まだロシア軍の本格的な攻勢は始まっていないもののハルキウ州、ルハーンシク州、ドネツィク州で両軍に動きが観測されており、59日目の状況は以下の通りだ。
ハルキウ州
ハルキウ州のゾーロチウから北西に進んだウクライナ軍はウディの奪還に成功、ハルキウ周辺のロシア軍支配地域は以前よりも大分縮小しているが、今だに自走砲やMLRSでハルキウを狙える地域を確保しているため都市は連日攻撃を受けている。
追記:ウクライナ軍はBezruky、Slatyne、Prudyankaをロシア軍から奪回したと発表した。

出典:GoogleMap 大まかなハルキウ州の状況/管理人加工
ハルキウから東に位置するチュグエフ周辺でもウクライナ軍はドネツ川までロシア軍を押し返しており、Stara Hnylytsiaの支配権を大部分回復することに成功している。
特にPechenihyから東に進めばイジューム方面のロシア軍部隊と後方を分断する事ができるのだが、そこまでの突破力が現在のウクライナ軍にあるのかは不明だ。

出典:GoogleMap 大まかなハルキウ州の状況/管理人加工
ロシア軍が突出部の拡大を図っているイジューム方面はZavody、Virnopillya、Dibrovne、Tykhots’keに到達したロシア軍とウクライナ軍の間で交戦が続いてるが、今のところ戦線に大きな変化はない。

出典:GoogleMap 大まかなハルキウ州の状況/管理人加工
とにかくハルキウ近郊のロシア軍を追い払わない限り、街のインフラ破壊や民間人への被害が止まらないため何とかする必要がある。
ルハーンシク州
ルハーンシク州の中で最も激しい動きが観測されたのはクレミンナ方面とテルニー方面から進軍してきたロシア軍の攻勢に晒されるTors’keとZarichneだ。

出典:GoogleMap 大まかなルハーンシク州の状況/管理人加工
ウクライナ軍は状況が悪化していることを認識しており、街の南側に流れるドネツ川南岸まで部隊を後退させる準備を進めているらしいが、直ぐにTors’keとZarichneを捨てて後退を始めるという意味ではないらしい。
ただドネツ川南岸まで部隊を後退させると多くの街や集落を捨てることになり、スラビャンスク方面の防衛ラインもドネツ川まで下げるとロシア軍の自走砲やMLRSに攻撃を受けることになるだろう。
ドネツィク州
ドネツィク州の中で最も激しい動きが観測されたのはザポリージャ州に近い地域で、ロシア軍はこの辺りの戦線に砲撃を加えて最も脆弱な部分を探し出そうとしていたが、Staromlynivka周辺から北西方面に進軍してTemyrivkaとZelene Poleに到達、ウクライナ軍と交戦中らしい。

出典:GoogleMap 大まかなドネツィク州の状況/管理人加工
ザポリージャ州の戦線でも幾つかの地点でロシア軍とウクライナ軍が交戦しているが、まだ小競り合い程度なので特筆するような突破は観測されていない。
以上が59日目の状況で、ルビージュネやポパスナでもロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続いているが詳しい様子はよく分かっていない。
関連記事:米CNN、ロシア軍がクレミンナに続きルビージュネ中心部を支配した
関連記事:ロシア軍がMLRSでムィコラーイウを攻撃、当局者は避難を呼びかける
関連記事:米国防総省、ウクライナ軍はロシア軍よりも多くの戦車を保有している
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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MLRSの撃ち合いになると弾薬補給が鍵になってくるか。米国の多連装ロケットランチャーに期待
現在の宇軍勢力圏から目標であろうクピャンスクまで直線距離で50〜70kmだから、もう少しで榴弾砲やMLRSの射程に入りそうですからね。
最近ウクライナに関する投稿がたくさんで嬉しいけど、日本含めもう少し各国の軍事情報について管理者に投稿して欲しいです。
でも、ウクライナ以外で軍事的なニュースとして話題になっているのは、中国が極超音速ミサイルとされるミサイル発射映像の公開か、KF-21が初めてのエンジン始動テストに成功して、祝い餅を配布したくらいしかないよ?
