ウクライナ戦況

ウクライナ軍、クリミアに駐屯する第126沿岸防衛旅団を攻撃したと発表

ロシア国防省は25日「クリミアに対する無人機攻撃を全て阻止した」と発表したが、ウクライナ国防省情報総局は「クリミア南部のペレヴァリノエ村に駐屯する第126沿岸防衛旅団を攻撃した」と明かし、9名が死傷してシンフェロポリの病院に搬送されたらしい。

参考:Украина ударила по гвардейской бригаде ЧФ в оккупированном Крыму – ГУР
参考:Завдано удар по 126-й гвардійській бригаді РФ в окупованому Криму – ГУР
参考:Минобороны России

ロシア当局はペレヴァリノエ村の爆発を「弾薬の廃棄処分」でごまかそうとしているらしい

ロシア国防省は25日「ウクライナ軍がクリミアを42機の無人機で攻撃したが、防空部隊によって9機が撃墜され、電子戦で33機が制圧され目標に到達することなく墜落した」と発表したものの、ウクライナ国防省情報総局(GUR)のユーソフ報道官は「クリミア南部のペレヴァリノエ村に駐屯する第126沿岸防衛旅団を攻撃した」と発表、Krym.Realiiも「第126沿岸防衛旅団に対する攻撃で2名が死亡し7名が負傷した。負傷者はシンフェロポリの病院に搬送された」と報告している。

第126沿岸防衛旅団に対する攻撃と無人機の関連は不明だが、ペレヴァリノエ村は海に面していないシンフェロポリ近郊の拠点なので、クリミア西部のタルカンクート岬のように「特殊部隊が上陸して攻撃する」というのは不可能なため、25日の無人機攻撃が駐屯地の可燃物=弾薬や燃料に命中したと考えるのが自然だろう。

因みにKrym.Realiiは「ロシア当局は爆発を弾薬の廃棄処分とごまかそうとしている」とも指摘している。

追記:第126沿岸防衛旅団の弾薬保管庫に無人機が命中して「数十人が死傷し装備も深刻な被害を受けた」たという報告もあるが視覚的には確認されていない。

関連記事:ウクライナ軍がクリミアへの上陸作戦を実施、タルカンクート岬付近で交戦
関連記事:ウクライナ軍、クリミア西部に配備されたロシア軍のS-400破壊に成功

 

※アイキャッチ画像の出典:Пресс-служба Правительства Крыма/CC BY-SA 4.0

南ドネツクの戦い、ウクライナ軍がモクリ・ヤリー川の西に戦力を移動か前のページ

ランド研究所、米軍は既存技術だけで中国軍に対し優位性を確保できる次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    首都キエフの状況は厳しいと語る市長、市民に戦いへの参加を要請

    首都キエフのクリチコ市長は25日、キエフは防衛の段階に入ったが状況は厳…

  2. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍がリシチャンシクのロシア軍司令部を攻撃、最大100人が死亡か

    ウクライナ軍はリシチャンシクのロシア軍司令部(旧保安庁建物)を攻撃、ル…

  3. ウクライナ戦況

    前線から160km以上離れたクリミアとヘルソン州を結ぶ橋、ウクライナ軍が攻撃か

    ヘルソン州とクリミアを接続する橋が攻撃を受けたという報告があり、ウクラ…

  4. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍のクルスク侵攻、20拠点を占領してコレネヴォ郊外に到達

    RYBARはスームィ・クルスク方面について7日夕方「ウクライナ軍がコレ…

  5. ウクライナ戦況

    米国防長官、ウクライナと共同でS-300とR-27の代替品を開発中と言及

    オースティン国防長官はラムシュタイン会議で「米国とウクライナは複数の欧…

コメント

    • たむごん
    • 2023年 8月 26日

    ウクライナ軍の無人機、飛行ルートや種類は不明ですが。
    無人機の航続距離によっては、黒海からクリミア半島北部を迂回するように飛ばす事ができます。

    クリミア大橋周辺は、ジャミングや対空兵器を大量に設置していましたが(ボートでの襲撃に成功していますが)、クリミア半島の海岸全域まで手が回らないと思います。
    クリミア半島西部に哨戒艦を配置すれば、警戒監視に当たらせる事ができるのでしょうが、オデッサからの対艦ミサイル射程内で難しいのではないかと推測しました。

    6
    • らっしー
    • 2023年 8月 26日

    以前からあるタバコ不始末云々その他のごまかしとか、
    我々からすればすぐバレる嘘ついてまぁ・・・、と呆れるけれど、
    ずーっと言い続けてるのは嘘も百回つけば信じる奴がなんてのじゃなくて、
    中高年中心にすぐバレる嘘の反証に触れず事実から目を背ける奴らが相当に居て、
    そいつら向けに有効だからそんな発表し続けてるのかな・・・?

