ウクライナ軍のザルジュニー総司令官は20日は「4発のカリブル巡航ミサイルをS-300システムの迎撃弾4発で全て撃墜した」と発表しており、ウクライナ軍の防空システムは依然として高い迎撃効率を維持しているのだろう。
参考:Над Днепром работала ПВО: сбили 4 ракеты “Калибр”
IRIS-T SLとNASAMSが到着すれば攻撃効果は更に低下するため、ロシア軍はウクライナ軍の継戦能力にダメージを与えるのが今以上に難しくなる
ウクライナ軍とロシア軍の防空システムは互いの航空戦力作戦を拒否=敵空域の奥深くまで侵入して目標を叩くミッションを拒絶しているため、ウクライナ軍はHIMARSやトーチカUで、ロシア軍は巡航ミサイルやS-300で互いの継戦能力にダメージを与えようと攻撃を繰り返しているが、ウクライナ軍のザルジュニー総司令官は20日「ドニプロ市上空で4発のカリブル巡航ミサイルを全て撃墜することに成功した」と発表して注目を集めている。

出典:Головнокомандувач ЗС України
ウクライナ軍の防空システムは現在も健在でロシア軍の攻撃を度々阻止しているが、ザルジュニー総司令官は「4発のカリブル巡航ミサイルを撃墜するためS-300システムの迎撃弾を4発しか使用しなかった=4発のミサイルの4発の迎撃弾で無力化した」と付け加えており、これが事実ならウクライナ軍の防空システムは依然として高い迎撃効率を維持しているという意味だ。
S-300は数が限られるので前線に近いムィコラーイウ、ザポリージャ、ハルキウの上空をカバーしていない可能性が高いが、ロシア軍がカリブル巡航ミサイルで狙う目標は前線から離れた地域なのでS-300が機能している上、黒海海上から発射されるタイミングは視覚的に監視されており、幾ら低空飛行で目標に近づいても飛行ルートの大半(ドニエプル川沿いを飛行するとの噂がある)が人が住む地域を通過するため巡航ミサイルの迎撃はウクライナ軍にとって難しくないのかもしれない。

出典:Nickispeaki / CC BY-SA 4.0
果たしてウクライナ軍はS-300の迎撃弾をどれだけ残しているのか、S-300システムを幾つ運用しているのか不明だが、IRIS-T SLとNASAMSが到着すれば巡航ミサイルによる攻撃効果は更に低下するため、ロシア軍はウクライナ軍の継戦能力にダメージを与えるのが今以上に難しくなるだろう。
因みにウクライナ国防省情報総局はロシア軍兵士が祖国のガールフレンドに電話を掛けた内容を21日に公開、この兵士はガールフレンドに「もう大半の人が諦めて戦いを拒否している、攻勢をかけるのに必要な人員が不足してので間違いなく今月中に撤退が始まるだろう」と明かしており、もっと興味深いのはウクライナの基地局経由でロシア人と本土の連絡を妨害している点だ。
#ГУРперехоплення
‼️”МЫ УЖЕ ВСЁ, У НАС ЛЮДИ СДАЮТСЯ”▪️Російський військовий розповідає про масову відмову солдатів та впевнений, що їх скоро виведуть pic.twitter.com/egZEavqfTA
— Defence intelligence of Ukraine (@DI_Ukraine) August 21, 2022
最近、ウクライナ側のハッカーがメリトポリのTV放送をゼレンスキー大統領の演説に差し替えて注目を集めていたが、この兵士はガールフレンドに「知り合いの母親が息子(ロシア人兵士)に電話を掛けたら自動応答に繋がってこの番号は使用できない。ロシア人のファシストは○○○!と言われた」と話しており、情報戦やサイバー戦でもウクライナ軍はじわじわとロシア軍を追い詰めているのかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:Командування Повітряних Сил ЗСУ
S-300を供与する話以前あったと思うけど今どうなってるっけ?
立ち消えなのかな
S-300が弾切れとなるとウクライナは相当苦しくなるな
スロバキアがS300一式を供与してますよ。
他の国は聞きませんけど、迎撃弾くらいなら供与している国があってもおかしくは無い
NASAMSはAMRAAMを打てるので低コストだそうな
命中率の差はわからないけど、低コスト小スペースなミサイルなら提供・保管本数が増やせるのが期待できる
バージョンによってはサイドワインダーもうてるらしい
NASAMSは9K37 ブークレベルの物でしかないのでその辺り考えると、射程と弾頭威力に差があるのを考慮しないと駄目じゃないか?
