中国関連

中国が改良したCH-7を公開、対称戦で求められるハイエンドUAV

中国航天科技集団(CASC)は珠海航空ショーにCH-3、CH-4、CH-5、CH-6、CH-7を持ち込んで海外の顧客にアピールしているが、特に改良されたCH-5とCH-7に注目が集まっている。

参考:Caihong UAVs make changes to serve more missions in modern warfare

輸出向けのラインナップが充実するということは、CH-7クラスのステルスUACVを既に中国空軍は実戦配備しているのかもしれない

中国航天科技集団が開発した「彩虹(Cai Hong)=CH」シリーズは人民解放軍向けではなく海外市場向けの無人航空機(一部の派生機は中国空軍も採用している)で、珠海航空ショーにはCH-3、CH-4、CH-5、CH-6、CH-7を持ち込んで海外の顧客にアピールしているが、特に改良されたCH-5とCH-7に注目が集まっている。

CH-5はMQ-9クラスのUACVで最大離陸重量は3.3トン(ペイロードは約1トン/最大16発の精密誘導兵器)、滞空性能は最大60時間(航続距離に換算すると約10,000km)、戦術データリンクを搭載しているので他のUACV(CH-3やCH-4など)とチーミングを行うことが可能だが、今回出展されたCH-5は対潜水艦戦に対応したモデルだ。

ジェネラル・アトミックス(GA-ASI)はAサイズのソノブイを最大40個(Gサイズなら80個)収納することが可能なソノブイ・ディスペンサーポッドを開発、これをMQ-9に搭載して対潜戦に使用することを提案しており、2020年に実施したテストで投下したソノブイが受信した信号をMQ-9が中継してカリフォルニア州ユマ試験場に送信することに成功、これを受けてハドソン研究所は「P-8Aがソノブイがを運搬する必要がなくなり対潜戦のミッションコストを削減できる」と称賛していた。

出典:General Atomics Aeronautical Systems MQ-9B SeaGuardian

要するにCH-5の対潜戦対応モデルとはソノブイ・ディスペンサーポッドを搭載したモデルで、中国メディアは「何十時間も連続飛行できるCH-5に発見された通常動力式の潜水艦は逃げ切るのが難しい」と指摘しており、有人の哨戒機や水上艦と連携すれば更に効果が高まると言いたいのだろう。

CH-7はステルスに有利な全翼機で米海軍のステルス無人戦闘攻撃機「X-47B ペガサス(開発中止)」によく似ており、中国メディアは「全長10m、全幅22m、高度10,000m~13,000mを740km/hで巡航(滞空性能は15時間)でき、最高速度は926km/h、約2,000kgの兵器をウェポンベイ内に搭載して飛行することが可能だ」と報じていたが、昨年の珠海航空ショーには出展されず「2022年に新型のCH-7を公開する」と予告していた。

出展:彩云香江

今回公開された新しいCH-7は全幅26mに拡張され最大離陸重量も10トンを越え、最もリスクの高い空域でのISRミッションを24時間行うことができ、CASCは「搭載した大型兵器だけでなく他のプラットホームが搭載する兵器を誘導して価値の高い目標を破壊するも可能だ。将来の対称戦で求められるハイエンドUAVのニーズに対応できる」と強調(巡航速度は400km/h~600km/hに変更)している。

輸出モデルの彩虹シリーズに新型のCH-7を追加してきたということは「人民解放軍向けはCH-7よりも高性能」という意味なので、CH-7クラスのステルスUACVを既に中国空軍は実戦配備しているのかもしれない。

関連記事:対潜戦のコスト削減が可能に? 米海軍がMQ-9を活用した潜水艦狩りをテスト
関連記事:海外市場専用機? 中国のステルス無人航空機「CH-7」の開発は順調
関連記事:中国が発表した無人戦闘機FH-97A、艦艇運用や空中給油にも対応
関連記事:中国空軍はJ-20を200機以上保有が確定、大量生産への移行が濃厚

