欧州関連

キプロス、トルコに対抗するためイスラエルからアイアンドームを導入

ギリシャのKathimerini紙は19日、トルコのUAVに対抗するためキプロスがアイアンドーム導入でイスラエルと合意したと報じている。

参考:Έπεσαν οι υπογραφές για την αγορά τις ισραηλινής ασπίδας

果たしてトルコはギリシャやキプロスの動きにどう対抗するつもりなのだろうか?

トルコと「東地中海のEEZ問題」や「エーゲ海の領海問題」で対立するギリシャはトルコ製UAVの脅威を危惧、イスラエルの協力を得て着々とエーゲ海の島々にカウンター・ドローンシステムを張り巡らせている最中だが、ギリシャのKathimerini紙は19日「キプロスがイスラエルとアイアンドーム導入で合意した」と報じて注目を集めている。

出典:Israel Defense Forces

アイアンドームは元々ロケット弾や砲弾類を迎撃するためのものだが、低空を飛行する無人機や巡航ミサイルに対する迎撃能力も限定的に有しており、ラファエルはソフトウェアのアップグレードで「限定的な能力を完全対応させた」と2021年3月に発表、模擬テストでもアイアンドームは巡航ミサイル、無人機、複数のロケット弾による同着攻撃を全て迎撃することに成功しているため「トルコ製UAVの脅威に対抗するのに最適なシステムだ」とKathimerini紙は指摘している。

因みにギリシャは「F-16Vをトルコに売らないでほしい」と米国に要請する一方でラファールやF-35Aの導入を着々と進めているため、戦闘機戦力の近代化で差がつき始めたトルコは得意のUAVやUCAVに活路を見出すしかなく、今月17日に国交正常化で合意したばかりのイスラエルが「キプロスにアイアンドームを売る」という知らせにトルコは驚いているだろう。

出典:Baykar バイラクタルAkinci

果たしてトルコはギリシャやキプロスの動きにどう対抗するつもりなのだろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:Photo by David Huskey Iron Dome

日本、極超音速ミサイル対策としてレーダーの能力強化や早期警戒機を新規取得前のページ

三菱電機がエジプトとレーダー輸出について協議中、ネックは米国の承認か次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    EU代表、ウクライナに砲弾を送るためには備蓄分を解放するしかない

    EU外務・安全保障政策上級代表のボレル氏は「ロシアの攻勢に対応するため…

  2. 欧州関連

    撤退準備? ロシア軍司令部がヘルソンからドニエプル川を渡り逃げ出す

    ウィークポイントだったドニエプル川に掛かる橋をHIMARSで破壊された…

  3. 欧州関連

    搭載するF-35Bの調達は? イタリア海軍の軽空母「カヴール」でF-35B受け入れ準備完了

    イタリア海軍は今月6日、近代改修が無事完了した軽空母「カヴール (C5…

  4. 欧州関連

    振動と騒音問題で調達中止もあり得る英戦闘車両、300輌近い車体が完成済みで製造も継続中

    振動と騒音問題でテストが中断されプログラム自体の中止もあり得る英陸軍の…

  5. 欧州関連

    極東展開は2年ぶり、英空軍がタイフーンを今年10月に東南アジアへ派遣

    空母クイーン・エリザベスを中心とする空母打撃群をインド太平洋地域に派遣…

  6. 欧州関連

    ウクライナで防空アプリが登場、ロシア軍の攻撃を防ぐ戦いに市民も参加

    ウクライナではロシア軍の巡航ミサイルや無人航空機の位置を軍に通報できる…

コメント

    • 名無し
    • 2022年 8月 22日

    F-16Vで

    • 名無し2
    • 2022年 8月 22日

    F-35にアイアンドームまで手に入るギリシャがまるで自由民主主義の要衝みたいなポジションになっていますね

    3
    • L
    • 2022年 8月 22日

    しかしNATOは最終的にはトルコの味方するのであった

    4
    • 無無
    • 2022年 8月 23日

    我々が口出しする余地のないキプロス問題
    今や誰が悪いのかを論じるのも疲れるが、これも英国という名のエゴイズムの負の遺産であるのは間違いない、荒らしてから逃げやがって

    3
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  2. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  3. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  4. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  5. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
PAGE TOP