ロシア軍はキーウ州に続きチェルニーヒウ州からも撤退を開始、首都周辺のドニエプル川西岸と東岸の敵はほぼいなくなった。因みに40日目の各戦況の詳細は以下の通りだ。
北部戦線:キーウ州、チェルニーヒウ州
ドニエプル川西岸のウクライナ軍はベラルーシ国境の集落に到達、ロシア軍が弾薬の集積拠点として利用していたプリピャチの解放にも成功したため首都を西側から包囲しようとしていたロシア軍部隊は完全にベラルーシへ撤退したといえる。
さらにロシア軍はチェルニーヒウ州からの全面的な撤退を進めており、ベラルーシ国境に近い幾つかの地域にはロシア軍部隊がまだ残っているらしい。
しかし州都チェルニーヒウに迫っていたロシア軍部隊も完全にいなくなったため「ドニエプル川東岸の戦い」もウクライナ軍が耐えきった格好で、北部戦線のロシア軍は大きな損害を被りながら主要目標を何一つ達成できないまま戦いを終えることになった。
北東部戦線:スームィ州、ハルキウ州
ロシア軍はスームィ州からも撤退を始めたと報じられており、キーウをドニエプル川東岸から包囲しないならロシア軍にとってスームィ州を制圧する価値は低く、フルーヒウ周辺を放棄するのかもしれない。
今のところ詳しい状況は判明していないが、もしスームィ州全体を捨てる気なら北部戦線と合わせて相当量の戦術大隊(BTG)をハルキウやドンバスに回せるようになるため注目すべき動きだ。
ハルキウ州ではイジュームの攻防でロシア軍が勝利、ウクライナ軍はMala KomyshuvakhaとSukha Kam’yankaでロシア軍の南進を食い止めている状況らしい。ここを突破されるとドネツィク州の中心都市スラビャンスクを背後から突かれる可能性があるので現状で食い止めるか、イジュームまでロシア軍を押し戻すべきだろう。
ただロシア軍に占領されたイジュームの住民は毒入りのパイをロシア軍兵士に振る舞い2名が即死、28名が集中治療室に収容され、第3自動車化狙撃師団の兵士約500人が重度の原因不明なアルコール中毒で病院に収容されたという報告があり、ウクライナ軍参謀本部は3日「第3自動車化狙撃師団の複数の指揮官は戦闘行為への参加に消極的で、同部隊の兵士(何人なのかは不明)が一斉に辞表を提出した」と発表して注目を集めている。
まぁ情報の真偽は不明なので何とも言えないが、ロシア軍は州都ハルキウの直接的な攻略(市街戦)を諦めドンバスに布陣する合同部隊作戦(Joint Forces Operation)の包囲を目論んでいるという指摘があり、今後同州南部での戦闘は激しさを増していくはずだ。
ドンバス戦線:ルハーンシク州、ドネツィク州
ルハーンシク州やドネツィク州の戦闘は激しいもののロシア軍(ルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国を含む)の攻勢は全て撃退され、戦線に目立った変化はない。
ドンバスに布陣する合同部隊作戦(Joint Forces Operation)の損害については全く情報が出てこないので不明だが、JFOは先週だけでロシア軍の戦車46輌、装甲車輌92輌、軍用車輌87輌、大砲27門、航空機4機、無人航空機10機を破壊したと発表しており、この戦果が事実ならロシア軍は戦術大隊(BTG)2個分相当の装備をドンバスで失ったことになる。
マリウポリがロシア軍に制圧されていないことだけは確かだが詳しい戦闘の状況は全く分からない。
同都市を防衛するアゾフ連隊の副司令官は「マリウポリの包囲を打ち破って欲しい」と訴えているが、流石に分厚いロシア軍の支配地域を駆逐して包囲を解くのは厳しいだろう。
南部戦線:ザポリージャ州、ヘルソン州、ムィコラーイウ州、オデーサ州
ザポリージャ州では空挺部隊と地上部隊による作戦で5つ以上の拠点を解放した報じられていたが、どこを解放したのか良く分からない。
ムィコラーイウ州ではヘルソン州との州境にある集落(Oleksandrivka)にウクライナ軍が到達、これで州都ヘルソンから伸びる3方の主要幹線道路からウクライナ軍がロシア軍を押し返していることになり、いよいよヘルソン奪還が見えてきた。
相変わらずオデーサ州には目立った変化はない。
以上が40日目の各戦況で、やはりチェルニーヒウ州からロシア軍が撤退したのとスームィ州での動きが非常に気になるところだ。
関連記事:新たな局面に突入したウクライナ侵攻、ドンバスを巡る戦いの現状
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※アイキャッチ画像の出典:ВМС ЗС України
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>ロシア軍に占領されたイジュームの住民は毒入りのパイをロシア軍兵士に振る舞い2名が即死、28名が集中治療室に収容
