DEEP STATEはクルスク・スームィ方面について24日夜「ロシア軍が安定的な足場を築くことに成功してバシフカ、ノヴェンケ、ジュラフカ、ヴェセリフカを占領した」「ロシア軍がビロボディへの侵入を試みている」「ロクニャの状況が困難だ」と報告し、RYBARとスームィ方面について評価が概ね一致した。
参考:Мапу оновлено
参考:Просування ворога на Сумщині
参考:Визит Владимира Путина в Курскую область 21 мая 2025 года
ロシア軍は防衛ラインの脆弱な部分を見つけ、歩兵を送り込み続けたことで徐々に戦力が蓄積され安定的な足場を築くことに成功
ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARはクルスク・スームィ方面について4月22日~5月21日までに「ロシア軍がオレシュ二ャを奪還した」「ロシア軍がH-07に沿ってスームィ州内に前進した」「ロシア軍がロク二ャ集落内に侵入した」「ロシア軍がビロボディ方向に前進している」と報告、プーチン大統領も21日にクルスク州を実務訪問し、RYBARは「クルスク州の完全奪還を宣言後初めての訪問で、これは象徴的な意味を持つ」と指摘した。
DEEP STATEはスームィ州バシフカ、ノヴェンケ、ジュラフカ、ヴェセリフカについて「ロシア軍は安定的な足場を築けていない」「そのため同地域はグレーゾーンだ」と主張してきたが、24日夜「ロシア軍が安定的な足場を築くことに成功してバシフカ、ノヴェンケ、ジュラフカ、ヴェセリフカを占領した」「ロシア軍がビロボディへの侵入を試みている」「ロクニャの状況が困難だ」と報告し、3月上旬に始まったロシア軍によるスームィ州侵攻の経過について以下のように説明している。
“ロシア軍はスヴェルドリコヴォを奪還し、我々を国境付近の陣地から遠ざけスジャに対する兵站遮断を開始した。この試みはノヴェンケ方向で始まったものの、この集落は物理的に存在しなくなり、人工的に築かれた陣地や侵入地点に身を隠さなければならず成功しなかった。ノヴェンケ周辺にしがみつく敵を押し戻すことに成功したものの、ウクライナ軍も敵の継続的な圧力とドローン攻撃でその場に長く留まることが出来なかったが、同じようにロシア軍もそこに長く留まることが出来なかった。そのため敵はジュラフカ方向の攻撃を強化してきたが、ウクライナ軍は敵を国境沿いで封じ込めることに成功した”

出典:Сухопутні війська ЗС України
“ロシア軍はノヴェンケを素通りしてバシフカに向かおうとしたが、ウクライナ軍は増援を送り込むことで敵の定着を長い間食い止めることに成功した。そのため敵は別の突破を模索するようになり、ジュラフカとノヴェンケの間で防衛ラインの脆弱な部分を見つけ歩兵を送り込み続けた。残念ながら徐々に蓄積された戦力は我々を上回るようになり、遂にバシフカ、ノヴェンケ、ジュラフカ、ヴェセリフカのラインに沿って安定的な足場を築くことに成功してしまった。ウクライナ軍はこれ以上の前進を阻止して状況を安定させるため昼夜を問わず敵を攻撃している”
因みにRYBARは「クルスク州テトキノ方向とノヴィ・プット方向でロシア軍とウクライナ軍が交戦している」と報告しているが、ロシア側からの情報しかないため状況は良く分かっていない。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
戦況地図更新ありがとうございます。
Deepstateは軍に睨まれているのか以前ほど頻繁かつ不利な戦況更新をしなくなった印象です。ここに来てのブトゥソフ氏の入隊も裏がありそうと感じました。
ヴォルチャンスク方面やクピヤンスク方面でも新たな攻勢があり、以前ほど静的な前線ではなくなりました。プーチンの緩衝地帯宣言はスーミィのみならずチェルニヒウも含むと言うのが地味にビッグニュース。アクティブな前線が増えるほど人的資源の深刻な問題を抱えるウ軍の能力を超える地域が増えるでしょう。
ロシアによる無人機や弾道弾による空襲も激しさを増し、トランプ当選が予想した通り、停戦に期待は持てません。
