一向に動く気配のない40マイル(約64km)にも膨らんだロシア軍部隊の車列は「世界一長い捕虜収容所だ」と英メディアのThe Daily Telegraph紙が報じている。
参考:Russian tanks stuck in the mud ‘an example of poor planning’ for Ukraine invasion
泥に閉じ込められたウクライナ侵攻計画は計画自体の不味さと実行力のなさを示す好例
ウクライナの首都キエフから北へ約30kmの地点に1枚の衛星写真では捉えきれないほどのロシア軍部隊が確認され何日も経過しているが、一向に動く気配がなく車列の全長は40マイル(約64km)にも膨らみ立ち往生が続いている。
この車列について欧米の政府関係者は「ウクライナ軍と交戦して破壊された車輌の残骸が道を塞ぎ、川を渡る橋は破壊され、対戦車ミサイルを抱えた部隊の待ち伏せが至ることで発生し、進軍に合わせて補給を提供する根本的な兵站にまつわる問題をロシア軍に突きつけている」と語り、計画自体の不味さと実行力のなさを示す例を探すなら「ロシア軍の補給部隊は本当にいい例だ」と語っているらしい。
英メディアのThe Daily Telegraph紙は専門家や関係者の話を引用して「キエフに向かうロシア軍部隊は3日分の物資を持ってベラルーシの国境を越えたが48時間以内キエフ政権を転覆させる作戦が失敗、進軍できなくなった先頭部隊の燃料や食料は空っぽで後続部隊も前が進まないため行き詰まり、この渋滞に川を渡河するための架橋機材、損傷した車輌を回収するための車輌、物資やスペアパーツを輸送する補給部隊などが巻き込まれ、この車列に加わった戦闘装甲車輌の大半は戦闘能力を喪失している」と指摘した。
さらに国防総省で軍用車輌の監査を担当していたトレント・テレテンコ氏は「キエフに近い部隊の1/4は完全に燃料切れで、氷点下に近いキエフ周辺の環境は無線機のバッテリーにも悪影響を及ぼすため交信すらままならないはすだ。ぬかるみ始めたウクライナの大地とメンテナンスを怠ったタイヤの問題(以前の記事参照)でロシア人が食料を手に入れるためには車輌を捨てて徒歩で北に向かう必要がある」と述べている。
特にテレテンコ氏は「当初作戦が失敗したにも関わらずロシア陸軍の将校達は命令違反による銃殺を恐れ、予定された通り部隊をウクライナに送り込み続けたため全長40マイルに及ぶ世界一長い捕虜収容所が完成した」と指摘しているのが興味深く、権威主義的なロシア軍の構造自体に問題があり「無謀な進軍を途中で停止させる」という判断が下せなかったのだろう。
ただ英陸軍のジョーンズ元中将は「キエフやハリコフに敵の注意を引くことはプーチンの利益に合致し、彼が最も関心を寄せている南東部での作戦を容易にする」と述べており、全長40マイルに及ぶ前代未聞の車列は世界一長い捕虜収容所なのか、それとも南東部での作戦を容易にするための陽動なのか、まだ誰にも真相は分からない。
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※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России
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食料その他が足りないならトラックの代わりに牛か何かに荷物を引かせるべきだったのでは?
お腹がすいたら途中で食べたらいいし。
私の顔色で察してほしかった、とか言いそうな人が立てた天才的な作戦ですねぇ…
ロシア軍が目的から目を逸らすためウクライナ軍を釘付けにしてるとか、こっちは助攻であっちが主攻とか散々色んな説が浮いては沈みしてるんで、各々の部隊が好き勝手進撃し上手く行ってるのが南部だけってのが実際のところなんではと思えてきた
動物に物資を牽かせるとなると、彼らの餌の問題が立ちはだかるんだよね。
牛や馬等のエサは自動車のガソリンよりもある意味補給が厄介な為、太平洋戦争中のインパール作戦で牟田口廉也が思い付いた「ジンギスカン作戦(まさに牛に補給物資を牽かせて、将兵の御腹が空いたら牛を食べると言う作戦だった)」もそれで失敗しているし。
それに、肝心の動物が病気で死んだら疫病の恐れもあるので下手に食べられないと言う問題点も有るし…。
補給を軽視して敗北した、典型にして類例の戦史ですな
21世紀にもなって戦勝国の軍事大国がやらかしてくれるとは思わなかったよ、
ロシア兵士には気の毒だが、プーチンに感謝だ
そのトラックとかの車列が道路を塞いでしまってて、路外は沈んじゃうから進めなく
もう牛でもだめなんだろう、車列のすき間を人力リレー補給ぐらいがやっとでしょう
こんな長い車列A-10の30mm機関砲で
波状攻撃すれば長大なスクラップ置き場になるだろうに
攻撃するまでもないのでは?
