中国の第4.5世代戦闘機「J-10C」はロシア製よりも性能が優れている新型エンジン「WS-10B」に換装済みだと言及されていたが中国国営ラジオがWS-10Bを搭載するJ-10Cの写真を公開、同機を中国人民解放軍空軍が運用中であることが確認された。
参考:China fields J-10 jets powered by homemade engine
シングルエンジンのJ-10CにWS-10Bを採用したというのは中国の航空産業にとっては重要なマイルストーン
中国の成都飛機工業公司(CAIG)が開発したJ-10AはF-16やグリペンなどと同じシングルエンジンの第4世代戦闘機で、機首を再設計してPESA方式のレーダーに換装及びエアインテークのダイバータレスインテーク化など幾つも改良が加えられたJ-10Bが開発されたが、現在製造されているのはAESA方式のレーダーに換装して機体を構成する複合材料の使用範囲を増やし新たに開発されたステルスコーティングを採用することでレーダー反射断面積(RCS)の値を抑えることに成功したJ-10Cだ。
J-10CのRCSが幾つなのかは不明(J-10Aは3㎡/J-10Bは0.3㎡程度と推定されている)だが、幾ら複合材料の使用範囲を増やして電波を吸収するコーティングを採用したとことで第5世代戦闘機並なステルス能力に迫るのは難しい。
しかし敵のレーダーに捕捉される距離を幾ら縮める効果に期待できるので探知距離が150km→200kmに延長されAESA式レーダー(12目標を同時に追尾しつつ最大6目標と同時交戦が可能)とAIM-120よりも長射程が長い空対空ミサイルPL-15を組合せたJ-10Cの戦闘能力はシングルエンジンの第4.5世代戦闘機の中でも強力な部類に属する。
ICYMI, this photo published on the website of China’s state radio broadcaster is confirmation the Chengdu J-10C powered by the indigenous WS-10B turbofan is in PLAAF service, suggesting China has sufficient confidence in the engine to use it on single-engined types pic.twitter.com/NHGkxVeQWV
— Mike Yeo 杨启铭 (@TheBaseLeg) May 11, 2021
このJ-10Cをさらに致命的なものにするのがロシア製エンジン「AL-31FN(A/B使用時13.9トン)」の推力を上回る国産エンジン「WS-10B(A/B使用時14.6トン)」の存在で、すでにツインエンジンのJ-11BやJ-16には同型系列のエンジンが採用されているのだが、これをシングルエンジンのJ-10Cに採用してきたということはWS-10Bのパフォーマンスや信頼性が向上したということを意味しているので中国の航空産業にとっては重要なマイルストーンと言えるだろう。
因みにWS-10Bの推力性能は第5世代戦闘機が搭載するF119やF135には及ばないが同じ第4.5世代戦闘機のF-15EXやF-16C/Dが搭載するF110と同水準で、J-10Cの推力重量比を改善するため同機の加速力や機動性を向上させると見られているが、WS-10Bは推力を引き上げるために耐久性を犠牲にしているため西側の戦闘機用エンジンよりも寿命(推定約3,000時間)が短いという問題を抱えている。
ただ西側基準で見れば欠点と映るエンジンの耐久性も中国が「使い捨て」だと割り切っているなら問題(エンジン交換でカバーできるという意味)にならないので、米国や日本からすればJ-10Cが厄介な存在であることに変わりはない。
関連記事:第4.5世代へ進化した中国のJ-10C、F-15EXやF-16Vに匹敵か?
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※アイキャッチ画像の出典:L.G. Images / Public domain J-10B
エンジン寿命の短さによるコスト増を
J-11やJ-16とのエンジン共通化によるコスト減でカバーするのかな
この手堅く確実に軍を強化していくの見ると5年以内に台湾、尖閣ラインは中国領になってそう
日本のコロナ関係の戦略、ワクチンロジティクス見てたらきっと有事の際もボロボロで米国軍いなかった完封されるって想像ついて悲しくなってくる
どうして我が国は戦略と言うもの描けず兵站を軽視するのか理解できない
だってワクチンは苦い経験で議員の方々はコロナ以前は……
もう国会の組織とかをぶっ壊す!!(某政党党首並み感)しかないんでね?
