ミュンヘン安全保障会議で代表を務めるヴォルフガング・イシンガー氏は30日、ノルド・ストリーム2やウクライナへの武器供与に関する問題への対処が不味かったため「ドイツはあらゆる相手からの信頼を失うか失いかねない状況に直面している」と警告した。
NATO加盟国がドイツに不信感を抱いてるのはロシアの要求に屈しない勇気を示すことであり、過去の実績をアピールしても場違いな気がする
欧米の安全保障会議の中で最も権威あるミュンヘン安全保障会議で代表を務めるヴォルフガング・イシンガー氏は「ノルド・ストリーム2やウクライナへの武器供与に関する問題への対処が不味かったため最近の国際報道におけるドイツの評価は恐ろしいほど怖いもので風評被害もすでに始まってる。このダメージを回復させるためには多くのことをしなければならない」と語った。
さらにイシンガー氏は「調停者としてのウクライナ紛争におけるドイツの役割を考えれば武器供与に一定の制限をかけるのは理にかなっているが、だからいって公の場で泥を塗られるようなことをしてはならない」と語り、エストニアがウクライナへ輸出しようとしている旧ソ連製の122mm榴弾砲「D-30」について「元々ドイツが輸出したものが輸出を許可するかしないかを我々が判断するのではなく、現在の保有国であるエストニアに決定権を委ねたほうが良い」と主張しているのが興味深い。
旧東ドイツ軍が所有していたD-30を入手した(ドイツ→フィンランド→)エストニアは、これをウクライナに転売するためドイツに許可をとる必要があるのだが、ショルツ政権はウクライナへの殺傷力のある武器輸出を躊躇してエストニアが要請している転売許可を拒否しており、こういった不器用な対応がドイツの評判を落としてるので「現在の保有国であるエストニアに決定権を委ねたほうが良い」と言っているのだ。
ただイシンガー氏は「ドイツがウクライナに対して広範な経済・財政援助を行い、紛争解決のために長年にわたり外交的関与を行ってきた」と主張してドイツに対する大半の批判はフェアではないと考えているが、このような努力を国際社会や国民にアピールすることを怠ったドイツ政府にも今回の問題の原因がある述べている。
果たして広範な経済・財政援助や外交的関与をもっとアピールできてきればドイツ批判が起こらなかったのかは謎だが、現在の状況でNATO加盟国がドイツに不信感を抱いてるのはロシアの要求に屈しない勇気を示すことであり、国際的な批判に晒されノルド・ストリーム2やウクライナへの武器供与という外交カードを最終的に切らされるのなら「自らの意志で最も効果的なタイミングで切れば批判を賞賛に変えることも出来たのではないか?」と感じるため、個人的にはショルツ政権の状況判断に大きな問題があるのではないかと感じてしまう。
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※アイキャッチ画像の出典:Steffen Hebestreit
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本当にドイツは失敗したな・・・。ドイツの影響力は2020年度で東欧を中心に米ロ中に次ぐ4番目だそうだが、ただでさえエネルギー問題でEUの主導権をフランスに取られそうになってるのに、これじゃ2021年度版の影響力ランキングはどうなるんだろうか?
上がってんじゃないすかね?
