中国での戦闘機開発や製造で最大手の中国航空工業集団有限公司(AVIC)が軍事用途の大型UAV供給量を引き上げるため15.5億ドル(約1,688億円)を投資すると発表した。
参考:China’s Chengdu Aircraft to build UAV industry park
中国は艦艇の建造に続き無人航空機でも桁違いの製造能力で米国を圧倒するかもしれない
中国航空工業集団有限公司の子会社で第5世代戦闘機J-20の開発・製造を担当している成都飛機工業公司(CAIG)は四川省に無人航空機の研究・開発や製造に特化した施設「CAIG-Zigong UAV Industrial Base」を建設するため15.5億ドル(約1,688億円)を投資すると発表した。
CAIGによると同施設はUAV製造に必要な巨大サプライチェーンを集約化したもので2023年に本格稼働に入り、年間約100機の大型UAVが製造される予定だと説明している。
CAIGが製造する大型UAVが何なのかは謎だが、MQ-9やRQ-4クラスの大型UAVを年間約100機も製造するという意味なら驚異的な供給能力で米国でもMQ-9の年間製造数は十数機程度、RQ-4に至っては一桁台なので中国が大型UAVを年間100機も製造するというのが如何に規格外なのかよく分かるだろう。
一応CAIGは同施設で軍事用途以外のUAVも製造すると言っているが、いつでも軍事用途の大型UAVを集中的に生産できる施設の存在は国家挙げて無人機開発・製造に取り組む中国政府の方針に合致するため、今回の「CAIG-Zigong UAV Industrial Base」を建設は必ず人民解放軍の戦力強化に繋がるはずだ。
CASC CH-7 pic.twitter.com/mToEDgFw2Y
— dafeng cao (@dafengcao) November 5, 2018
因みに中国は2018年に公開した無人航空機「CH-7(別名:彩虹7で開発中止になった米海軍のX-47Bに良く似ているらしい)」のプロトタイプ開発を進めており、中国メディアの説明によればCH-7は高度10,000m~13,000mを740km/hで巡航でき最高速度は926km/h、約2,000kgの兵器をウェポンベイ内に搭載して飛行することが可能で、中国航天科技集団有限公司の株価に関する報告書に「2020年上半期にCH-7、CH-4、CH-5等の無人航空機が500回以上(総飛行時間3,000以上)の試験飛行を問題なく完了した」と言及されているためCH-7の開発は予定通り(2022年中に量産に入る予定)に進んでいるのだろう。
さらに中国の中天飛龍有限公司は噂されていたステルス無人爆撃機「Flying Dragon-2」のプロトタイプが完成したと今年4月に発表、同機はステルスに有利な全翼機スタイルの大型無人機で飛行速度、戦闘半径、爆弾搭載量、ステルス性能の点でFlying Dragon-2は米空軍が開発を進めているB-21に近く調達コストやライフサイクルコストについてはB-21よりも安価だと主張している。
もし成都飛機工業公司が中国政府の意向でCH-7やFlying Dragon-2を量産するため大型UAVの製造施設を建設しているとすれば、艦艇の建造に続き大型UAVも桁違いの製造能力で米国を圧倒してしまうかもしれない。
関連記事:海外市場専用機? 中国のステルス無人航空機「CH-7」の開発は順調
関連記事:中国、完成したステルス無人爆撃機「Flying Dragon-2」のプロトタイプを公開
関連記事:中国、空対艦ミサイルも搭載可能な新型UAV「翼竜10」を公開
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※アイキャッチ画像の出典:马日天(@z5J6NWig6ByNnsC) 空対艦ミサイルも搭載可能な新型UAV「翼竜10」
この辺は、単なる中国への接近拒否だけじゃなくて報復/反撃/先制攻撃のための装備なのかな、航続距離が長いし
人的損耗に無縁な無人機の飽和攻撃とかまあまあ効果ありそう
継続的に作る予算あるのかとか、そもそも生産が軌道に乗るのか分からんけど
J-20の例もあるし、先端分野だけにぶち上げてるほど順調にいくかは疑問
逆に、順調に進められるほどの力が中国にあったらいよいよ西太平洋のアメリカの地位は危ないかもね(限定戦争なら)