    まぁ、若い層からは総スカンを喰いそうな方針だけど。

    16
      • バーナーキング
      • 2023年 8月 26日

      そこで年齢を根拠にしない方がいいと思うよ。
      そりゃTVや新聞のプロパガンダやデマに踊らされてるのは確かに高齢者が多いだろうけど
      一方でSNSのデマに踊らされてるのはむしろ若い奴らの方が多くて
      当然ながらスマホ使えないおじーちゃんおばーちゃんにはほぼ関係ない訳で。

      若かろうが歳食ってようがアホはアホだし落ち着いてる人は落ち着いてるし、
      アホな若造が歳食って落ち着く事もあれば(個人的にはこれが1番普通だと思う)、何かの拍子に「真実に気づいちゃった()」オッサンが怪しい活動始めて歳と共にどんどん先鋭化してく事もあるし。

      14
        • らっしー
        • 2023年 8月 26日

        そだねー、その可能性も考えはしたんだけど、
        実際件の発表がどんな媒体で行われてるのか知らないし。

        でも実際、誰に向けたアナウンスなんだろう?

        1
    • 58式素人
    • 2023年 8月 26日

    写真は何処のものかわかりませんが。
    トロリーバスを運行している場所なのかな。
    悪いとは言いませんが、かなり昔風(?)に思えます。
    交通量が少なければ、それでも良いのかもですが。

    • AAA
    • 2023年 8月 26日

    まーたいつものタバコの不始末案件ですか
    プリゴジンもタバコの不始末で死んだことにされそう

    15
    • ホテルラウンジ
    • 2023年 8月 26日

    ドローンは、もはや弾薬と同じように有事になるまでに事前に大量に保有しておく事も必要ですが
    有事になってからも大量生産できる体制が必要ですね。
    今回の攻撃でも42機使ってるみたいですし。
    後は大量のドローンパイロットも。というか兵士の必須科目で兵士であれば銃を操作でき、手榴弾を投げられるように
    偵察と手榴弾を上から落とせるドローンは誰でも基本的に操作できるスキルがあるようになればいいですね
    後は市販のドローンを改造するスキルとか
    あとは少人数で大量のドローンを操作するために集団化出来る制御ソフトウェアと
    この辺の陸自の方で現在、急いで要件出ししてる事を望みます
    海自は呉や横須賀に停泊してる状態の潜水艦やイージス艦のレーダー部に対するドローン攻撃に対する蚊帳のような網などの防御策
    空自は言うまでもなく少なくとも自爆ドローンは侵入できないような掩蔽施設
    あと、日本各地のレーダー設備も中国空軍の対地ミサイルよりも戦争前に国内に密輸で持ち込んだドローンで潰そうとするケースも想定されますよね。
    あと通信施設、発電所、沢山ありますわ

    増額した防衛予算をF35追加発注に全突っ込みとかやめてくださいね
    ドローン対応策がきちんとしてなかったらF35何機ならべても開戦時に全部自爆ドローンで潰されかねませんし
    こっちの方に増加した予算をおもっくそ使ってもらって現在の資産を守る努力して、中国が準備してるであろう
    ドローン攻撃に対応できる体制を作ってほしいです

    19
      • ヤゾフ
      • 2023年 8月 26日

      ラウンジさんのコメントには大枠として賛成出来ますが、細部にて恐縮ですが私見にて指摘させて頂きます。

      > 偵察と手榴弾を上から落とせるドローンは誰でも基本的に操作できるスキルがあるようになればいいですね
      単純にドローンを操作するのが難しいので、偵察と手榴弾の投下というスキルを一般歩兵に両立させるのは操作難度が難しいです。
      ※自分自身もドローン制御をアプリから行う開発をしてた経験から、面倒いなと実感がしてます。。

      > あとは少人数で大量のドローンを操作するために集団化出来る制御ソフトウェア
      すでにスウォーム飛行についてはMITにて2000年代後半には実証されており、通信帯域や監督する人間は何台までなら操作可能?という問題になります。

