ウクライナ戦況

ウクライナ軍は南部で前進し、ロシア軍は東部で反撃の度合いを高める

侵攻567日目の戦況はザポリージャ方面でウクライナ軍が前進、南ドネツク方面ではロシア軍が反撃に転じて失地を回復し、ウクライナ軍はノボマイオルスキー集落内から追い出された可能性が、アウディーイウカ方面のロシア軍がオプトネ維持を視覚的にアピールした。

参考:Обострилась ситуация в Марьинке и Авдеевке, враг пошел на штурм – Маляр

ザポリージャ方面

9月11日~13日にザポリージャ方面で登場した視覚的証拠は「ロボーティネ南郊外」「ノヴォプロコピフカ北東郊外」「ベルベーヴ西郊外」での前進を示唆しており、ロシア軍はジリジリと第2防衛ラインに後退することを余儀なくされている。

出典:GoogleMap ザポリージャ州ロボーティネ周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

  • =ロシア軍がロボーティネ南郊外の塹壕を砲撃しているためウクライナ軍に同塹壕を奪われた模様
  • =ウクライナ軍がロシア軍の弾薬集積地点を自爆型ドローンで破壊
  • =ウクライナ軍がノヴォプロコピフカ北東郊外のロシア軍陣地を自爆型ドローンで攻撃
  • =ウクライナ軍がベルベーヴ方向の防衛ラインを守るロシア軍兵士を自爆型ドローンで攻撃
  • =ウクライナ軍がベルベーヴ方向の防衛ラインを守るロシア軍兵士を自爆型ドローンで攻撃
  • =ロシア軍がベルベーヴ方向の塹壕を進むウクライナ軍兵士を自爆型ドローンで攻撃

もうベルベーヴ方向を守る2重の防衛ラインはほぼ破れており、ここに戦車や装甲車輌を投入できるだけのルートとスペースを確保できれば、ロボーティネと同じようにベルベーヴを解放することが出来ると思うが、少数編成の攻撃なのでジワジワ行くしか無い。

南ドネツク方面

9月12日~13日の間に南ドネツク方面で登場した視覚的証拠は殆どなく、ロシア人達は「シャイタンカ川を渡河してノボマイオルスキーの集落内に入ったウクライナ軍は定着出来ずに後退した」と主張している。

出典:GoogleMap 南ドネツク周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

さらにプリユトネ方向でもロシア軍が反撃を実施、2km先の森林ゾーンまでウクライナ軍を押し戻したらしいが、今のところロシア軍の反撃を裏付ける視覚的証拠は見つかっていない。

追記:ゾロタ ニーヴァとプレチシュティフカの間からノボマイオルスキーに向かうウクライナ軍の車列がロシア軍の攻撃で破壊された様子、ノボマイオルスキー郊外の塹壕に立てこもるウクライナ軍兵士がロシア軍の砲撃でやられている様子が登場。

ウクライナ軍にとってポジティブな視覚的証拠がない以上、ノボマイオルスキーに対する攻撃は今のところ上手く言っているとは言えない。

アウディーイウカ方面

ウクライナ軍は10日「アウディーイウカ方面のオプトネの一部を制圧した。戦闘は既に集落内で行われている」と発表したが、ロシア人達は「ロシア軍がウクライナ軍を押し返した」と主張、オプトネの集落内をロシア軍兵士が歩き回る様子も登場したため「集落内での戦闘」は否定された格好だ。

出典:GoogleMap ドネツク州アウディーイウカ周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

恐らくウクライナ軍はオプトネ方向に前進して集落近くまで肉薄したものの、ロシア軍の反撃を受けて後退した可能性が高い。

因みにウクライナのマリャル国防次官は13日「マリンカとアウディーイウカの状況は悪化している。この方面のロシア軍は砲撃の回数を増やして襲撃を開始した。逆にクピャンスクやリマン方面では敵の活動が低下して戦闘回数も著しく減少した。ロシア軍は東部戦線に新たな戦力を集めており、クピャンスク、ドネツク、ルハンシクを占領する計画を諦めていない」と言及した。

関連記事:ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍がノヴォプロコピフカ北東郊外に迫る
関連記事:南ドネツクの戦い、ウクライナ軍が川を渡河してノボマイオルスキーに到達

 

※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС Україн

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コメント

    • たろう
    • 2023年 9月 14日

    これまでの経緯からするとやっぱりマリャル姉さんの公式発表が一番確実なのかな?
    確定情報しか出さないから最新の戦況を追ってる人にはここみたいに答え合わせ的な扱いになるけど

    15
    • fusa
    • 2023年 9月 14日

    俺の生え際戦線もまもなく反攻予定

    34
      • BOSE
      • 2023年 9月 14日

      反攻できるだけの戦力はあるんですか?

      28
      • バーナーキング
      • 2023年 9月 14日

      即時停戦あるいは全面降伏(丸剃り)を推奨する。

      17
      • あばばばば
      • 2023年 9月 14日

      レオパルド2A6に踏み固められた大地のように草の一本も生えないだろう

      7
      • Margarita
      • 2023年 9月 14日

      スカルプを投入するんですね。分かります

      12
    • gepard
    • 2023年 9月 14日

    ザポリージャの天気予報によると、今週には最低気温が14℃程度まで下がる日もあるなど秋の泥濘期は目前である。
    ロボティネ軸の突破口拡張に失敗したウクライナ軍は、小泉悠氏が指摘するように断続的にロシア軍の側面攻撃を受ける構図となっている。予備兵力として投入した82旅団などの損耗が重なれば泥濘の中守勢に回らざるを得なくなる。

