ウクライナ戦況

アウディーイウカの戦い、ロシア人もウクライナ軍の防衛拠点を制圧したと報告

ウクライナ人が運営するDEEP STATEやジャーナリストのブトゥソフ氏は19日「アウディーイウカの危機的状況」を訴えていたが、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも「ロシア軍がツァルスカ・オホタやダーチャを制圧した」と報告した。

参考:Битва за Авдеевку: продвижение ВС РФ на южном фланге

RYBARもツァルスカ・オホタ制圧を報告、カムヤンカの南側についてはDEEP STATEやブトゥソフ氏の報告より状況が悪い

ウクライナ人が運営するDEEP STATEは19日「悪天候を利用してロシア軍がカムヤンカの南とツァルスカ・オホタを攻撃した。まだ前者の状況は制御されているものの、アウディーイウカ南郊外の状況は制御不能に陥っている。ロシア軍はツァルスカ・オホタ(レストランもしくはレクリエーション施設)からソボルナ通りに沿って市内に侵入した」と報告、ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏も「敵がアウディーイウカ郊外の建物に足場を築いた。今直ぐ増援を送らなければ市内に定着されてバフムートの二の舞いになる」と主張。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

両者とも「ロシア軍がどこまで前進したのか」は明かさなかったが、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは20日「数ヶ月に渡る戦闘の末、ウクライナ軍の拠点があったツァルスカ・オホタの制圧に成功した。ロシア軍はツァルスカ・オホタの北西に攻勢を試みており市内への侵攻も遠くない。さらにツァルスカ・オホタの南東に位置するダーチャ解放に関する情報もある」と報告、更新した戦況マップの中で「ソボルナ通りに沿ってロシア軍が市内に到達している」「市内にグレーゾーンが広がっている」と示唆。

さらに興味深いのはRYBARが主張しているカムヤンカの南側(アウディーイウカの東側)に関する状況で、この方向はDEEP STATEの報告よりも「状況が悪い」と示唆しているが、どちらにしてもRYBARの主張=黄色斜線の範囲は「ウクライナ側からの情報」や「視覚的証拠」によって裏付けられていない。

出典:Минобороны России

但し、DEEP STATEもブトゥソフ氏も「アウディーイウカを守るウクライナ軍は人員が不足している」「今直ぐ増援を送って突破口を塞がないと不味いことになる」と訴えているため、RYBARの報告は事実に近い可能性もある。

因みに双方の陣営から「ロシア軍がクピャンスクとスバトボを繋ぐP07沿いの集落(クロフマリン)方向に前進した」という報告もあり、年末から動きが少なくなっていた前線で戦闘行為が活発化しているのかもしれない。

関連記事:アウディーイウカの戦い、ロシア軍が防衛ラインを突破して市内に侵入
関連記事:シヴェルシク方面の戦い、ロシア軍がヴェセレを占領しウクライナ軍は後退
関連記事:アウディーイウカの戦い、ロシア軍が郊外のポンプ施設とダーチャで前進
関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、兵士の自己犠牲で前線が支えられている

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

ウクライナ軍兵士、とっくの昔にドニエプル川左岸での主導権を失っている前のページ

クピャンスク方面でロシア軍がクロフマリンを占領、アウディーイウカでも前進次のページ

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コメント

    • 希望の光
    • 2024年 1月 21日

    年末から静かだった分大きく動いたように見えるがウクライナ軍には悪い意味で粘り強さがあるのでアウディーイウカは4月ぐらいまで持ちこたえるのでは。それまでに欧米の支援が再開すればまだ起死回生のチャンスはあるかと。危険な賭けですが。

    10
      • 歴史と貧困
      • 2024年 1月 21日

      その考えはゼレンスキーを喜ばせるだけの、前線兵士を地獄へ送る呪詛に等しい。戦争において、蜘蛛の糸に縋ることは絶対にしてはならないタブーであり、おっしゃる通り“悪い意味”にしか機能しない。
      ・希望敵観測を元に計画を立てるな
      ・もしかしたら持ちこたえられる「かも」はNG
      ・チャンスはある「かも」と発言する参謀はクビにすべき

      ザルジニー総司令官ならいざ知らず、ゼレンスキーに“希望のある夢物語”なんて吹き込んだ日には、クリンキーの二の舞いになるだけ。

      41
        • ( ゚Д゚)
        • 2024年 1月 21日

        その通りです。私も過去の記事で、同じ発想で「善意の支援を前提に作戦を立てるな」という趣旨のコメントをしました。約束された兵器が概ね期日通りに届いている間はともかく、大幅な遅延が発生したり数を揃えられる見込みが立たなくなってきた時点でその支援は立ち消えたものとして(遅れて多少届いた分が有ればラッキーだったと)捉えて今後の方針を決めないと、事態は常に想定より悪い方向に推移してしまいます。