これが本当なら不用心すぎだな
占領した街の住民が、わざわざ焼いてくれたパイとか怪しさ満点
虐殺の口実にされかねないから、相当リスキーな行為だと思いますが、それでもやるのでしょうね。一人でも多くロシア兵を殺すという、悲壮な覚悟だなと。
何もしなくても、ロシア兵の機嫌しだいで市民は殺されるのだから、敵に美味しい食事を恵む親切なウクライナ人。
これが、俗に言う「死ぬほど美味い!」
ついでに酒も振る舞ってもらい、死合わせな最後の晩餐。
降伏の極みか
腹が減って思考が鈍ってるところに手作りのパイ出されたら飛びついちゃうだろうな
下手すれば自らブチャの大量虐殺の二の舞となる原因を作り出してしまう(住民は皆ゲリラとする大義名分をロシア軍に与えてしまう)可能性がありますので、もし本当ならむしろ不用心なのはイジュームの住民かと
そして、また多くの民間人犠牲者が路上に斃れる光景を繰り返す訳ですね…
つってもこんなことやったら露軍の虐殺に正当性与えてしまうのでホントによろしくない。
自治体の中に犯罪者が居たとしても
犯人を処分するだけならともかく、自治体丸ごと処分する事に正当性与えるわけないじゃん
連座制のあった中世じゃないんだから
ホントに個人的にやってりゃあね。複数人で組織的にやったら復讐の対象にはなるよ。
裁判もなく虐殺する正当性は無いでしょう
そこら辺の事は、wikiの「ゲリラ」の項目でも纏められていますね。
>ゲリラの嫌疑をかけたれた文民は、法的には文民とみなされる(第一追加議定書第50条第1項)。
>また、独立性および公平性を有する裁判所に下された有罪判決によらずして、刑を執行してはならない(第二追加議定書第6条第2項)。
リンク
スリャビャンスクも激戦になりつつあるらしく、第2のマリウポリになりかねないだなんて言われているらしい
そして、以前ミコライウでの懸念をここでも書き込んだが、予想は悪い意味であたってしまっているのか、今やミコライウはロシアによる大量破壊兵器の使用が危惧される最も危険な地域だと、国内外での軍事アナリスト達が警鐘をならしはじめてる
なぜロシアとしては、戦略的防衛価値の低いヘルソンの維持に拘ったのかと疑問だったが、事態は最悪の方向に向かいつつあるのが…
ドンバス掌握から、NBC兵器の使用により、ドニエストルとの連結まで繰り上げるつもりなのか
スラビャンスクは親ロシア派活動の発祥の地らしく、奴らにとってはシンボリックなものらしい
親ロシア派に制圧されていた都市だったが、それをウクライナ軍が開戦前に奪還しているので、
この戦争で再奪還を是が非でもしたいというのが親ロシア側の思考
故に激戦は避けられず、第二のマリウポリとなってしまうと強く懸念されているとのこと
>ただロシア軍に占領されたイジュームの住民は毒入りのパイをロシア軍兵士に振る舞い2名が即死、28名が集中治療室に収容され
えぇ…まさか未だに「ウクライナ人はロシアによる解放を待ち望んでおりパンと花束で歓迎する」ってプロパガンダ信じているとか?
もし客観的なシチュエーションを把握してたら絶対食わないよなぁ…
しかし、ブチャでの蛮行しかり北部が奪還されるにつれて、これから占領地域でのロシア軍の所業が明らかになるのだろう。
なんかもう、気が滅入る。
謎のアルコール中毒?
エタノールじゃなくてメタノールでも飲んだんじゃないのか?
たぶんそれ。
略奪すると踏んでウォッカの貯蔵漕
たぶんそれ。
略奪すると踏んでウォッカの貯蔵漕にでも混ぜたんじゃないかな。
@HN_Schlottmanによるロシア軍の所在予想
リンク
@Militarylandnetによる両軍の所在予想
リンク
これを見るに、北東地域のロシア軍を押し返したのは大きいのではないでしょうか。イジュームはほぼ制圧され、スラビャンスクまでのルートを防衛している状況という報道を見ました。ハルキウの包囲が解かれたことで補給ルートを確保できるので、ハルキウの戦況が好転すれば北東部からドンバスに向けて反撃が始まるのではと予想していますが、、問題は東南部で、マリウポリ制圧後にドンバスを包囲するために北上するロシア軍の大部隊をどこまで食い止められるか、、
マリウポリが大事ですね。アゾフ連隊には頑張ってほしいところ
キエフ包囲の部隊こんな一気に引くものなんだね
この後ごっそり東部に出現するんだろうけど
ウクライナ側も部隊を移して決戦があるんだろうか
細かい話ですが、
”ドンバスに布陣する合同部隊作戦(Joint Forces Operation)”
「合同作戦部隊」と訳すべきでは? 「作戦」が戦闘の主体になるのはかなり変かと、、
確かに気になるんですけど、それだと
Joint Operation Forces
と原文で表記されると思うんですよね
マリウポリが落ちた場合、他の都市や市のように奪還するのは難しいか?