    ウクライナ軍の夏季攻勢のラストチャンスは今後1週間から3週間程度であろう。

    15
      • 2dnjgw
      • 2023年 9月 14日

      ロシア軍の側面攻撃は現状失敗していますし、ロボティネ軸の突破口はゆっくりですが拡張しています。
      管理人さんも「少数編成の攻撃なのでジワジワ行くしか無い」と書かれていますね。
      今のウクライナ軍は歩兵中心の反攻なので、泥濘期でもジワジワ浸透する可能性があります。
      また、ザポリージャ州は秋の雨が降るのが他の地域より遅いので、ウクライナ軍のラストチャンスがいつ来るのかは現状不明だと思います。

      27
        • gepard
        • 2023年 9月 15日

        西側装備が重要な位置を占める反攻作戦用部隊が泥濘への備えが実際どれほどあるかは不明ですが、一般的に考えてソ連・ロシア装備の部隊のほうが軽量かつ泥濘地帯での機動力を発揮するでしょう。
        また、浸透を企図する歩兵ではなく後に続く支援装備・補給車両に泥濘の影響が大きく出ると思っております。

        また、小泉悠氏が指摘しているようにロシアは今のところ大きな成功はありませんが76VDVなどによる側面からの逆襲を繰り返し、両翼包囲を企図しているかのような機動を試みている可能性がある点は憂慮するべきでしょう。
        少なくても大胆な逆襲に出るほどの予備戦力を抱えたままということであり、一部で繰り返し主張されている「ロシアの予備戦力枯渇」や「第一防衛ラインを超えれば戦線崩壊」は相当疑わしいです。

        更に言えば秋以降攻勢を担当する戦力はそもそもあるのでしょうか。Def Mon氏などが指摘するように82旅団等ウクライナ軍最後の予備軍団は8月には投入済みです。エイブラムスを受け取る予定の1個旅団~2個旅団や首都防衛の部隊を動かせばまだまともな攻勢部隊を編制できるかもしれませんが厳しいでしょう。

        よってラストチャンスは数週間以内の泥濘到来前、遅くても10月前半になるのではないでしょうか。

        7
          • 2dnjgw
          • 2023年 9月 15日

          戦車以外の西側装備は軽量だと思います。
          今のウクライナ軍は歩兵中心・少数編成なので戦車中心の大編成ではないですね。
          支援装備・補給車両に泥濘の影響は出ますが、その影響がラストチャンスに繋がるかは不明です。
          個人的には泥濘期でもジワジワ浸透し続けると思いますが。
          76VDVの逆襲は現在失敗しており大損害を被っているとの情報がありますし、ウクライナ軍がさらに追加の部隊を投入する可能性もあります。
          まぁ、今後どうなるかは第三者には分かりませんし見守るしかないですね。

          1
      • 名無し
      • 2023年 9月 15日

      この方、記事の内容がどうであろうと一切関係なく自説を開陳されるけど、
      それってこのサイト見る必要あるのかなと思ったりする。

      6
        • gepard
        • 2023年 9月 15日

        規約に反していないなら誰もが自由にコメントできるのがこのサイトと管理人氏が素晴らしい点です。

        ウクライナのみならずアフリカやコーカサス情勢、防衛産業ニュースまで手広く網羅し、ほぼ毎日緻密な戦況図まで更新される日本語サイトは他にありません。(海外でもそれほど多く例を思い浮かびません)

        あまり注目されていないかもしれませんが、ロシアのドローン・巡航攻撃回数の記事は恐らく最もまとまった情報が掲載されています。(凄まじい労力です)

        9
    • りにあ
    • 2023年 9月 14日

    ウクライナ国内のロシア軍は42万人との一部情報もあり、春先の36万人から減るどころか増えている可能性もあります。
    これではロシア補充人員が実質無限なので、きついですね。

    9
    • test
    • 2023年 9月 14日

    久々に見たけど戦況図めちゃくちゃわかりやすくて素晴らしいですね
    大変でしょうけど頑張ってください

    8
    • 名無し
    • 2023年 9月 14日

    ロボティネを制圧してベルベーブ方面の防衛線を突破してからの宇軍の進軍速度が落ちてきているのが気になる所です
    第2第3防衛線の強度は第1よりは低いとの事ですので泥濘期迄に何とか抜けれたら良いのですが航空支援が少ない現状だと中々厳しそうですね…

    6
      • 2dnjgw
      • 2023年 9月 14日

      第76親衛空挺師団が火消しとして投入されていますので、今はウクライナ軍の進軍速度が遅くなっていますね。

      1
    • トクマク
    • 2023年 9月 14日

    もう今年中にトクマクは絶望的だろう。反攻作戦は来年に持ち越しだね。

    4
    • bbcorn
    • 2023年 9月 14日

    ロシアは南部とクリミアはあきらめて東部に集中するのが正解。
    もうロシアにはその程度の力しかない。

    いまのままじゃ 虻蜂取らず になるわ。

    4
    • 2023年 9月 15日

    やっぱりトクマクは迂回包囲で攻め込まない方が良く無いかな ?
    ロシアも必死でやってくる。
    トクマク硬すぎて死地に飛び込む感じにならないだろうか ?
    秀吉みたいに落とせない要塞は兵糧ぜめにしないと味方の損耗が酷いことになりそう。

    >ウクライナのメリトポリ市長フェドロフは9月13日、
    >「ロシア軍はトクマク近郊に、新たな兵器と竜の牙で構成された対戦車陣地を構築。ポロヒフスキー ライオン付近で新たな塹壕>を掘り多層防御陣地を強化している」

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