中国関連

DF-17を開発した技術者が米国に亡命、中国が対策を講じるのに2年かかる計算

中国の極超音速兵器「DF-17」開発で重要な役割を果たした中国人技術者が米国に亡命した報じられており、中国が米英に流出した情報を無効化するには少なくとも2年はかかるらしい。

参考:Global tensions grow as Chinese rocket scientist defects to the West

DF-17を含む中国の極超音速兵器には何か致命的な制限や技術的な課題を抱えている?

米空軍はブースト・グライド・ビークル(極超音速滑空体/HGV)を搭載した「AGM-183A ARRW」を2022年中に実用化すると議会の公聴会で豪語していたが昨年実施した計3回の試射に全て失敗、移動目標の攻撃に対応した第2世代の極超音速兵器の赤外線センサーに不可欠な冷却技術(空気との摩擦で生じる感知能力低下を防ぐ技術のこと)開発についても中国に遅れており、両国の極超音速兵器に関連する技術格差は一向に縮まる気配がない。

出典:Air Force photo by Matt Williams

つまり米国は一方的に迎撃困難な中国の極超音速兵器がもたらす脅威に晒されているという意味なのだが、これを開発した中国人技術者が亡命してきたことで状況が変わったと英国メディアが報じている。

中国の極超音速兵器「DF-17」開発で重要な役割を果たした中国人技術者は自身の昇進が見送られたことに腹を立て昨年9月末に香港の英諜報機関に接触、彼は極超音速兵器開発に関する選りすぐりの最新情報と引き換えに自分と妻子の亡命を要求、情報が本物であると確認したMI6はCIAと協力して彼と家族をドイツ経由で米国に亡命させることに成功したらしい。

出典:CCTV中国中央電視台のスクリーンショット

関係筋の話によると「中国人技術者がもたらした情報を元に米英は対極超音速兵器の防衛計画を大きく前進させることができる。中国がシステムを調整して米英に流出した情報を無効化するには少なくとも2年はかかると見ており、この分野における2年という時間は余りにも長い」と語っているが、入手した情報の詳細を明かしていないので中国人技術者の亡命が本当かどうかは謎だ。

ただ入手した情報は「DF-17を含む中国の極超音速兵器迎撃に役立つ情報」というニュアンスなので、これが事実なら中国は相当慌てているだろう。

関連記事:米空軍が極超音速兵器の試射に失敗している原因、デジタルエンジニアリングと開発スケジュール?
関連記事:米空軍が極超音速兵器AGM-183Aの試射に3回連続で失敗、2021年中の量産開始は不可能に
関連記事:米軍ナンバー2の警告、極超音速兵器のテストを過去5年間で米国は9回VS中国は数百回

 

アイキャッチ画像の出典:MDAA HGVのイメージ

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

米空母の飛行甲板に衝突したF-35Cは海に落下、現場は中国に近い南シナ海前のページ

ロシアを前に団結できない欧米、制裁の米英、対話の仏独、商売のイタリア次のページ

関連記事

  1. 中国関連

    中国、日本が対艦ミサイルで台中戦争に介入すれば弾道ミサイルで日本本土に報復

    環球時報紙の胡編集長は5日、石垣島に陸自のミサイル部隊配備に関するニュ…

  2. 中国関連

    海警法で武器使用を容認した中国、中国海軍の056型コルベットを中国海警局へ移管

    中国海軍は2012年~2019年にかけて計72隻建造した056型コルベ…

  3. 中国関連

    中国、米空軍も恐れるPL-15を搭載する第4.5世代戦闘機「J-10C」に国産エンジンを統合

    中国の第4.5世代戦闘機「J-10C」はロシア製よりも性能が優れている…

  4. 中国関連

    中国、英国が準備不足の空母を極東に派遣しても軍事的意義は皆無

    英海軍の空母「クイーン・エリザベス」を中心とした空母打撃群が来年、西太…

  5. 中国関連

    中国、日米仏による共同訓練や英国の空母派遣は偽善的だと批判

    日米仏による共同訓練や英国の西太平洋への空母派遣について人民解放軍海軍…

  6. 中国関連

    中国が無人潜水艦プログラムの機密を解除、UUVによる模擬潜水艦への魚雷攻撃に成功

    中国は1990年代に研究・開発が始まった無人潜水艦プログラムの機密を解…

コメント

    • tarota
    • 2022年 1月 26日

    理系が作る→儲かる→手隙の者が主導権を握ろうとする→理系が逃げる
    どこも同じですな

    78
      • くらうん
      • 2022年 1月 26日

      たとえ高度な軍事技術を発明したエンジニアも、やろうと思えば亡命なんてしなくても他国に情報流し放題ですからね。

    • 幽霊
    • 2022年 1月 26日

    これが本当だとすると将来開発される米軍の超音速兵器は中国の技術も混じるのかな?

