ロシア軍はアントノフスキー橋の橋脚部分にぴったりと沿うよう仮設の橋を建設中で、ウクライナ軍南部司令部は「仮設の橋が完成に近づけば破壊する」と予告した。
参考:На этой неделе ВСУ уничтожили уже 7 складов боеприпасов – Гуменюк
ロシア軍が仮設の橋をウクライナ軍の攻撃から守れるのかは未知数だ
ウクライナ軍南部司令部は「今週だけでロシア軍の弾薬庫を7ヶ所破壊した。連中は集積した弾薬を分散させようとしているが、何処に移動させも我々は場所を突き止め破壊する」と発表、さらに「ロシア軍がアントノフスキー橋の傍に仮設の橋を建設しようとしており、完成に近づけば破壊する」と付け加えた。
ロシア軍は何とかアントノフスキー橋の修復を終えて「橋の通行再開」に漕ぎ着けたが、再びウクライナ軍のHIMARSの攻撃で通行不能に追い込まれており、橋の修復と同時並行で仮設の橋を建設しているのが確認されている。
アントノフスキー橋の橋脚部分にぴったりと沿うよう仮設の橋は建設されているので、恐らく攻撃方向を限定することで「HIMARSが使用するロケット弾」の迎撃を容易にする狙いがあるのかもしれないが、前線からアントノフスキー橋までは40km前後しかなく、米国が供給するエクスカリバー砲弾を使用するM777A2、ドイツが供給に踏み切ったVULCANO弾を使用するPzH2000でも攻撃可能なため、仮設の橋をウクライナ軍の攻撃から守れるのかは未知数だ。
第二段階作戦を始めたロシア軍は攻勢限界点に近づいており、ウクライナ軍もロシア軍を押し返すような動きは見せておらず、このまま地上戦は膠着状態のまま冬に突入するのだろうか?
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※アイキャッチ画像の出典:@GlasnostGone
作っては崩される賽の河原みたいだ……。とはいえロシア軍も渡河ポイント作らなきゃいけないのも道理だが。
賽の河原、い言えて妙ですね。
そのうち三途の川になりそうな気もするけど。
賽の河原って三途の川の河川敷ですからもう…
ウクライナの南部反抗も陰りが見えてきたしこのまま長期戦になりそうやね
動画を撮影したSMOTRI_MEDIAってスモトリ・メディアって読めばいいのかな。
冬になって戦車が通れるくらいに各所が凍ればロシア有利かなあとか思っていたが、例え便所に隠していようが弾薬庫を破壊するウクライナ側の戦果が続いた場合、ロシアはどれだけ攻勢の余力を残せるかな。
見た感じポンツーンを橋脚くくりつけてるだけっぽいので簡単に破壊されそう。
しかし、本来軍事的にもそこそこ重要な橋の現状が詳しくわかる動画がロシアの戦時情報統制でも
こうやって漏れ出てくるのは時代だなぁと。
頭Zな人たちが率先して漏らしてくれるからな
本人にとっては軍事力誇示するプロパガンダのつもりなんだろうけど
この脇の甘さがロシアの良いとこ、ウクライナは感謝しかない
ロシアが映像公開→ウクライナが特定→爆破
これ、何回目でしたっけ。
もはやこの戦争においてお約束ともいえる様式美ですが、
それでもアピールしなければならない辺り、この橋はロシアにとっても余程重要なんでしょうね。
破壊するのは良いのですが、そこから南側を奪還するという話はどうなっているのですか
橋を破壊して、ヘルソン市を奪回すれば、そこからクリミア半島の付け根までハイマースの攻撃が届きます。
そこにも同様に橋があるので、同じことを繰り返すでしょう。
ウクライナの地上部隊についてはザポリージャ方面からも南下しているので、
そちらの戦線からは河を渡ることなく、ドニエプル川南岸を攻撃できます。
またアメリカからは5月の時点で渡河用の装備が提供されていますので、渡河作戦も最初から選択肢に入っているでしょうね。
NASA FIRMSでこの一週間ウクライナ全土に散在する熱源は日本の首都圏で君津・扇島・川崎町の三か所しか同等のものはなく、相当な高熱が散在することが判ります。ただ、耕作地に熱源が点在するのは前年・前々年も変わらず、それらを除いたものが戦争の形跡だと考えています。
その上で眺めると7月末から鎮静化していた戦争の熱源は東部に限り今週から急速に増えている一方、両国国防省発表で一致する南部のムィコラーイウ前面・インフレツィ川橋頭堡での戦いにもかかわらず熱源に変化はありません。
つまり、ロシアは後方の寸断による膠着で戦果を稼げず、貴重なロシア正規軍を残したままドニプロ川西岸を維持する意図を低コストで脅かされていることになります。
喉首を掴んだ側からすれば、背水の陣に追い込んで撃滅するより重装備抜きでの撤退か降伏に追い込むほうが色々と効率的なのでしょう。
経緯をみると、ウクライナの南部への圧力に呼応したロシアの南部シフト、続いてHIMARSの橋・補給拠点の攻撃、クリミアでの一連のハラスメントにクリミア国際会合と面子を削られたロシアが賭け金を釣り上げられていったように感じます。
行くも引くも既にロシアは高い対価を払わされる状況に嵌め込まれているのではないでしょうか。
> 日本の首都圏で君津・扇島・川崎町の三か所しか同等のものはなく、
この三地名は、夜になると煙突から出る派手な炎を見られる場所ですかね。
あの炎に比肩する熱源があるなら、かなりの火災が発生していると想像出来ます。
馴染みがなくてピンと来ない方は、「フレアスタック」で検索するとイメージしやすいかとおもいます。