ハルキウ方面で新たな動きは観測されていないものの、DEEP STATEとRYBARは「シヴェルシク方面、バフムート方面、アウディーイウカ方面、ドネツク西郊外方面、南ドネツク方面でロシア軍が前進した」と報告しており、後退が続くウクライナ軍の苦しい状況に変わりはない。
参考:Мапу оновлено!
参考:Бійці 54-ї ОМБр та підрозділ ССО “Геній” знищують ворога на захід від н.п. Спірне
参考:Военная сводка за 22 мая: зона СВО
参考:Времьевское направление: штурм Урожайного и Старомайорского обстановка по состоянию на 09:00 23 мая 2024 года
シヴェルシク方面
ウクライナ人が運営するDEEP STATEはシヴェルシク方面について8日「ヴェセレ方向におけるロシア軍の前進が明確になった」「この方面の状況は厳しく、残念ながら敵の圧力によって状況は悪化する一方だ。ロシア軍はロズドリフカからビロホリウカまでの全区間で我が軍の陣地を突破しようと試みており、空挺部隊を集結させてヴェセレ方向から線路沿いに前進している。ここを突破されてしまったのは1年以上もローテーションなしで戦っている旅団が限界に達しているためだ」と言及。
ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも15日「ロシア軍がロズドリフカ方向に支配地域を広げた」と報告していたが、22日夜「ロシア軍がスピルネ方向に支配地域を広げた」と報告し、スピルネの南西=Ⓐでウクライナ軍がロシア軍陣地を襲撃する様子も登場。
この視覚的証拠についてDEEP STATEは「敵陣地への攻撃はグレーゾーンで発生しているものの直ぐに当該地域を赤色に塗り替える必要はない」「シヴェルシク方面で戦う兵士の話によればロシア軍に奪われた陣地奪還のための戦闘が続いている」「この地域は入手できる情報が少ないため正確な状況は不明だ」と述べている。
バフムート方面
ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは20日夜「1ヶ月半に及ぶ砲撃後、ロシア軍はチャシブ・ヤール東地区の高層建築物や家屋に取り付いた」「装甲車両を失ったものの空挺部隊を送り込むことに成功した」「ロシア軍はダーチャ付近で支配地域を拡大させ、修理工場の東側地域も掃討した」「チャシブ・ヤール南側の森林地帯も制圧した」と報告、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも22日「ロシア軍がチャシブ・ヤール東地区に侵入して足場を築いた」と認めた。
RYBARは22日夜「ロシア軍がチャシブ・ヤール(東地区)の最初の通りを越えた」と、DEEP STATEも23日「ロシア軍の支配地域がチャシブ・ヤール南郊外に到達した」「ロシア軍がチャシブ・ヤール南側の森林地帯で支配地域を広げた」「ロシア軍がクレシチェエフカ集落内で支配地域を広げた」と報告した。
RYBARはクレシチェエフカ方向について「ウクライナ軍が高台周辺からも撤退したという未確な情報がある」と言及しており、動きの少なかったバフムート方面の状況は活性化している。
アウディーイウカ方面
ウクライナ軍参謀本部は21日夜「戦線全体で最も戦闘が激しいのはポクロウシク方向(オチェレティネ~ネタラブ間から西に進むロシア軍の動き)だ」と述べ、DEEP STATEも22日「ロシア軍が線路沿いからソキル方向に前進した」「ロシア軍がネタラブの南に支配地域を広げた」と報告。
RYBARも22日夜「ロシア軍がノヴォオレクサンドリヴカ郊外に到達した」「ロシア軍がネタラブ集落を制圧した」と報告、視覚的にもウクライナ軍がノヴォオレクサンドリヴカ郊外=Ⓐに到達したロシア軍を攻撃する様子が登場しており、RYBARの主張はウクライナ側の視覚的証拠に裏付けられたものと言える。
因みにウクライナ軍参謀本部は「ポクロウシク方向の一部地域では状況に応じて機動(より有利な陣地への移動=事実上の後退)が必要だ」と述べているため、恐らく「ネタラブからより有利な陣地に移動した」と発表する前兆だろう。
ドネツク西郊外方面と南ドネツク方面
DEEP STATEは11日「クラスノホリフカの状況は破局に近づいている」「なぜならロシア軍が東から前進し、工場に足場を築き、街に対する最終攻撃の準備を進めているからだ」と指摘、12日に更新した戦況マップの中で「ロシア軍が耐火物工場を制圧した」「ロシア軍が市内東部を制圧した」「市内のグレーゾーンが拡大した」と報告。
さらに23日「ロシア軍の支配地域がクラスノホリフカの西端まで拡大した」と報告、耐火物工場を奪われた街を守るウクライナ軍は「高さ」を失っており、市内の西端から街の西側面に回り込まれると補給や退路が脅かされるため、クラスノホリフカの運命が尽きるのも時間の問題だろう。
RYBARは南ドネツク方面について22日夜「ロシア軍がスタロマイオルケ集落内で支配地域を拡大した」「ロシア軍がウロジャイン集落内で支配地域を拡大した」と報告し、両集落内でじわじわと支配地域を拡大している格好だ。
視覚的にもロシア軍兵士が徒歩でスタロマイオルケ集落内の村庁舎付近=Ⓐまで進軍する様子、ロシア軍がウロジャイン集落内の農場=Ⓑで軍旗を掲げる様子、ウクライナ軍がウロジャインの東郊外=Ⓒでロシア軍の装甲車輌を攻撃する様子が登場しており、この方面の状況もウクライナ軍にとって厳しいと言わざるを得ない。
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※アイキャッチ画像の出典:ZOV Камчатка!