      ドローンの制御は面倒な面が多いので可能な限り自己判断に委ねられるなら、自己判断で攻撃や防御が良いかと思われます。

      1
    • ななしの主計兵
    • 2023年 8月 26日

    以前このサイトで話題になったウクライナ製のドローンの生産が増えているのなら、
    今後の戦闘状況に変化がありそう

    8
    • 58式素人
    • 2023年 8月 26日

    将来、日本や台湾が大陸国家(中共/半島国家?)と事を構える時には。
    第1撃として、1,000発単位の巡行ミサイルや長距離自爆無人機が
    飛んでくるのでしょうね。多分、奇襲として、弾道ミサイルとは別に。
    弾道ミサイルはイージスとかPAC3に相手をしてもらうとして、
    巡行ミサイルや長距離自爆無人機は別途に対策が必要でしょうね。
    高度50m付近を飛んで来るでしょうから、視界(30km程度?)に入ってから
    短時間(巡行ミサイルなら2分?、自爆機なら10分?)で対応が必要でしょう。
    被目標は大方海岸線付近にあると思うので、海岸線での迎撃に失敗すれば、
    即、被害発生かと思います。
    迎撃時間と迎撃回数(機会?)を稼ぐために、予想される飛行経路の海岸線
    から沖合に離れた場所に迎撃用の施設が必要になるのでは、と思います。
    WW2時に、英軍はドーバー海峡の沖合浅瀬に海上要塞を作っています。
    高射砲や、高射機関砲を載せていましたね。似たものが必要では?。
    多分、こうしたものが必要と想像します。
    台湾の場合は、本島から約50kmに澎湖諸島がありますから、本島に沿って、
    同じ50km離れたところに点々と要塞を作っては。
    台湾海峡は浅いので、海底から構造物を作れると思います。
    水面+20mで。東シナ海の三角波は最大高が18mくらいだそうですし。
    深いところはオイルリグを浮かせたら、と思います。日本はコレでしょうか。
    各々の要塞には、短射程SAM(SEARAM?)と76mm自動砲(オトマティック砲塔?)、
    対空機関砲等(ゲパルト砲塔?)を組み合わせて。各々自己完結の物が必要でしょうか。
    1回の迎撃で50機くらいを撃ち落とせるようにして。
    各兵器の最大射程から、海上なら、不発弾の処理も不要でしょう。
    これくらいはしないと、やられ放題になるのでは、と思います。

    5
      • バーナーキング
      • 2023年 8月 26日

      現代であればそうした洋上にばら撒くユニットの大半にはセンサーだけでいいのでは。
      機関砲はカバー範囲が見通し距離より狭いので洋上の固定砲座に置いてもコスパが悪い上に、動作してナンボの機械製品ですのでまめなメンテも必要ですが洋上風力みたいに現地整備して回るのも大変でしょう。
      海岸付近の要所をカバーできる限られたポイントに陸上配備するのが良さそうですがそうした用途には最適なはずのVADSがもうないんだよなぁ…。
      ミサイルなら益々センサーと同居する意味が薄いので、艦艇や車両に任せればいい。できれば将来的にはそれ用のUSVを作って欲しいところですが。

      2
        • ヤゾフ
        • 2023年 8月 26日

        横から失礼致します。
        洋上風力のメンテみたいなことやりましたが、上記のようや現地整備はほぼ無理です。
        単純に整備員が色々な要素で居なくなります。。
        VADSやUSV活用の方が人間の負担は減るので良いです。

        1
          • バーナーキング
          • 2023年 8月 26日

          そうなると「リグごと定期交換」するしかないでしょうが、数十km沖合のリグを曳航して交換するのもなかなか大変ですよねぇ。
          しかもそれを射程せいぜい数kmの機関砲でカバーできる数…となると縦にも横にも数千kmのEEZ抱える我が国はもちろん、台湾だって数百km、全周カバーするなら千km超えそうですから数百基? 交換の負担だけで海軍が疲弊しそう…リグの交換だけなら民間委託してもいいのかもしれんけど、そうまでして機関銃配置したいか?ってなりますよね。

          1
            • ヤゾフ
            • 2023年 8月 26日

            おっしゃる通り、リグの定期交換も大変な作業です。
            リグ運ぶのと現地行くまでに多分みんな船酔いで倒れてます。。
            海上のため検出するカメラ関係は防錆やセンサーへの塩害対策も必要になります。なので、定期メンテも可能なUSVを大量にばら撒くのがいいのかな?と思ってます。

            2
        • 58式素人
        • 2023年 8月 26日

        どうでしょう。
        日本や台湾の場合、奥行きがないので、奥行きをとるには、
        有効な対空システムの海上配置は必要と思います。
        捜索/射撃が自己完結した既存の短射程SAM/高射砲/機関砲
        を並べるのが一番安価と想像します。メンテは大変でしょうが。
        何に載せるかですが、小型のUSVでは荷が重いような気がします。
        有人艦は良いと思いますが、何か、器用貧乏になりそうな気もします。
        色々とさせたくなるので、肝心の時に居ないことになりそうな(笑)。

        1
      • 58式素人
      • 2023年 8月 26日

      WW2の時、英国は色々とやっていましたが。
      色々資料を探している時、”フォートラフス”
      というものが良いと思いました。
      コンクリート製のケーソン工法で作った物です。
      ドックで作って曳航し、現地で下部を沈めて設置していますね。
      倉庫や宿舎に困ることもなさそうです。
      検索すると出てきます。大きめな砲台ですね。
      現代なら、ヘリで補給やメンテができそうです。。

    • 匿名
    • 2023年 8月 26日

    保管状態の悪い弾薬や北から仕入れた弾薬ですら使ってるのに弾薬の廃棄処分か
    ロシアって防空シールドをすり抜けて攻撃された事実を過剰に隠蔽しようとするな
    ロシア人にとってこの分野は未だに屈強なロシア軍というメッキが剥がれてない分野なんだろうか

    8
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  2. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  3. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  4. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  5. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
PAGE TOP