ロシア製カウンター・ドローンシステム「Silok-01」を鹵獲したウクライナ軍は4日、実戦において全く効果がないと発表したため注目を集めている。
参考:Ukrainian Soldiers capture modern Russian electronic warfare system
参考:Воздушные силы объясняют, что иранские беспилотники в РФ – не так страшны, как их малюют
恐らく解析した結果ではなく「実戦での結果」から効果がないと述べている可能性が高い
露国営の軍産複合体「Rostec」傘下で軍用・商用向けの航空電子装置を開発するKRETはUAVの脅威に対抗するため、低空を飛行するUAVを自動検出、当該機の位置を特定して通信、制御、航法信号を遮断、その場に強制着陸させるカウンター・ドローンシステム「Silok-01」を開発、国内やシリアで能力を検証して2018年6月に初期運用能力を獲得したと言われていたが、これを戦場で鹵獲したウクライナ軍は「実戦において全く効果がない」と発表した。

出典:Atlas
ウクライナ軍の第128独立山岳襲撃旅団は4日、Silok-01を鹵獲したと主張して「約4km範囲のあらゆる周波数を制御できると言われるSilok-01はロシアの試験場でのみ有効だ」と明かしたため注目を集めており、恐らくSilok-01を解析した結果ではなく「実戦での結果」から全く効果がないと述べている可能性が高い。
因みに強力な電子妨害装置やGPS妨害装置でUAVやドローンの動きを封じれば効率的だと思うかもしれないが、高出力で継続的な無線周波数は直ぐに特定され砲弾が飛んでくるため前線では使いづらく、GPS妨害装置の効果範囲も思っているより狭いと軍事アナリストが指摘しており、ロシア軍がウクライナでクラスハ-4やPole-21を多用しないのもそのためらしい。
関連記事:ウクライナ軍、ラトビア製ドローンがロシア軍妨害下でも作動することを確認
まもなくウクライナに投入されるイラン製UAV、ウクライナ空軍は対処可能なリスクだと主張
米国は8月末「ロシア軍はイランから戦闘用UAVを受け取った」と明かしたが、これについてウクライナ空軍は「実際に交戦してみないと確かことは言えないが、我々はUAVとの交戦経験が豊富で他のUAVと同じように対空ミサイルで撃墜できるだろう」と語った。

出典:IMA Media 演習に登場したShahed-136
ロシアが受け取ったUAVの数についても「制裁下のイランが直ぐに数百機ものUAVを用意できるのか疑問で、仮にUAVを手に入れても操縦するには訓練でコツを掴む必要があるためロシア人が失敗してくれることを祈ろう」と述べており、イラン製UAVが投入されても「戦局にもたらす影響は限定的」と考えている。
関連記事:無人機不足のロシア軍、イランからUCAVを含む数百機の無人機を調達か
※アイキャッチ画像の出典:128 окрема гірсько-штурмова Закарпатська бригада
この戦争始まってから今に至る過程を見る限り、ロシア軍は自分らの実力を過大評価しまくってた可能性が高いな。一応キーウ侵攻だって図上演習でいける!と判定ぐらいはしてるだろうし。プーチンも軍事の素人のおじいちゃんだから騙すのも難しくない。
図演のサイコロの出目を弄ったんじゃないですかね。あれが成功しないとこの戦争の勝算自体が動員力の問題で危ういので。
ナゴルノカラバフ戦争・ロシアのウクライナ侵攻と、ここまで軍用ドローンの優位性が証明されているのに、日本が導入に消極的な理由が理解不能
何なら絶対に導入しないという意志さえ感じられる
例えばトルコからTB2を試験的に数機購入するとかそういうのも一切無いからな
絶望的に決断力が無いのか、先見性が無さすぎるのか、もしくはその両方なのか分からんが
なぜ日本が30年以上経済成長せず、海外との市場競争にも負け続けているのかという答えが、こういうところに現れているんだろうな
制御不能になったドローンが演習場の外に墜落したらどうするんだとか、本気で言ってなきゃいいけど。
いや、めっちゃ色々導入に向けて動いてるけど……
あと、ご存知の通りHARMが投入されるまではTB2も目立った活躍は全然できてなかったし
「適切に自軍のシステムに組み込む」
ことが必要なわけで
それも含めてちゃんと話は進んでるから
>絶対に導入しないという意思
なんて無いし安心したら良いと思うよ
数機導入とかならそれこそグロホとかだけどなぁMALE以外はドローンじゃないのかなぁ
概算要求も下手したら去年のも見てないよね
ようやく来年度の防衛予算概算要求で攻撃できるドローンも整備する方向に入るらしいです。
それと経済がずっと低成長なのは不景気であるにもかかわらず増税・緊縮財政を推し進めたせいだと言われてますね、その辺は三橋貴明氏が色々とデータを交えて解説してます。
日本が緊縮財政とかいうのあまりにも酷すぎるデマなんで信じない方がいいですよ
その某氏も別に経済学者でも何でもないし、財務省陰謀論を全面に押し出す前は、韓国経済崩壊!中国経済崩壊!みたいな本書いてたお察しの人だからな
これ以上はこのブログの趣旨とズレるので触れませんが…
緊縮がデマ?減税しないで増税し、財政赤字を削減して財政黒字にしようとすることを緊縮と言うはずなのでは?