悪い方に。
ドイツはここ100年重要な選択を間違え続けてんな…何回世界大戦の引き金になってんだよ。
下手に転がれば第三次世界大戦ってレベルなのに、トラブルメーカーってレベルじゃねーぞ。
>「ドイツがウクライナに対して広範な経済・財政援助を行い、紛争解決のために長年にわたり外交的関与を行ってきた」
ドイツの政治力が欧州筆頭であり調停者としての役割を(それこそEU域外のウクライナにすら)長年果たしてきたという話は正しいと思います。ただ、ドイツがこの20年政治のフィールドでやってきた事の結果がウクライナの東西分断とロシアによる東欧割譲要求であり、これはドイツの政治的失敗が招いた結果だということを指摘したい。
加えて、政治的には欧州の筆頭であるドイツも軍事的にはポーランドや英仏、そして米国というより大きな決裁者に隠れる存在でしかなく、自分の失敗を自分の責任の範疇で治めることは既に許されない状況だということを正しく認識しているのかどうか疑問です。議論が政治の世界から軍事の世界に移行してすぐ、ロシアがドイツを無視して米国との直接交渉に臨んでいる事からも明らかですし、リーダーのはずの自分の頭越しに重要議題が交わされていることはドイツ人も気づいているとは思うのですが…。
欧州の名目上のリーダーとして長年この問題の責任者だったドイツと、台湾問題には最初から消極的姿勢で一貫している日本とでは全く同じではないですが、台湾有事に際して日本もほぼ同様の誹りをうけると思うと恐ろしいですね。
一昔前と比べると日本は台湾有事に積極的な気がするけどまだまだ取り組みは足りないか…
対中での岸田政権の腰の引けっぷりを考えると…。台湾有事の前に、次の政権に代わってないと、このままじゃ日本も同じ轍を踏みますよ。
そうなると、今度は日本も地元ですから、湾岸戦争の二の舞どころでは済まないかと。
>こういった不器用な対応がドイツの評判を落としてるので
あるドイツ人が言ってましたが、多くのドイツ人はルールと定められたものはよく守るそうです。
なぜなら、ルールだから。そこでルールの意味は考えないと。
杓子定規はある意味思考停止なので、最悪の場面で最悪の選択をしてしまうこともあるような。
ショルツ政権の決定がそういうことなのかはわかりませんが。
なんか、ドイツっぽいところでハマってる感じします。
またまた御冗談をって感じ
ルールを他人に強制するからルールにうるさい人種ってだけじゃんよ
しかも自分は抜け穴探したりルール変更して自身の利益を最大限にしようとする
自動車のディーゼル詐欺からのEV推進とか典型的でしょ
今回のこれだって現在の状況利用して自国の利益を最大化しようとしてるから顰蹙かってるんだよ
ウクライナ危機に対して日本は何が出来るのか
ドイツの事を貶してないで何かやらねば日本も助けて貰えないのでは
護衛艦隊をロシア領海手前まで持ってって演習するとか
ドイツを叩いてるのは日本じゃなくてNATO諸国なんですけど・・・
日本はNATOに加盟はしていないけど「グローバル・パートナー国」で無関係ではないよ
艦隊派遣なんて必要はないと思うけど、将来の日本の安全保障を考えると何もしないというわけにもいかないのでは?
日本も中国やロシアと対峙する上でNATO諸国の支援はほしいところだし。
現実的なところとしてはクリミア・東部紛争時みたいにロシアへ甘い顔をしない事でしょうか
北方領土問題あるにしてもうかつに交渉相手になるのも危険
まずは力による現状変更は認めないという一線を堅持してもらいたいですね
あとは言い方悪いけど今回のドイツを他山の石として今後の政策に生かしてもらいたいなぁと
日本はウラジオストク近海に1個護衛艦隊送って航行の自由作戦とかやったらいいと思う。この前、日本一周ツアーをしに来た相手への返礼にもなるしね。
国内からいたずらに軍事的緊張を高めると批判する人もいるだろうけど、何をやっても日本は手を出してこないと思われることの方が、安全保障上リスクがあると思う。
やるなら樺太一周じゃないかな?
艦隊規模はいらない
単艦で樺太一周するだけでも効果があると思う
どうやって間宮海峡通過するおつもりかな?
護衛艦隊ほどではないけれどC-2使って物資の輸送とかやってみては?
