152mm砲弾をウクライナに無償で寄付することで「ロシアの脅しに屈しない」とアピールしたチェコ共和国は30日、ウクライナへの追加支援を検討していると報じられている。
参考:‘We should participate in dispatching troops to Ukraine,’ says Czech foreign minister
経済援助とヘルメットを送る以外の行動を起こさないドイツの代わりにEUやNATOがどれだけの代償を支払うことになるのか
4,000発の152mm砲弾をウクライナに無償で寄付すると発表したチェコ共和国は「追加支援の検討を行っている」と報じられており、27日にNATOのストルテンベルグ事務総長と会談したリパフスキー外相は「NATOが進めている東欧諸国への追加部隊派遣はチェコの安全保障に寄与するもので我々も参加すべきだ」と語り注目を集めている。
ロシアの侵攻リスクに晒されるウクライナを支援するため米国、英国、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドなどが次々と武器供与に名乗り出ている中、チェコ国防省も152mm砲弾の在庫の中から約4,000発(3,660万チェコ・コルナ/約1.9億円)を無償で寄付すると26日に発表、しかも今回の寄付は法律で定められた無償譲渡の例外として扱い「ウクライナ軍の強化が東欧での武力衝突リスクを軽減するのに役立ち最終的にチェコ共和国の利益になる」と解釈することで今回の寄付を実現したため欧州諸国から賞賛されている。
しかしチェコ共和国は「152mm砲弾の寄付だけでは不十分で追加支援の検討を行っている」と報じられており、27日にNATOのストルテンベルグ事務総長と会談したリパフスキー外相は「NATOが進めている東欧諸国への追加部隊派遣はチェコの安全保障に寄与するもので我々も参加すべきだ」と語った。
NATOはバルト三国やポーランドに続きウクライナと国境を接するスロバキアとルーマニアにも部隊を追加配備する計画を進めており、チェコはこれに自軍の部隊を派遣して「ロシアの脅しに屈しない」というNATOの結束を貢献したと考えているだろう。
因みに米国は東欧諸国に最大8,500人の兵士を派遣、英国は東欧諸国に派遣している英陸軍の数を2倍以上(1,000名以上→2,000名以上)に引き上げる予定、フランスはポーランドへ仏軍派遣の用意があると表明、デンマークはバルト海にフリゲート艦をリトアニアにF-16×4機を派遣、スペインは黒海にフリゲート艦を派遣しブルガリアにタイフーンを派遣することを検討中、オランダはブルガリアにF-35×2機を派遣すると発表するなど加盟国が「NATO結束」に向けて動き出しているが、ドイツは東欧諸国への部隊派遣について「ロシアを刺激するだけで問題の解決には役に立たない」と主張しているため協力に応じていない。
まぁドイツ連邦議員の一部には「ウクライナにヘルメットを5,000個も提供する行為は致命的な兆候だ、あくまでドイツは調停者であり一方の側に立ってはならない」と叫ぶ方々がいるぐらいなので、東に拡大した東欧諸国からNATOの兵力や装備を撤去しろ要求するプーチンの意に逆らってまでNATOの部隊派遣に協力する勇気はないだろう。
余談だが「ドイツのヘルメット5,000個提供はウクライナに対する経済援助を約束した小切手だろう」と評した英メディアのinewsは「これは難しい約束を果たすことから逃げるための手段に過ぎないので当然評判が悪い=あとで幾らでも経済支援を行うので経済活動に支障を来す荒事に巻き込まれることだけは勘弁してくれという意味」と指摘しており、我々が最も注目している懸念はショルツ政権が迫りくるウクライナ紛争から如何にドイツを関与させないかではなく「経済援助とヘルメットを送る以外の行動を起こさないドイツの代わりにEUやNATOがどれだけの代償を支払うことになるのか」だと言っているのが非常に興味深い。
つまり必要な時に必要な行動を起こすことが国際社会での信頼に繋がるという意味で、戦争に巻き込まれないことこそ道徳的に正しいという「価値観」を守るため経済援助で乗り切ろうとしても「ドイツは国際社会からの信頼を失う一方で、経済援助で問題を回避できるのではなく代わりに代償を支払う者がいるから回避できるのだ」とinewsは言いたいのだろう。
関連記事:ドイツにとって不名誉なジョーク、10万個の要請に5,000個のヘルメット提供で応える
関連記事:ドイツのレッドラインはどこにあるのか?その答えを同盟国も敵も知らない
関連記事:ドイツのヘルメット支援にウクライナが失望、次は枕でも送ってくるのか?