でも今からだとものすごく遅い改革だけどな
ワクチンはリスクゼロが当たり前で副反応が一例でもでたら「欠陥品」な上に多額の賠償金を支払う羽目になるからな。
ゼロリスクとか馬鹿なこと言っているからね
国産ワクチン製造がぶっ飛んだのは子宮頸がんワクチンの大規模ネガティブキャンペーンのお陰だよ
副反応の割合もメーカー公称値以内で問題ないワクチンだったのに、悪魔のワクチンの如く扱われて国産ワクチン関連は煽りを受けて壊滅した
予測ではこのまま子宮頸がんワクチンの接種率が低いままだと、年間5000人程度の子宮頸がんでの死者が出ると言われているね
言っちゃ悪いが数名の犠牲でその先の何十万人が助かる機会を奪うのが 是 とされる国になってしまったからね…
> 国産ワクチン製造がぶっ飛んだのは子宮頸がんワクチンの大規模ネガティブキャンペーンのお陰だよ
今回のコロナ禍に国産ワクチン開発が間に合わなかったことの原因の一部になったことはそうなのですが、そこで結論を出してしまうのはどうかなと思いました。
リンク
> 防大のときに卒検教官に「日本軍は南方で銃剣突撃ばかりしたから負けた」と言ったら「なぜ日本軍は南方で銃剣突撃ばかりしたか考えたことあるか?」と問われました。この問いを分解していくとテーマが凄まじく広がります。そしてこれが研究であり学問なんだと教わりました。
こちらのツイートは幹部自衛官の方のツイートです。
このツイートのように思考を深めれば、なぜ「大規模ネガティブキャンペーンが発生したのか」「なぜゼロリスク信仰が発生したのか」「なぜマスコミは反ワクチン的な意見を流したのか」という疑問が湧くと思います。
そして歴史を紐解けば1960年代のスモン、サリドマイド、1989年の薬害エイズ、1996年薬害ヤコブ、1998年の薬害肝炎、そして1998年のワクチン禍事件という背景があったうえでの2013年のHPVワクチン定期接種中止が起こったことが分かるはずです。
■■■が悪いという考えで終わってしまうのでは■■■たたきで終わってしまい、社会としても進歩しないと思います。
何そのゼロリスク神話。
そうして潰した元凶の一つなマスコミが、平然とワクチンの遅れを非難してる姿を見て、何だかなぁと思います。
戦前→戦後の手のひら返しも、これに近いノリたったのかな?
正にその通りで、戦前はマスコミがノリノリで戦争を煽る言説を流していたよ
勿論それが大半の国民の意思だったんだよね……
そのマスコミが政府や軍部に検閲されていた事はノータッチですかい?マスコミに責任をなすり付けるのは卑怯でしょ。
朝日・毎日・読売・東京・日本産業新聞らへの事前検閲が開始されたのは1945年10月9日とか。
ついでに、憲兵の地位向上したのは東條政権の頃。
天皇の意向を汲み和平交渉にする際、邪魔になる強硬派を抑える目的でのこと。
当初の目的と逆に機能したのは歴史の皮肉。
政府は縛りが強すぎる中でまあ良くやってる方じゃないかなと思う。それはそうといくつか言いたい事はあるが…
我が国民は、指示される事が嫌いなくせに、
自分で決断する事も嫌いな、ブラック国民ですから
マイナンバーの遅れもそうだと思うわ。
『迅速な対応』を求めるならリスト化、情報の共有化は必須。
本来ならアメリカのように、とうの昔に社会保証番号があっても良かった。
???「国民総背番号制ーっ‼︎‼︎」
過去で言えばアメリカや中華民国との講和への筋道とか今で言えば国境封鎖とかワクチンの確保とか、誰が考えてもそこだけはちゃんと考えとけよって所を的確になあなあで済ませて大イベントに突入しようとするのは何でなのか…
この議論に兵站がどう関連するのかさっぱりわからない。
戦争と一緒で物が何時何時までにこの場所に届いていないといけないのにそれが出来てないって言いたいんでしょ
WW2とか以前の戦争なら兎も角、今だと戦争始まってからの生産だと間に合わず、在庫勝負かと思います。
一方、今回のワクチンは事後開発。
しかも﹙より被害の大きい﹚他国での開発品。
日本向けが遅くなるのは仕方ないでしょう。
喩えとしてだすなら、兵站よりは防衛装備品の開発関連の方だと思います。
軍備を整えると言うことは兵站の確立でも有るから。