いざというときのルート確保もあるしアフガンでのドタバタを考えると今のうちに航空路線を空自に体験させておくのも良いのかと。
敵になっても味方になっても厄介な国ドイチェ
大戦で負け続けてるのは伊達ではないと。
ロシアは戦う力のある相手しか交渉相手として認めない。
日本が北方領土問題でずっと苦汁をなめてるのに対して、中国がウスリー河国境を有利に確定し得たのは、交渉のタイミングのみならず、60年代の大胆な軍事行動でロシアにその戦意を見せつけた経緯も反映されたはず。
ドイツが話し合いで解決を図ると言うならば、まず軍を動かして見せないとロシアは決して相手にしないって。
ノルド・ストリーム2:バルト海経由でのロシア・ドイツ「直結」の天然ガスのパイプラインです。 (従来のウクライナを通るパイプラインでは無い)
当然ながら、ノルド・ストリーム(無印)ってのもあって、2021年から稼働中
(以下のテレ東のガスの3本のパイプラン、ウクライナ経由、ベラルーシ経由、バルト海経由で)で、EUは天然ガスの30%をロシアからの供給に依存してるみたいね
リンク
(注意:後半のNAFTRO GAS ウクライナの国営企業 GDPの12.5%を占めるの渉外の女性の発言はウクライナを通らないパイプラインへの不満爆発なんど、それを考慮して見てね)
これ以外にギリシャ経由でのロシアの天然ガスのパイプラインって計画もあります。 ギリシャとトルコの紛争の理由としての大きな部分を占めます(トルコを迂回するルートを・・・って事で)
日本が自衛隊を使って北海道方面でロシアに牽制を仕掛けようとしたところでほとんど意味は無いと思う。
それどころか関特演の再来か、とロシア側に何らかの口実を与えかねない。
今後出来ることと言えば、仮にウクライナ侵攻が始まったらロシアとの外交交渉、経済協力の一切を停止して抗議の姿勢を見せるぐらいか。
北海道で大規模な上陸演習をするとか、航空演習をすれば、極東から動かす陸空の部隊を留め置かなきゃいけなくなるんで、意味のある行動はできるよ。もちろん実際にやるかどうかは、国益を踏まえた慎重な判断が必要だけど。
ただ、ロシアの場合必要があれば、でっち上げてもこじつけでも口実は設けるから、日本側が「口実を与える」ことは考慮の外だね。
とりあえず津軽海峡の特定海域を解消する所から始めてもらいたいですね
商船の通行を許す法律が軍艦の法律を黙認して良い法は無い
特定海域解除しても国際海峡になるだけだから余計自由に航行できるようになるだけと聞いた気がする。
(公海と同様の扱い)
それこそ意味がまるでない
何故なら、憲法上こちらから攻撃できないことになって上、専守防衛を公言してるわけだからロシアからすれば対策を打つに値しない。
EUとの軍事同盟があるわけでもない。
これが我が国の立場。
何か声明を出す、国連でアクションを起こす程度が精一杯。
嫌なら、改憲から始めましょう。
何にせよ、こちらから攻撃を仕掛ける自由のための改憲なんて誰が支持するんだよ
話の勢いに寄りかかりすぎて、まさに改憲反対派の心配することをズバリとやらかしそうだな
ウクライナ問題で日本から軍事行動など、いかにも話に無理がある
別に改憲するまでもない。
中国と一緒に艦隊を組んで日本を一周して威嚇した後だけに我が国にとって十分に防衛的行動だよ。そもそも、憲法に「こちらから攻撃をしてはならない」とも「専守防衛」と明記されているわけではないからねえ。
一方で、ロシアからすれば、日本の憲法やナイーブな解釈論議は知ったところではないから、何の安心材料にもならない。近場で演習されれば、意識せざるを得んし、対策を打たんわけにいかない。
まあ、本当にやるかどうかは状況によるが、選択肢ではあるね。
本当にそうだね。
確かに日本には先制攻撃できない縛りはあるけど、大規模な軍事演習を行うことにより軍事力を見せつけることは重要。
また、自身が「侵攻しない」と公言しているロシアだが、実際には侵攻するつもりなので、日本が「憲法上攻撃できない」といっても、信用できず、防衛力を強化しなければならないはず。
そういう心理戦を行うことは、外交上きわめて重要だと思う。これは現在の憲法上十分に行使できることだ。
事実、北朝鮮は日本軍備増強に以上に反応しているわけだし。
今回のクリミア事態が日本に示唆するところは大きいですね。
自国と経済的に繋がりの深い覇権主義国が手前勝手な勢力圏を主張して恫喝を行なった時に、地域の民主主義大国として如何に毅然とした対応を取れるか。
今のドイツに「まぁ天然ガス依存してるし、対露宥和でも仕方ないよね」と感じる人は殆ど居ない。
やはり軍事恫喝はどうあっても正当化出来ないし、それを黙過するのは無責任な行いと看做される。
日本も「その時」に備えて、ドイツみたいに選択肢が狭まらないよう色々手を打たないといけませんね…
何で欧州はチェンバレンというデカいクソが居たのに同じ轍を踏むんでしょうなぁ…
でも思うんですよね。他山の石って何よと
仮にですよ。軍事ブログに集う人がもっと防衛費増やせ、他山の石とせよ、という尤もらしい提言?をしていますよね。私もします←
これは悪い事ではないと思うんですが、現状色々このブログとかで議論を交わしてみたりヒートアップして長い枝を作ってみたところでヤフコメと大差ないわけです。煽っているのではないのです。
先人に質問させてください。
アフガニスタンの時の邦人保護の遅さにもやもやしたし、ウクライナの件でも改めてこの先の日本は大丈夫かという無力感を感じています。このまま行くと台湾有事までに間に合うとは到底思えません
政治家と懇意になる。政党に献金する。デモに参加してみる?金や暇を持て余した一部の人はそれで良いでしょう
皆さんはどういう折り合いをつけていますか。衆議院参議院地方議員を選んであとは放置が普通の市民の折り合いの付け方なのでしょうか?
