米東海岸沖で実施するF-35B運用資格試験に挑むため英空母プリンス・オブ・ウェールズは27日にポーツマスを出港、しかし推進機関に故障が発生してイギリス海峡で立ち往生しているらしい。
参考:HMS Prince of Wales suffers propeller shaft issue
参考:HMS Prince of Wales warship breaks down off south coast after setting out on ‘landmark mission’ to US
出港から僅か1日で約4ヶ月間に渡る長期航海が中止される危機に直面、またF-35B運用資格を取得する試験を中止?
ポーツマス基地に停泊中だったクイーン・エリザベス級空母2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」で海水が機関室に流れ込む事故が2020年10月に発生、英海軍は損傷具合について「軽微」と発表していたが実際の被害は甚大で、艦内の配管が破裂して数千ガロンの海水が機関室に流れ込み電気系統の設備が水没、修理に6ヶ月もかかると判明したため2021年前半に予定されていたF-35B運用資格の取得試験に間に合わなくなってしまった。
事故から復帰したプリンス・オブ・ウェールズではF-35Bの限定的な運用が始まっているが、実戦投入には米東海岸沖で実施するF-35B運用資格を取得する試験をパスする必要があり、プリンス・オブ・ウェールズは米国に向けて27日にポーツマス基地を出港したが、その直後に推進機関に故障が発生して立ち往生しているらしい。
英海軍の報道官は「機械的なトラブルでプリンス・オブ・ウェールズはSouth Coast Exercise Area(イギリス海峡に浮かぶワイト島の沖合)に停泊している」と述べており、この問題に詳しい情報筋は「問題の原因を突き止めるためダイバーが派遣され調査した結果、右舷のプロペラシャフトに何らかの損傷があるらしい」と述べている。

出典:Royal Navy/OGL v1.0
現段階でプロペラシャフトの損傷程度は不明だが、修理のため乾ドックに入渠する必要があれば「米東海岸沖で実施する予定だった試験を再び中止しなければならない」と指摘されており、F-35Bの運用を伴うプリンス・オブ・ウェールズの実戦投入は更に遅れる可能性が出てきた。
因みにプリンス・オブ・ウェールズの訪米はF-35B運用資格を取得する試験だけでなく、米海軍との演習、ニューヨーク、ハリファックス、カリブ海の訪問が予定されており、出港から僅か1日で約4ヶ月間に渡る長期航海が中止される危機に直面した格好だ。
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※アイキャッチ画像の出典:Royal Navy/OGL v1.0
なんでこんなに故障だらけなんだ?野心的な設計過ぎたか
足回りにそんな野心的な設備を入れているとは思えないんだけど。
単に溶接や工作の精度が悪いとかじゃないのかな。
軍艦の造船しかしてない国は総じて大型艦の建造に苦労してる印象ある
言うて満載で7万トン近い巨艦だし、細部の微妙な計算や作業をミスってる(≒現場や設計技術者の地盤沈下)とかありそう
かつての海軍大国、造船大国イギリスでそれはないと信じたい…
そもそも建造計画自体が、雇用を守る為に6カ所の造船所で建造された52ブロックのブロックを1つに組み立てる形式だったからね……
生まれながらの「ズビアン」というか、「プ/リ/ン/ス/オ/ブ/ウ/ェ/ー/ル/ズ」だったわけで、結合にミスが有れば前回の機関室浸水の様な事故も起こりやすいのではと
そして、一度浸水した電子機器類の修理がどれほど厄介かを考えればね……
上手い!座布団2枚
中国が喜びそう。
中国人や中国シンパってアメリカの戦闘機が空母に着地失敗して海にドボンしたときは
「アメリカ軍の権威失墜!」って大喜びするくせに、
中国の戦闘機が2022/6に住宅気に墜落した件については「中国軍の権威失墜」とは決して言わないんだよなぁw
まあ…「事故で戦闘機を喪えば権威失墜!」という中国シンパルールに従えば、
一番権威失墜しているのは、敵の攻撃などなかったはず(ロシア軍自称)なのにサキ基地で爆発事故を起こして戦闘機を多数失ったロシア軍だけどねw
そこはまぁ日本も同じじゃないか…?