ミサイルも航空機もパイロットも何もかもを含めて兵站だよ。
日本にそれが整ってるかと言うと、まあね、、、
事後の緊急対応な話しだから、兵站よりダメコンかな。
被害に対して迅速的確に対処して欲しい事柄だし。
まぁ記事との関連性はともあれ、ワクチン事態から兵站の問題を思い浮かべてるのはよく分かるよ。
b-29とは違うが、エンジンを使い捨て?できるとはなぁ
……どうしようも無い黄龍を育てちまったなぁ
東側諸国の戦闘機エンジンは使い捨てを前提にしているからね。
大量に生産・配備・運用してコストを安くし数も揃えられる。
逆に、西側諸国の戦闘機エンジンは寿命が長過ぎるのよ(機体寿命もだけど)。
>機体寿命もだけど
ファントムじいさん「呼んだ?」
使い捨てといっても、工場で消耗品の交換と整備等のリビルドを受けた後、新品エンジンとして戻ってくる。
西東陣営で整備方法が違って、西側は故障を検出して配備先でモジュールごとに交換する列線交換ユニット方式で整備していて、東側は配備先では細かい整備はせずに一定に時間使ったら故障の有無に関係なく工場で整備するショップ交換ユニット方式で整備が行われている。
20年前はデカイだけの赤い鯉で、品評会に出せば儲かるからって家族皆で餌をあげ続けたからなぁ
中国なら3000hあれば十分使えるからなぁ。
タイフーンとか寿命1500hの機体もあったし、8000h並みの耐久性ってなかなか厳しいんだろうな。
経国くんより全然性能いいというか勝負にならんのではないか。
でも見掛けは経国の方が良い
異論は認めます
高性能な分価格は上がっているはずだけど国内産なら大した問題ではないか
Su-35SやF-15EX相当の脅威と見積もっておいた方がいいだろう
J-10Cの輸出価格は4000万ドル(約44億円)程度らしいので、中国軍向けはもっと安いでしょうな。
あと、Su-35SやF-15EX相当の機体はJ-16ですな。
J-10CはF-16V相当の機体。
そしてグリペンにあたるJF-17。
一国でこれだけ多方面に展開出来るのは、正直羨ましい。
いずれも国産
つまりどの機種もほぼ100%近く国内に金が落ちる
その金で企業は育つ
ちなみに諸氏ご存じの通り輸入だとややこしい案件でない限り大抵100%外国に金が出ていくだけである
※ややこしい案件…オフセット契約等
やはり技術的な問題は時間が解決するな。ゴールを目指して一歩一歩進む奴はいつかゴールに辿り着くわけだ。これから更に面倒くさくなるんだろうなぁ…
短命でも数を揃えられるから、台湾侵攻など野心の高い中国、短期の戦力優勢を得るには、良い判断かもしれません。
WS-10ですでに14.6トン級の推力を確保してるならわざわざWS-15作らなくてもいいんじゃね?
エンジン径を950㎜からWS-15の1020㎜に拡張すればそれだけで16.8トンに届くぞ?
いつまでも完成しないエンジンよりはマシだろ
WS-15は19トン近くの推力と、二次元推力偏向ノズル搭載を目指しているらしいから、
中国はWS-10シリーズで満足できないんでしょうよ。
推力偏向ならWS-10の時点ですでに三次元偏向は達成しとるんだがな
WS-15にしても当初は目的推力が15t級だったのにいつまでも完成してないし
エンジンの寿命が短いのは東側の特徴かな。リューリカ設計局の技術者はWS10を見て「完全コピーではないが70パーセントはそのままだ」と言ったそう。
東側というかソ連の運用思想的に、
戦闘で撃墜されるなどで消耗するから、初めから寿命短めにして、その分コスト削減したとかいうのをどこかで読んだ
「PL-15 missile」でググると
アムラームっぽい奴とミ―ティアっぽい奴とフェニックスっぽい奴が出てくるんだけど
どれが本物なんだ
どっちも偽物
一番分かり易いのは、J-20が胴体内兵器倉のハッチを開けて中に有るPL-15を見せている画像を探せば良いのだけど、どっちかと言うとAIM-120と言うよりは我が国のAAM-4に形状が近い
因みに、ミーティアとフェニックスっぽいのは嘘です
誘導方式とか対妨害性とか含めて、PL-15はどの程度優秀なんだろうか?