※アイキャッチ画像の出典:@JanLipavsky
お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。 |
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツに頼らなければならない経済力と軍事力を恥じれよ
日本人以上に現実逃避クセがついた独人は露人とつるんでEUの富を独占してる現状の変更を望まない故にウクライナのNATO加盟もEU加盟も絶対許容できない
今のEUはまるでトヨタ!とその下請け!
小国チェコの矜持というか、同じスラブ系の民族からでもここまで嫌われてるのは過去の蛮行のせいなんだけど、プーチンさんは理解してますか?あんたたち今も憎まれてるんだよ
ロシアの庇護なんか受けたくないってさ
このまま黙って見てればいずれはもう一度プラハの春が来るよなぁ
大げさだと思う人もいるかもしれないけど現に近場のウクライナは似たような羽目になってるんだし
先週BSフジの番組で、ウクライナ危機について取り上げていました。
まあ色々、頭の整理になりましたので紹介。
出演者は、黒井文太郎、鶴岡路人、鈴木宗男、佐藤優。
↓ハイライト動画 後編もあります。
BSフジプライムニュース『緊迫のウクライナ情勢 鈴木宗男&佐藤優解説 黒井文太郎&鶴岡路人』【前編】
・今回の侵攻がある場合のプーチンの行動は状況に応じて様々ありえる。(黒井)
・プーチンの最終目標はウクライナをベラルーシのようなロシアの協力国にすること。(黒井)
・とりあえず現時点、ウクライナがNATOに加盟するのを絶対阻止するためにプーチンは動いているのだろう。(鶴岡)
・ルガンスク・ドネツクのロシア系住民を見捨てればプーチンの政権批判につながるので見捨てられない。ただし、ウクライナ領内にあったほうがメリットがあるので併合はしない。(佐藤)
この辺は、出演者どうしで特に異論が出なかった点でしたね。
その番組ミリタリー界隈だと悪い意味で話題になってたやつでは?
率直に言ってロシアの代弁者の集いにしか見えなかったのですが……
ムネオと佐藤はめちゃくちゃポジショントークしてましたね。
ロシアとウクライナどっちが悪いかにえらく拘ってました。
鶴岡氏は知りません。
黒井氏って、軍事アナリストでしょ?
まあ、何を読み取るかは自分次第ですよ。
番組出演者たちを良くは知りませんが、
鶴岡氏という方は、なんか微妙な感じになってもうた…(しょんぼ)
みたいな事は言ってたみたいですね。
ムネオと佐藤は北方領土問題で完全に見限ったわ。よくノコノコとロシア問題語れるもんだわ
俺はスパイか協力者の類いだと疑ってる
ほんの100年前はドイツは世界から崇められ畏れられていたのに・・・
今ではNATOからも東欧からもロシアからも邪魔者扱い・・・
総統が墓の下で泣いてますよ、畜生めーー!!!ってね。
ドイツがどうするかでEUが右往左往するから影響力は増してるまである
今のドイツは湾岸戦争時の日本より酷いな
プーチンのNATOへの揺さぶりについては、確かに初動で西側は足並み揃わなかったし、独君は相変わらずのムーブをかましてますが、国境沿いの戦力自体は危機前より逆に増強されてるんですよね。
一時的か恒久的かにもよりますが、ロシアが望む最大公約数的なNATOの分断にはなってないのでは。
思えば、今年は地面の凍結が例年より遅れたり、アメリカからの解答を待ってみたり、中国の冬季五輪を理由にしてみたり、時間を稼いで、軍事力の集結だけで焦らして、注目を集められる今が1番プーチンは楽しいでしょうね。
実際に侵攻を決断するとなれば、リスクも覚悟せねばならないわけだし。
プーチンが楽しいかは置いて、
しかし開戦して、まず敗けはないだろうが、西側からどんな制裁を喰らうか
国際金融の決済停止とかやられたら、ロシア経済は相当な打撃を受ける、イランはその手口でヒイヒイ言ってるし
ガスエネルギーを絶たれた西側との我慢比べとか、お互いに肉を切らせて骨を断つの世界的大混乱は必至。
プーチンそこまでウクライナに固執するのかは判んない
>負けはないだろう
侵攻した場合に宇軍を短期的には粉砕しますでしょうし、キエフ自体を取ることも容易いとは思います。
ただ、宇を緩衝地帯として留め置くために親露政権を打ち立てるとなれば継続占領が必要になりますし、そうなれば別問題。
ウクライナ人の覚悟次第なとこもありますが、パルチザンやゲリラ戦のような消耗戦になると厄介なのは先のアフガンやチェチェンで通った道ですからね。
露がゴールを何処に設定するかですかね。
