ドイツとスペインは先月、運用中の戦闘機ユーロファイター・タイフーンに搭載されたレーダーをAESAレーダー「Captor-E」に換装することを発表したが、開発国の英国が自国のタイフーンに「Captor-E」に採用するのかに注目が集まっている。
参考:Eurofighter’s New Radar Is Nearly Ready But Royal Air Force Wants An Even Better One
タイフーン向けに開発されたAESAレーダー基本型の他に、ドイツと英国が別々にCaptor-Eの派生型を開発中
タイフーン向けに開発されたAESAレーダー「Captor-E」は10億ユーロもの費用を投じて開発したのだが、最初にCaptor-Eを採用したのはクウェートとカタール向けに製造されたタイフーン(トランシェ3B)で、先月になってようやく開発国のドイツとスペインがCaptor-E採用を発表したが、依然としてタイフーン最大の運用国である英国はCaptor-Eの採用を拒んでいる。
この不可思議な状況について米メディアは、英国は自国のタイフーンに現行の「Captor-E」を採用するつもりはなく、現在開発が進められている新型の「Captor-E」を採用するつもりだと指摘した。

出典:Bin im Garten / CC BY-SA 3.0 CAPTOR-Eを搭載した展示機
AESAレーダー「Captor-E」には現在3つのバージョンがあり、クウェートとカタール向けに製造されたタイフーンに採用されたのは輸出向け仕様の「MK.0(以前はレーダー1+と呼ばれていた)」で、ドイツとスペインが発注したCaptor-EもMK.0仕様だが、ドイツに拠点を置く防衛産業企業「ヘンゾルト(Hensoldt)」がMK.0のアップグレード版を開発中で後日、新しい各送受信モジュール(TRM)やマルチチャンネル・デジタル受信機等が供給され「MK.1」仕様にアップグレードされるらしい。
補足:Captor-Eの基本型であるMK.0開発を主導したのはイタリアのレオナルドだが、MK.1開発のためドイツに拠点を置く防衛産業企業「ヘンゾルト」に技術移転を行ったらしい。恐らく英国にも同じように技術移転を行ったのだろう。
しかし英国はドイツとスペインが採用を決めた「MK.1」ではなく独自に英国で開発中の「MK.2」を採用する予定で、このMK.2開発は「Bright Adder Project」と呼ばれ極秘裏に開発されているため詳細な仕様については不明だが、米メディアは「Captor-E MK.2」に換装したタイフーンはF-35と同じように高度な電子攻撃能力と安全なデータリンクモードを備えることになると説明した。
現在、Captor-E MK.2の開発は運用評価段階で開発が完了すれば英空軍が保有する40機のタイフーン トランシェ3Aに搭載される見込みだ。
これは管理人の予想だが、英国の防衛産業企業BAEシステムズはF-35が搭載するAESAレーダー「APG-81」と組わせて使用する電子戦/妨害システム「AN/ASQ-239」を供給しているので、英国はタイフーンに「Captor-E MK.2」と「AN/ASQ-239もしくは派生型」を搭載してF-35並の電子攻撃能力を付与するつもりなのかもしれない。
ただエアバスも昨年、ドイツのトーネードの後継機需要を見越して電子攻撃/防空網制圧任務に対応した「タイフーンECR」のコンセプトを発表したばかりで、管理人の予測が正しければ英国のトランシェ3Aアップグレード計画と重複してしまっている。

出典:エアバス
エアバスが発表した「タイフーンECR」は英国が開発している「Captor-E MK.2」をベースに開発されるのかは不明だが、共同開発とは本来このような重複を避けるための仕組みであるはずなのに、各国がそれぞれの思惑でバラバラにタイフーンのアップグレードを開発しているため共同開発の意義が失われてしまっているように見えてしまう。
因みにタイフーン開発国のイタリアは、今のところCaptor-E採用を正式には表明していない。
※アイキャッチ画像の出典:Robert Sullivan / Public domain
>>電子攻撃能力はF-35級? Captor-E MK.2
既に20年以上前からうAESA運用してる米軍の電子戦能力と同じわけがない、さすがに森杉。
ふぁ?
