中国関連

中国、豪州の極超音速ミサイル開発を「あらゆる国に対する挑戦」と批判

オーストラリアは米国と共同で数ヶ月以内に極超音速ミサイルのテストを開始すると発表したが、中国は「オーストラリアが挑発するなら中国は自衛手段を講じる」と言ってオーストラリアの極超音速ミサイル開発を批判した。

参考:Australia ‘binds to US chariot’ by developing hypersonic missiles

豪米による極超音速ミサイル開発を「あらゆる国の安全保障に対する挑戦」と批判する挑戦的な中国のスタイル

オーストラリアと米国は中国やロシアの脅威に対抗するため先月30日、空気呼吸式の極超音速に関する技術開発を共同で行う「サザンクロス統合飛行研究実験(SCIFiRE)」を発表、この計画は空気呼吸式の極超音速技術を手頃なコストで実現するためのプロトタイプ開発と技術検証が目的で、オーストラリアと米国が15年前から研究に取り組んでいた「極超音速国際航空実験(HIFiRE)」を発展させたものだ。

豪メディアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙によれば豪米は今後数ヶ月以内にSCIFiREプログラムの下で開発した極超音速ミサイルのプロトタイプ試射を行い、必要な技術的要素を確保して5年~10年以内に実用的な空中発射型の極超音速ミサイルを開発して空軍のF-35A、F/A-18E/F、EA-18G、P-8A、開発中のUAV「ロイヤルウィングマン」に搭載することを目指しており、オーストラリアは今後10年で長距離攻撃ミサイルや極超音速兵器開発に最大93億豪ドル(約6,900億円)を投資することになっている。

これに噛み付いたのが中国だ。

軍事評論家の宋忠平氏は「中国は地理的に遠く離れたオーストラリアと軍事的に対立する意思がないのに、オーストラリアは米国と共同で中国を標的にした極超音速ミサイルの開発に乗り出しており、中国の潜在的な脅威に浮上する可能性がある」と指摘、もしオーストラリアが軍事的に中国を挑発するなら中国も自衛手段を講じるだろうと言っている。

宋氏は「極超音速ミサイルはあらゆる国の安全保障に対する挑戦であり、豪米が極超音速ミサイルを開発するなら中国とロシアは間違いなく対抗策を見つける」と主張、中国は指向性エネルギー兵器を複数開発中で完成すれば効果的に極超音速ミサイルを迎撃することができるらしい。

中国が実用化した極超音速兵器「DF-17(東風17号)」を棚に上げて、豪米による極超音速ミサイル開発を「あらゆる国の安全保障に対する挑戦」と批判する挑戦的なスタイルには正に敬服するしかないと言った感じだ。

どちらにしても地理的にオーストラリアは中国から離れているため戦略爆撃機や中距離弾道ミサイルなどの飛び道具を配備するには非常に理想的で、米国はオーストラリアのティンダル空軍基地(豪州北部のダーウィン近郊)を拡張して新たな戦略爆撃機の拠点化(豪州負担で約11億豪ドル:約740億円)を進めており中距離弾道ミサイル配備に関する交渉も水面下で進んでいる可能性が高く、ここに射程1,600km前後の極超音速ミサイルが加われば中国が脅威に感じるのも無理はない。

特に豪米が開発する極超音速ミサイルは空中発射型なので航空機に搭載すれば南シナ海の中国軍基地や艦艇への攻撃に使用することが可能なので、中国にとっては非常に厄介だ。

そのため中国はあらゆる手段を講じてオーストラリアと米国の関係に割って入ることを狙うのではないかと思っていたが、中国は豪州産ワインへの反ダンピング措置を講じたりアフガニスタンでの豪州軍による民間人殺害を揶揄してネガティブキャンペーンを展開するなど中国と豪州の関係は冷え込む一方なので、もう中国はオーストラリアを米国から遠ざける=取り込むことを諦めたのかもしれない。