ロシア、親ロシア派にとって補給、成果のシンボリック的な部分があるから
何としてても奪還阻止を図るだろうし
NATOからの対空装備が支援されれば相当好転すると思うんだが
マリウポリは破壊しつくされて何もない状態なので、そこを取ってももはや実利は無いと思うんですよね。港湾としてもしばらく使えないだろうし。
ロシアとしてシンボリックな意味はありますが、ウクライナとしては率先して奪還する意味は少ないと思えます。それより南と西から着実に圧力をかけたほうがいいでしょう。
ロシア本国からクリミアに続く回廊の安全確保には重要なのでは?
通過点としても幹線道路が通っていますので。
オデーサ攻略のためにもね。
ロシアとしては殲滅までしなくても包囲しているので回廊としては使えると思えます。無理してでも殲滅・占領したいのはシンボリックな意味があるのかなと。
ロシア軍の戦力に余裕があればね。
包囲だけで拘束される兵力も馬鹿にならないし、ウクライナの兵力を残すということは、戦況が変化すれば奪還作戦をマリウポリ内外から実行される恐れもある。
2014年にアゾフ連隊に奪還された仕返しの意味もあるかも知れないが。
統合作戦部隊だとjoint operational forcesが一般的だと思います。
joint forces operationは統合部隊作戦と約さざるを得ないでしょうね。
恐らくですが、東部·南部は陸軍·海軍(歩兵部隊)·空軍·国家親衛隊といった異なる指揮系統の部隊が戦っており、現地で全軍を統一運用する権限を与えられた司令部が遂行する作戦ということではないでしょうか?
全土で全軍を統括する参謀本部は上部組織として有るのでしょうが。
露軍は機甲部隊ばっかりになってしまったせいで
戦車が破壊されたら負け判定になって総悲観で撤退して
例え占領しても拠点防衛は出来ないんじゃないかな
重度の原因不明なアルコール中毒・・・
ウクライナ市民の仕業というより、ロシア(ソ連)軍の伝統芸としか思えないな。
同じこと思った。
きっとMig25の冷却液の飲みすぎが原因だろうな
アル中の件までもウクライナに責任押し付けるようなら、もはやロシアは地上最低の国家だな。
多分これに失敗したんじゃないかな、
ウルトラバカ酒飲み
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ここ製鉄工場に勤める人である。ここには工業用アルコールがある。
工業用アルコールは塩を加え工場の機械を用いて特別な加工を施すことで、飲用に耐えるアルコールへと変化するのだ。
彼らは鉄を造るのも忘れ、ただひたすらアルコールを造り飲み続ける。
正直住民による毒殺は便衣兵扱いされも文句は言えないからマジでやめてほしい…
便衣兵も国際条約違反なんよ…
どうせ殺されるなら一矢報いてやるって思いもあるんじゃないの?