>Deepstateは軍に睨まれているのか以前ほど頻繁かつ不利な戦況更新をしなくなった印象
特に更新頻度は落ちてません。ただの思いこみです。
(3年前)開戦初頭、スジャ市周辺~地図南の森林地帯を防衛線として損害を与えていたものの、一気に浸透された記憶があります。
現在、スジャ州ウクライナ領内に侵入されていますが、ウクライナ軍前線部隊が、3年間ここまで充分に耐え抜いてきたなと感じています…
戦果アピールの為にクルスク侵攻という”余計なこと”をしたせいで6州目であるスームィも取られ始めました。蜂の巣をつついたあげく追い出された上に更に新しい土地を奪われていくことになるとは、去年のウクライナ応援者のあの高揚感は何だったのでしょう。。。
スームィ周辺は道路事情的に選択肢が狭いのだとかで両軍にとって攻めにくく守りやすい地形らしいです
なので劇的な変化は望めないとしても着実に陣地を得て拠点化したという事実は面倒でしょうね
スジャ北方~スジャ~スームィの車輛残骸を見ると、もちろん両軍被害は出ているわけですが…
攻勢に見合った成果が得られたのか(南ドネツクの苦戦)、部分停戦交渉を中断してまでの価値があったのか、厳しい評価になりますよね。
ウクライナ軍は、ロシア軍が手薄にしていたというかほぼがら空きに近かったクルスク州に攻め込んで、森林地帯に大きな突出部を形成して戦果を誇示し、占領部隊として十数個旅団を投入しましたが。
ロシア軍は、ウクライナ軍が彼らなりに守りを固めた突出部をそれなりに時間をかけたとは言え完全に奪回し、スムィ州にまで逆越境しています。
底力の差は明らかでしょう。
ゼレンスキーは、「スムィ州への侵攻を未然に防ぐためにクルスク州に越境攻撃した」、「クルスク州占領地域は『互いの占領地域を交換する』交渉のための材料として、交渉妥結まで保持する」と言ってました。
これからどうするつもりなのやら。
「勝利計画」なんてのもありましたね。
今の時点では国民の士気を高揚させたとか、優勢な敵に一泡吹かすことができたとかいう「気持ち」の問題で正当化できてしまうので、客観的な結果は戦後に判断されるのではないでしょうか
やはりこの戦争は両国民が「気持ち」のためにどれだけ実生活を犠牲にできるかが鍵になっています
戦況図の更新ありがとうございます。
南東部の戦線の変化ではなく、まさかのスームイ方向の変化でした。このところ、大きな変化はなく、膠着しているようでしたが、それが春の泥濘期のせいなのかトランプの無駄な騒動のせいなのかわかりませんが、互いに空中戦に集中していたのかと思っていました。しかし、ロシアも国境安定のためのスームイ侵攻に徴兵を動員できているのだろうか。北朝鮮兵の支援でやっとこさクルスクを解放できたような。ロシアの法律の考え方わかりませんけどね。ロシア国内のイスラム教徒や仏教徒にとっては他人事だし、兵員不足はロシアもウクライナも同じ。特にロシアは、北朝鮮の支援でやっとこさ反撃したくらいだから。今年もまた、両軍ともに決定的な進撃はなさそう。
変化はこの方面ではそれほどは起きていないのでは?
起きたのは「DeepStateが認めた」グレーの一部を赤に変えただけで。
スムイ方面はユナキフカの攻防が一つの山場なのかなとは思います、テトキノ方向はウクライナが南と東から攻勢かけ南は市街戦に入り東は攻勢が頓挫したらしいとしか分かりませんが結構なリソース割いていると思いますがテトキノに攻勢かけている状況では無い様な気がするし、ロシアの主攻勢は首尾一貫で東部方面の様なので東部に手厚くリソース廻さないと東部が崩される展開も十分に考えられると思う。
現時点でウクライナ側が保持しているクルスク州側の寸土を幾ら守り抜いた所で、
ロシアのスミィ州側占領地が交換になるのかさえ不透明だし、ユキナフカの東側面を守るにしても北からロシアが迫っているのを防げなければ結果は同じ
ロシア側の4州割譲は大ボラだとしても、ウクライナが交渉で更に不利になるのは確実。アメリカも不利な要素が積み重なれば、ロシア有利の講和を勧めざるを得ない訳で、ロシアもそのディールの材料に4州割譲を持ち出してるだけに過ぎないだろう。
4州割譲さえ引き込めさせば、今の占領地全てを失っても交渉に勝った気分にはなる、でも多くのウクライナ領が奪われる事には何の違いもない。