手を汚さなくて済むからありがたいとすら思ってそう。
あの辺の民族感情や人民解放軍の元北部戦区の司令官の言葉(00年代に国境付近で中露合同演習時、ロシア側の領土でやった際に「ここは元々我々の土地なのに」と激怒した)を考えると、中ロ対立も将来的には冗談でなくなりそうなんだよなぁ・・。
橋の完全破壊は難しんだな。
ウクライナ軍が奪還後に再利用しやすくする為では?
HIMARSのM31弾頭重量は90kg程度で、単純に威力が小さすぎます。
ちなみにアゼルバイジャンが以前、弾道ミサイル(弾頭重量500kg以上)でアントノフスキー橋より小さい橋を攻撃した際にも、完全には破壊できませんでした。
ウクライナがこの橋を残しておきたい可能性もありますが、この大きさの橋を完全に壊すには、2000ポンドJDAMを数発ぶち込む必要がありそうです。
これだけ鉄筋もぶっちぎれて穴が空いてたら、重量物通すなら本来は橋板を掛け直しが必要になるから成功のはず
(荷重を受けて分散する仕組みなのに、途中で破断してたらぎゃくに荷重が集中して危険になる)
ただ、ロシア式修理法だと、この穴のコンクリ部分を削って広げて、鉄骨・鉄筋を載せて
そこにコンクリを流し込むという、手抜きどころじゃない修理方法だけど、これで修理完了になる
ロシアって、軍事攻撃受けた橋のとかの応急修理方法がマニュアル化されてないのかもしれないし
こういう攻撃受けて破損した場合の重大性も理解されてないのかも
やはり、水力発電所の橋は破壊できませんよねぇ…
架橋部や隣接する水門橋メインで、こっちは距離が短いから、破壊しても架橋装備ですぐ対応されそう。
ダム隣接の堤体一体の橋桁の破壊は、流域環境を鑑みるともっての外
ウクルインフォルム (@UKRINFORM) が、ヘルソン軍民政府のFacebookでの公開情報から引用した記事(8/10)によると、ウクライナ軍による2度目のアントノフスキー橋への攻撃以後、ヘルソン市内に在住するロシア軍人家族の集団疎開が始まったとのこと。
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ロシア軍将兵の家族にとって、ウクライナ軍の攻撃は相当なショックになっている模様です。