三菱電機がエジプトに売り込み中のレーダーシステムは「ライセンス契約や技術移転について協議中」と報じられているが、この取引を実現するためには米国の承認が必要らしい。
参考:Egypt: Mitsubishi Electric, and radars ToT
エジプトのレーダー調達案件で日本と韓国が競合しているのかは不明
MENA地域における防衛市場の分析を行うTactical Reportは「特注の防空用レーダー調達についてエジプトと日本が交渉を行なっている」と4月に報告していたが、Tactical Reportは再び「エジプト軍需生産省と三菱電機はレーダーシステムを現地生産するためのライセンス契約や技術移転について協議中だ」と報じており、興味深いのは「交渉中のレーダーシステムは米国の設計に基いている」と付け加えてる点だろう。

出典:public domain JTPS-P14(エジプトに提案しているレーダーという意味ではない)
Tactical Reportは「三菱電機がエジプトとの交渉を進めるには米国から承認を取り付ける必要がある」と指摘しており、米国の承認がなければエジプトへの売り込みは「これ以上進展しない」という意味かもしれない。
ただエジプトは韓国航空宇宙産業とも技術移転を伴うレーダー購入を協議中で「同じレーダー調達案件」で日本と韓国が競合しているのかは不明だ。
因みにアラブ首長国連邦(UAE)も幾つかの分野で日本との防衛協力を強化しようとしており、特に防空システム製造に関わる高度な技術や知識の恩恵を受けたいらしい。
関連記事:エジプトとクウェートの防空レーダー需要、日本企業が売り込み中か
※アイキャッチ画像の出典:J/FPS-3警戒監視レーダー(エジプトに提案しているレーダーという意味ではない)
J/FPS-3がアメリカによる設計に基づくものという話はどこから来たのだろうか?
FPS3の米国ライセンスというのはハードウェアではなく、データリンクのプロトコル関連・・・つまりソフトウェア部分じゃないかと。
一応、FPS3は世界初の地上AESAレーダーですので。
空自のJADGEもそうですが、西側のデータリンクシステムは米海軍の海軍戦術情報システム(NTDS)が始まりはベースです。
JADGEがE2C/D、ペトリオット、イージス艦、E767と問題なく連接できるのは、共通規格があるからですしFPS3も当然これに準拠しているでしょう。
で、エジプトに戻りますが、
完成品はF16C/Dやラファール、PAC3対応ペトリオットやIRIS-Tなど色々輸入しています。
ですので、恐らくFPS3の完成品輸入というだけなら然程問題にならないと思います。
ただ、エジプトは西側でもなく東側でもないという国なので、ライセンス生産となるとIFFの統合作業などでかなり厳しい審査が入るでしょう。
正直、兵器輸出初心者のはずの三菱重工の営業さん・・・とりあえず契約取れと、暴走してるような気がします。
失礼、三菱重工でなく三菱電機でした。
>兵器輸出初心者のはずの三菱重工の営業さん
日本の総合商社をなめたらあかんでぇ。
生き馬の目を抜くと言われている海千山千のマフィアがゴロゴロいる海外市場で、百年以上の商売の経験があるから対応力はあるでしょ。
問題があるとすれば、最近はコンプライアンスによる縛り・監視が強くて昔ほど無茶な対応ができないことかな。
商社が間に入っているのですか?
三菱商事とか?
フィリピンの案件は三菱電機の直受注ですよね?
設計というより、アメリカ企業の特許技術を使っているんじゃないだろうか。
あとあるとしたら、GaAsやらGaNといったレーダーを照射・受信するための半導体素子の加工技術あたりですかね。半導体周りの技術はアメリカががっちり抑えているうえに、製品だけでなく製品を制作するのにアメリカの技術を用いていた場合、アメリカの承認なしじゃ輸出できないですからね。
そう言えばフィリピンと契約した分のレーダーはもう納品されたのか?
2020年のDSEIでは、2022年中に納品される見込みと言っていたので、あと4か月以内かな。
年末の防衛装備移転三原則の改定が待ち遠しいですね。
攻撃型も輸出出来るようになれば、防衛産業の希望が見えます。
次期戦闘機についても複数報道がありましたし、次期英国首相次第ではありますが、第三国への輸出も夢ではないでしょう。
開発成功が前提ではありますが、第六世代機の候補としては独占状態になるやもしれません。
実際に輸出が上手くいくかはともかく法的な縛りが無くなるのは待ち遠しいですね。後は国民の兵器産業に対する関心具合でしょうか。
先端技術を出すな云々言ってても、日本以外から同レベルの製品を入手し、やがては国産化に進みますよ。
エジプトのみならずアラブの有力国はみなその方向ですから、いま出し惜しみしても利益を失い、やがては共同開発や技術供与のチャンスまで失ってしまうだけ
与えた技術より更に優れた技術を開発していく気概がないのならば、やがてこの国は衰退していくだけ
がんばらなきゃ
いや、日本は防衛装備の技術供与はするべきではありません。完成品だけで行くべきです。
理由は、今のところ日本が描いてる世界地図が無いからです。
防衛に関わる技術支援や兵器支援をするのであれば、それの供与と引き換えに日本が描く世界地図に賛同してもらう必要があります。
故安倍元総理がQUADなどの絵を描けましたが岸田総理は新しい資本主義とか第一次安倍政権当時の安倍ちゃん並みに抽象的な事しか言っておらず、ましてや日本が描きたい世界地図なんか持ってません。
今も安倍ちゃんが総理大臣で、QUADにインドが本格的に肩入れしてくれるのと引き換えにレーダーの製造技術供与を与えるのは有用な技術供与でしょう。
でも中東・アフリカには汗かいて欲しいものは少なくとも岸田総理には無いでしょう。
中東に技術ばら撒く代わりに中東に汗をかいてもらいたい事が無ければ、無駄に技術をばら撒いてるだけです。
他国に本当に日本のレーダーと同性能の代替が容易く見つかるのであればそれを入手すれば?のスタンスで良いと思います。
もしそこまでのものが中東は入手できないのであれば、少なくとも技術を渡さない事で技術開発が遅れる、また技術を渡せばどうせそこから第三国に技術は流出しますから、世界中の技術が高度化して回りまわって日本の安全保障が脅かされる事もありません。
そんな風に渋ってるから、企業が撤退する。
技術基盤を無駄なプライドのせいで吹っ飛ばして、何の意味があるのか。
流出云々言ってるが、技術が廃れるリスクの大きさを考えれば、どちらを取るべきかすぐに分かる。
大事なことは技術を秘匿するのではなく、最先端技術を維持できるだけの研究費と利益を技術移転等で得る事。
どんな技術も資金がないと維持できない。
もし日本が突出した技術を持っていて、他国は頭を下げて欲しがるだろう等の夢を見ているなら、今すぐ目を覚ました方がいい。
万が一ガラパゴス技術を未来永劫維持しつつ、税金を湯水のように注ぎ込まない方法を知っているなら、是非ともご教授願いたい。
世界地図なんて描けるほど日本の立場は強くないっていう現実の認識から始めてください
金をばらまけた経済大国時代意識を棄ててね、現状ですでに日本の安全保障は脅かされてるし、仮想敵国は日本から直接情報を盗んでる状況なのに、何をいまさらと笑う