        15
      • どぶろく
      • 2024年 1月 22日

      良く言われる、ウクライナ兵の粘り強さとは何でしょうか?武器や食料がなくても大丈夫とかなんでしょうか?しかも武器、国家資金等、全て西側諸国からの喜捨ですよ?粘り強いのなら、そんなもんいらないんじゃないのでしょうか?
      ある意味軍事史的に後世に名を残す戦争ですね。

    • たむごん
    • 2024年 1月 21日

    ザルジニー総司令官が、12月26日に、2・3か月後にアウディーイウカ陥落の可能性について触れています。

    ドネツクの平均気温は、2月初旬が最も低く、そこから暖かくなっていきます。

    2月中旬・後半から、どういった動きが出るのか見守りたいと思います。

    10
    • kame
    • 2024年 1月 21日

     「アウディーイウカを守るウクライナ軍は人員が不足している」「今直ぐ増援を送って突破口を塞がないと不味いことになる」。こういった主張は理解できますが、今の所、ウクライナ軍に目立った形での増援がない以上、そもそも増援を送ることが人員面でも、戦線維持の面でも不可能という事を表してる気がするんですが、どうなんでしょうね?
     後方に防御陣地を形成し始めてるので、限界まで現状戦力で時間稼ぎさせるつもりにも感じられますし、撤退も許可されてないのかな。マリウポリの時は一部ウクライナ兵士が自主的に降伏しても、ウクライナ政府が暫く認めずに粘ってましたが、今回も同じような形になりそうですね。

    34
      • タチコマァ
      • 2024年 1月 21日

      まぁ、以前の記事でロシア側の攻勢戦力が4万+αに対してアウディーイウカ展開のウクライナ軍7~8000程度とは以前触れてましたからねぇ
      単純計算で五倍の戦力投入していればいつか陥落はするのは事実
      ただ既にアウディーイウカの戦闘が本格化して100日以上でどれだけ進出したのか、またロシア側専門家もアウディーイウカの重装備や主力は殆ど脱出していると言及しているのでウクライナ側もこの方面は時間稼ぎ出来れば良いと判断している可能性はあります

      9
    • もも
    • 2024年 1月 21日

    包囲網が完成する前に撤退するべきでは…?
    熟練兵士が殲滅されるのは避けたい。

    5
      • そもそも
      • 2024年 1月 21日

      ここまで包囲網が狭まると
      もう退却も自由に出来ないと思いますよ

      ロシアは多連装ロケットを使って
      退路に地雷をばら撒く事もできますし
      重装備は捨てて逃げるしか無いでしょう
      自爆させる爆薬がなければ
      ロシア軍にプレゼントする羽目に

      11
        • Easy
        • 2024年 1月 21日

        大丈夫でしょう、もう自爆させるほどの装備も弾薬も残ってませんよ。

        8
    • 名無し
    • 2024年 1月 21日

    どう考えても撤退した方が良い状況にも関わらず、市内で抵抗して無意味に貴重な精鋭部隊を擦り減らしていくという点がまんまバフムート戦と同じなんですよなあ

    ただ背後にチャシブ・ヤールやコンスタンチノフカといった後退して一旦体制を立て直すことのできる街のあるバフムートと違い、アウディーイウカの場合は周辺にそのような規模の街が一切無く、小規模な集落が点在しているのみのため遥かに状況が悪いという

    しかしアウディーイウカはドネツク市の目と鼻の先にある戦略的要衝であるという点に加え、この間失陥したマリンカ同様にロシア軍の補給網に砲撃を加えて使用を制限することが出来てましたし(ただそれに加えて侵攻以前の紛争時代からドネツク市の市民を標的とした無差別砲撃を行っていましたが)、さらにウクライナが考えていた将来のドネツク州全域奪還作戦のための絶好の拠点となり得る街でしたが、ここを失った場合上で述べたように周辺にドネツク市攻撃のための拠点となるような大きな街が存在しないうえ、逆に高地にあるというこれまでウクライナ側の利点であった街の特性を今度はドネツク市防衛のための格好のロシア側拠点として活用されることになってしまうので、ただでさえ増援を送ることすらできず国内の強制徴兵や海外在住のウクライナ人男性を徴兵の標的にしようとするほど兵員の損耗が激しく、武器弾薬や支援も滞りつつあるウクライナはドネツク州の奪還がほぼ絶望的になってしまいますからね