それと経済制裁に関しては、この前ルーブルの下落など確かに打撃を受けてはいるものの、WSJら辺の記事で、2014年の制裁を受けてから、露の経済体制はある程度は国内完結型になっているそうな。
西側としてプーチンへの決めうちの制裁案など模索しているのは、制裁できる対象が限られているとはそのためみたいですね。
国際金融の決済停止はインパクトありますが、これは独なんかが何色を示していたあたり、調整は必要そうですし。
やっぱ自国でエネルギーが出ると強みですね〜
僕も裏庭を掘ってみようかしら。
「自家発電」でエネルギーが生み出せればなぁ…
漫画喫茶の個室みたいな所で監視されてペースが落ちるとオッサンがスピーカーで注意してくる状態で発電になりそう。
プーチンのメッセージは単純で、NATOは、ロシア国土に接するNATO国家を新たに作るな。以上。かと思いますが。
ウクライナをNATO化しないなら、ロシア軍は意気揚々と撤退していくと思うけど。
逆にウクライナを完全に占領しちゃうと、ロシア国境が東欧NATO国家に接しちゃうので、それはそれでまずい。
ロシアの脅しからウクライナを助けたいなら、ウクライナへ軍隊を派遣しような。
NATO諸国は、ウクライナのNATO未加盟の要求を拒否したことで、ウクライナを見捨てたも同然。
現状、ロシア軍相手にウクライナへどれだけ兵器を送っても、焼け石に水。
兵器送った分だけ、双方の尊い若者の命が犠牲になるだけ。
結局、紛争後はロシアと話し合いで解決しなければならないんだから、
ドイツを批判するくらいなら、紛争前にもっと真剣にロシアと向き合えないのか。
NATO未加盟のウクライナを助ける義務はない。だがロシアの要求に従う必要がないからNATO加盟国はウクライナへの武器支援や東欧への部隊配備を行なって、要求に屈しないことアピールしてるんだよ。
だからウクライナに軍を直接派遣するとかしないとかの話じゃない。
東欧への部隊配備は理解できますが、ウクライナへの武器支援は、紛争を未然に防ぐ規模で行わない以上、いたずらに犠牲を増やすだけでは。
ウクライナ自身が要求した武器支援を「いたずらに犠牲者がでるだけ」と言うのは、いかにも平和がなんの犠牲の上に成り立っているのか理解してない人の良いそうなことだ
なんのリスクも無くなんの犠牲もなく平和が維持できると考えるのを平和ボケと言うのです
そして話し合いをすれば何でも解決できると考えるのも間違いです。話し合いで解決できない国のことを敵というのです
ウクライナになけなしの武器支援をすることが、どう平和に貢献するというのか。
本当に平和を維持したいなら、ウクライナを中立にするか、NATOに加盟させるか、または各国が個別に軍事同盟結ぶとか、やりようは色々あったはず。
個人的には、NATOはウクライナを捨て駒にしてるとしか見えない。
現在のNATOが、ロシアと戦争する覚悟がない組織である以上、ロシアとの共存を模索する(話し合い)しか道はないと思いますよ。
それは、紛争後ではなく、今からでもできることです。
ロシアに、アフガンとかで過去に経験した泥沼な状況を連想させ、侵攻を躊躇させたいのかも。>武器支援を通じてのウクライナの目論み
地形的にそれが可能なんですかね。
専門家じゃないから、よくわからない。
テロとかで、ロシア軍の出血を強いたら良いだけなので、地形関係なくやりようはあるかと。
ウクライナの人々がそこまでやるかは、別として。
既に専門家から、スティンガーやジャベリンのような短射程の歩兵が携行できる武器をいくら送っても殆ど意味がない(火砲や長射程のミサイルなどで一方的に遠距離から粉砕されるだけ)と指摘されているので、「ロシアには屈していないし、ウクライナも見捨てていない」という単なるポーズに過ぎず、本格的にロシアと争う気はないのでは。
正規戦は諦めてるのでしょね。
火砲やミサイルの長射程を無力化するには、敵方と同じ場所に紛れてゼロ距離化するのも良いかと。
>「ロシアには屈していないし、ウクライナも見捨てていない」という単なるポーズに過ぎず
自分のひっかかるところは、ここなんですよ。
ドイツの対応を批判されているけど、他のNATO諸国も実質的に意味のある支援はできていない。そういうところをみると、武器支援を行い正義面する国を、偽善者だと感じる。
前回のウクライナ問題のときは、メルケルはプーチンと16時間の会談を行ったけど、今のNATOはそれくらい真剣な議論を尽くしたのかと言いたいね。
ポーズに過ぎなくても、「ロシアには屈していないし、ウクライナも見捨てていない」というメッセージを伝える事が出来たら十分では?