あとは海外の軍事ニュースに限定すれば、NGSW関連などがあげられますね。
アメリカ陸軍のM4小銃/M249SAWを代替し、新型6.8mm弾を用いる次世代分隊火器(NGSW)コンペティションはSIG社案に決定したとのことです。
XM5小銃は近接戦闘部隊でM4を代替、XM250はM249SAWを代替。両銃ともVortex製XM157射撃統制装置を搭載するとのこと。
日本関連の軍事ニュースでは、「自民党安全保障調査会(会長・小野寺五典元防衛相)は21日、政府が年末に予定する国家安全保障戦略など3文書の改定に向けた提言案を大筋で了承した」というニュースが話題でしたね。
自民党安全保障調査会(会長・小野寺五典元防衛相)は21日、政府が年末に予定する国家安全保障戦略など3文書の改定に向けた提言案を大筋で了承した。自衛目的でミサイル発射基地などを破壊する「敵基地攻撃能力」の名称は、「反撃能力」に改めた。
敵基地攻撃能力を巡っては、先制攻撃と誤解されやすいなどの指摘が出ていた。このため、提言案は専守防衛を維持した上で、「弾道ミサイル攻撃を含むわが国への武力攻撃に対する反撃能力を保有」すると明記した。反撃の対象は、ミサイル基地に限定せず、司令部などを念頭に「相手国の指揮統制機能なども含む」ことも盛り込んだ。
防衛費に関しては、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が、国内総生産(GDP)比2%以上の国防費を目標としていることに言及し、「5年以内に防衛力を抜本的に強化するために必要な予算水準の達成を目指す」とした。2013年策定の現在の戦略では、ロシアとの関係強化も打ち出していたが、ウクライナへの軍事侵攻を踏まえ、「現実的な脅威」と位置づけを変えた。
3文書のうち、防衛計画の大綱は「国家防衛戦略」に、中期防衛力整備計画は「防衛力整備計画」に変更するよう求めた。同党は近く正式決定し、政府に提出する予定だ。
引用元・リンク
あとは、SM-6などに匹敵する国産の艦隊防空ミサイルである「新艦対空誘導弾」の発射試験が行われます。
試験艦あすかで発射試験が行われるようですね。
ソース・リンク
ほうVortex製のFCSですか。
一部スコープ以外は軍での採用はこれまで無かったのにやりますね。
情報有難うございます。何と米陸軍の次世代小火器は拳銃・小銃・SAWがSIG社製で統一されると言う展開になりましたか。
そう言えば現在のSIG社は米国法人ですから、米軍的にも都合が良いのでしょうね。
それとXM157もコンパクト且つ多機能の銃器用FCSで興味深いです。これまでピカティニー・レールを介してゴテゴテと様々な付属品を装着していたM4系カービンよりも少しはスッキリした姿に変わるのでしょうか?
M5 M250は以外とAR系列と同じ様な操作で扱えるそうですよ、6.8mm弾の貫通力はどれぐらいか興味が湧きますね。
参考動画で形は確認出来ます
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こちらのサイトもいいですよ
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各国の軍事調達・配備関連の情報知りたかったらkojiiさんとこ見るとか。
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正直、ウクライナ戦況追うだけで管理人さんも手一杯でしょうし(しかも翻訳もしなきゃいけないわけで)。
ロシア軍のさる将校いわく、マリウポリは兵糧攻めにしておいて、南部戦線への圧力を強めたいんだとか。だからいまだにヘルソンでモグラ叩きというかワニワニパニックみたいな攻勢をやめないんですね。
次のターゲットははっきりモルドバだと。沿ドニエストルを助けに行くんだと。政治アナリストの”憶測”とかではなく、現役のロシア軍人がそこまで明言しちゃうんだから。侵略根性剥き出しで。
こんどは「モルドバのネオナチがー」って言うんでしょうね、まったく!