どちらにしても中国の極超音速ミサイル開発は「日本の安全保障に対する挑戦」なので、日本も積極的に自衛手段を講じて欲しい。

関連記事:オーストラリア、数ヶ月以内に極超音速ミサイルのプロトタイプ試射を実施
関連記事:中国が極超音速兵器「DF-17」を福建省と広東省に配備、台湾や日本が射程圏内に

 

※アイキャッチ画像の出典:public domain B-52の翼下に懸架されたX-51

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    ええ…共産匪賊マインドは人類には理解不能だわ…

    34
      • 匿名
      • 2020年 12月 07日

      あらゆる国ってどこよ(笑)
      こうやって釣られて反応するから楽しいね
      国民には、世界中から注目され尊敬を集めてる中国っていうウソ報道並べてるから対応に困るんだよ

      共産主義とか独裁とか、バカ丸出し

      27
        • 匿名
        • 2020年 12月 07日

        自国=世界orアジア

        って考えてるのは朝鮮だけかと思いきや、
        やはり宗主国だけある。
        中国と対立する気のない国に、
        ガンガン艦砲外交やってるのに。

        そりゃそうと、自衛隊も攻撃こそ最大の防御なのだから、こういった武器の開発をお願いしたい。

        21
          • 匿名
          • 2020年 12月 07日

          防衛装備庁が装備化前提で研究開発中の「島嶼防衛用高速滑空弾 Block.1/2」(特に2は自らゲームチェンジャーと称してますが)厄介な地対地(艦)攻撃兵器ですよ。
          滑空飛翔体は低RCSと不規則な高度変化実施でSAMでは迎撃困難と説明してますから、迎撃には高出力レーザ兵器等が必須になると思われます。一応射程は島嶼間としていますが、その気になれば手持ち技術の範囲で大陸到達も十二分に可能です。
          豪の極超音速ミサイルに噛み付くなら本邦の高速滑空弾開発にも噛み付いておかしくないはずですが、日本に対する外交方針が対豪とは現状違うのでしょうね。

          10
            • 匿名
            • 2020年 12月 08日

            >中国は地理的に遠く離れたオーストラリアと軍事的に対立する意思がない

            地理的に近い日本とは軍事的に対立する意思があるし、現実に行っていると自ら認めていますね。

            2
      • 匿名
      • 2020年 12月 07日

      >>豪米による極超音速ミサイル開発を「あらゆる国の安全保障に対する挑戦

      いやいやお前さんの国に対してだけだぞ、世界を巻き込むな。

      18
        • 匿名
        • 2020年 12月 08日

        志那の得意技はウイルス散布で世界を巻き込み、なのに
        自分の悪行の自覚はないらしい

        2
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    何というか、これぞブーメランって感じかな。
    もしくは、鏡を見て騒いでいる風にも。

    28
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    おまゆう

    33
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    そりゃあんだけ喧嘩売ってりゃねぇ…
    中国の利益として見てもやらなくて良いことガンガンやってたし因果応報としか

    20
    • にわかミリオタ
    • 2020年 12月 07日

    究極のブーメランだなぁ。

    22
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    先に日米豪等の西側や周辺諸国を標的にした極超音速ミサイルを開発しておいて何を言ってるんですかね…………
    中華思想も程々にして頂きたい。

    28
      • 匿名
      • 2020年 12月 07日

      もしかしてあれは偽物…

      2
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    ははあ・・・お宅とお宅に平伏する子分の兵器は正義の兵器で、それ以外は悪の兵器ですかね?

    6
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    わーあらゆる国の安全保障に対する挑戦なんですかー
    じゃあ日本も「オーストラリアの」極超音速ミサイルに対抗するためにも対抗可能な防御システムと極超音速兵器の配備を進めないといけませんねーオーストラリア以外は文句言いませんよねー

    16
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    このワード嫌いだけどこれはさすがに
    「自己紹介乙」

    9
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    自国は先に開発進めておいてグアムも爆撃する映像を出しておいてどの口が言うのかな
    =おまゆう

    16
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    極超音速ミサイルには対応できないからやめろってことか
    日本も頑張って開発せんとなあ
    日本じゃ高速滑空弾とかいうやつが2026年に配備される予定らしいが今どのくらい進んでるんだろうな

    15
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    もしかして…何で嫌われてるかわかってない?