 

※アイキャッチ画像の出典:军迷天下

中国が発表した無人戦闘機FH-97A、艦艇運用や空中給油にも対応前のページ

中国が次々とUAVを発表、新型のWing LoongやTB2にそっくりなUCAVが登場次のページ

関連記事

  1. 中国関連

    中国が次々とUAVを発表、新型のWing LoongやTB2にそっくりなUCAVが登場

    中国の航空機開発を主導する中国航空工業集団も珠海航空ショーで新しい無人…

  2. 中国関連

    沿岸部に集中していた戦力が分散? 中国がインド方面にJ-16配備を開始

    今年6月に発生したインドとの軍事的緊張の影響で、装備更新が後回しにされ…

  3. 中国関連

    再掲載|激安の第4.5世代機誕生、中国がJ-20の技術で「JF-17」を改良

    中国はパキスタンと共同開発した第4世代戦闘機「JF-17 Block3…

  4. 中国関連

    4隻目までは通常動力空母? 中国海軍、技術的問題で「原子力空母」建造計画を保留

    中国海軍は、通常動力式の国産空母を建造後、早い段階で「原子力空母」建造…

  5. 中国関連

    中国、日米仏による共同訓練や英国の空母派遣は偽善的だと批判

    日米仏による共同訓練や英国の西太平洋への空母派遣について人民解放軍海軍…

  6. 中国関連

    中国空軍はJ-20を200機以上保有が確定、大量生産への移行が濃厚

    米ディフェンスメディアは珠海航空ショーに展示されたJ-20やJ-16の…

コメント

    • ははは
    • 2022年 11月 09日

    差が開きすぎて目を背けたくなるレベル。

    38
      • チェンバレン
      • 2022年 11月 09日

      現実が見れているだけマシという

      日本すごい系YouTubeとかまとめブログという地獄

      47
        • 名無し
        • 2022年 11月 10日

        ここも似たような物だと思うけどな
        記事が興味深いから来てはいるが、コメ欄の住人は質がいいとは言えないぞ
        技術面への言及とか冷静なコメにはグッドが少ないけど、煽情的なコメントの方は妙にグッド多いし
        前は技術面に言及するコメントの方が多かった記憶あるし、そっちの方が好きだったね
        人気出たのは喜ばしい事だけど、コメ欄は月並みなまとめサイトに近づいてるよ
        少なくとも俺達はあいつらとは違うって見下してる時点で、あまりいいとは言えないわ

        6
          • 2022年 11月 10日

          あなたも、ここの一員なのをお忘れ ?

          8
            • 名無し
            • 2022年 11月 10日

            ほら、無駄に噛みついてくる奴が出てきた
            誰も俺がお前たちとは違うなんて言ってないだろうに、言い負かしたいためだけに生産性ゼロのレスをする
            地獄のまとめサイトでよく見るタイプのコメだ、俺の言った事が証明されてうれしいよ

            7
              • 2022年 11月 10日

              チェンバレンさんに嚙みついた見たままを指摘しただけです。
              どう見ても「あまりいいとは言えないわ」は直接相手に噛みついてる。
              あまりいいとは言えないと思う。
              あなたの言った事があなたに帰ってきていませんか ?

              12
                • 名無し
                • 2022年 11月 11日

                奴らより現実見れてるだけましって、見下してるのはどうかと思っただけだけどな
                まぁ、彼の言説が気にならないならいいんじゃない?
                古今東西、クリスチャンアイデンティティーだの神国日本だのと自分達が特別と思い込むのは人の習性だしさ
                繰り返すようだけど、俺は違うだなんて言ってないし
                何なら、レスしてしまった時点で言われるまでもなく同じ穴の狢だよ
                その上で自戒を促すでなく、只噛みついてると結論するならそれでいいと思うよ
                ここの住人は他とは違うって明け透けな自尊心を持つといいさ
                日本すごい系YouTubeとやらみたいにね

