欧州関連

ウクライナ向け砲弾の域外調達に取り組むチェコ、18万発分の契約を締結

チェコのフィアラ首相は先月8日「第1バッチ(砲弾30万発)購入に十分な資金が集まった」と述べていたが、 Financial Timesに寄稿した記事の中で「これまでに砲弾18万発の契約を締結した」「これは数ヶ月以内にウクライナの前線に届けられる」と明かした。

参考:How to fill Ukraine’s ammunition gap

少なくとも砲弾18万発は夏頃までにウクライナに届くだろう

チェコのパベル大統領はミュンヘン安全保障会議で「購入可能な155mm砲弾50万発と122mm砲弾30万発を発見した」「米国、ドイツ、スウェーデンなどのパートナーから資金が得られれば数週間以内にウクライナへ届けられる可能性がある」と言及、これまでカナダ、英国、ドイツ、フランス、ポルトガル、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ベルギー、ノルウェー、フィンランド、ラトビア、リトアニアなどが資金提供を表明したが、実際には20近い国がチェコの取り組みを支援しているらしい。

出典:Petr Pavel

フィアラ首相も先月8日「第1バッチ=砲弾30万を購入するのに十分な資金が集まった」と述べていたが、 Financial Timesに寄稿した記事の中で「これまでに砲弾18万発の契約を締結した」「この砲弾は数ヶ月以内にウクライナの前線に届けられる予定だ」「取り組みを開始した初期段階でデンマークとオランダの強力な支援がなければ、これほど有望な数字を達成することができなかった」と明かし、欧州以外からの砲弾調達に向けた動きが「実際の契約に結びついている」と初めて確認された。

因みにフィアラ首相は「過去2年間にチェコは100万発を超える大口径弾薬をウクライナに供給してきた」「大砲の砲弾は国際市場で豊富に出回っている」「チェコの取り組みは欧州が十分な弾薬を生産できるようになるまでのもの」とも述べている。

出典:U.S. Army Photo by Cpl. Geordan J. Tyquiengco, Operations Group, National Training Center

砲弾80万発の購入資金がどこまで集まっているのか、追加購入が可能な砲弾70万発の購入資金はどうなっているのか、どの国の企業(独メディアは韓国、南アフリカ、トルコと報じている)と交渉しているのかなど伏せられている情報が多いので何とも言えないが、少なくとも砲弾18万発は夏頃までにウクライナに届くだろう。

関連記事:チェコの取り組みが勢いを増す、ウクライナへの砲弾供給は国際市場に拡大
関連記事:チェコ大統領、ウクライナのため砲弾80万発を購入する資金が集まった
関連記事:ウクライナ軍が直面する砲弾不足の原因、問題は何処に潜んでいるのか
関連記事:欧州企業が供給する155mm砲弾の価格、侵攻前とほぼ変わらない

 

※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

    • あばばばば
    • 2024年 4月 16日

    ウクライナがこの先の数か月耐えられるか問題と、弾を打ち出す大砲(本体と砲身含めたメンテナンス部品)が残っているのか問題と、大砲を操作する技能を持った兵士が残っているのか問題

    大砲の方はフランス製がまだサポートが充実していることしか覚えてない(数か月先でも戦時対応にはまだなってない気がする)

    8
      • たむごん
      • 2024年 4月 16日

      メンテナンスは、仰る通り重要な問題と思います。
      自走砲など、西側装備の車輛が関わるものは、ポーランドやリトアニアまで輸送する必要がありそうですからね。

      交換部品など、ロジスティクスがどうなっているか気になる所です。

      (2024.01.24 ウクライナ軍のレオパルト2戦車が「絶滅」の危機 部品不足で修理進まず Forbes Japan)

      6
    • たむごん
    • 2024年 4月 16日

    追加の砲弾が届き始めるのは、朗報ですね。

    ウクライナ軍の防衛は、砲弾の備蓄残量、使用可能な量があるのかが夏までは気になりますね。

    ロシア軍が、CASを始めていますから(空から爆撃もある)、対抗して打ち返す量を増やす必要があるのも厳しい所です。

    14
    • 名無し
    • 2024年 4月 16日

    あまりにも心許ない砲弾の数
    かつて産業革命の権化たる製造業で世界の覇権を握った西側が揃いも揃って砲弾も満足に製造出来なくなるとは
    金融中心の経済圏が実体経済に屈する可能性が?