現状で目標を公開するということは、達成できないと示しがつかないからやれるだけの自信があるということだけど、これまでの大本営っぷりをみると今回も先走り出しちゃっただけのような気も。
こういう地域別の攻勢を日本語で伝えてくれるのは凄くありがたい。
もしかして、これが精一杯の攻勢なのかも?
ウクライナ軍に撃退されキーウ周辺から撤退したロシア兵達が再び戦える様にするには相当なケアと時間が必要だ、部隊を再編しても有効な戦闘力を得るには時間が必要だ、とISWで口酸っぱく言及していた
でもそれほど時間を置かず、必要な戦力の集結もされてない中攻勢をかけてきた事から、ロシア軍としては未だ健在の戦力をぶつける以外打てる手が無いのかもしれない
ロシア軍の前進が思うように進んでいないのは前衛の装甲戦力がご指摘の通り不十分だからでしょうが、
同時に攻勢の体制を曲がりなりにも維持できているのは、ロシア軍砲兵があまり損害を受けていないからというのもあるのでしょうね。
したがって今後は、前の記事などで取り上げていただいている誘導砲弾や各種徘徊兵器などで後方の砲兵を叩く事が重要なのかなと思います。
その線が強いと思う
キエフから部隊の撤退に成功して欲しかったらしいミリクラの大勢が何を考えてるのかわからんが
凄まじい被害を受けて逃げ散った相手に何言ってんだこいつらとしか思わなかった
ウクライナの公式発表の2万はあくまでもカウントした数でさらに被害を受けてるのが現実だと思う
政治的理由で無理なスケジュール(5月9日)を上が押し付けるから、現場が苦労する。
このままロシア軍の機動戦力が磨り潰されれたら、カスしか残らないロシア軍と、元からグダグダなド人共/ル人共軍しかなくなって、ドンバスが失陥するかもね。
アゾフ海沿岸を奪還できれば、クリミア大橋ミサイル攻撃も可能かもしれない。。。
期限が決まってるとロシア軍が大体どのタイミングで攻勢をかけてくるか予測できてしまうから不利だな
ハルキウが戦前の予想と違って落ちないのはしっかりロシア軍に備えてたってことなのかね。
立地的に早々に攻略されるって話しかなかったけど。
ウクライナの国土の泥濘化はこれから夏に向かって解消されていくのかもしれんが
この戦争はズブズブと泥沼にハマっていっているように感じられて嫌な感じだな
対露・対宇への長期的な国際的対応、関心が軍事的にも焦点になってきそう
関心という意味ではもう日本でもちらほら「飽きた」だの「え、まだやってたんですか?」「普段ニュース見ないんでわかんないス」くらいの言動を聴きますけどね。平和ボケ極まってて…。
ウクライナ云々べつにして日本への経済的な影響、家計も含めてそんな甘言を言ってられないと思うんだが……そういう遠近の出来事を結びつけて考える思考力って鍛えないと得られないからなぁ。
国際的対応という意味ではあんまり心配(?)はしていないですね。
ウクライナが敗れた時というのは、それは戦域が西側諸国へ拡がるという事なので。モルドバ、バルト三国へと。
フィンランドのNATO加盟に対しても「フィン人はロシアの構成民族だ。解体してムルマンスク州ないしカレリア共和国に併合すべきである」くらいのことを平然と言い放つ連中ですからね、ロシア人は。そんな危険な相手を最大限警戒し、ウクライナで撃滅したいと思うのは必然。
コロナの件をみても、人間は自身の安全に関わる事さえあっさり関心を失うものだな…と😔…
しゃあない、人間のワーキングメモリーは限られている。第一優先事項は日々を生きることだから、生存に直接関係ないことに興味を持ち続けるのは難しいです。
既にガソリン代をはじめ生活費にもモロ影響してる訳で「生存に直接関係ない」とは言えないんじゃないかな。
中小企業の社長とか命の危険が。
思ったよりワンサイドゲームになってない…?