    なのでゼレンスキーら政治指導部が事実上の死守命令を下している感じになっているのは分からなくも無いですが、戦争継続のための人員温存という観点からすると悪手以外の何物でもないので既に手遅れではあるものの一刻も早く撤退させるべきなのですけど、それが最初からできる様な政治指導部や軍首脳部なら現在の戦況も悪いのは変わらないもののだいぶマシになっていたでしょうから、まあ多分無理でしょうな…

    53
      • Easy
      • 2024年 1月 21日

      損切り出来ないのがこの戦争でのウクライナ側の一貫した傾向ですね。勝てれば「粘り強い精強なウクライナ軍!」と美談に出来ますが、ここまでことごとく拠点を失っていますので。
      これでも最終的に勝てれば全部オッケーになりますが、さて歴史の審判はこの先どうなることやら。

      44
    • ポレ
    • 2024年 1月 21日

    ロシア軍はここまで半包囲できてれば
    送られてくる増援を次々と削って
    ウクライナに出血を強いることが出来る

    マリウポリの時も同様で
    ウクライナ軍は強制ヘリボーンで救援を送っては
    待ち伏せに遭い撃墜されてました

    ウクライナは「英雄都市」に祭り上げた結果
    政治的理由で撤退判断が出来ない
    自縄自縛に陥っていますね

    35
    • つぐみ
    • 2024年 1月 21日

    欧米諸国は軍資金を捻出するためにウクライナがロシアに勝利した場合にロシアが支払う賠償金を担保に債券発行するのを検討してるみたいだけど、

    このズタズタな前線の状況を見てロシアに勝てる見込みがあると考えてる欧米諸国の認識能力の低さに辟易するね

    表向きでも支援する姿勢を見せないとウクライナが吠えてうるさいから適当に案出ししてるのかもしれないけど、この後に及んでこの様かって思うね

    23
      • 匿名
      • 2024年 1月 21日

      恐らくロイター記事の事でしょうが、あくまで一コラムニストの意見であり、個人的には意思決定を負う立場に無い一市民が言論の自由を行使した内容と思っています。
      また「ロンドン」と記載されていたので、敢えて感想を言うなら「とても勇気ある提案」を出す「大変興味深い」考え方をしたコラムニストだと思いましたね。

      12
      • ak
      • 2024年 1月 21日

      たぶんそれに該当するロイターの記事「コラム:ウクライナ支援金の捻出、有力な次善策は「賠償担保債」」にも少し書かれていますが、

      現在凍結されているロシアの海外資産は現在進行形で利子による利益を生み出し続けているので、その「利子の部分だけ」を使って資産運用すれば、その運用利益は合法的にウクライナの為に使えるのではないか?
      という考えが有って検討中だというのは、以前別のトピックで私が投稿した事が有りますので何らかの「抜け道」を探しているのかもしれません。
      なにせ外国の資産を勝手に理由を付けて奪える前例が出来れば、その国(欧米)に資産を預ける国は無くなりますので自殺行為です。
      資産として預けなくても「貿易の為の支払い用一時金としてのプール」はどこの国でも貿易相手国金融機関などに一定額は持っているので猶更になります。

      あと記事の中でも書かれていますが、「ロシアから賠償金が取れた時点で初めて還付される債権」なので、その信用度は北朝鮮の国債以下の価値にしかならないでしょうね。今の情勢では額面の10%ぐらいの価格でしか売れないかも。

      18
        • NHG
        • 2024年 1月 21日

        時代に遅れてきた帝国主義と評される大日本帝国からさらに80年遅れてやってきた帝国主義・ロシアへの懲罰という側面をどうグローバル・サウスと共有するかですよね
        それができなきゃアフリカや南米を植民地化してた欧州や、韓国と現在進行形でもめてる日本にたいする超特大ブーメランにしかならない

        6
        • そもそも
        • 2024年 1月 21日

        利子は盗んでも良いという
        法的根拠がよく分からないんですよね

        21
          • ( ゚Д゚)
          • 2024年 1月 21日

          理屈としては「凍結中の資産に利息は発生しない(より正確には本来の持ち主に与えなくて良い)」と法的に解釈できないかを検討しているということではないでしょうか。まあ屁理屈のような理論だとは思いますけど。

          13
            • 名無し
            • 2024年 1月 21日

            普通に考えたら利息は当然に支払い義務がある、更に凍結によって資金を動かせなかった事で生じた不利益への損害賠償が追加されるというのが筋だと思いますけどね

            17
              • ( ゚Д゚)
              • 2024年 1月 21日

              「普通に考えたら」当然あなたが正しいです。

              12
      • たむごん
      • 2024年 1月 21日

      ウクライナ債券、利払い停止(デフォルト)ですし、無担保債を買う人は寄付してくれるような人でしょうからね…。
      賠償金を返済原資にするのは、まあ難しいかなと。