この程度の小範囲の前進しかないうちは大丈夫でしょう
戦術的に不利なだけです
塵も積もれば何とやら
>この程度の小範囲の前進
一歩も通さんぞと無理に不利な場所で抗戦して消耗するより、22年のロシア軍みたいに一気に下がって戦力温存するほうが寿命を伸ばせると思うけど。
それは無理です
ウクライナにそんな戦線整理を行う能力はありません
まずウクライナ軍には22年のロシア軍のような機動力がありませんし、戦線が流動化すれば士気の低さから一気に降伏する部隊が増えるでしょう、そうなればもう立て直しは不可能です
まあとはいえこのまま続けてじわじわ侵食されるのもロシアに対する嫌がらせにはなれどウクライナにとって得など何もありませんけどね
キーウまであと何キロの書き込みがなくなったから、よくわからん。
一番近い所で400キロくらいじゃね
崩壊はまだしてないとは思うが、色々とウクライナが末期な感じが凄い。もはや反撃する様な戦力は無いのだろうし、ロシアが油断してくれればまだいいがまったく油断していることもなく、着々と進軍されてしまうとこれは打つ手あるのだろうか。
nato巻き込むしか無いとは思うが、非常に辞めて頂きたい。
natoにウクライナが宣戦布告して、NATO軍に敗北、NATO軍に占領してもらうのが、安泰かな。 もちろん冗談ですが。
仮にNATOがウクライナを占領してもロシアが現状の支配地域から撤退撤退しなければ行けない理由はありませんから意味無いでしょうね。
米大統領選の結果次第では、冗談抜きに「現状のロシア支配地域すべてを切り飛ばしてNATO加盟」が次善手ということになるかもと思ってる
ウクライナ軍、前線歩兵は1年以上もローテーションなしで、よく持ちこたえているなと思います。
彼らが交代できなたいのであれば、部隊の補充・訓練も出来ず、磨り潰されれば終わりになります。
ウクライナ上層部がグダグダで、ハリコフ方面に部隊も引き抜かれる中で、前線部隊はよく頑張っているなと…
ハリコフ地域奪還の時の軍人、ほとんど生き残っていないとありますが、兵士の損耗がかなり気になりますね。
ロシア軍が、FPVドローンと砲撃で圧倒的に優位ですから、相当な死傷者が出て削られ続けている気がします。
(2023.12.6 砲兵の優位性を揺るがすFPVの大量投入、兵士1人であっても攻撃対象に 航空万能論)
(2024.05.9 ロシア軍がヴェセレ方向で前進、ローテーションのないウクライナ軍部隊は限界か 航空万能論)
(2024.05.22 要塞は本当に建設されているのか? 最高議会が臨時調査委員会の設置を可決 航空万能論)
deepstate mapでウ軍がウマンスキーで押し返したがとの報告がありました(20日)が一切触れられないのは、テレグラムの方では報告がなかったとかなんでしょうか?