    24
      • たむごん
      • 2024年 4月 16日

      20世紀中盤までの軍事力の面影、ヨーロッパは仰るように、何も感じませんね。

      日本も、弱いヨーロッパを当てにしない方が、現実的かなあと。

      独仏は、中国への接近も、相変わらず続けているわけですから。

      (2023年4月11日 仏大統領の台湾発言が波紋 「我々の危機ではない」 産経新聞)
      (2024年4月16日 ショルツ独首相が習主席と会談…貿易全般は関係推進、習主席は「包囲網」切り崩し狙う 読売新聞)

      14
      • Whiskey Dick
      • 2024年 4月 16日

      西側の軍事ドクトリンは航空戦力重視でソ連-ロシアほどは大砲を重視していない。しかも21世紀初頭の対テロ戦争では大砲に活躍の場は無かった。こんな状況だった西側諸国に大砲と砲弾を大量生産しろというのは無理な話だ。
      ロシア相手に砲撃戦で勝てないのなら西側の得意分野である戦闘機をさっさと寄越せという話だが、戦争初年では供与すら拒否し、2年目の反転攻勢が失敗して初めて供与を認めたが、今も戦場に届く気配がしない。
      もし3年目の2024年に戦闘機による反転攻勢を行いボロ負けするようならば、「航空戦力は高度に発展した対空火器に勝てない」という最悪な事実を突き付けられることになる。

      9
        • 名無し
        • 2024年 4月 16日

        砲弾を挙げたのは飽くまで軍事における製造業の象徴として出しただけです
        とにかく生産能力が悲惨なまでに欠如している状態を嘆いている訳です

        6
          • Whiskey Dick
          • 2024年 4月 16日

          投稿を批判するつもりは無かったので申し訳ないです。
          需要の突発的な増大は実に厄介なもので、突発的な需要は突発的に終わるので長期的投資が難しい。
          コロナ禍のマスク、大阪万博の建設労働者、そしてウクライナの砲弾問題、事が済んだら全てが用済みになる。

          10
    • D-day
    • 2024年 4月 16日

    18万発なら6000×30日分、ロシアと同じ10000撃つなら18日分でとても足りたものではない。
    ウクライナの製造能力が電力不足でかなり落ちているならばこれに頼るしかないが割高で買う以上は資金もすぐ尽きてしまうだろう。
    焼け石に水状態だと思う。

    17
    • ホテルラウンジ
    • 2024年 4月 16日

    今ウクライナは砲弾が無い、対空ミサイルが無い、人が居ないの二重苦で今後の見通しが絶望的になっていますが
    気になるのは4月からロイターで立て続けに和平案に対して前向きな姿勢がロシアから出ているニュースが出てきていることですね。
    リンク
    リンク
    ゼレンスキーが飲める内容ではないのは事実ですが、内容的には2022年の内容、すなわち東部4州とクリミアをウクライナが諦めたら停戦しますよというもの
    このニュースがロイター(イギリス)の妄想ニュースではなく、それなりにしっかりした出元から来てるニュースであればの話ですが
    そもそもこの戦争はウクライナという国そのものを平定する目的で全面侵攻を行っており、そしてウクライナに弾も人もおらずロシア側が押っせ押せでいよいよ全面勝利に向かうフェーズに入っていく流れにも関わらず、ウクライナ側の戦線すら崩壊していない今の段階でロシア側からこういう和平への秋波が出ているのは
    ロシア側はウクライナの困窮は今だけであり、早晩米国の支援は復活する、又は、EUだけの支援でも今後は十分な支援に成長していく事になるだろうというロシアから見ると悲観的な見通しを持っているんでしょうね。
    だから今がロシア側の優勢のピークと踏んで利益確定に動いていると見た場合、
    ロシア側は砲弾生産量が戦時経済で年数百万発+北朝鮮からも入ってくるよ&スーパーには沢山商品が並んでおり、経済も痛んでないよという情報が出ていましたが、ロシア側も実は懐事情が限界に達してきてる、少なくとも西側の支援が復活したらもう対抗できる体力が残ってないという風な解釈を個人的に先走りしてときめいてしまいます。
    交渉を有利に進める前には交渉前に一発相手にかましてから臨むというのは外交のセオリーとしてありますが、今のロシアの攻勢はもうウクライナを平定する未来が無いと自身で分かっているにも関わらず無理矢理押してるんですかねえ(期待)
    勿論、このニュースが音も葉も無いニュースであろうと無かろうと実際に西側の支援が今後太くなっていく必要がありますので、今回の支援弾薬数は少ないですがアメリカ抜きでもウクライナが戦えるレベルで支援を積み上げていくニュースが沢山見れるよになるようにと思います