使い分けすればS-300を温存できる
今は情報共有が早いから、分散して配備して、一番適した位置から打てばそれぞれの射程が短くても対応できるでしょ
それに、威力って言ってもほぼ装甲がないミサイルなんて少し傷つければ誘爆なり制御不能になって無効化できるでしょ
ブークよりNASAMSの方が新しいし高性能だぞ
両方ともロシア製(ソ連製)なので、盾と矛を売る者みたいな話ですね。どちらが強いかはケースバイケースで、カリブルは空母のような高価値目標に飽和攻撃するのが前提なので、こういうしょぼい攻撃では盾側のほうが有利なんでしょうね。
間違いなく今月中に撤退が始まるだろう…か。
まぁ、これは現場兵士の希望的観測でロシア軍としては引けないだろうなぁ…24日にウクライナの独立記念日があるので、この前後で弱気な軍事行動は取れない。そんなことすれば宣伝戦で不利になってウクライナの士気が上がる。ロシアとしても、これは避けたいだろ。
クリミア大橋への攻撃は24日の独立記念日にあててくるんじゃないか?橋を破壊して新しい記念日にして切手とか作るんだろ。
独立記念日に奪われた土地と侵略国を繋ぐの橋を叩く。 コレに勝る戦意高揚はないだろう。
今月中旬から頻繁に起こる、タバコの不始末や連日の司令部へのドローン偵察は24日に行う、なにか大規模反攻作戦の布石なのでは…
そういえば、だいぶ前のここの記事で「ウクライナ国防省、この戦争のターニングポイントは8月で年内に終結する」という記事があったが、国防総省は相当前から独立記念日に何かを仕掛ける準備をしてたのでは…。 もちろんロシアも黙って何もしないことはないだろうけど…キエフにミサイル飛ばしたり。橋を壊せば、必ず追加の報復攻撃もあるだろうけど。
さすがにロシア生まれのS300は優秀
プーチンも誇らしいだろ
その優秀なs300を大して効果の期待できない市街地へ撃ち込んでる軍隊があるそうですよ。
そんな無駄遣いをする余裕があると思いきや、なぜか足元の軍事基地では対空システムが機能していないようですけど。
ウクライナはS-400が入手できなかったためS-300を独自アップデートしていましたが、S-400に切り替え中だったロシアはS-300をアップデートしておらずウクライナのものより性能が劣っていたのではないでしょうか
以前ロシア軍は鹵獲したウクライナ軍のS-300二両を銃撃で誘爆・破壊していましたが、あの件もロシア軍はアップデートされたウクライナ軍のS-300の仕様が原型から変わりすぎて利用できなかったからと考えれば納得できますし
日本もこんな長SAM欲しいなぁ
ロシアの巡航ミサイルがダメなのか、S-300が旧式にも関わらず優秀であるのどちらなのでしょうか?
後継のS-400はより性能が高いでしょうから、日本こそこのような防空システムを沖縄本島や石垣・宮古島あたりに配備すべきだと思います。
「ミサイルの性能よりも情報は大事」ってことでしょ
おそらく相変わらずAWACSとRC-135による監視と偵察は継続されてるだろうし、
手動読み替えであったとしてもAWACSとIADSが連携してトラッキング対象を追跡できて、後背地向けの亜音速巡航ミサイルを目標にする場合、
SAM部隊が昼寝してても
AWACSによる捕捉、ウクライナへの通報
→IADSへの読み替えとデータリンクの開始
総員起こし→電源車始動→ジャイロのアライン→
目標の選別→射撃が10分くらいで済むので間に合ってしまう。
ウクライナ単独だと(地球の丸みによる)レーダーホライゾンの向こう側から射撃されて、初動が遅れるので対処に余裕が持てない。
逆にロシア側はHARMが出てきてから捜索レーダーも射撃レーダーも常時起動するわけには行かない状態に陥ってる。
そんな感じで、航空領域では戦場把握能力に圧倒的な大差がついてて勝負にならんレベル。
すみません、防空システム詳しい方、何方か教えてください。パトリオット(MIM-104) のPAC-2系は射程100キロ以上あるのでしょうか?以前から英語版WikiのMIM-104で調べててそのように載っているので…。PAC-2GEM+は初期のPAC-1と同じ射程70キロのままなのでしょうか?
スマホで海外記事見る気はないので想像で書くけどこの迎撃はカリブルの弱点突いた結果としか思えない。
こいつの売りは最終20キロ時点での高速突入だから切り離し前の亜音速状態ならば的もでかいし速度も遅くて狙いやすいと思われる。
それならば今回の結果は順当だと思う。もし最終突入段階での迎撃成功なら素直に凄いが流石に博打だと思うので可能な限り遠距離じゃないとワン バイ ワンの迎撃なんて出来ないだろう。
東部は手薄になってきて、スラビャンスク方面よりドネツク市西境でロシア側・ドネツク共和国側のディフェンス戦が中心になった感です。欧州熱波でロシア軍疲弊し、真打ち「冬将軍」の時期も近づいています。ロシア軍は冬酷寒のウクライナで越冬は自殺行為でしょう。ロシア側司令部なら、冬到来前にいったん撤退して体制立て直し・再編成後・春に再侵攻するのが合理的と思いますが、プーチンは撤退は引くに引けずに越冬させるかもしれませんが。
冬を前にロシア軍が引くか引かないか、その判断から政府と軍指導部との関係が読めるかも知れない
ロシアは政治的には占領地を手放さない体質があるから、自国民への手前上そのまま越冬すると読んでるけど。
ロシアが冬に強い自軍の体質を過信して墓穴を掘るコースを選んでくれれば、それも良し
ロシア兵の組織崩壊的な大脱走は避けられないだろ