Financial Times紙は「ウクライナ軍が北朝鮮製の122mmロケット弾を使用してロシア軍を攻撃している」と報じており、ウクライナ軍の指揮官は「我々には弾薬が必要で手に入るものなら何でも使用する」と述べている。
参考:Ukraine fires North Korean rockets to blast Russian positions
戦場が要求するニーズと弾薬供給量が一致していないため、安全性や信頼性を犠牲にしてでも北朝鮮製の弾薬を使い続けるしかない
Financial Times紙は「ウクライナ軍が北朝鮮製の122mmロケット弾(旧ソ連製の多連装ロケットシステムで使用する弾薬)を使用してロシア軍を攻撃している」と報じており、この弾薬をどうやってウクライナが入手したかは定かではなく、あるウクライナ軍関係者は「パートナー国が船を拿捕した際に押収したもので、軍事援助パッケージの一部としてウクライナに引き渡された」と述べているが、ウクライナ国防省顧問のユーリー・サック氏は「ロシア軍から鹵獲したものだ」と示唆している。
ウクライナ軍が使用している北朝鮮製の122mmロケット弾は1980年から1990年の間に製造されたもので、砲兵部隊の指揮官は「非常に信頼性が低く、おかしな挙動(設計通りに飛翔しなかったり爆発しないという意味)を見せるが、我々には弾薬が必要で手に入るものなら何でも使用する」とFT紙に述べており、戦場が要求するニーズと弾薬供給量が一致していないため「安全性や信頼性に目をつぶって北朝鮮製の弾薬を使い続けるしかない」という意味だ。
因みにFT紙は「ロシアにとって北朝鮮は数少ない友好国の一つなので、北朝鮮がウクライナに弾薬を直接供給した可能性は低い」と述べており、誰がウクライナに「北朝鮮製の122mmロケット弾」を提供したかのは不明だが、個人的にはウクライナに弾薬を提供しているパキスタンのパッケージに含まれていたのではないかと思っている。
関連記事:米当局、ロシアが北朝鮮から数百万個の砲弾やロケット弾を購入している
関連記事:北朝鮮から砲弾やロケット弾を購入してもロシア軍が酷い目に遭うだけ
※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
北朝鮮製の数十年前のロケットとは、暴発しそうなものですが、飛ぶ事は飛ぶんですね…
今回の戦争とは違いますが、北朝鮮兵はロシア兵よりよっぽど洗脳が進んでいるでしょうから、万が一朝鮮戦争再開なんて暁には、正直対ロシアより西側は苦労するかもしれませんね。
士気が低い囚人を中心とした人海戦術でも、精密爆撃を中心としたスマートな戦争路線に舵を切っていた西側の弱点(弾が足りない)をつかれたのに、死を厭わない十数万人と言われる北朝鮮の特殊戦部隊が突撃してきたら…
後方への空爆阻止攻撃で物資集積拠点等の兵站線や予備兵力はズタボロにされるんで、前線部隊の継戦能力はあっという間に失われるだろね
燃料食糧は掠奪するにしても砲弾薬は無理
朝鮮戦争の時には。
81mm迫砲弾にVT信管を付けてつるべ撃ちをして、
中共義勇軍の人海突撃を跳ね返したと書いてありましたね。
今でも、81mm迫用にVT信管はあるのかな。
当時は75mm対空砲が健在だったから、
おそらく、VT信管は流用をしたと思うのだけれど。
VT信管で地上10mで迫砲弾が炸裂すると、
突撃してくる歩兵には、効果は大きかったと想像します。
迫のProximityFuzeなんて陸自ですら92式と98式持っているはずだし、他の国が持っていないわけがない。ロシアは多分持ってないから、その分苦労している。
ぶっちゃけた話すると距離測定がしっかり出来て調整の余裕あるなら高価なProximityFuzeなんて使わずに安価な時限信管でエアバーストが普通だと思う。
もっと細かい話すれば炸薬量により生成される破片は変わるし炸裂高度によって効果には天と地の差があるし、破片が飛びやすいのは弾の側面方向で81mmでベストなのは10mじゃないと思う。米軍の信管なんて81mm用だと2mちょい上ぐらい。迫撃砲は高落角だから全周に綺麗に散らばりそうだし致死範囲考えると2mは良い数値だと思う。
対空砲のVTは大体10mみたいです。破片も前方に飛びますし。
転用ならば仕方ないでしょう。朝鮮戦争の時でしたから。
当初は迫砲弾にVTをつけるのは想定していなかったようです。
曳火信管はあったと思いますが。
人海戦術に直面して、何でも試したということかと思います。
2mというのは知りませんでした。
その後色々と考えたものと想像します。
調べた限りでは当時は流用にしろ81mm用のProximityFuzeなんてない筈。朝鮮戦争で使われたのは90mm以上の砲で使用するために作られた物。
迫撃砲兼用の信管は落角が違うせいだろうか幾つかある中で1~10mか4.3m以下の調整式。恐らく高射砲に使い、艦砲と榴弾砲とか落角が浅い物にだけ使う信管だけは10m未満の調整無しタイプで言われているのはこっちだろう。
迫撃砲弾にも調整破片された物とか色々あるけど普通のタイプなら飛散パターンは主に側面に広がっていくし前方に広がるとしても範囲は限定されると思う。
対地攻撃用の砲弾を吊したりして飛散パターンの断面みるなら蝶とか羽を広げた鳥みたいな感じであんまり前方にまんべんなく飛散するイメージはない。
ご教授ありがとうございます。
なるほどです。
ロケット弾なんて単純な構造のものすら挙動が怪しいのは案の定すぎると言うべきか、北朝鮮製とはいえ数十年経っても飛ぶんだと感心すべきか…
単純なものを単純なメカニズムで必要十分なコントロールができるようにするのこそ難しい。
火薬が変質してて、設計通りに均一に燃焼しないのかもしれません。
銃弾でも古いものは、遅発や不発が時々発生します。
遅発は怖いですよ。
21世紀になって戦争が先祖帰りしてる感があるな
個人的にはイエメン向けの押収されたロケットだと推定
何にせよロシア友好国のロケットをロシア向けに使うのは政治効果もあり宣伝戦にもよい
ウクライナの動員兵にはアナログ兵器は扱いやすい安いのでしょうね
今回のは面で攻撃する兵器なだけに
海外サイトを見てもソース元が同じなのでスクープ的なものは現在ないようですね
まさかマッコイじいさんが3発5ドルで売りつけてるのではあるまいな・・・・・・