戦争を推進したくはないけど、将来の被害を考えると今起きた方が良いと思ってしまう。
戦前であれば予防戦争という手段があったろうけどね。
可能だったら今と言わず10年前に仕掛けるべきだった。
中国は核保有国だって事を忘れたか?追い詰められたら核兵器を使うかもしれないんだぞ?アメリカがそんな賭けをするはずがない。
やべぇ。
デザイン的にシナ製のUAVの方がカッコいいわ。
かっこいい≒洗練されている だからな
これで中身も伴っていたらもう中国の膨張を止められない
シナ製のUAVの方がデザインが好み(笑
無人機が量と質のトレードオフを無くすという記事の次にこれを見せられては本当に不安になる。
お金があるっていいなぁ
お金もあるかもだけど、工業力と人的資源の問題では? 戦前のアメvs日本みたいになってきたな
生産管理技術の差、という面白い考察がある
リンク
でも中国軍っていずれにしろ人員が減るって聞いたんだけど
効率化の為の人員削減だよ。
それに人員が削減されてもその分を無人機が埋めていくよ。
兵員が減るスピードなら自衛隊のほうが速いと思うけどね。
>国でもMQ-9の年間製造数は十数機程度、RQ-4に至っては一桁台なので
エイブラムス戦車みたいになってるのかね
2000年代に大量に作りすぎたから追加生産が議会で通らず
生産ラインの維持を目的に細々と生産してるとか
RQ-4は衛星回線の占有率が高くて、同時に運用できるのが3機までって昔聞いたけど、今どうなんですかね。
RQ-4があまり作られなかったり早期退役させられそうなのは、同時展開数が少ないってのも理由だと思ってます。
軍オタ曰く「神州日本にドローンは無効!」らしいから安心だな
そんなこと言ってるやつほぼおらんやろ
ナゴルノ=カラバフで使われてるようなやつなら脅威じゃない、と言う話なら散々言われてるけど
ハイエンドドローンを軽視するのは全然見たことないなぁ
定義の境界が曖昧ではあるけど、無人航空機(UAV)とドローン(カミカゼドローンなど小型)は一緒にして欲しくないなぁ。
ミサイルに近い短射程のドローンが脅威にならないって主張する人はまあいるかもしれないけど、大型無人長距離爆撃機の量産が脅威にならないって言う人はそれもう軍オタじゃないです
「短射程のドローン」を「ミサイルに近い」と評するのも中々の軍事音痴で、
故に脅威でないとしてるならお花畑だと思うけどね。
最近の共産支那軍の発展は凄いと思いつつも、中国人の出来ました、は信用するなというジョークから考えると、5割増し(油断するべきでは無いですが)位と眉に唾塗って聞いた方が良いと思ってます。
水増し分抜いても十分やばい
>中国人の出来ました、は信用するなというジョーク
UAV分野に関しては、軍需・民需とも中国製が世界を席巻してるというのに、
いつまで古いジョークに縋っているんだか…。
確かにですね。
現実を直視せず自分に都合のいい妄想神話に浸っていたらかつての大日本帝国と同じ運命を辿るでしょうね。
眠れる獅子が目を覚ますのかねえ…
危険な害獣を殺処分するための方法を、我々も研究しよう。
この場合はマジで面倒くさい五本爪の龍(5本爪の龍は中国歴代王朝の皇帝のみの証)を退治しなきゃだぞ。
おまけに冬将軍を携えた白熊も警戒しなきゃだし……
もし、仮に西側が負けたら三本爪の龍を譲渡されるんだろうか?
冊封体制再びかぁ。でも今の中華は貢物を差し出したらその何倍も下賜するような徳のある国家じゃないから最悪だね
そもそも習体制自体が……砂上の楼閣というか、なんというか……ね
仮に中国が現代版冊封国家とかしたらまたずっこけるオチじゃねぇの?
仮定の仮定でまあ仮にずっこけるにしても、被害が洒落にならんだろ
中東とかアフリカみたいな地域が余計増えるぞ
そのうち東南アジアあたりの皇太子が暗殺されそう
アメリカや日本などの国の弾薬が尽きるのが先か、中国の兵器が尽きるのが先か、興味深いところではある
日本はうん…まあ…
そうかUAVか、UAVなら勝手に飛行して絨毯爆撃してもコンピュータのエラーかもしれないね!あたまいいね!
ああもう、なんていうか・・・うんざりだな
今回の記事を読んではっきりとした事はやはり物量戦での対抗は不可能。
唯一対抗出来そうな策を自分なりに挙げるならばドローンをECMで無力化するか乗っ取って手持ちの戦力にしてしまうかだけど現実的に可能なんだろうか?