戦闘力が無くてもご飯は食べないといけないし暖を取るための燃料も必要なので、そのまま残しておいたほうが兵站の負荷になるのでは。
車列にいるロシア兵はそもそも進みたくないでしょうし、派手に攻撃して死に物狂いになったほうが良くないと言う考えもあるかもしれません。
飢えと寒さで自主的に帰って頂くのがベストですね。
それをやるなら、散発的にやる方が心理的に効果がある。
エリア88でもあったじゃない。
先頭が吹っ飛んでくれて、その後、工兵が橋を架けてさあ行こうってときに、また吹っ飛ぶ… って
弾がもったいないから先頭だけ潰して放置しておけばいい
戦略爆撃機とかで、一切合切どーーんってやれたらすっきりしそうだ。そんな風にゲームみたいにやれないのが現実なんだろうけど
「この車列に加わった戦闘装甲車輌の大半は戦闘能力を喪失している」というのが本当ならすさまじいですね。
ウクライナの防空網が消耗したらキエフは一気にやられるかと思っていたけれど、地上部隊が動けないならそうでもないのかな。空挺部隊は来るかもしれませんが。
南部の戦況は気がかりですね。ただ西側には近く、オデッサなどモルドバ国境から数十キロですから武器の補充や義勇兵などで応援できるといいのですが。
権威主義的、これは耳が痛い
NTCで米軍に指示待ちが酷いと言われた自衛隊も改善して行かなくては
ロシアの場合はソ連の計画経済の頃は「国から言われた目標さえ達成できれは他はなんでもいい」というマインドなので経済が停滞したという話があります。自律的に考えて上手くやることのインセンティブが無いですから。
この件も「戦力を投入しろ」「燃料を送れ」「架橋資材を送れ」と命令されたから送ったけれどその後のことは考えてないという状態なのでしょう。そもそも戦場に行きたくなさそうだし。ウクライナ側もそれを察して停滞している部隊はあまりいじめてないかもしれませんね。
立ち往生部隊をあえて放置するのは戦略でしょう、
寒さと飢えに苦しむ兵士の厭戦気分を高めて退却や反乱を誘うのも有効
なぞなぞ
おなかペコペコでながーいものってなーんだ?
ソ連時代の答え
モスクワで肉の配給に並ぶ行列
現在
キエフ手前で頓挫した機甲師団
ロシア人と日本人は行列を作るのが好きですね
スコップはあるでしょうから、戦列歩兵を組んで徒歩で進行をしたらどうだろうか
(もちろん車列は自爆して)
ウクライナ兵はきっと意表を突かれる事は間違いないだろう
— 1本道なので戦力を集結できず、十分な食料もない、補給も来ない、頭上のTB2で24時間動きは把握される、士気は低い、となると敵ながら同情を禁じ得ません。
こうして見ると改めて制空権の確保が如何に重要なのかが良く分かりますね。
序盤で十分な制空権を確保せずに物量任せのゴリ押しで地上部隊を進軍させた途端にこうなる軍事作戦の典型的な失敗例ですね。
しかも撤退したら即銃殺・・・。
情報戦や制空権に兵站、人命を軽視しまくって精神論のみで突き進んで自滅した大日本帝国と同じ光景をまさか21世紀にそれも軍事大国で実戦経験豊富な筈のロシアが繰り返すとは・・・。
世界一長い収容所
皮肉に関しては英国は世界一と認定
なんかロシアって毎回地上軍が壊滅したり、補給不足で放置されたりしてるよな。
ソ連時代から、もっと国民を大切にしていればこうはならなかったよなぁ。
もうプーチン引きずり下ろして、軍部総入れ替えでもしない限り体質直らない気がする。
腐敗したロシア軍と、腐敗したウクライナ軍の戦い
どちらも腐敗しているが、戦争論的には攻める方が難しい
ロシア軍の将官クラスはポーランド国境沿いを空中給油受けながらぐるんぐるんしているNATOのAWACS、電子戦機、ジョイントスターズを横目に歯噛みをしているに違いない。
ヴィンペルR-37でしたっけ、MiG-31が撃てるAWACSキラー。それ使ったが最後、全面戦争ですからね。さぞかし目障りでイライラしてることでしょう。
それでドイツのラムシュタイン基地あたりで、ロシアのスリーパーが墜落事故誘発の妨害工作などしやしないか心配。
今更キエフを力押しで陥落させて何になるんだろう。仮にそうなったとしてロシア主導の傀儡政府など承認する国はまず無く、欧米に亡命政府ができて、市民のレジスタンス、パルチザンの運動は恒常的に行われることだろう。ナチス・ドイツにとってのパリ占領やアメリカにとってのバグダッド占領と変わらない。ロシアは重い荷物を背負うことになる。
アメリカがその予想を期待して、あえて中途半端な支援で様子を見てるとしたら、それも怖いけど
ドイツのパリ占領軍は、映画やドラマのイメージと違って軍規は厳しかった様ですね。
路上での煙草、泥酔、無闇に女性に話しかけるのは禁止。
連合軍のパリ解放後に、やりたい放題をして酔っぱらって路上で寝ている米兵を見て、どっちが侵略者か分からないとパリ市民が嘆いたとか。
そのうち車列の道路沿いに露店商でも並びそうですな
座布団一枚?!