                1
                  • NAFO
                  • 2022年 11月 12日

                  そうやって噛みつくことであなたもコメント欄の民度下げてるの自覚してね

                  2
                    • 無記
                    • 2022年 11月 12日

                    コメ欄の民度気にすんなら自分も相手すんなや
                    奴さんの思惑通りに地獄コメ欄作りの協力してどないすんねん

                    3
    • 名無し
    • 2022年 11月 09日

    披露された多彩なラインナップ見ると、米空軍のNGAD無人機ファミリーより先行しているように感じるな

    9
      • 名無し
      • 2022年 11月 09日

      F-3の随伴無人機は開発も予想だと遅いし日本なんてやる気あんのかね。

      7
        • UAV
        • 2022年 11月 09日

        日本が開発中の無人戦闘機の配備は、2035年に配備予定のF-3と同時ですから、そう悲観しなくてよいのでは。
        F-3と連携して戦うんだから、F-3との同時配備でよいと思う。

        9
    • チェンバレン
    • 2022年 11月 09日

    もう正面装備の量で対抗するのは無理だな

    潜水艦による敵戦力の分散
    長距離ミサイルによる阻止攻撃や兵站の破壊
    無人機の活用

    と思ったけど、同じことをより大規模にやられたら対抗策なくない?

    12
      • 名無し
      • 2022年 11月 09日

      日本が中国と戦うにあたってはそのドクトリンは有効そうだけど、全く同じことを中国は米国に対してやろうとしてるんよな
      しかもより大規模に

      22
    • 774rr
    • 2022年 11月 09日

    やーぱん国の軍事費をGDPの2%にするよーってハナシでキャッキャと騒いでてもしゃーないね
    もっとガツンと通常戦力に投資するか核武装せな安全保障出来ないじゃん
    せっせと世界中の誰もが中国様に投資してきたツケが回ってきた感じ

    25
      • 幽霊
      • 2022年 11月 09日

      核武装をしたとして日米が中国と戦争状態になる可能性が高いのは中国の台湾侵攻の時でしょうけど、その時台湾を守る為に日米は核兵器を使用するんでしょうかね?
      仮に中国が核兵器を使用して来なかったら日米は先制核攻撃が出来るんでしょうか?

      5
        • ブルーピーコック
        • 2022年 11月 09日

        対イランを想定した記事ですが、アメリカの世論がこのニューズウィークの記事の頃と変わっていなければ先制核攻撃も辞さないかもしれませんね。

        リンク

        1
          • 幽霊
          • 2022年 11月 09日

          イランと中国では状況は違うと思いますけどね
          イランに核攻撃してもアメリカ本土が被害を受ける可能性は殆ど有りませんけど、中国に核攻撃した場合報復核攻撃で本土に甚大な被害が出る可能性が有りますから。

          8
    • ななし
    • 2022年 11月 09日

    UAVは日本では役に立ちませんと力説していた人がいたけど、どこ行ったんでしょうかねぇ
    中国は役に立つと思ってるみたいですけど

    16
    • 777
    • 2022年 11月 09日

    絶望しかないんだが…。
    これだけシリーズと性能を出せる相手が隣国で仮想敵国と考えたくもねぇーなぁ……

    これにどう抗うことが出来るのか…何もかもが足りてない日本じゃ無理ゲーと化してきてるのがもう草も生えん

    12
      • チェンバレン
      • 2022年 11月 09日

      自前の核戦力があればまだ対抗し得たけど、通常戦力じゃあ質・量ともに押しつぶされるよなあ

      全ての原発を吹っ飛ばして日本中誰も住めなくするという禁断の究極奥義があるにはあるけど

      2
      • とり
      • 2022年 11月 09日

      逆にアピールし過ぎに見える。
      日本単独は既に相手じゃないだろう。
      ずっと日米安保ありきの安全保障政策取ってきたんだから、そらそうなる。
      問題はこういうアピールを米がどうとらえるかって話でそ。

      23
    • HAi
    • 2022年 11月 09日

    UAVの質や量の格差にも愕然とするけど、中国軍に大規模なハイエンドUAV郡の実戦配備をしている可能性が高いのに、その情報が全くと言っていいほど流れてこなかったことが恐ろしい。
    アメリカのシンクタンクとかはなにも掴んでなかったのか?