    10
      • Easy
      • 2024年 4月 16日

      実際問題、戦争を終わらせるのは非常に難しいことをプーチン氏は理解していますので、割と穏便なところで妥協できるんですよ。西側のイメージとは逆なんですね。なので弱腰プーチンとして国内右派からしょっちゅう攻撃されていたりします。
      実は真の問題はゼレンスキー氏の方で、彼は狂信的に全く妥協する気がないので、文字通りウクライナが地上から消え去るまで戦い続けることでしょう。

      21
        • 名無し
        • 2024年 4月 16日

        何だかんだ歴戦の優秀な政治家だよプーチンは…ロシア連邦大統領の肩書きは伊達じゃない
        諜報畑の出身でもあるから情報にも強いだろうし

        ゼレンスキーは俳優仕込みのドラマチックな演出と訴えで支援を取り付けた。対してプーチンは冷徹な政治家として淡々と状況(と戦線)を整理させてここまで持って来た。この戦争は指導者双方の得意分野で殴り合ってる。

        16
          • gobu
          • 2024年 4月 16日

          その歴戦の古強者プーチン相手に
          もと芸人のゼレは大劣勢の中よく戦っていると私は評価したい
          ここの住人はゼレこき下ろす人多いけど……

          プーチンは秋田犬もらって喜んでる姿はわりと好きだったよ
          平和はもろいね

          17
            • 名無し
            • 2024年 4月 16日

            プーチンは秋田犬はしっかり可愛がっているだろうし空手を通して日本文化への理解やリスペクトはあるだろう
            ただそれらの要素はロシア連邦大統領としての姿勢には大きく影響しないだけで

            ゼレンスキーは一躍世界のヒーローのように扱われていたけど時を経て現在の強権的かつ狂犬的なウクライナの外交姿勢で落胆なり嫌悪を覚えた人が多いように感じる

            10
              • 例のアレ
              • 2024年 4月 16日

              まぁ、侵攻前はクリミア危機にも目を瞑るくらい日露友好のムードだったからね
              安倍元首相は中国に対抗するためにロシアと組もうとしたのかもしれないけど結局裏目に出たね

              5
      • 犬の〆
      • 2024年 4月 17日

      ロシア側から和平についての情報が漏れてくるのは、私の考えではNATO諸国やアメリカへの揺さぶりだと思います。
      ウクライナの継戦を強行に推し進める予算案に対して、ご存知のようにいくつかの加盟国からは不満の声が出ています。そうした国やウクライナ支援に反対している各国政党に対して、揺さぶりをかけるためのメッセージだと理解しています。つまり「ロシアは平和を望んでいる。なのに戦争を継続する理由は(ウクライナにはあっても)欧州や米国にはないだろう?」と。

      この戦争に際して、ロシアは色々なミスをしていますが、ことプーチンに関しては、それらの犠牲も目的のために許容できる程度にしか考えておらず、今もそのロードマップに変更や譲歩はないと思います。自分の息の続く間に成し遂げたい何かがあるんでしょうね。しらんけど。(たぶん習近平も同じ)

      1
      • 2024年 4月 17日

      >>西側の支援が今後太くなっていく必要がありますので

      色々ときたいをしているようですがこの1点だけは間違いなく先細りする要素しか無い。
      フォーブスの記事や乗りものニュースじゃあるまいし1年間ウクライナが踏ん張ればロシア戦車が枯渇して勝機が見えて来るはずがない。
      それは全ての劣勢から目を瞑った祈りに近い現実逃避でありその事はザルジニーが説明している。

      2
    • M 
    • 2024年 4月 16日

    これだけバラバラのところからかき集めたらNATO規格なのに砲と合わなくて現場が大混乱になりそう

    5
      • 名無し
      • 2024年 4月 16日

      オプションマシマシにした結果同規格なのに使えない可能性があるってどこかで聞いた(ソースは無い)

      1
        • あるまじろ
        • 2024年 4月 16日

        乗り物ニュースで出てるよ、その記事。
        流石に揃えるでしょ。
        それか、これから生産するなら、カスタムできるでしょ。

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