国内外のメディア関係者らは「ロシアが犯した戦争犯罪の取材を妨害する」「他の作戦司令部で許される取材が出来ない」という理由で南部作戦司令部のフメニュク大佐解任を要求し、ウクライナ軍参謀本部も19日「フメニュク氏を解任した」と発表した。
参考:Humeniuk dismissed as press chief for southern military command
参考:МЕДІЙНИКИ ЗАКЛИКАЮТЬ ЗАМІНИТИ НАТАЛЮ ГУМЕНЮК: ЗАБОРОНЯЄ ВИСВІТЛЮВАТИ ВОЄННІ ЗЛОЧИНИ РФ
海外メディアの現地関係者も賛同した声明文の内容、相当厳しい制限が行われていたことを物語っている
国内外の主要メディア、ジャーナリスト、フォトグラファー、アナリスト達らは「南部作戦司令部の報道責任者を務めるフメニュク氏解任」「同司令部管轄下における報道制限の改善」を要求する声明文をシルスキー総司令官、ウメロフ国防相、バルギレヴィチ参謀総長に宛に送って注目を集めていたが、ウクライナ軍参謀本部は19日「フメニュク氏を解任した」「後任者の選定を進めている」と発表し、解任理由を明かさなかったものの事実上メディアの要求を受け入れた格好だ。
戦争報道に関する取材は北部作戦司令部、西部作戦司令部、東部作戦司令部、南部作戦司令部の各合同調整プレスセンター長がコントロールしており、ナタリヤ・フメニュク氏がプレスセンター長を務める南部作戦司令部(オデーサ、ムィコラーイウ、ヘルソン、キロヴォフラード、ヴィーンヌィツャ)は他の司令部よりも報道制限が厳しく、ドニエプル川左岸の作戦を批判したKyiv Independent紙の寺島朝海さんも「ウクライナはドニエプル川左岸に関する報道のほとんどを禁止している」と述べたことがある。
メディアやジャーナリストらは声明文の中で「ノーバ・カホフカ水力発電所が破壊された際も報道陣をシャットアウトして干やあがった川底の撮影を禁止した。そのため世界中のメディアはロシア側の情報で溢れかえった」「戦場で勇敢に戦う兵士、負傷して療養中の兵士や民間人への取材も出来ない」「世界中の人々はチャシブ・ヤールやクピャンスクを守るウクライナ人の様子を目にすることが出来ても、我々はフメニュク氏の妨害によってヘルソンの様子を記録することができない」と指摘。
この声明文には趣旨に同意した150以上の署名が集まっており、France24、France2、BBC、Sky News、Radio Free Europe、Times、CBC、WSJ、 New York Times、Voice of America、国境なき記者団、読売新聞、テレビ朝日といった海外メディアの現地関係者、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも署名を行っているため、オデーサ、ムィコラーイウ、ヘルソン、キロヴォフラード、ヴィーンヌィツャでは他の地域と比較して相当厳しい制限が行われていたことを物語っている。
因みにフメニュク氏(階級は大佐)は合同調整プレスセンター長から解任される前「ウクライナ軍最高司令官命令第73号(国防省認定のジャーナリストが戦闘地域で活動するための手続き簡素化に関する規則)に違反したことはない」と述べていたが、同問題が世間の注目を集めすぎたため彼女を解任せざるを得なかったのだろう。
関連記事:ウクライナメディア、南部作戦司令部のフメニュク氏解任を軍に要求
関連記事:ウクライナメディアもドニエプル川左岸の作戦を批判、作戦状況は絶望的
関連記事:第80空中強襲旅団、クレミンナ奪還をジャーナリストとマリャルが妨害した
※アイキャッチ画像の出典:Ukraine Media Center Odesa
やめるのだフメニュク。南部反攻が完全に失敗した今みんながスケープゴートを必要としているのだ。たとえ規則に則ってようが関係ないのだ。責任取らされるのは常に末端なのだ。