アパッチが墜落した時の騒ぎ様をみたらそうは思いませんが。
メディアの半分以上は原因もわかっていないのに自衛隊が悪いかのような報道してましたよ。
故障が多いなぁ
早く治るといいが
治らないかも。
でか過ぎる船だったかな。
QE級の舵も最後まで治らなかったような
名前が悪いだけだろう。
先代もそうだし、人間方もそう。(笑)
まぁ冗談はさておき、建造期間が長すぎる。着工したのが2011年、進水が2017年、公試開始が2019年。
クイーンエリザベルもトラブルが結構あったが、ブロック建造だからここまで期間はかからない。
国防予算の関係で先送りを喰えり返したのだろうが、時間がかかれば起動しないものが固着したり水中のあることが前提のモノを地上に放置すればまともに動かなくなるし、先代のアークロイヤル、イーグルなんかでも船台での放置期間が長くて、トラブルをいつも抱えていたわけでまだ懲りてないのかね?
1番艦がトラブルと無縁とは言わないまでも曲がりなりにも戦力化が進捗しているのに対して、どうもこちらはケチが付きますね。
しかも発生タイミングのガックシ来る感じ、英海軍もさぞやもどかしい事でしょうね。
これが統合電気推進の問題だったとしたら残念だな
まあ本邦次期DDはイタリア海軍のPPAと同じく軸発電機システムを組み込んだCOGLAGっぽいけど(検討役務を見る限りの話だから違う可能性も十分ある)
>これが統合電気推進の問題だったとしたら残念だな
「それはひとつ目の課題ですね。(微笑)」
現在の「プリンス・オブ・ウェールズ」称号保有者の呪いでもかかっているのか、と思うようなトラブルですね。
同型艦でこれだけトラブルが違うとか、同時発注で工程上の問題引いたんでしょうか
少し上にある「建造に時間掛け過ぎ」説に一票。
QEの5年に対して6年3ヶ月ちょい。たかが1/4されど1/4、しかも建造時期が7月〜7月のQEに対して5月〜9月なので地上で2夏余分に過ごしてる、ってのは無視できないと思う。
ダイバーが目視できる故障ならばドッグ入り確実、遅れるわ
二度あることは三度あるか
我が国にとっては悲報
ヨーロッパでは一番頼りになる英海軍なので
ちょっとロイヤルネイビーかっこ悪くないかね
しかしイギリスといえどもF35B正式運用するのには米に許可がいるのね
ニミッツ級空母ロナルド・レーガンは本格運用時には退役済みのF-14トムキャットの離着艦認証を訓練使用目的で実機で試験して取得してますから、アメリカ海軍でも艦載機種・艦ごとに個別に認証が必要なようです。
このルールを他の国の艦にも適用してるのでしょうね。
アメリカとイギリスはクロスデッキで互いの艦に自国のF-35Bを離着艦させる予定がありますから、アメリカの認証を通さないとクロスデッキが実現できないというのが大きそうです。
まぁでも海軍ジンクスあるあるですよね、常にどっかしらが故障していて就役期間の殆どをドックで過ごす船って。それがタグボートや駆逐艦とかじゃなくて2隻しか無い空母のうち一つなのは気の毒ですが…
一番艦のクイーン・エリザベスは昨年日本に来ていましたね。二番艦なので実績のある設計のはずだし、造船所も同じですが何なのでしょうね。電気推進ということでそこそこ新しい技術ではありますが、プロペラシャフトの故障なら関係なさそう。
造船所の工員が移民ばっかで技術の継承とか出来て無いのでは?
右舷プロペラシャフトって戦艦の方のプリンス・オブ・ウェールズが被弾したときに折れ曲がって機関の隔壁破壊し続けた側のシャフトやん…呪いって言われても信じる人でるぞこれ
早うクロスデッキしようや
QE型空母は統合電気推進だそうですが。
POWは、以前、機関室が浸水したそうですが、
その時に、推進モーターは水没したのでしょうか。
そうならば、その時に推進モーターは全交換したのでしょうか。
そうでなければ、今回の事態の原因はプロペラシャフトとされているようですが、
ひょっとすると推進モーターが遠因になっていそうな気がします。
素人は、推進モーターを使いたがる昨今の傾向を良くは思っていないので、
以上のような疑いを持ちます。
やはり名前にジンクスがあるのか