取るに足らないと言われればそれまでですがロ軍の前進は小さくても地図上の説明で触れられていたので気になりました
現実的な話をすれば、いくら欧米が武器を供給してもウクライナ国内で徴兵できなければ兵力で押され続けるから、NATO参戦くらいしか勝ち筋ないかと思う
時間が経てば経つほどより強く首が締まることになるのに、いつウクライナ人は和平交渉始めるんだろうね
クーデター後かなぁ
ハリコフは砲火力で互角、増援で兵力はロシア軍を上回ってるという報告もロシア側から出てるな。
ハイマースでダーチャを攻撃する動画もあった。追加支援きたし景気いいね。
ハリコフがウクライナ国内の政治問題化してしまってるから、最優先で対応してるんだろう。
ロシアの狙い通りになってる。ロシアはこれ以上無理に深く進攻して損失出すより、地形的に安全な位置を確保できたら膠着状態にするだけで良いのかもしれない。
情報ありがとうございます。
世界中のメディアが、ハリコフ20km圏内の手前であることを報道していることもあり、注目されているのでしょうね。
東部戦線に対する陽動にも、なってそうですね。
仰るようにハリコフに関しては国際的な注目を浴び、人口も多いことから長引かせると政治問題化する恐れがあるのでウクライナ政府としては増援を多くしてでも早期に奪還したいでしょうね。ハリコフ市民が大量に難民化したときにはゼレンスキー大統領の政治生命にも関わってくるでしょうし。
それがロシアの狙いなのも仰る通りかと思います。ウクライナは防御側の優位を確保しているはずがハリコフ周辺に関してはいつの間にか攻める側になってしまっています。
ロシアは得意の陣地構築で対抗するでしょうし、防御側の優位がいつの間にかロシア側になってしまいましたね。ウクライナがそれを打ち破るだけの火力があればいいですがどうでしょうね。
ひどいやり方ですが、徴兵対象年齢は選別したうえで。
発生した難民を西側に送り込んでしまえばOKでは?
難民嫌なら武器渡せと。
大統領も政治的に傷つかないですし、人道的でもありますから。
やり方次第で発生すらしてなかった筈の新たな難民を送りつけて政治的に傷つかないとか何の冗談ですか?
住む所を奪ったのはロシアですが違う所を奪還した結果、別の所を自分達の失点で再度失うとかメチャクチャな話でしょう。おまけに現地民にロシアでも良いみたいな発言されている、その時点で充分に政治的に傷ついてます。
意外とウクライナはお隣とは国民感情では仲が悪い。ポーランドとかは市民生活に影響出るのがわかっていて検問封鎖して輸送妨害を堂々としてたし、ハンガリー、スロバキアは軍事支援反対するくらい険悪。
それこそ難民キャンプすら許さずに強制収用所を作って入れると思うよ。ガス室がないだけマシじゃない?レベルですね。
すっげーよろこんでる
戦線…戦線が多い…!
管理人様改めてこれだけの規模の逐次管理本当にありがとうございます。そしてお疲れ様です。
オチェレティネの突破のような事態は起きていないがまさにどこもじり貧という押され具合ですね。
ロシアがハリコフ・ヘルソンで撤退したようにウクライナが戦線を整理できないのは、戦線のすぐ後ろに生活圏があるからというのもあるでしょう。そして、首都までの戦闘距離が近くなるとか、占領される経済圏が大きいからとかよりも、先の記事でコメントされている方もおりましたが疎開をしたときにウクライナ内部で難民が押し寄せるのを政府が恐れた結果ですね。
マスキロフカの達人であるロシア軍はどの攻勢軸が主攻撃軸か絞らせないフェイントを多用する。スームィ地方への攻勢を匂わせたり、最大一個師団程度の戦力で30個大隊近いウ軍をハリコフで釘付けにしている間にドンバス地方での優勢を決定的なものにする攻勢を計画しているのだろう。
露軍にとって最もリスクが低いのはクリシェイフカを掃討した後チャシブヤールの南からの浸透を広げる動きだろう。クリシェイフカ管制高地を失えばイワニフスキを失っている今、運河の西までウ軍は後退するしかなく、安全にチャシブヤール攻略の橋頭堡を固められる。
マスキロフカ、初めて知りました。勉強になります。
おしゃる通り、ウ軍はハリコフに釘付けにされましたね。
露軍の攻勢についてしばらく前から言及がありましたが、この状態をみるにもう既に始まっているように思いました。
