ウクライナのマリャル国防次官は「東部戦線のロシア軍はクピャンスク方面に戦力を集中させている」と言及していたが、ハルキウ州当局は当該地域から住民の強制避難を開始しており、クピャンスク方面の状況は急速に悪化している可能性がある。
参考:На Купянщине начинают обязательную эвакуацию из 37 населенных пунктов
ロシア軍は反攻作戦の牽制を兼ねてクピャンスク奪還を本当に狙っている可能性がある
ウクライナ軍とロシア軍の地上戦はヘルソン州のダチ、コザチ・ラヘリ、ドニエプル川の中洲、ザポリージャ州のオレホボ、ロボーティネ、カムヤンスキー、ドネツク州のマリンカ、ヴーレダー、アウディーイウカ、バフムート、トルスケ、ルハンシク州のビロホリウカ、クレミンナ、マキイウカ、カルマジ二フカ、ナディア、ノボエホリフカ、ステルマキフカ、ノボセリブケ、ハルキウ州のクピャンスクで行われており、この中でもクピャンスク方面の戦闘が著しく激化しているらしい。
この方面の戦いに関する視覚的な証拠は本当に少ないのだが、ロシア側だけでなくウクライナ側も「クピャンスク方面が現在のホットスポットだ」と主張しており、ウクライナのマリャル国防次官も「東部戦線のロシア軍はクピャンスク方面に戦力を集中させている」「ロシアは昨年秋に失った地域の支配権を取り戻そうとしている」「敵の攻撃を失敗し続けているが攻撃は非常に激しい」と言及、ハルキウ州当局も9日「クピャンスク地域からの強制避難」を発表した。
オスキル川沿いにクピャンスクに向かうロシア軍の動きは最近始まったものではなく、3月頃から足場を築くためドヴォリチネ、フリャニキフカ、マシュティフカを制圧し、ハルキウ州当局も「クピャンスク東岸地域に住む市民の部分的避難」を開始していたが、7月に入ってオスキル川沿いの森林地帯を巡る戦いが本格化、シルスキー陸軍司令官は「敵がクピャンスク方面でも攻勢を開始した」と明言したものの、強い調子の言及から連想される戦闘規模と登場する視覚的な証拠数が釣り合わず、何が起こっているのかは未だに良く分かっていない。
しかし「シルスキー陸軍司令官がクピャンスク方面に入った」という報道もあるため、マリャル国防次官の言及、ハルキウ州当局の強制避難も加味すると「小競り合い程度の戦闘ではない」と考えるのが妥当で、ロシア軍は反攻作戦の牽制を兼ねてクピャンスク奪還を本当に狙っている可能性がある。
因みにウクライナ軍のチェレバティ報道官は7月「敵がクピャンスク・リマン方面に兵士10万人以上、戦車900輌以上、大砲555門以上、MLRS370輌以上を集結させた」と指摘したが、この数は東部戦線に存在する兵士の総数で、兵站などの後方部門に所属する兵士も含まれているため「10万人以上の兵士が束になって攻めて来る」という意味ではない。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
ウクライナ軍は、南部の総攻勢やバフムト方面などに兵力をつぎ込み続けてクピャンスク方面の兵力が薄くなっておたのかも。
クピャンスク方面は、戦力的には重要だけど、ウクライナ軍に比べるとかなり兵力の少ないはずのロシア軍に大規模な攻勢兵力はあるのかな?