      凍結資産に勝手に手を出せば(特にロシア中央銀行の資産)、中国・サウジ・UAEなど、各国が欧米日から大量の資金を逃がして、株や不動産が大暴落するため難しいでしょうね…。

      >欧米諸国は軍資金を捻出するためにウクライナがロシアに勝利した場合にロシアが支払う賠償金を担保に債券発行するのを検討してるみたいだけど、

      9
    • 兵長
    • 2024年 1月 21日

    やはり上陸されたらやばいので、日本は上陸してくる物体を全部沈めて、飛んで来る物体を全部落とせる体制を早く整えて欲しいね。
    部隊改変して、高射、地対艦に人を回した方が良い。

    1
      • きゅうり
      • 2024年 1月 21日

      全部撃墜、全部迎撃というアメリカでも不可能な非現実的な目標はかえって軍事組織にとっては果てしなく予算やリソースを無駄遣いする事になりますよ
      結局戦力も軍事力も国の経済状況や人口と相関するものなんで少子高齢化が進む日本は核軍備含めて絵空事かと

      25
        • 兵長
        • 2024年 1月 21日

        いや、そりゃ勿論そうですけど…
        要は脅威に会わせた効率的な防衛力整備をして欲しいって事です。
        すいませんね(^-^;

        1
      • 名無し
      • 2024年 1月 21日

      ゲームじゃあるまいしそんな事は不可能です

      20
        • 兵長
        • 2024年 1月 21日

        100%は無理ですからね(^-^;
        脅威に会わせた効率的な防衛力整備をして欲しいって事が言いたかったです。
        なるだけ戦死したく無いので笑

        1
      • タチコマァ
      • 2024年 1月 21日

      ロシアの上陸阻止自体はウラジオストクの軍港潰せたら大体どうにかなりそうではある
      ロシア海軍の艦隊戦力ははバルト海に黒海、北海、カスピ海、太平洋と距離が離れすぎてて融通が困難、しかも事実上黒海とバルト海の艦隊は動かせなくなってますので現地の軍港と艦隊さえ処理出来れば脅威としてはかなり減衰する
      後は航空戦力については何とかして奥地の空軍基地を叩ければ……

      2
    • 暇な人
    • 2024年 1月 21日

    ロシアのクリスマス休暇が終わって兵員が戻ってきたんじゃないかなあ
    路面も凍結して車両を使いやすくなってきたし

    16
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2024年 1月 21日

      年末から急激に戦況に変化がでなくなったと思っていましたが、呑気にクリスマス休暇(1月7日前後)のためのローテーションをできるだけの余裕がロシア側にはあるという事になるんでしょうね

      9
    • 774
    • 2024年 1月 21日

    そういえば以前のアウディーイウカの記事でまだ現地住民が少数残っているとあったと思ったのですが…
    彼らはどうしてるんでしょうね

    6
    • L
    • 2024年 1月 21日

    この記事の内容にはないけどT-90M がブラッドレーに撃破された動画を見つけた。まずIFVが戦車と遭遇戦っていうのも面白いが、ブラッドレーにそんな火力あったっけ?

    2
      • 献上システム
      • 2024年 1月 21日

      撃破というよりおそらく射撃管制装置を破壊したミッションキルだね。
      別の動画によるとT-90Mは頓挫した後FPVドローンの特攻受け乗員3名が脱出している。
      流石に25㎜では装甲までは貫けなかったようだ。

      12
        • L
        • 2024年 1月 21日

        へー面白いな
        ブラッドレーの乗員が弱点はゲームで知っていたとインタビューで答えてた。FCSキルが弱点とするならこのゲームというのはWTのことだよね

        6
        • TKT
        • 2024年 1月 21日

        まあ25mm砲弾でT-90Mの主要な装甲板を貫通するのが至難、あるいはほぼ不可能であるにしても、25mm機関砲の連射、あるいは
        「銃眼射撃」
        によって、戦車内のロシア戦車兵の視界を遮る、他の目標から注意を逸らさせる、
        「目くらまし」
        をするということは可能です。

        「銃眼射撃」
        の効果は、25㎜機関砲に限らず、12・7㎜機関砲でも、7・62㎜機関銃でも同じであり、それらの砲弾、銃弾で戦車の装甲を貫通できないからと言って、射撃が全く無駄になるとは限りません。もちろん激しい動揺や、震動だけで照準器や弾道計算機、赤外線カメラなどが壊れることもあります。

