デンマークのフレデリクセン首相が「ウクライナへ武器や装備品を供与する準備は出来ている」と表明して注目を集めている。
参考:Denmark announces readiness to provide Ukraine with weapons and military equipment
参考:Statsministeren er klar til at støtte Ukraine med militært udstyr
参考:France to send troops to Romania amid fears of Russian invasion of Ukraine
NATOが進める東欧諸国への戦力追加配備はウクライナ救援に投入されるという意味ではなく、プーチンの言いなりにはならないという決意表明に近い
デンマークのフレデリクセン首相は30日、ロシア軍の侵攻リスクに晒されるウクライナに武器を供与する準備は出来ているのかという質問に対し「私は(ウクライナにデンマーク軍が保有する武器を送ることについて)除外するつもりなく、私たちがそうすることに大きな反対はない」と語ったが、デンマーク軍を直接ウクライナに派遣する可能性については明言を避けている。

出典:Public Domain アイヴァー・ヒュイトフェルト級フリゲート
現地メディアによればフレデリクセン首相が率いる与党の社会民主党に加え、最大野党の左翼党(実際の立場は中道右派)や急進派もウクライナへの武器供与には賛成の立場を表明しており、すでにロシアが懸念を表明しているバルト海へのフリゲート艦派遣やロシアと国境を接しているリトアニアへのF-16派遣を実施しているので、ウクライナへの武器供与に踏み切るのは時間の問題だとの見方が強い。
さらにパルリ国防相も29日、NATOが進める東欧諸国への追加配備について「ロシア軍の侵攻リスクに晒されるウクライナと国境を接するルーマニアへ数百人規模のフランス軍派遣計画がある」と発表しており、続々とNATO加盟国はプーチンの要求を拒否する姿勢を鮮明にしている。

出典:Mighty.Germany / CC BY-SA 4.0
因みにNATOが進める東欧諸国への戦力追加配備はロシア軍がウクライナを侵攻した際に動かす=ウクライナ救援に投入されるという意味ではなく、ロシアが要求する「1997年5月時点で駐留していた国以外に追加で兵力や装備を駐留させない=NATOに加盟した東欧13ヶ国からの戦力引き上げ」をNATOは受け入れないという態度を明確にするため派遣されており、これに加わると発表する国は事実上「プーチンの言いなりにはならない」と表明するようなものだ。
余談だがウクライナ軍を指導するため200名の兵士を派遣しているカナダのアナンド国防相は30日、ロシア軍によるウクライナ侵攻の可能性が高まっていることを受けて「ウクライナ全土に分散していた200名のカナダ軍兵士を侵攻リスクの低い地域(ドニエプル川を挟んだ西側)に後退させた」と発表、さらにキエフを拠点に活動するカナダ大使館関係者にも国外脱出の指示が30日に下っており、西側諸国関係者のウクライナ脱出は徐々に加速し始めた=ロシア軍による侵攻リスクが高まっていると言っても過言ではない。
果たしてロシアと欧米の外交交渉は今後も継続されるのだろうか?それとも欧米の回答に見切りをつけプーチンはウクライナ侵攻を決断しているのだろうか?
関連記事:ロシアに屈しないチェコ、東欧諸国への自国軍派遣とウクライナ追加支援を検討
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain
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ロシアとウクライナ双方に落とし所があるなら、アゾフ海沿岸部を除くドネツク人民共和国の承認ってところかな。
ロシアはクリミアを手に入れた以上はドニエプル川の近辺まで手に入れたいだろうから、今後もウクライナのNATO加盟の妨害と軍事的圧力は続くだろうけども。
もう二月だし望みは薄いと思う。ウクライナ政府も自称有識者達も本土決戦したくて堪らないみたいだし諦めてやるしかないね。人口の10%400万人死ねば降伏するでしょ。まあ全面核戦争より死者は1/2000で済む。このままNATOの直接介入さえ無ければ唯の悲劇で終わる。
それまったく落とし所になってないやん
ウクライナだけに犠牲を求めてるだけ
WW2前の領土切り売りされたポーランドと同じ轍を踏むことになる
まあここで折れたら今度は他の東欧諸国からもNATO撤退しろとプーチンがレート上げるだけでしょうからね
実際大使館脱出はもうほぼ合図だよな…
去年も全く同じ光景をどこかで見たわ…
二つ目の振り落とされた光景が再現されないことを切に願うばかり
これはロシアに対してと同時に、ドイツに対する強いメッセージだよね、ロシアの直接の対象には含まれないだろうのデンマークすら派兵しますよ、と
同時に外と内の2ヶ国相手にしないとならんとは、NATOも大変だ(笑)
まさに獅子身中の虫
ドイツとロシア人が完全に手を組むと2回とも東欧北欧は酷い目にあってますからねえ。今度こそ自重するとドイツ人を過大評価したのは不明でした
ついでに一言。
あまり知られていないけど、デンマークは大戦末期にバルト海中央に位置する領有島をソ連に占領されてる。名目は島を占領していたドイツ軍の排除だが、全域がドイツに占領されていたデンマークはソ連と直接の戦争状態にあったとは言えないのに、大戦終了後もソ連軍は島に居座って返還を拒んだ。
戦略的理由から島を奪い取るつもりなのは明白だったが、ソ連のやり方は国際法的にも無理があるし、デンマークは苦労しつつ交渉して島を取り戻した。
デンマークにはその記憶が残ってますね、ロシアは自分の都合で奪う国なんだと。
今は人権大国を演じていても、やっぱり加害者だったドイツはそういうとこに鈍感ですね
だってドイツにはバルト海中にあるガスパイプラインがあるおかげで、直接ロシアからガスを調達することもできるし…
マジでドイツもその国民も他国の紛争や侵略は他人事
どーでもいいことと思ってる
ここまでドイツの対ロシア対応が悪いとそのう国籍不明の部隊による攻撃でドイツ-ロシア間の海底ガスパイプラインが破壊されてもおかしくなさそう
耐圧殻に入れたC4爆弾でも使えば身バレもせず効果も十分だろうし
>ロシア軍による侵攻リスクが高まっていると言っても過言ではない。
こりゃあまり楽観できなくなってきてるね。
ところでウクライナってトルコとUAVのエンジンで何かやってなかったっけ?
戦闘が起こったら実戦経験済みのトルコのUAVがどれだけ活躍できるんだろう。
無責任ながら興味があるね。
コロナで忙しいのに、余計なことするな!
というか、ロシア軍では流行っていないのか?
反ワクチンだらけだかは一杯いそうだけどねぇ
対米工作(西側ワクチンに対するネガキャン)が、まさかの自国民のワクチン不審として返ってくるとはね