また、クピャンスクの住民の強制避難といっても、このへんの住民はロシア軍を待っていている人たちが多いと思うのだが。
だからこその強制避難ですよ。敵の第五線てやつ。
>このへんの住民はロシア軍を待っていている人たちが多いと思うのだが
ロシア占領下にある時にロシア軍に協力してたような住民はウクライナが解放した時にロシア軍と一緒に逃げたかウクライナ保安庁に逮捕されてるので、今残ってるのは政治信条はない属性の住民かと。
元々、このエリアは人口も少なく、大規模な軍を支えるような都市のインフラがないので
ウクライナ軍の兵力はあまり多くなかったはずです。
自立性の高い軍隊と言えど、軍を長期間維持するには都市のインフラを活用せざるを得ないので
この地域に大軍を配置することは簡単ではないのです。
>クピャンスクの住民の強制避難といっても、このへんの住民はロシア軍を待っていている人たちが多い
ロシア側の脳内妄想を鵜呑みにし過ぎですよ。
そうであれば侵攻直後に「パンと花束で歓迎する住民」が大勢現れたはずです。
ブチャとかの北部はともかくDPR含む東部は元々先祖が移民なんで大多数が親露ですよ。
それがあるから移民を安易に入れるのは難しいんだな。
西ローマはゴート族大移動を受け入れた為に東ローマより1000年近く早く滅亡した。
住民にとって賛否が分かれるので、それが不幸か否かは議論の余地がある。
日本も人口減で、どう舵取りするべきか悩み処だ。
中国相手だとどうなるかは分からないが、ウクライナについていえば第5列が入り込んだ程度とみるべきでしょうね。
日本としても移民規模や受け入れ条件等で参考にすべき貴重な事例教訓が得られたものと。
親ロといっても、少なくとも戦前ロシア側が思い込んでいた「ロシア軍を解放者として歓迎する」レベルではなかったという現実が露見しちゃっているじゃないですか。
攻めこみさえしなけりゃ、ロシアも脳内妄想を真実と思い込んでいられたのにねえ。
情報がなかなか出てこないですが、普段500名から600名のロシア軍死者が8/9には820名にドカッと増えているので戦闘の激しさを物語っているので信じて良さそう。
ウクライナ側の損害情報はないのでわからないですが。
最近の戦果動画の中で気になるのが、ロシア側に赤外線暗視装置の画像がかなり増えてきてるんですね。前はKa52のものしか無かったのが、最近はドローンやスナイパーの照準器に暗視装置が付いています。
多分、中国から大量に暗視装置が入って来てるんじゃないでしょうか。
ウクライナ側もアメリカ製の超高性能な暗視装置を使ってますが、あれは高価で数が限られており、一部の特殊部隊しか持ってないそうなので。
主攻勢軸ではない戦線では,むしろロシア側が近代兵装のテクノロジーで上回っている現象が起きているのではないかという仮説が立てられますね。
うーん前から見るし急に増えたような印象はないけどな
ウクライナの反転攻勢が始まる位からロシア正規軍の動画の公開が積極的になって数が増えたということもあるんじゃないか?
以前は正規軍の情報統制がきつく動画はバフムトのワグネルばっかりだったし
貴重な情報ありがとうございます。
軍需生産は、工業基盤が大きく影響しますからね。
中国の工業大国化、特に汎用品の大量生産能力は、侮れない支援能力と思います。
米国よりも、中国の方が汎用品の生産能力は高いです。(安価な工業製品を大量に作れるため)
日本の国防は、中国と対峙するのであれば、国内生産する工業品の種類・量、これを見直す必要があるのかもしれません。
素人が勝手なことを言うと。一度書いたのだけれども。
クピャンスク付近の防衛線の背後に回ることはできないものでしょうか。
一度、ベルゴロド州を経由する必要があるのですが。
左フックの要領で。当然、東側装備の部隊で。
中距離SAMを前進させるも必要があります。空爆と長距離ATMに対抗するために。
攻勢の前に、付近のロシア空軍基地を大量の自爆ドローンで空襲する必要も。
前線でも、これも大量の自爆ドローンで敵SAMに対し飽和攻撃の必要が。
そして、10万人とされる敵をそっくり包囲殲滅したいものです。
テキトーなことを言いますが。
ソースはInteractive mapなんですけど、
ロシア軍はウクライナ北面もベラルーシまで塹壕を掘ってるみたいなので、あまり効果的じゃないかもです。
まあウクライナ国内の戦線ほど硬くはないでしょうけど
ウクライナ軍にそのような兵力と装備と練度があれば今頃アゾフ海に到達してるでしょ
ザポリージャ方面では、強固と承知の防衛線に正面攻撃をかけて、
今や抜けられない状態ですからね。
上手くいかなかった場合、誰が責任を取るのだろう。
防衛線を突破できそうな箇所はありそうですけれども、
手間のかかりすぎなような気がします。
着目点としてはわかりますが、それは「今やるべきことか」という話ですかね。
仮にそれが成功したとして、東・南部の状況は変わらないか、露軍の防御は向上しているし、政治的ダメージも多くはないでしょう。だとすると人口も工業力も希薄な地域で何十キロか押し込む効果は何なんだって話ですね。