本領発揮の圧倒的火力・無慈悲な鉄槌でウクライナ人を残らず地獄に送る、とでも言わんばかりの扱いだった第二期攻勢ですが、未だ戦力が再編されてないのか、それとも戦力の集中という要旨が前線に伝わっていないのか分かりませんが、案外低調なのが逆に不気味ですね。
もともと動員できる120%の戦力を戦線に投入して予備も使い切ってしまった上での最初のニヶ月だったのもありますし、再編と言いつつ結局4方面同時侵攻を3方面同時侵攻に変えただけで、多方面同時押し自体は変わってないのでロシア側の打通威力が劇的に向上していないと言われても納得できてしまいそうですが。ロシアが隠してる幻の主力部隊がこのまま出てこずに前方面で戦線が長期化して、二度とロシア人がウクライナや西側に干渉できなくなるような深いトラウマを持って帰国してほしいですね。
英国防省がロシア軍の攻撃が鈍化してると発表したね
大型兵器供与は決まってるからなんとか前線に来るまで粘ってくれ
ロシア軍、作戦第2段階成果なし
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つまるところ、一進一退で終わりはまだ見えない、ってことでオケ?
25個BTG集中しといて初日でもう頓挫ってるのを予定通りだとか言うやつはただのZの人だろうしそのお膳立てで泣けなし在庫からかき集めただろうの精密誘導打撃がてんで戦果あげて無いの説明のしようもないし
記念日にうるさい東側の国民性でまーた余計に出血広げただけなのただの自滅なんだけど再編不十分で人員の入れ替えだってせず継戦するにも勝ってるならいざ知らず北部からの撤退組とかやる気あるほうがおかしい
つまるところ記念日と泥将軍でまたしても足元すくわれた格好の露軍
>まだロシア軍の本格的な攻勢は始まっていない
最近、この枕詞で始まる解説が多いが、実はこれが今のロシア軍の全力では?と思わなくもない。
期限が切られている以上、今のロシアに余力を残して戦ってる余裕などない訳で。
半導体が手に入らず、戦車やミサイルの供給も途絶えてくるとなると、
今、戦力を惜しんでもジリ貧なだけじゃないかな。
仮に本格攻勢がまだだとしてじゃあロシア側が何を待っているんだと考えると、ロシア国内からの人員・装備含めた増援とマリウポリ包囲部隊の抽出が有力な線だけど
キエフから撤退した部隊が3週間以上経っても未だに再戦力化出来てなさそうなことから見ても、あれだけ激しい包囲戦を1ヶ月以上に渡って戦ってきたマリウポリ包囲部隊が一朝一夕に転進してドンバス攻勢に参加できるとは到底考えられないんよね
この上1ヶ月近くも本格攻勢引き伸ばしてたら西からの軍事支援が大挙して押し寄せてくるし、その間にウクライナがハルキウ周辺を片付けてイジューム後方が脅かされないとも限らんし
戦勝記念日っていう政治マターと軍事上の時間的制約に追い詰められて、なし崩し的にドンバス攻勢始めた結果がこのグダグダな状況な気がしてきた
5月9日なんて、明日(4月25日)から数えてちょうど15日、2週間しか有りませんからね
最速で情報が伝わるとしても、前日の5月8日までには何らかの明らかな成果を上げられなければ、宣伝には使えませんし……
ロシアの攻勢が始まったと言うけれど、もっぱら動きがあるのは東の前線であって、そこを取ったり取られたりはずっとやっていたのだから、なんなら8年前からやってたのだから、そちらからの攻めで画期的に変わるとは考えにくいんですよね。イジュームにいるロシアの装甲部隊が突出部のウクライナ軍を包囲してこそ今回のキャンペーンは成功だと言えますが、そこが動かないので「いつになったら本気出すんですか」感があります。このままでは進めないから情報収集と増強を図っているという説もあります。