一見「ここ」という主攻はなさそうですが、露軍戦力にも限りもありますし、いまある財産で最大効率化を狙っているのかもしれませんね。
いまの戦況マップを見るにつけ、露軍の戦術の組み立て、補給のうまさを感じます。
少しづつ確実に進んでいるから隙もない
ロシアに砲撃で勝てないからジリジリ奪われるだけ
勝ち目がないなあ
この戦争を太平洋戦争に例えると今はどれくらいの時期にあたるのだろう。
個人的には1944年の前半、マリアナ海戦の少し手前ぐらいかな。
このままだと戦争に負ける、と漠然とは分かってはいるが、まだ明確に敗戦を意識するほどは追い込まれてはいない戦況とか
国内生産能力、発電能力・砲弾発射量だけに絞れば、1945年でしょうね。
海外からの送電・武器弾薬の海外援助によって、変わってくる部分とは思います。
兵力・占領統治を合わせて考えれば、1943年~1944年くらいでしょうか。
航空戦力も対空兵器の割引でそれくらいかなと(滑空爆弾があるため前線を除く)。
>過去2週間のロシア軍による発電所への攻撃で、ウクライナの総発電能力は5000メガワットから600メガワットに9割近く減った。
>第148独立砲兵旅団の砲兵隊長によると、以前は米国から供与されたM777榴弾砲を1日に100発撃っていたが、今では10発に届かず「30発も撃てれば御の字だ」という。
>14:20~Youtube
ロシアが1時間に60発砲撃、ウクライナは『1日に6発』
(2024年5月20日 焦点:米支援遅れに乗じロシアが大攻勢、ウクライナに戦線崩壊の危機 ロイター)
(2024.05.21 ロシアと戦い続けるウクライナの3重苦、武器不足、兵士不足、電気不足 航空万能論)
(2024年5月22日 ウクライナ防空支援、独外相「不十分」 発電能力9割減 日経)
(2024/05/19 【戦況悪化のウクライナ】ロシア軍ハルキウ州侵入開始。今のウクライナの現状について解説します。 Youtube)
当時インドからの航空路を通じてしか軍事支援が得られなかった打通作戦下の中華民国みたいなものですかねえ。
もちろんウクライナに当時の中国ほどの縦深があるわけでないですが、ロシアの侵攻速度が当時の本邦よりずっと低いので、似たような状況になっているという。
トレースしてないけどウクライナ=アメリカでキーポイントとなるミッドウェー防衛(=23年の反攻作戦)に失敗して日本帝国にグアム攻撃されてる感じ?
このまま西側の支援・ウクライナの動員で勝者アメリカになれるのか、敗者日本帝国になるのかはまだわからない状況
ちょい訂正、日本帝国目線でミッドウェー攻略に失敗した状況ぐらい
決定的な打撃を与えることができず、逆に大損害を負いガダルカナルで押され始めたぐらいなイメージ
一応違うのは日本帝国は自己完結してたけど諸外国からの援助はなく、ウクライナは諸外国(西側)の援助があるからレンドリース法で国土防衛に成功したソ連・イギリスポジになれるかどうかみたいな?
人口ピラミッドを見ると、終戦時の日本やドイツ、ソ連よりも悪い。
戦況は兵器が西側から来るから良いけど。国としての未来が、、、、
このまま東ウクライナ人民共和国ルート頼む。ウクライナには反省させる必要がある
なんかこのままの戦況が続くようだとロシアの戦略目標であるウクライナの非武装化を、
ウクライナ国内の健康で戦闘意欲のある人間を物理的に一掃する事で成すという事がそう遠くないうちにできてしまうんじゃないかという気が…
その通り、ロシアの目的は人的資源を削りきることだと思います、
ウクライナの人口ピラミッドでググればわかりますが、20代の人口が枯渇してます。
若い男がいなくなりそうなると若い女も国を出ます。このままだと次世代がいなくなると思いますね。
NATOが一番出したくないのは金でも兵器でもなく兵士ですからね。
塹壕で消耗品になってくれる兵士だけはNATOは出してくれません
ドネツク南東40キロくらいにあるMospyneの飛行場へのATACMS攻撃でS-400とS-300が狩られたみたいですね。(映像で確認)
対策が練られるまでの期間にどれだけ対空システムを狩れるかがウクライナにとって鍵になると思いました(小並感)
ロシア軍のATACMS対策は正直なあ。まあ数が多いから狙われやすいんだろうけども頑張って迎撃しないと。
この前もクリミアでそれ破壊と映像で確認したと主張していたけど結局は燃料タンクだったんだけど今回はほんとだろうか