単独での対応は無理でしょうね。
日米やQuadはもちろん、それ以外にも集団防衛の体制を広げて、
こちらもトータルの数と角度で対応するしかない。
そのためには周辺国の有事の際に日本が断固とした対応を取ると明言する必要があって
その意味で日米声明での「台湾海峡の平和と安定」の明記は良い傾向。
まだまだ足りんけどね。
「台湾海峡の平和と安定」という言葉は中国の常套句だけどね(反国家分裂法などにも記載)。
「両岸問題の平和的解決」という言葉も中国の常套句で、中国は台湾問題を中国内の「両岸」扱いにして矮小化している。
日米やG7の共同声明で、中国が公式に使用している言葉を入れたということは、日米やG7は中国に凄く配慮しているということ。
今の中国への対応はただのポーズでしかないから、中国に対して断固とした対応を取れるのはいつ頃になるのやら(特に日本)。
アメリカの情報の水漏れがゲリラ豪雨レベルなんだろね
これでは、中国本土辺縁部への侵攻を考えていると思われても仕方がないだろう。
一方その頃、お隣の落ち目の島国はと言うと…
ジェットエンジンまともに作れよ。
無人爆撃機が毎年100機増えていくってそれもういくら優秀なF-3が開発できても有人機だけではどうにもならないじゃん…
今までの中国関連のニュースで一番絶望感がある気がするぞ
だからこそ、ミサイル搭載数増大やレーザーやHPMなどのライトスピードウェポンでは?
そもそもミサイルの飽和攻撃への対応前提だし、大型UVAでの監視からのミサイル飽和攻撃に対してはA-SAMでUVAを叩き落しての撃たせないでの対応だろうし
とはいえ、FFMの16セル24セルでは不十分で、コンステレーション級の32セルでも足りなくなってくるかな? 結局はバーク級かそれ以上のセル数の艦の大量建造が必要?
やっぱ長射程レーザーの実用化で、シンゴジや光線級レベルの絶対空中目標落とすマン体制が必要?
Mk41に8〜9発収まる対UAV用SAM開発する、とか…。
グローバルホーク的な高高度長時間滞空機を相手するとなると、どうしてもSM-6やSM-2ER的な長SAMじゃないと届かないしなあ……
A-SAMでもブースター径18インチだし
技術的ハードルが高い無人戦闘機より、無人爆撃機の方が現在の技術レベルでも、とりあえず実現できそうですからね。
驚異なのは間違いないです。
AAMで撃墜するにしても安くはないし、発射する機体にも数の制約があるわけで。
大型UAVって叩き落とすには何が一番効率良いんです?
もう倫理もへったくれもなく、力で押し通していきそうですね
被害者意識が強いから、余計に酷いことになりそう
次は増えまくった無人機をまとめて叩き落とす兵器の出番だろうな
盗んだ日米の技術をどれだけつぎ込んだのやら
その矛先が日米に向けられるとは草w
ほんとそれいつも思う。
この無人機も元はパクリだし
全てにおいてオリジナルがない
すごい極端なこと書くけど、中国の場合有事には外資系企業の工場接収して軍需工場にすれば生産力アメリカを余裕でしのげね?
生産管理・品質管理のノウハウは間違いなく蓄積してる、加えて生産ライン増強に当たり必要な熟練工・非熟練労働者も無限にいる。さらに曲がりなりにも資源国なんで兵器製造に必要な資源はほとんど自国内でまかなえる、エネルギー資源もロシアやイランを築源地と見れば割と無限にある……継戦能力下手したら人類史でぶっちぎりでトップじゃないかねこれ、国土の縦深性もあるし
台湾確保して北京~珠江デルタ間のシーレーンでA2D2できたら割と無敵では?
すごく極端も何も、国防動員法はまさにそのためのものでは。
いざ有事となれば全部ゴッソリ持ってかれる、と分かってるんだから
いつ事が起きるか分からん現状、どんだけ痛くても今すぐ、
一刻も早く損切してでも手を切るのが1番傷が浅くて済むと思うんだがねぇ。
なので、半導体生産を台湾や日本、米本土に集約しようと動いている訳で
半導体が無ければ、いくら生産量が有ってもただのハリボテになる訳で
軍事国家でビジネスするって事は
そうなるのは当たり前でしょ
UAVの有用性と解放軍の人的資源の兼ね合いから、解放軍でさえ無人兵器へ傾注していく
という証左かもしれない。今後の戦略的課題は、どこに戦場を設定するかではないか?
中国は、長距離移動の可能な多数の無人兵器を使って、中国本土から離れて戦争したいはず。
アイアンドームが必要だな
アイアンドームは10km以内のUAVにしか届かないので、海岸線の長い日本には向いてないです。
(届いても当たるかどうかはまた別)
あとそれでいて高い。
だったら今ある中SAMでいいです。
この手の話がどうして日本で先行できなかったかなぁ
不足する人員にも、戦死者が出ることでの厭戦気分にも対応できるし…
田んぼにラジコンヘリで農薬撒いてた頃は確実に先行者だったのに