        その間に、味方の歩兵がRPGや爆薬、火炎瓶などを使った肉薄攻撃をしたり、あるいは爆薬を搭載したドローンを激突させる、といった戦法も可能になります。そういう戦法はノモンハン事変のことからありました。

        ただロシア戦車の方が2台、3台、それ以上といった複数で連携して突撃してくる場合は、目つぶし射撃を行うブラッドレーが後ろの戦車から砲撃されてやられるリスクもあります。常に一対一とは限らないのです。

        2
      •  
      • 2024年 1月 21日

      私は兵器単位の話にはあまり詳しくありませんが、いくらか上がっている別視点の映像から戦闘経過を推察するとこのような感じだったのかなと

      1.T-90Mが道路を直進しT字路の頭に差し掛かる
      2.待ち構えていたM2がT字路を走り抜けながら徹甲弾で攻撃
      3.慌ててT-90Mが主砲で何発か反撃を行うが外れる
      4.この間にM2の攻撃が運良く砲身基部に直撃
      5.T-90Mは攻撃不能になったが乗員は気づかず反撃を試みる
      6.砲身基部の被弾から装填された弾薬に引火し爆発
      7.T-90Mが離脱を試みるも追撃を受ける
      8.砲塔後部弾薬庫を集中的に攻撃されて大爆発
      9.砲塔の回転を制御不能できなくなり木に激突して擱座

      珍しい至近距離での遭遇戦ですから運用面から何点か考察されます
      ・T-90Mの性能
      これだけ集中攻撃を受けているにも関わらず乗員は3人とも無事に脱出している
      M2の攻撃は車体側面すらも貫徹出来ておらず、また砲塔が大爆発するほどの損傷を受けてなお車体内に被害はない
      今回の被撃破は砲身基部への本当に不運なまぐれ当たり原因であり、むしろT-90Mの堅牢さを示した事例と言える
      反面、最初の攻撃でセンサーを壊されたのか、元から駄目なのか、乗員の練度の低さが原因か、は定かではないにしろ少なくとも今回は照準能力でM2に負けている
      ・T-90Mの乗員の能力
      待ち伏せ攻撃に対して果敢に反撃を試みて前進しておりむしろ士気の高さと自国の戦車と状況に対する自信がうかがえる
      また、装填弾の爆発という状況に見舞われてもビックリ箱化に至っていないことから弾薬庫以外のラックに予備弾を置かないというマニュアルはきっちり守られている
      反面、M2相手であれば主砲にこだわらず同軸機銃で十分撃破を狙えたのでは?という疑問がある
      また車長の退避の判断は早計で、砲塔がこのように壊滅的な損傷を負っても車体内に火災が起きた形跡はなく、脱出して近場の物陰に隠れるよりマニュアル通り車体内に留まった方が安全だったものと思われる
      総合して練度は高くもないが低くもなさそう
      ・T-90Mの運用
      マニュアルには戦車は必ず2両以上で連携して運用することと明記されており、この点で指揮官の運用は落第点
      実際今回の戦闘も僚機がいれば結果は違った
      おそらく自動車化歩兵中隊との共同作戦で別方向から歩兵が前進しているものと思われるが、攻撃は失敗だろう
      ・M2の状況
      M2の乗員は非常に勇敢で素晴らしいパフォーマンスを示した
      ただし待ち伏せとはいえIFVで戦車に正面から挑むという行為は非常に危険であり、その上本来はTOWを用いるべきところを機関砲で攻撃しなければならないという状況は間違いなく好まれるものではない
      TOWは在庫切れだろうか?現地の状況はなかなか厳しそうに思う
      今回の事例は綱渡りのような成功と言える
      逆に言えば指揮官は限られた資源の中で非常に博打的な防御を成功させており、嘉数の藤岡中将を思わせる素晴らしい能力を持っているようだ

      27
      • kitty
      • 2024年 1月 21日

      TOW使わないで機関砲で擱座させたのは確かに「人が犬を噛んだニュース」なんですよね。

      6
    • 29
    • 2024年 1月 21日

    コークス工場あたりの侵攻が事実なら、そこを上手くやられてしまうと
    なかなかデカい範囲で切り取られてしまいそう

    1
    • lang
    • 2024年 1月 21日

    誰かが言ってたゼレンスキーが軍に力を持たせたくないから動員を嫌がってるんじゃないか説も
    少しは信ぴょう性あるかも・・・?

    1
      • うくらいだ
      • 2024年 1月 22日

      そうなんですか?単純に動員はしたいが、自分の政治生命かけることになるからその決断をうまく他人に押し付けようとして長引いてるだけだと思ってました。

      1
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