これ沿道は排泄物だらけでしょ。
伝染病が流行るんじゃ。
適当に水汲みしてコレラとか。
コロナも含めて、防疫体勢が一番気の毒かも。
いやいや俺はまだ壮大な陽動の線を捨ててないぞー。世界はプーチンの掌の上で踊らされているんだー。
冷静に考えれば陽動にしたって損害がでかすぎる気は確かにする。一時的にでも占領したって、このままだとロシアの軍備はボロボロで、復活するのに恐ろしく時間がかかりそう。
あるいは古い兵器をすべて処分して、まったく新しい軍隊を構築するための在庫処分・・・?
何でウクライナ軍はこれを攻撃しないのか不思議
特攻隊を編成してでも、攻撃すべき目標だと思うのだけど。
攻撃すべき対象を見逃したら、戦争負けてしまうよ
この停滞した車列そのものが、後続を送らせないためや、迂回を阻止するバリケードになってるから
そして、ウクライナ軍はこの車列から逃れようと単独行動をした、迂闊な車両を包囲し鹵獲して、自軍で運用しはじめてる
挟み撃ちにするのが理想なんだけど、これだけ列が長いと
ウクライナ側が敵列左右への兵力移動したくても切れ目がないので難しいのでは
ロシア軍が路外機動できない環境で、ウクライナ軍車両のみが動けるということもなさそうだし。
当分は歩兵がゲリラ的に狙撃や対戦車ミサイルで嫌がらせをしていくしかないかと。
後、ウクライナ軍は他国内にあるロシア軍の大元の補給基地を攻撃できないので
補給を断って干上がらせるには、時間と手間をかける必要がある。
ロシアは、比較的環境の良い南部側やクリミア半島に兵力転換を考えている可能性があるので、
極東を出発した軍用列車がどこを向いて走っているかが気になる。
とはいっても、ウクライナ側の航空優勢確保にも限界がある
ウクライナ側は再度、NATOに対して戦闘機や対空システムの供給を打診してるし、
ウクライナ側の対空兵力に限界が近づいているのも間違いない
合意したとみられていたMig-29などの供給が暗礁に乗り上げたのは痛い
なんでMig-29等の供給が撤回されたんだ?
ベラルーシ方面から攻め入ってるロシア軍部隊って確か東部軍管区からの抽出戦力ですよね。ここで壊滅でも車両全損でもしてくれると日本のロシア対応も色々変わってくるのかななんて。
それはともかく、最近もボストーク演習で精強さを世界に見せつけていた部隊が実際は泥と渋滞にハマって動けないまま脱走したり撃破されているのを考えると、ロシア軍の屋台骨がボロボロだったのかウクライナや西側が狡猾だったのか…。
それよりは、中華が北京条約破棄して攻め込みそう。
今なら誰も責めないよ。
現代に蘇るインパール作戦?
相違点は多々あれど、専制的、権威主義的な指揮統制系統と補給軽視、
作戦の変化する戦況への対応能力などが、失敗例として分析されるのではないでしょうか
ロシアの戦車の車列(乗車人員3名?)として、飢えと寒さでやがて、命を落とす兵隊の死者は、ああ恐ろしゃ~!
(戦車間距離8mⅹ戦車の渋滞64k=戦車8000両ⅹ戦車乗員3名?=24000名?
およそ24000名有余の兵隊が誰にも、家族に看取られずに、じわりじわりと死んでいくのかな???
それこそ、「死の特大戦車隊じゃね。」
いくら、「兵隊は上官の命令に逆らうな」と言われても、大義のない戦争は、拒否すべき。