その米軍機が搭載している電子戦装置はBAEシステムズの製品なんですが
記事をちゃんと読みましょうか
だったらなぜイギリスがCaptor-E装備にこれほど時間をかけて苦労したのかな?
そこんとこを疑問に思わないの?
ユーロファイター・タイフーン採用時の契約内容もう3回くらい読み直してこい!
何でわざわざタダで最新技術くれてやらなきゃならんの?
つーか前提条件に疑問もたなかったのか?
防衛装備の開発ってのはね技術的な事だけじゃ無いのよ
政治や軍事支出全体の兼ね合い、果てはマーケットの動向にも影響を受ける
特にユーロファイターは開発中に主敵であるソ連が崩壊して冷戦が終結した影響で軍事費自体が大幅に削減されたり、調達国が調達数絞ったりしてほとんど計画が止まってた時期もあるのよ
その間にも基礎研究自体はしたりしてるから、開発に時間がかかったのは単に技術力が低かったとは言えないわけよ
なんでも疑問に思うことは良いとしても、変にうがった見方をして粗野を狭めるような考え方は本末転倒、見識の低さを露呈しちゃってるよ?
「AESAレーダーの開発遅延」と「電子戦能力」に何の関係が?
どちらも電気を食うから古いエンジンの発電能力じゃ間に合わないのでは。
新しい酒は新しい酒袋に。
>既に20年以上前からうAESA運用してる米軍の電子戦能力と同じわけがない
の根拠が「どちらも電気を食うから」だったら、もはや病院行った方が良い案件では?
Captorシリーズの開発はユーロレーダーで、電子戦装備のAN/ASQ-239はBAEシステムズのはずなんだけど、あなたの言うCaptor-E装備に時間がかかるのと電子戦システムの開発力に何の関係があるんですか?
そもそも現時点で西側戦闘機に装備できる最高の電子戦システムAN/ASQ-239をイギリスのBAEが作ったのになぜ電子戦装備の開発力が劣ると?
>20年以上前からAESA運用してる米軍の電子戦能力
この時点で何か途方もない勘違いの匂いがします。
本文読んでる?
>英国の防衛産業企業BAEシステムズはF-35が搭載する〜電子戦/妨害システム「AN/ASQ-239」を供給している
因みに〜F-22Aの電子戦システムもBAE.S社製だから!笑
これ裏を返すと、やっとできたCaptor-E MK.0や現在開発中のCaptor-E MK.1ではイギリスの要求を満たせないってことですよね
>Captor-E MK.0
量産試作機扱いな感じですね。
なるほど、そういうことなのでしょうね。
たった40機の為に新型レーダーをかいはつしているのか。
ぜいたくだな。
一応テンペストも視野に入れてるのかも?
ラファールのパイロットからエンジン以外を散々馬鹿にされてたタイフーンもやっとまともな性能になるのかな?
清○が今度はF-3の開発を中止してテンペスト完成までの繋でタイフーン買えとか言い出しそう
清○が本邦の戦闘機開発を中止して第6世代機の完成までタイフーン使えとか言い出すな
テンペストに搭載する機器のテストヘッド的な意味あいはあるのかもね?
つまり、ほとんどはトランシェー3A(パルスド・ドップラー・レーダー)のままで、一部をAESAに換装する
(勿論、基本性能、耐久試験は地上での試験、輸送機で試験するだろうけど)
なんやかんやイカもすげー所はすげーからな…
なんとかF-2よりは先進的になったな
このままテンペストまで繋げて行けるか?
欠陥のため機体寿命が設計寿命を大幅に下回るというニュースを見た記憶があるんだが・・・・
修正に修正を重ねているうちに機体寿命を迎えてしまうのは十分にあり得る話ですね。
キャプターEみたいな首振りAESAって、レドームとの干渉は大丈夫なのか?
アンテナの角度とレドームの角度/厚みでビームの直進性とか変わってきそうだよね
稼働部分増えてMTBFも短くなりそうだし、AESAのいいとこ潰してる感
Captor-E MK.2がテンペスト用レーダーか
Captor-E MK.1がFCAS用レーダーか
はたまたまったく別のレーダーが湧いてくるのか
日本は次期戦闘機のレーダーはもう公開してたな
F-3はレーダーに関しては余裕のよっちゃん。