それと確認したいのですが防衛予算の概算要求見ました?見たならば「絶対に導入しない意思」なんて単語は出ないはずですが
国家予算は年々増えるのが当然なのに、2023年度一般会計予算の概算要求額が前年度より減ってるんです。緊縮以外の何物でもないです。
そもそも日本の場合、ナゴルノカラバフ戦争やロシアのウクライナ侵攻のような大規模陸上戦闘(本土決戦)を前提とした組織構造をしていませんからね
かといって海自や空自を縮小してそれらの国のように陸上戦闘を前提とした体制にされても、民間人・施設への被害リスクが大きくなるだけなのでしてほしくもありませんし
専守防衛=自国の領土で戦闘が前提のはずですが、今ウクライナがやってるのが専守防衛ですよ。
専守防衛でも日本は島国だから陸上戦闘する前に民間人に被害が及びにくい海で防衛戦闘するという選択肢あるよ
だからこそ陸自より空自や海自に戦力と予算が割り当てられているわけで
そんな当たり前なこと言われても・・・洋上で全部撃破できるわけではないので、どうしても陸戦も発生しますよ。攻撃側がいつどこを何で責めるか選べるわけですから。
出来る訳がないのはあくまでの可能性の話で敵の規模や装備内容にもよるでしょうに。
攻撃側が規模も装備内容も決めるのにわざわざ洋上全撃破される編成で攻めてくる想定なら可能ですね。
それじゃ、今ウクライナで起きているのは全てロシアの想定内の話なんだね。
?
イラン製UAVが投入されても「戦局にもたらす影響は限定的」と考えている
これはこれでイランの沽券にかかわるな…
ロシアに軍事面で支援してるのってイランくらいか?
電子妨害は相応に大きな発電能力も必要になるし、あまりに高出力だと操作手や近隣の自軍兵器も影響を受けるし、短期間麻痺させる程度の効果以上を期待するのは難しく、場合によってはそれが絶大な効果を持つが、連携して練った運用がなければ宝の持ち腐れ、という類の兵器ではあるとは思う。
今のドローンは非GPS環境下でも、ステレオカメラの深度情報、レーザーレンジファインダー、Lidarなどで地図を作成、IMUの自機運動情報でSLAM飛行できますしね。
NPU搭載して機械学習による高速な障害物検知と回避も併せれば、妨害するのは軍事素人視点でも難しそうに見えますね。
特にウクライナは自国の領土なので、地形データも豊富に持っているはずですし。
戦場でジャミング装置を使うのは闇夜で懐中電灯振り回すようなモンだからな
公表せずに使い続けさせた方が有利でしょうに(笑)
それにしても、クリミア戦・シリア戦以降喧伝された「世界最先端の無敵ロシア軍」とは一体何だったんでしょう???
言説の根幹にあった高性能電子妨害機材の有効性がカタログ詐欺、その上全軍に配備稼動されているわけでもないというのは。
まぁ、確かに、敵の戦意を挫く宣伝戦は現代戦の重要な側面なのかもしれませんね。
>高出力で継続的な無線周波数は直ぐに特定され砲弾が飛んでくるため前線では使いづらく
反政府ゲリラレベルの敵ならやりたい放題だったわけですが、本気の正規軍相手ではそうなっちゃいますね。
ウクライナ軍砲兵への密着動画で、ドローンで観測しながら砲撃してたら電子戦兵器起動されて途中でドローンとの通信が途絶えてた(その後ドローンは帰還しなかったと注釈あり)んだよね。
電波へのカウンター砲撃も逆にされてて、砲兵じゃなくてドローン操作してる隊の方に砲弾が飛んできてたし。
今回の発表がただのプロパガンダなのか、現場と上層部で認識の相違があるのか…
「ウクライナのドローン攻撃の効果が薄れ始めた…ロシアが防衛システムを整備」という記事によれば、米海軍分析センターのアナリストのコメントとして、ロシアの電子戦システムは対ドローンに一定の効果を上げているとあります。いろんな見方はあるのかもしれないし、本当のことは言わない情報戦の一環かもしれません。
ひところはドローン(UAV)が活躍する映像をあまり見なくなっていましたが、最近になってまた見るようになったので、電子戦システムへの対抗ができてきたのかなと思っていました。本当のところは言わないでしょうけれど。
TB-2に関しては、HARMの供与でロシアの長中距離SAMが制圧されて防空網に穴が開いたのが原因かと
そして、近距離防空システム(トールやパーンツィリ)に関しては、これらもHARMを恐れてレーダーを切っているのか、HIMLRSに補給線を叩かれて燃料や弾薬が不足しているのか、あるいは重大な欠陥があって有効な対処が不可能なのか……
この情報に関してはウクライナ軍の発表でしかないし、実際に何かしらの物証もある訳でもないので真偽の程は何年後かに分かる感じやないかな。ロシアに対しての情報戦なり対外的なアピールの可能性だってある。上手くロシアが使用制限でもしてくれるならウクライナには助かる面も出てくる。
実際に着弾観測に民生用のドローンも使っているし全く効果がない事はあり得ないと思う、ロシア側の妨害でロストした映像もあった訳だし。電波妨害されたら落下する可能性もあるだろう。勿論ホームポイントへ帰還する、電波が入ってくるまでホバリングする機種もあるが肝心の監視任務は出来なくなるなら使う価値はある。
監視による被害だって馬鹿に出来ないしピンポイントでドローンのコントローラ潰せるような環境をロシアは持っていない。実際に榴弾砲を当てずっぽうで撃ち込んで効果無かったから電波妨害のパターンもあるので、どの損害を許容するのがマシかの話でしかないと思う。