    18
      • 中共抹消
      • 2020年 12月 07日

      日本人の9割が中共嫌いという世論調査を見た中共当局者が慌てて知り合いの日本人に理由を尋ねたとかいうから、本当に分かってなさそう。

      11
        • 匿名
        • 2020年 12月 08日

        残りの1割に影の総理大臣=二階がいるのが厄介ですね。

        2
      • 匿名
      • 2020年 12月 07日

      絶交部長の王毅も「日本メディアは客観的に報道しろ」とかほざいてたけど、客観的に報道したら親中派は誰もいなくなると分かってない。

      16
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    >「あらゆる国の安全保障に対する挑戦」

    特大クソデカ主語

    11
      • 習肉まん
      • 2020年 12月 07日

      中国共産党の存在はあらゆる国の安全保障に対する挑戦であり、西側は間違いなく対抗策を見つける。

      7
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    ミサイルや航空機の瞬間撃破にはメガワット級のレーザーが必要の筈ですが
    そこまで中国の指向性エネルギー兵器開発が進んでるとはちょっと考えにくいですね。

    2
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    1つ前の記事でも出た宋忠平という軍事評論家は、中国の中でも影響力の高い人物なんだろうか?

    1
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    叱られた中学生の言う「みんな」を思い出した。みんなやってる。みんな言ってる。

    みんなって誰と聞くとたいがい自分を入れて3人くらいです。

    2
      • 匿名
      • 2020年 12月 07日

      大朝鮮(中国)と上下朝鮮の3つかな?

      2
        • 匿名
        • 2020年 12月 07日

        「ロシア君もだよ!」と叫ぶがサラッと梯子を外されるんだろうな。

        3
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    >軍事評論家の宋忠平氏は「中国は地理的に遠く離れたオーストラリアと軍事的に対立する意思がないのに

    「地理的に隣接する」日台印その他の国家には軍事的に対立する意思がある訳だね。
    いや知ってたけどさ。

    6
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    2ちゃんの釣りレスみたいなことを公的に発言するとは、中国恐るべし。

    1
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    中国4000年の歴史を持ってしても、鏡を手に入れる事は出来なかったんですなぁ…(しみじみ

    4
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    >豪米が極超音速ミサイルを開発するなら中国とロシアは間違いなく対抗策を見つける
    とうとうロシアも捲き込まれちゃった。
    迷惑だろうなー。

    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    あれ、日本の開発にはそこまで反発してなかったよな
    どうでもよすぎて俺が忘れてるだけ?

      • 匿名
      • 2020年 12月 08日

      鎖をたちきるには、一番弱い所に負荷を掛けるのが効率的だから、弱者狙い打ちは仕方ないかも。
      脱落者が出たら、そのうち日本とターゲットになるのかな?

      1
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

    >中国が実用化した極超音速兵器「DF-17(東風17号)」を棚に上げて、豪米による極超音速ミサイル開発を「あらゆる国の安全保障に対する挑戦」と批判する

    まさにその通り。
    中国がやっていることを棚に上げて、外国を批判する。
    この中国人評論家は頭がおかしいとしか思えない。
    というか、中国政府自体、頭がおかしい。まさに愚かな国家だね。
    バカ丸出し。

    2
    • 匿名
    • 2020年 12月 07日

     こういうとこ見せられると、ああ朝鮮の親玉だなって思う。

    2
    • 匿名
    • 2020年 12月 08日

    韓国やフェミ、リベラリってる人とかと一緒で常に「自分は正しい」という前提で話すので「自分がやればロマンス、他人がやれば不倫」になるんだろうね。

    2
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