相手は盗賊みたいなものだし
気持ちはわかるけどこれやっちゃうと向こうも機械的に無差別殺戮を開始しないと行けなくなりかねないからマジでヤバい
非常に言葉は悪いのは承知の上で言うけど現時点でのジェノサイドはまだ残虐な蛮族レベルに留まってる
だからまだ抗命するロシア兵がそこそこいる
ところが民間人が殺傷力を持った途端、これが殲滅を超えた消滅のトリガーになってしまいかねない
気持ちはわかるけどそれは日本から俯瞰して見てるから通じる正論で、目の前に殺された家族や同朋のいる戦場で通じる正論じゃない。だから戦争は悲惨なのだ。現地潜入し住人を説得する決死の覚悟がない自分には頭でそう思っても言えることではない。
住民がおとなしくしれてば手出しをされない訳じゃないから
わからんでもない
でもやったらやったで誰かが助かるわけではなくて、むしろ殺害される可能性を上げているだけ
自分だけでなく、周囲の人々も巻き込んでね。
「住民」は軍人じゃないんだから更衣「兵」扱いする方が間違っているし、文句も言えるでしょう。
いささか神経質になり過ぎですな。
イジュームはドネツ川が北側に屈曲する位置にあって、
北側から渡河することを考えるとよい場所なのですが、
南側から攻めるには難しいので、
一旦イジュームを取られると、
東西から迂回しないと、抵抗するロシア軍を排除して確保するのは難しいです。
ので、守るべき要所ではありましたが、
取られてしまった以上は次の防衛線に下がるのではないかと思います。
ドネツ川にはさまれた箇所が隘路になるので、
その南側出口で抵抗している状況かと思います。
北部がさっぱりしたな
次は東部か南部を解放しなきゃならんのだが押しつ押されつのキエフ戦線ですらあの虐殺だったのに
開戦当初からずっとロシアに制圧され続けている東部南部が何も起こってないわけないし
ああ考えたくもねえ
徹底抗戦してるマリウポリなどはともかく、ナチからの解放を謳っていますから、ロシア国内向けのアピールのためと将来のロシア領になる予定なんで住民懐柔のためにその地域は盛んに支援物資を運び入れ解放者を演じてるようです。まあ全く残虐行為が無いわけではないと思いますが…。
今後ウクライナ軍の反転攻勢でそれらの地域でも解放者を演じられなくなったとき、撤退の手土産に残虐の限りを尽くすであろうことが容易に想像出来て暗い気分になります…。
東部・南部ではやってる可能性が高いのは、反ロシア住民をロシア国内に連れていって計画的な虐殺したり
ウクライナ側の仕業とするために、ウクライナ側支配地域に近い所で見つかるように埋めておくですかね
ロシアの実績から、すぐに思いつくような雑な作戦をしまくってそう悪い予感します
いやいや、要するにクリミア半島とロシア領を陸路で繋げたいのですよ。
本当は更にオデーサまでロシア領にして黒海を半ばロシアの内海にしたかったんでしょうけど、せめて東半分だけでも確保したいんでしよう。
ロシアの戦線縮小によって浮いたウクライナ側の戦力をどこに振り向けるかですが、南部を攻めるのが良いのではないでしょうか。
東部のドンバス地方は長年の紛争で要塞化されており、ロシアは攻めあぐねていますがウクライナ側もそうそう奪還できないと思えます。こちらは維持するくらいにして、南側に戦力を集中してヘルソンとメリトポリを奪還すればクリミア半島側からの戦力と東側のロシア軍を分断できるので、そのあとで東側に集中できます。
すんなりチェルニヒウも諦めたの俗のノボロシア作戦やる気なのかな
ドンバスハリコフはこのままでオデッサ上陸とヘルソン殺到でムイコライウ決戦におわせ西部反撃部隊を誘導し戦術核攻撃後の大攻勢(伝統芸)
ゲームチェンジするに他に方法無いならあり得る話なの実にロシアン
ロシア側としても東部を固めるといいつつ南部に再編戦力を投入して「ノボロシア」を目指すというシナリオもありそうに思います。そして局面打開のために大量破壊兵器を使うというのは最悪のシナリオとしてありえるでしょうね…
悪いお知らせ。
ロシア軍が予備役を6万人動員。
現役兵に比べて練度も装備も劣るだろうけど、これはインパクトあるな。
本当ですか⁉︎
すみませんがソース下さい。
予測展開地は分かりますか?
リンク
ロイター
これですね。
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今のところウクライナ側からの情報のみなので、その点は注意が必要ですけど。
リンク
多分、上のロイター記事だと思う。これ以外に予備役投入のニュースは(4日21時時点では)ない。
何処に投入するのか、装備はどうなっているのかはまだわからない。
そりゃあ無いに越したことはないけど、インパクトというほどでもないのでは。
地元のウクライナ側は開戦当初から100万の予備役を動員始めているわけで、今から動員をするようでは遅いかと。
先日、オデーサに対してクリミアからSRBMの攻撃がありましたが、
現在、ウクライナの弾道ミサイル防衛は、どのように行われているのだろう。
ロシアの言い分では、当該ミサイルは精密誘導とのことでしたが。
S300で撃ち落とせないならば、米国は相応の機材を貸与する必要があるのでは。
物を供給したとして、操作人員をどうするのかが問題ですよね。
「現代の兵器は自動化されてるから~」って意見も見ますが日常的な整備は必要ですし、その自動化されたシステムでエラーが出たときの対処法まで身につけるのに必要が有ることを考えるとどれだけの時間が必要になるかわかりません。
ポーランド陸軍のT-72M1が、ウクライナ国境へ陸送されているらしいね
ウクライナへの譲渡と思われる
今のロシア兵なら「危険!飲むな」の貼り紙付きのメチル入りウオッカをホイホイ飲んで全滅するだろうね。