評価されているのは射程の長さだけのような気がするんだが
過去に本サイトがPL-15に関する記事を書いている。
・AESAを搭載しマッハ4のスピードで飛翔。
・搭載レーダーによる探知距離延長、対ジャミング環境下での高い抵抗力を持っている。
リンク
ただJ10BにウエポンベイはないからRCSが増えて、アムラームやミーティアを積んだF-35にはフィーストルック、ファーストキルされる。
発射母機が落とされたらBVRミサイルの誘導はできないはず。
逆を言えば、F-35以外の戦闘機だとJ-10Cにファーストルック ファーストキルされるということです。
戦闘機単体だと機首レーダーの視界が限られるので、僚機やAWACS、あとレーダーサイトの支援が無い場所は足元を掬われ易くなる。
AWACSなどの運用には、BVRの長射程化が厄介だけど。
日本の場合、ASM-1以来隠し機能で持っていたARM機能がASM-3Aなどで何処まで磨かれているか、AWACS相手でも機能するのか否かが肝になるのかな?
既にF-15EXと同等のエンジンを運用してるとか中国の技術は信じれないくらい早い発達スピードだな
ノウハウを積み続けてるし第6世代相当機で日本がエンジンで勝るのは難しいのでは
性能云々とは関係無いけど…
機体形状スホーイ系を意識したのかヌメリ度が増してて、A型よりカッコよくなってる気がするのは自分だけ?
特にエアインテーク周り
本文三枚目のJ-10Bの写真、パネルの継ぎ目など、凸凹がたくさんあるように見えるのだけど。
これで、ステルス性能保てるの?
これはステルス機ではない
でもRCS0.1㎡はF-117クラス。
ちょっとした手抜きで大きくなった箇所のRCSが支配的になる領域かと。
F-117のRCSは0.003㎡ですよ
F-117のRCSには諸説あり、その中の一つに0.003㎡もあるけど、
その数値を利用している所だとF-35が0.05㎡といった感じでF-117同レベルかやや劣る数値にしているかと思います。
リンク
F-117は、諸々条件が重なったのでしょうが、それでもS-125で撃墜された実績は残ります。
それに対して、A2/ADに対処することが求められるF-35のRCSがF-117と同レベルとかやや劣る水準としているのには、正直違和感を覚えます。
F-35のVLOに対して、F-117はLOでRCS 0.025㎡程度と一段劣る、としている方が無難だと思います。
>F-35が0.05㎡
0.005㎡の誤記です。
精々でタイフーンクラスじゃないか?
さすがにステルス性を語れるレベルまではないだろ
>J-10CのRCSが幾つなのかは不明(J-10Aは3㎡/J-10Bは0.3㎡程度と推定されている)
J-20でさえ0.1㎡程度とされているのに、J-10Bが0.3㎡だと小さ過ぎるかな。
また0.3㎡程度は、中国航空開発部門が目標としたステルス機のRCSとの話しもあります。
中国側は、F-22のRCSを0.1㎡と実態より数桁大きく見積り、技術力の相違も勘案して、その対抗機として0.3㎡程度を目標にしたと。
リンク
>中国側は、F-22のRCSを0.1㎡と実態より数桁大きく見積り
RCSは様々な要因(電波の種類や照射方向など)によって大きく変わるから、中国が実態より大きく見積もっているのかは不明。
中国が想定したシミュレーションで分析したら、F-22のRCSは0.1㎡になったという可能性もある。
中国がF-22のRCSを数桁多く見積もる理由も無いしね。
>RCSは様々な要因(電波の種類や照射方向など)によって大きく変わるから
前提が、「機首方向からレーダーを照射した場合」との条件みたい。
ある意味RCS低減を最も気にする方向。
>中国がF-22のRCSを数桁多く見積もる理由も無いしね。
机上検討って要は鏡な所があるから、未知の値だけどsimの前提条件にもなる項目﹙例えばRAMの減衰量とか﹚で彼等の常識レベルを適用して、sim結果的を大きく外したといった感じな事は起き得るかと。
Su-57のチーフデザイナーも、「F-22のRCSは0.4-0.3㎡で、PAK FA(Su-57)はこれを超えないけど非常に近い」と発言しているから、恐らくRCSの算出方法や使用する電波の種類が、西側諸国と中国・ロシアで異なっているんだと思う。
WS-10Bは143kN(14.6t)だからの147kNのロシアのAL-41F1のほうが出力が高いよ。
エンジン寿命はWS-10Bが3000時間、AL-41F1が4000時間、ユーロファイターのEJ200が6000時間。