    22
    • もり
    • 2022年 1月 26日

    米英が中国から技術を盗む時代
    日本はいつまで日本の技術流出ガー!しか言わないつもりだ?

    技術流出を防止するだけの時代は終わり、中国の技術を盗む手段も考えねばならない時代にとうになっている

    64
      • 無無
      • 2022年 1月 26日

      今は平和だと信じきってるお花畑さんには、こうやって平時にも凄まじい諜報戦争が繰り広げられていることを教えないとね。
      うまく亡命できなかったら、この一家は無惨な結末だったはず、この恐ろしきこそ世界の現実だよ

      28
      • 2022年 1月 26日

      とは言え米ソ冷戦時も盗み盗まれでしたから今更感はありますな

      23
    • Naoki
    • 2022年 1月 26日

    これでアメリカの極音速兵器ができたら中国のパクリって呼んでも問題無いだろう。

    16
    • A
    • 2022年 1月 26日

    やはり情報の流出は人ですな。

    39
    • 無無
    • 2022年 1月 26日

    民間人がやすやすとMI6に接触できるはずもない、おそらくははじめから西側に目をつけられて亡命させるチャンスを狙われてた、だね。
    これで中国ミサイルの実像が西側に知れる

    49
    • ポン
    • 2022年 1月 26日

    これ、アメリカから中国にも似たようなことが起こってたりするんだろうか

    4
      • クリスタルゴリラ
      • 2022年 1月 26日

      少なくとも極超音速ミサイルの分野では無いと思われ
      しかし他の分野だとそこそここういう事が日常的にありそう。

      26
      • 感謝します
      • 2022年 1月 26日

      亡命ではないけど、F-22とかF-35の機密流出はあったはず

      28
    • APSF
    • 2022年 1月 26日

    極超音速兵器迎撃に役立つ情報てことは、中国自身は相手がいずれ同様の兵器を開発した時の対策も進めていたという事かな。

    8
      • 投石器
      • 2022年 1月 26日

      いや、中国製極超音速兵器の仕様が分かれば対策が捗るという意味かと

      >中国がシステムを調整して米英に流出した情報を無効化するには少なくとも2年はかかると見ており、

      ともあるし。

      11
    • 匿名
    • 2022年 1月 26日

    ミノフスキー博士かな?
    いまどき一人の天才博士が全部どうのありえんのかな思ったけど
    トヨタのTHSがまさにそれだったから超絶個人技って実はありえるかも

    9
      • 無無
      • 2022年 1月 26日

      せめてサハロフ博士といってくれ(笑)

      9
      • バーナーキング
      • 2022年 1月 26日

      >彼は極超音速兵器開発に関する選りすぐりの最新情報と引き換えに

      となってるから持ち出したデータの問題かと。

      5
    • L
    • 2022年 1月 26日

    暗殺対策とか大丈夫なんだろうか
    中国ならノビチョク持っててもおかしくない

    19
    • 伝説のハムスター☆☆☆
    • 2022年 1月 26日

    もし本当なら中国がガチで消しにきそう

    30
    • qlm
    • 2022年 1月 26日

    ヒューミントは諜報活動の基本ですな。
    中国だと中央軍事委員会連合参謀部情報局が担当している。

    10
    • asp
    • 2022年 1月 26日

    甘いニュースでもフェイクニュース
    AVICではなくCALTはDF-17を開発した
    さらにCOVID期間、本土を離れたい国有企業社員に対してより厳しい承認がある
    トムクルーズの映画でのみ離れることができる
    唯一のリークは2017年でした(ミサイルの軌道、2015年のテスト)

    4
      • ポン
      • 2022年 1月 26日

      先に日本語を勉強してもらってですね…

      54
        • 五毛島
        • 2022年 1月 26日

        どうみても日本人じゃないでしょ。

        16
        • A
        • 2022年 1月 27日

        翻訳ソフトの問題かな?

        2
    • 和泉堺
    • 2022年 1月 26日

    >中国人技術者は自身の昇進が見送られたことに腹を立て

    これは日本がやられたのと同じ構造ですが、中国でも同じことが起きうるということですね。
    例えば日本の半導体技術が韓国に流出したやつとか。
    このニュースが米か英からの意図的なリークだとすると、同じ不満を持つ技術者があとに続くことを期待してのものかな?