声はギレン総統でお願いします。
へルソン地域もある程度情報を出し被害や窮状を訴えた方が得だと考えたのでしょう。
しかし内輪揉めやらがこれだけ起きるのは末期症状です。
ロシア軍から圧力を受け、ウクライナ軍が内側から崩壊すると思います。
戦時中と言えでも、仰るように情報を出した方が得であり、スポンサー国に対する一定の義務だと自分も考えています。
そもそも情報を出すのが嫌ならば、全部自国で戦争すればいい訳ですし…
内部は、何れにしても仰る通り、ガタガタになってるように感じますね。
前線歩兵は、むしろ戦争3年目をよく耐えているなと感じています…
よく耐えてるゐるというか、消耗するたびに動員兵をかき集めて投げつけてるだけじゃないですかね。
なにせ70万人の動員兵士が行方不明になる程のガバガバ管理ですし、開戦来から生き残っている兵士なんてもう残って無いんじゃないでしょうか。
>開戦来から生き残っている兵士なんてもう残って無いんじゃないでしょうか
GANGSTA氏らごくわずかしかいない日本人義勇兵(しかも高烈度な前線)でさえ大半が存命なのだからそれは無茶な感想でしょう
>70万人の動員兵士が行方不明になる
念のため補足します。この情報の元はワシントンポストの記事ですが、そこでは前線が20~30万人ということで、残り70万人が消え去った訳ではありません。70万人の中には後方支援要員などが多く含まれます。
また、管理がずさんであることと、損害が大きいことは直結しません。問題視されているのは非効率や杜撰さなどで非戦闘地域にいる兵士があまりに多いことです。
事実は拉致や法案改正で兵を集めてます
損害が多いかは、解りませんが?ずさんな管理能力だけでは説明できない状態に
なっていませんか?自分は何故?兵のローテをしないのかが不思議でなりません。
横からですが消え去ってると思います
このサイトの過去の記事にもサルジニーだったかシルスキーだったか忘れましたがウクライナ軍の司令官が、毎月3万ほど「様々な理由」で軍を去ると言ってました。定年病気介護育児そして何より戦死と重症で。
毎月3万なら二年たてば72万です。
皆さんの仰る点は、ごもっともと思います。
ウクライナが、自国のみで戦争が完結するならば、情報戦としていつまでも報道管制で封殺し続ければいいんですよね。
スポンサー国に泣きついているわけですから、スポンサー国の政府・議員は国民に説明する義務がでてきます。
ウクライナ自身が、70万人の行方不明兵士がいるとぶち上げた訳ですから、それくらいは続報を発表するべきと感じています。
淡々と事実を発表した所で、ウクライナを応援する人は変わらないと思うんですよね。
メディアが外付け監査機関みたいになってますね。それはともかくここまで多くのメディアが一貫して批判するということは実際に問題があったのでしょうし、解任は理解できます。
今だ旧ソ連的な秘密主義の気質が残っているように見えるのは問題ですが、この戦争は西側の支援にかかっていること、そのためにはメディアが重要であることを理解できているようでよかったです。少なくともうるさいメディアの口を塞ぐことを優先するよりはマシですね。
ウクライナ寄りのメディアに、ボロカス言われる訳ですから、相当酷かったということですね。
ウクライナ寄りに書いてくれる会社ばかり、取材された所で並んでいるのにというのがポイントでしょう…
ドニエプル川左岸・特にクリンキ橋頭保付近、管理人様の過去記事キーウインディペンデントの寺島朝美さんを取り上げていましたが、隠したくなるほど実体は相当ひどいと解釈してしまいます。
(2023.12.19ウクライナメディアもドニエプル川左岸の作戦を批判、作戦状況は絶望的 航空万能論)
クリンキのその後が気になりますね。東部のようにこちらでも航空優勢を取られていたら、、、悲惨でしょうね。
仰る通りで、滑空誘導爆弾で爆撃されていたため、ウクライナ軍の砲兵支援がクリンキ対岸からどの程度できたのかなと。