    13
      • 2022年 11月 09日

      何年か前にアメリカの諜報パートナーが中国で根こそぎやられたと報道されたからロシアみたいに情報掴めないのかも。
      台湾侵攻が起きたらウクライナみたいに情報優位が取れないかもしれない。

      14
    • hoge
    • 2022年 11月 09日

    なんだか67年のモスクワ航空ショー再び、の趣を呈してきたな。

    7
    •  
    • 2022年 11月 09日

    人間が足りない、そして領海が無駄に広い日本こそUAVが求められるのにね…。民間への技術のフィードバックにも繋がるから国防費増やす分でどんどん投資してほしい。なんなら多少自衛官が減ってでも。とりあえず任期中の自衛官の待遇をもう少し良くしてあげるのも必要だけど。

    9
    • おわふ
    • 2022年 11月 09日

    日本一国でどうとなる相手ではないので、もっと共同開発に積極的参加するしかなさそうですね。

    対潜対艦UAVくらいは世界最高峰を狙いたい。

    9
    • k.ziro
    • 2022年 11月 09日

    早く作ってオホトニクとしてロシアに買ってもらおうぜ

    1
    • 無印
    • 2022年 11月 09日

    よくアメリカ海軍はズムウォルトやLCSを批判されるけど、X-47Bを止めちゃったのをもっと批判されてもいいと思うんだけど
    なぜ止めたんだろ、よっぽどヤバい不具合があったんだろうか

    1
      • 名無し2
      • 2022年 11月 10日

      自律AIが事故や誤爆を起こせば責任の所在が民間に降り掛かりかねない倫理上の問題、有人機の搭載スペースを奪う事になりパイロットの雇用が脅かされる、F-35にコスパ的に勝てないなどいくつかありますが、中国ではそれらは問題にならないため今回の大量出展につながったと思われます。

      4
      • HY
      • 2022年 11月 10日

       X-47の不具合と言ったら空母着艦時ですね。同機は三つの人工知能を搭載していて多数決で決めるようになっていたけど、それそれが違う飛行ルートを提案したために着艦中止になったそうです。

       もっとも不具合を解消できたところで実戦配備されたかどうかも怪しいですね。少し考えれば解ることだけど、高度な技術と機密を詰め込み過ぎた無人機はとても敵領域に遅れたものじゃありません。鹵獲された時の技術流出のリスクが多きすきます。実際、イランにステルス型UAV「センチネル」をイランに鹵獲されていますから。

      2
    • HY
    • 2022年 11月 10日

     航空ショー程度で既に心折れている方がいらっしゃるようですがこんなことでは先が思いやられますね。そもそもステルスUCAVは敵地での作戦を前提としていますから平和憲法の日本が作るはずがないんですよ。有人のステルス戦闘機は敵ステルス戦闘機のカウンターとして必要ですが、ステルスUCAVは敵領空侵犯時においてその真価を発揮するので、日本が先制攻撃を考えていない以上、全くの不要と言えるでしょう。

     米国においてステルスUCAVであるX-47の開発が中止になったのは技術流出を危惧してのことでしょうし、中国が気にせず海外向けにふるまっている辺りCH-7は「その程度」の能力と予想されます。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 日本関連

    国産防衛装備品の海外輸出が実現!フィリピンが日本製警戒管制レーダー「J/FPS-…
  2. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  3. 米国関連

    本当に笑えない、米空母ジェラルド・R・フォードを苦しめるエレベーターの呪い
  4. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
  5. 日本関連

    リチウムイオン電池採用艦!日本のそうりゅう型潜水艦11番艦「おうりゅう」就役に世…
PAGE TOP