    元記事では
    >元イギリスの植民地に旅行するという計画が孵化しました。
    とあるので、こういう人たちは出国すること自体が難しいんでしょうが。

    22
      • asp
      • 2022年 1月 26日

      それは1980-1990年代の理由
      軍縮に伴い、扱いが悪化し、多くのプロジェクトが中止した
      今は全然悪くない

      1
        • 和泉堺
        • 2022年 1月 26日

        技術者が待遇に不満を持って、もっと待遇の良い外国に行く。
        この点は、90年代以降に日本の半導体業界でおこったことと同じことだと思いますが。

        >軍縮に伴い、扱いが悪化し、多くのプロジェクトが中止した
        >今は全然悪くない

        主語がわかりません。

        23
          • Der
          • 2022年 1月 26日

          それわざとやってる
          中国人の工作と見せかけるのが目的

          1
            • 和泉堺
            • 2022年 1月 26日

            ああ、彼の別コメントを読んでませんでしたわ・・・

            2
      • NHG
      • 2022年 1月 26日

      昇進ごときで亡命と言うのは吹っ切れすぎてるから、共産党内の派閥争いや失言やミスなどによる抹殺一歩手前まで行ってたのかなと妄想

      7
        • 和泉堺
        • 2022年 1月 26日

        その技術者が政治的に監視されている立場なら、すんなり出国できないのじゃないかなとも思うんですよね。
        少なくとも家族は足止めされるとか。
        元記事によると「旅行」とあるので、一旦は自力で出国してますし。

        6
    • K
    • 2022年 1月 26日

    >極超音速兵器迎撃に役立つ情報

    今回入手した情報が攻撃兵器に転用される事はないのかな。
    かつて東側の兵器は「パクリ、劣化版」みたいなニュアンスで◯◯スキーだとか中華◯◯とか言われたものだけど、アメリカがパクったとなれば何と呼ばれるのだろうか?笑

    3
      • E
      • 2022年 1月 26日

      アンクル○○とか?

      2
        • K
        • 2022年 1月 26日

        アンクル東風
        …うーん、そこはかとなく漂うプロレスラー感

        9
      • Naoki
      • 2022年 1月 28日

      メリケン東風

    • DEEPBLUE
    • 2022年 1月 26日

    欠点はやはり誘導精度でしょうかね?

    5
      • rrr
      • 2022年 1月 26日

      やっぱり熱問題は解決不能なんじゃない?

      15
    • 狂信者
    • 2022年 1月 26日

    真偽不明の与太話でも一定の効果あるよね
    否定しても肯定しても及ぼす影響がいろいろある

    10
    • 匿名希望
    • 2022年 1月 26日

    これ結構大ニュースじゃないのか?
    米は確かにDF-17などの迎撃方法は持ってないけど
    中国もミサイル迎撃技術はないよね。

    お互いノーガード中ってことじゃない?

    10
    • RCEP
    • 2022年 1月 26日

    なんかアメリカがパクる時代wみたいなニュアンスで盛り上がってるけど
    まず初めに中国の極超音速兵器が本当に西側が予想しているレベルなのか、それ以下かそれ以上なのかを調べるのが先じゃない?
    あとそもそもこの技術者が本物かのかどうか?
    外交安全保障は騙し合いの連続だな

    日本の諜報機関は…

    25
      • oioi
      • 2022年 1月 26日

      多分ハリボテで使いもんにならないんじゃないの?
      旧ソ連と同じ

      そもそも中国って、冶金技術とかさっぱりでしょ

      10
    • 名前 (必須)
    • 2022年 1月 26日

    >「中国人技術者がもたらした情報を元に米英は対極超音速兵器の防衛計画を大きく前進させることができる。中国がシステムを調整して米英に流出した情報を無効化するには少なくとも2年はかかると見ており、この分野における2年という時間は余りにも長い」

    諜報一つでこんなに相手を出し抜けるというのに、スパイに無関心な日本人の多いこと。

    10
    • 名無し
    • 2022年 1月 26日

    これが本当ならものすごい収穫だな
    でもここまでの情報を公にするのなら既に当局の介入によって
    資産が失われても問題ない段階にあるんだろうな

    10
    • 匿名
    • 2022年 1月 26日

    ソースからフェイクニュースの臭いがしますね

    1
      • 無無
      • 2022年 1月 27日

      火のない所に煙は立たない。この件の真偽はともかく、我々市民の見えないところで国家間がしのぎを削ってるのは本当でしょう、西側から東側への亡命とかはスノーデン氏以外は珍しいが(笑)中国から西側という話は信憑性がある、
      独裁政治の欠点は、ここだよ。人間の心は暴力でコントロールできない、みんなうわべで従ってるだけ

      4
    • ^q^
    • 2022年 1月 27日

    実際は巷で言われるような性能じゃなかったというオチが見える見える

    2
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 日本関連

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  2. 日本関連

    海外メディアも注目、横浜で護衛艦「いずも」の空母化工事が始まる
  3. 米国関連

    本当に笑えない、米空母ジェラルド・R・フォードを苦しめるエレベーターの呪い
  4. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  5. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
PAGE TOP