意思とは真逆の方向に捉えられ、侵攻を後押しするよりは遥かに良いと思います。
為さぬ善より為す偽善、とも言いますし。
>為さぬ善より為す偽善
すごくしっくりきました。なるほど、勉強になります。
ただ、アメリカがウクライナのNATO未加盟の確約を与えれば済む話だと思うのに。アメリカ(民主党)がロシアに一切妥協しないところが、嘆かわしいです。
>ただ、アメリカがウクライナのNATO未加盟の確約を与えれば済む話だと思うのに。
ウクライナの主権を無視したら、ですね。
その上、ロシアが軍事的な恫喝からの要求なので、余計に飲めなくなったのだと思います。
ロシアの行動が裏目に出た感じかな。
我国に何が出きるのかな。
北方領土か。
そのそもチャコ(チェコスロバキア)はロシア(ソ連)だけではなくドイツ、オーストラリア=ハンガリー帝国etcに併合、占領されているからウクライナは緩衝地域であるし、過去のことを見れば切実ではあるわな。
この記事から日本の平和憲法や平和外交を揶揄したような印象を受けました。勇ましい言辞で相手国を刺激したり、相手の立場を考慮しない自国中心の軍事政策は決して平和に寄与しないと私は考えます。アメリカの国際社会での振る舞いが招いた今回のウクライナ危機を冷静に議論したいものです。
またかよ、そういうのはいらないから
構いなさるな。
こんな所に書き込む以上、軍事とか保守系政治界隈で市民って言葉の響きがどれだけ胡散臭い響きの言葉になってるか知らないってことも無いでしょう。要は釣りでしょ。
いい加減にしてくれる?勝手に市民を騙らないでもらいたいんだけど
これはウクライナやロシア関係の記事で、アメリカの単語なんてほぼ出てないのすら見えないの?
妄想語りなら一人でやってて、皆あなたにかまってるほど暇じゃないから
もうこの手の釣りに返すのやめよう。
釣りには無視が一番だよ。
>勇ましい言辞で相手国を刺激したり、相手の立場を考慮しない自国中心の軍事政策は決して平和に寄与しないと私は考えます。
これって、ロシアが現実に行っていることですよね?
それは別として、ドイツの不関与政策を国民の8割が支持しているという記事を読んだけど、他の欧州諸国の世論はどうなんだろう?
良くも悪くも民主主義国家では世論を完全に阻止はできないから、各国政府の対応に差が出るのだろうけど、ドイツ抜きでどこまで抑止力を提供できるのだろう?
なるほど
ロシアや中国のことですね!
こういうのって、主語を変えたらしっくりきますよね。
「この記事から」⇒「中国が」日本の平和憲法や平和外交を揶揄したような印象を受けました。「中国の」勇ましい言辞で相手国を刺激したり、相手の立場を考慮しない自国中心の軍事政策は決して平和に寄与しないと私は考えます。「アメリカの」⇒「中国の」国際社会での振る舞いが招いた「今回のウクライナ危機」⇒「領土紛争」を冷静に議論したいものです。
「ロシアと戦いたくないというドイツ政府の態度は敵前逃亡に等しい」とNATO諸国は思っているでしょう。軍隊にとって敵前逃亡は重罪です。1人の敵前逃亡者を不問に付したら敵前逃亡者が続々と発生し、軍事組織として機能しなくなるからです。
ということは、NATOが軍事組織として存続する為には、ドイツ政府を「敵前逃亡者」として厳しく処罰する必要があります。この度のドイツ政府の態度を不問に付したら、「敵前逃亡しても処罰されなかった」という悪しき前例を作ってしまうからです。
ゆえに、ドイツはNATOから厳しく処罰を受けるべきなのです。厳しい話かもしれませんが、これは軍事組織の掟なのです。
ウクライナはNATO加盟国ではない。以上
ゲルマン史上最弱のドイツと、ロシアにも中国にも屈しないチェコ。どうしてこうなったのか。慢心と環境の違い・・・
まあボヘミア(チェコ)が唯々諾々と強者に従ったことがあるのかって話なんですがね
旧東欧は腹括ってるなあ…
最も腹を括っているのはイギリスだと思います。二度とチェンバレンは出さない。融和策は結局は高くつくということだと思います。
シュルツは第二のチェンバレンとして歴史に残るでしょう。