Youtuberは、クリンキ橋頭保の戦いを賞賛していましたが、ウクライナ軍の現状はどうなっているんでしょうね…(自分も悲惨と考えています)。
個人的な興味としては、東部に回せるはずだった軍事資源をどの程度浪費したのか・アウディーイウカ陥落に影響したのかが気になっています。
トカゲの尻尾切りのようにしか思えません
フメニュク氏が好き勝手にやっていたというなら話はわかりますが、あくまで上層部の意向を反映していたのだと思えます
後任が決まっても報道管制が急激に緩くなるとは思えません
フメニュク氏は手段はアレですが一応職務には忠実だったわけですので、ちょっと表に出ている情報だけでは罷免の理由がよく分かりません。
ただ、ゼレンスキー大統領にとってメディアというのは彼が理解できる数少ない専門分野ですから、メディアからの評価が悪い部下はクビ、というシンプルな反応だったのかもしれませんね。
なんか大佐って役職の重みを軽んじてませんか?上層部の意向に沿っているならば一緒にか上層部の将官か統制機構の誰かを単独で処分すべきでしょう。
総司令官まで変えてるんですから上の処分が出来ないわけが無いですし、自分が出来る範囲内で国の為に忖度した結果でしょう。
スポンサーありきかつ志願兵だけでは回らない戦争の辛いところです。
ドニエプル川東岸に関する海兵隊への取材が増えて元海兵隊司令官でもある統合軍司令官へ飛び火しないよう警戒もしないといけませんね。
ニュースに事欠かないねぇ最近は!
やっぱ乱世は色々な事が立て続けに起きるから面白い
そいやクリンキの橋頭堡ってどうなったん?
無謀な渡河作戦やダム破壊疑惑もありますが、へルソン統治の反発もありそうなんですよね。
マウリポリはロシアに占領されて税金が大幅に安くなったと市民が喜んでる記事を見ました。
一度安いのを知ったあとで高いのに戻ると不満が出ます。
ここはロシア軍を素通りさせた地域ですからウクライナ軍からすると裏切り者なわけであまり良い感情は持ってないでしょう
まあだいたいナターリャ・フメニュク大佐が
「ロシアが犯した戦争犯罪の取材を妨害する」
というのが、まったく意味不明であり、その逆ならば意味は普通に通じますが、西側の報道機関は今、本当に取材したいのはロシアが犯した戦争犯罪ではないでしょう。
「戦場で勇敢に戦う兵士」
の取材を、ウクライナ軍のフメニュク大佐が妨害している、というのもおかしな話であり、辻褄が合いません。まあそれは建前であり、実際に今の西側の報道機関が取材したいのは、ウクライナ軍の損害や、劣勢の現状でしょう。
フメニュク大佐が罷免されて、これからどういう情報が出てくるか、よくわからないような、なんとなくだいたい想像できるような、ですが、これでウクライナ軍が有利になるとか、優勢になるとかいうことは絶対にないでしょう。
リンク
“確認できたロシア兵の死者5万人超” 英BBCなどの独自調査
最近の露側軍クラで5万以下ってありましたっけ……(政治垢は見てないです)想像以上の差かもしれません。
西側推計はDPR民兵やワグネル傭兵、チェチェン共和国の兵士なんかも含んでの数字で。ワグネルの囚人兵含む死者が2万という噂ですので、なんだかんだでロシア正規軍の死者数は1.5万人くらいなのではと。一向にロシアで政治不安や軍部のクーデターの話が出ない理由は、このあたりの「西側の発表より実質的な被害がかなり少ない」あたりにあるのでは、と。
アメリカのウクライナ追加支援は決まりそうですね。
日本も追加支援を求められそうです。
”ウクライナへのさらなる資金支援の為にウクライナ支援負担金を健康保険料に上乗せを開始します”
とかありそうですね。
ウクライナ支援のためなら自分たちが損しても構わないというアンケートで過半数が賛成だったと記憶してます。
失礼しました
書き込む記事を間違えました
ご放念ください
適切な批判を受けて、それに対応できることは前向きに考えて良いように思います。