いや5個旅団程度で達成できるならそれも良いかもですが。
クピャンスク付近およびベルゴロド州は、
ロシア軍の補給線の水上側です。
クピャンスク付近が陥落すると、補給路は、
おそらく、ボルゴグラード〜カスピ海〜ロストフ経由
になるのでは、と思えます。大回りになりますね。
あと、現時点で30万人とされるロシア軍を20万人に
減らすことができれば、効果は大きいと想像します。
ウクライナの準備状況と考え方次第ですが。
そりゃ盛りすぎですよ。道路も多くない森林地帯を踏破して10万人を捕虜ですか? そもそも森林地帯を、快速で、どう突破するのか、ベルゴロドでの補給はどうするのか、10万人は包囲される間何もしないのてますかね。私には分かりかねます。
仮にそうなっても露軍の補給路はスタロビルスク経由や、P22号線経由でセベロドネツクを使うだけじゃないですかね。
現時点では、勝とうと思ったら、
敵意表をつくことが必要でしょう。
素人は現地を知らない人ですので、
テキトーなことは言います。
ただし、今回について思うのは、
WW2緒戦のアルデンヌについてです。
連合軍はアルデンヌについて、
当初は同じことを言っています。結果は?。
WW2の終末でも、同じことを言っていて、
ルントシュテット攻勢を食らっています。
こちらは、結果は勝ちでしたが。
良く分からないんだけど包囲殲滅って自分の外周に脅威がない状態でするもんじゃないの?ウクライナが出来るのはロシア支配地域を侵攻して囲うしか方法がなくて、それは最悪の場合に内と外からの挟み撃ちになったり突破口を閉じられたら逆に包囲されるパターンだよね?せめてロシアの兵站潰しているなら分からないでもないけど、記載内容だとロシア兵器ばかりに目がいっている感じがする。
もっと言うなら兵站維持出来るのかと機動力に優れる装輪で突破口作るしかないと思う。装軌式だと速度や故障率の面でどうしても不安が残るしモタついていたら普通に地雷まかれて逃げ道塞がれそうだけどね。10万を包囲殲滅するなら相当数の戦力を用意して補給を絶ち相手の戦力を削り疲弊させる事が必要だけど、そんな戦力どこにあるんだろうか。
思うのですが。
この場合、包囲殲滅と言っても、
実質は分断・各個撃破というものかと。
分断し、包囲した敵の隣にもまだ敵はいる形ですね。
速やかに包囲した敵を殲滅し、次へと向かわねばでしょう。
そもそも、彼我の戦力総数はほぼ同じとされていますから。
陽動とこちらの機動力を駆使して、局所優勢を維持して、
複数回の勝ちを重ねないと、ですね。
正面から力比べをしている場合ではないのでは、
と思います。
制限された同等の戦力でその分断と各個撃破やり方は正面からの力比べじゃないんですか?そんな理想ムーブが出来ていれば南部であんな事になっていないでしょう。ロシアが侵攻初期でやられた事をやりかえされるだけではないですか?
ウクライナが機動力を発揮出来た要因としては侵攻初期だと自国内の交通インフラの情報や活用が出来て(鉄道輸送)事とハルキウの大幅奪還は陽動とスピードが速い装輪車両の活用が出来てかつロシア軍がウクライナ軍の移動情報取得においてかなり劣っていた事があります。
陣地の確保と言うのは大抵、敵軍が諦めて放棄したケースの方が圧倒的に多くてウクライナが圧倒的な有意な状態でロシアに陣地の放棄を要求するなら南部に戦力回している場合ではないでしょう。東部への一点集中して始めて勝機がある位じゃないでしょうか。
他人かつ素人の見方ですが。
現状は、理想的とはとても言えないでしょう。
ウクライナ軍には、独自の戦略/戦術があるとは思いますが。
<記号東部への一点集中して始めて勝機がある位じゃないでしょうか。>
一点がどこになるかは判りませんが、そうだろうと思います。
そこが何処かロシアにバレないようにしないとですね。
4州とクリミア併合だけではなく、ハルキウも頂いちゃおうという事ですね。
強い方がやりたい放題という訳ですが、さぁどうなりますかねぇ。
クピャンスクは輸送の要衝でありこの方面での脅威であったので遅かれ早かれロシア軍はこの地を奪い返しに来たと思います。さすがに去年の失敗でロシア軍はハルキウ方面は無理だと理解したと思いますが戦況の善し悪しでは調子に乗ってハルキウ目指すこともありえそうですね。まあ現状のロシア軍ではたとえクピャンスクが奪取できたとしてもそれ以上は進めないでしょうが。
ロシアからすれば、戦争の趨勢が攻勢から守勢に移っちゃっているので無理だと思いますよ。
モスクワ等ロシア中心に近く、地理的に一番兵站が構築しやすい筈のこの地域ですら、この程度の攻撃しかかけられないのが象徴的ですな。
ウクライナ軍のオスキル川東岸への補給はクピャンスク周辺で川を渡る鉄道路線に大きく依存してるからロシア軍としてはなんとしてもここを落としたいだろう
今回のロシア軍攻勢は圧倒的な航空戦力を投入することで成立している
よってウクライナがロシア軍の攻勢を阻止するならばロシア空軍基地を積極的に破壊するしかない
とすると射程300Km以上のクラスター弾頭付ミサイルが必須となるが果たして欧米は供給するのだろうか?
そんな兵器、聞いたことがない