記事自体に関係のない青臭いコメントでごめんなさい。管理人さんが不要だと思えば消してください
まずは一番コストかからない 投票に行く からでしょう
あとは気が向けば政治家の主張なりを調べて後援会なりに入るとかそれ経由で意見を出せばもっといいかもしれませんがまずは投票からかと
民間人に出来る事なんて選挙しかないよ。
少なくとも自分はこういうブログで選挙意識が上がって、投票先は選ぶようにはなったし。
そういった意味ではこういうブログで熱く談義するのはいいことだと思う。
軍事や国際問題に対して、一市民にできることなんて何もないと思うよ。
それらの本質は、利害関係で動いているんだから。
参考になるかわかりませんが、私は一昨年前のオーストラリア産のワインを中国が購入しなくなったときに、私は初めて購入してみました。対中で協力関係にある国を支援したいと思ったからです。
あなたが台湾有事を心配なさっているなら、中国製の不買運動をしたり、台湾製を購入してみてはどうでしょうか。
ただ、現実をみることも大事です。
この日本には台湾より中国との関係を重視したいと思う人や、軍事費より年金を増やして欲しいと思う人もいます。
アメリカ人も同様。戦争するお金を公的医療に使って欲しいと思う人もいる。
なので、このような軍事サイトばかりに偏らず、他のことにも興味を持って、バランスをとることをお勧めしますよ。
出来ることは後募金くらいかな。アフガニスタンで寄付したけど。これからウクライナは国体と悠久の大義の為本土決戦を行うから金はいくらあっても足りない。
募金は本当に必要としている人に届いているのかわからないから、あまり信用してません。。。
あなたが目前の困ってる他人にお金を渡せるならば、それでいいですけど。
税金は有効に使われなくても納めてるけどな(笑)
自分が正しいと思ったことを、自分の出来る範囲ですればいいんですよ。
自分は使途が明瞭な寄附はやってるんですよ。国境なき医師団に。
理由は、紛争はなくならないし、その結果、犠牲になるのは一般市民だから。
そういう人を助けられればと思ってね。
寄付金控除が使えるから、日本に納税するよりは、有意義に使われていると思うねw
酷いことを言いますが、世の中なるようにしかならないので、自分に何もできないと分かっているなら普段通りの日常を過ごしてください。変な使命感やメサイアコンプレックスをこじらせるだけ時間の無駄です。
あくまで自分で関与なり何かしたいのなら、官僚や自衛隊の幹部を目指すか、青年海外協力隊などに参加してはいかがでしょうか。他人に迷惑をかけない範囲なら誰も止めないどころか、賞賛されるでしょう。願った結果が伴うかは分かりませんが。
ドイツ国民の大半がウクライナは見捨てろって言ってるんで無理でしょう
国民世論に楯突いて、ウクライナ支援をしたら、ただでさえ不安定な現政権が倒れかねない
ま、メルケル時代から、人間の命よりCO2削減の方が大事だと国民を啓蒙してきた政府がわるいんだけども
ドイツ人は極端ですからねえ。NATO脱退して堂々とロシア側に付く!って逆ギレしても過去の世界大戦的におかしくないかと
今のドイツは、金の切れ目が縁の切れ目、くらいの影響力しか無いのかもね。